Aiロボティクスの株価はなぜ上がる?Yunth・M&A・高成長を解説

Aiロボティクス(247A)は、スキンケアブランド「Yunth(ユンス)」や美容家電ブランド「Brighte(ブライト)」などを展開する成長企業です。社名からAIやロボットを開発する企業を想像しやすいものの、実際には独自AIシステム「SELL」を商品開発やマーケティングに活用し、美容ブランドを育成するビジネスを中心としています。

2026年8月14日に発表した2027年3月期第1四半期決算では営業赤字となったにもかかわらず、翌営業日の8月17日には株価が前営業日終値866円から一時1,016円まで上昇し、ストップ高水準まで買われました。赤字決算だけを見ると意外な値動きですが、市場では赤字の中身や6月単月の黒字化、店頭卸への構造転換、BJC買収後の成長などが重視されたと考えられます。

ここでは、直近の株価上昇につながった材料を整理したうえで、Yunthの店頭展開、BJCとのシナジー、AI「SELL」を使った商品開発、業績計画など、中長期で株価を支える成長要因を確認します。

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目次

Aiロボティクスの株価が上がっている理由

Aiロボティクスの株価が上がっている理由

直近の株価上昇で特に重要なのは、1Qの営業赤字そのものではなく、赤字が店頭卸への構造転換に伴う先行コストであり、6月単月ではすでに黒字化していた点です。加えて、通期業績予想が据え置かれ、BrighteやBJCが高い売上進捗を示したことも、2Q以降の利益回復への期待につながっています。

上昇材料最新の状況株価を見るポイント
1Q決算売上高110.75億円、営業損失5.31億円赤字の理由と2Q以降の回復性
6月単月営業利益9.87億円まで黒字化構造転換コストが一巡した可能性
通期予想売上560~600億円、営業利益75~100億円を維持会社計画への信頼が維持できるか
ブランド成長Brighte・Yunth・Straine・BJCが増収複数ブランドで成長できるか
店頭卸売上構成比が14.8%から50.2%へ上昇EC依存から販路を広げられるか
BJC1Qから連結、EC・サロンでPMIを推進買収後のシナジーが利益に表れるか

1Q赤字でも通期予想を維持し、6月単月では黒字化

2027年3月期1Qは、売上高110億7,500万円に対して営業損失5億3,100万円となりました。表面上は赤字決算ですが、会社は主因をEC中心から店頭卸中心へ販路を転換するための先行コストと説明しています。

営業損益を月別に見ると、2026年4月は12億500万円の赤字、5月は3億1,400万円の赤字でしたが、6月は9億8,700万円の黒字へ転換しました。会社は販路構造の転換に伴う投資について1Qで完了したとしており、2Q以降は店頭卸モデル本来の収益構造へ移る方針です。

さらに、2027年3月期の通期予想である売上高560~600億円、営業利益75~100億円は据え置かれました。前期の営業利益も81.5%が下期に集中しており、会社は店頭卸では棚替えや商談サイクルによって出荷が下期に偏りやすいと説明しています。

したがって今回の株価上昇は、「1Qが赤字だった」という過去の数字よりも、「先行投資が一巡し、6月には黒字へ戻った」「通期計画を変更する必要はない」と会社が示したことを市場が評価した動きと考えられます。

Brighte・Yunth・Straine・BJCがそろって増収

1Qでは、既存ブランドと買収したBJCの売上がそろって伸びました。Aiロボティクスは2027年3月期1Qから連結決算へ移行しているため、全社売上高の前年同期比146.1%増にはBJCの連結効果も含まれます。一方、単体売上でも前年同期比66.5%増となっており、既存事業そのものも高い成長を続けています。

ブランド1Q売上高前年同期比通期計画進捗率
Yunth32.95億円+22.8%200億円16.5%
Brighte37.85億円+131.7%150億円25.2%
Straine4.08億円+131.1%60億円6.8%
BJC35.80億円+33.7%※150億円23.9%

※BJCの前年同期比は、Aiロボティクスのグループ入り前の実績を参考値として比較。

特にBrighteは通期計画に対して25.2%、BJCは23.9%まで進み、1Qの進捗をけん引しました。Yunthは16.5%、Straineは6.8%と進捗率だけを見ると低めですが、会社はYunthの新SKU投入やStraineの新ライン定着によって下期に進捗が加速する計画を示しています。

株価が強く反応した背景には、Yunthだけに依存する一本足の成長ではなく、BrighteやBJCを含む複数の収益源が育ち始めていることもあります。

Yunthの店頭販売拡大が成長余地として期待されている

主力ブランドYunthでは、自社EC中心だった販売モデルからドラッグストアや家電量販店などの店頭卸へ販路を広げています。取扱店舗数はまだ国内のターゲット店舗の半分弱にとどまっており、店舗数の拡大と新商品の追加を組み合わせることで、今後も売上を積み上げる余地があります。

取扱店舗は約1万6,600店、配荷率は45.1%

Aiロボティクス全体の店頭卸売上は2027年3月期1Qに前年同期比約8倍まで拡大し、売上構成比は前年同期の14.8%から50.2%へ上昇しました。ECモール21.3%、自社EC28.5%と合わせ、店頭卸が最大の販売チャネルになっています。

Yunthの取扱店舗数も、前年同期の約1万300店から約1万6,600店へ増えました。会社がドラッグストア、家電量販店、バラエティストアなどを合算した国内ターゲット店舗数は約3万6,830店で、現在の配荷率は45.1%です。単純計算では54.9%が未配荷であり、店舗を増やせる余地はまだ大きい状態です。

大型店では専用什器やエンド展開によって売場面積を広げ、インバウンド需要も取り込む方針です。ECだけでは接点を持ちにくかった層へ商品を届けられるため、販路の拡大はYunthの市場規模を広げる材料になります。

一方で、店頭卸は自社ECより粗利率が低くなりやすい点には注意が必要です。Yunthの売上総利益率は前年同期の77.9%から68.1%へ低下しました。会社は広告宣伝の効率化やSELLによる需要予測の精度向上で営業利益を確保する方針であり、今後は売上の伸びだけでなく利益率も確認する必要があります。

新商品を増やし、1店舗あたりの売上も伸ばす

Yunthの成長余地は店舗数だけではありません。会社は美容液に加えてシートマスク、クッションファンデーション、美顔器などのSKUを追加し、同じ売場で複数商品を購入してもらう戦略を進めています。

2026年にはシートマスクが定番商品として売上に寄与し、クッションファンデーションも投入しました。さらに8月24日にはYunth初の浸透型美顔器「Deep Boost」の先行発売を予定しています。スキンケアブランドから美容デバイスへ商品領域が広がれば、顧客単価を引き上げる余地も生まれます。

会社が重視しているのは、既存商品を新商品で置き換えるのではなく、併用できるラインナップを増やすことです。取扱店舗数の増加に加え、棚面積の拡大、SKU数の増加、クロスセルが同時に進めば、「店舗数×1店舗あたり売上」の両面からYunthを成長させられます。

BJC買収でサロン市場という新しい販路を獲得

Aiロボティクスは2026年4月、サロン向け美容商材などを展開するBJCを255億円で完全子会社化しました。BJCの利益を連結するだけでなく、Aiロボティクスの商品をBJCの販路へ展開し、反対にAiロボティクスのECマーケティングをBJCへ持ち込むことが買収の重要な狙いです。

EC中心のAiロボティクスにプロ向け販路が加わった

BJCは美容サロンなどプロフェッショナル向けの販路を持つ企業です。Aiロボティクスは自社EC、ECモール、量販店・ドラッグストアの店頭販売を強みにしてきましたが、美容サロン向けのチャネルはこれまで主要な販路ではありませんでした。

BJCをグループに加えたことで、一般消費者向けのEC・小売に加えて、サロンという新しい販売網へアクセスできるようになります。既存ブランドを新しいチャネルへ横展開できれば、ブランドをゼロから立ち上げるより速く売上を拡大できる可能性があります。

BJCの買収は、売上規模を一度に大きくするM&Aであると同時に、Aiロボティクスの販売チャネルを増やすM&Aでもあります。

BrighteをBJCのサロン網へ展開する準備が進む

買収後のPMI(買収後の統合作業)では、BJC提携サロンへのBrighte商品展開が進められています。2027年3月期1Q時点で協業体制の構築と商品準備は完了しており、サロン専売商品の企画・開発と一部サロンへの先行導入が進行中です。

今後は先行導入の効果を検証し、サロン網全体へのクロスセル拡大を目指します。美容家電は価格帯が比較的高く、専門スタッフによる説明や体験との相性も良いため、サロンチャネルを開拓できればBrighteの新しい成長ルートになります。

重要なのは、BJC買収の効果が「将来の構想」だけで終わらず、具体的な商品展開の段階まで進んでいることです。

BJCにもAiロボティクスのECノウハウを展開

シナジーはAiロボティクスの商品をBJCで売る方向だけではありません。BJCの商品にAiロボティクスが蓄積したECマーケティングの知見を活用し、オンライン販売を伸ばす取り組みも始まっています。

会社資料では、BJCのECモール月次売上高指数は2026年4月を100とした場合、6月に266まで上昇し、4月比2.66倍になりました。楽天市場などのランキングでも上位に入ったとしています。

買収後わずかな期間でEC販売に変化が出ていることは初期のシナジーとして評価できますが、実額は開示されておらず、短期間のデータでもあります。BJC全体の利益を押し上げるほど持続するかは、2Q以降の売上と利益率で確認する必要があります。

Aiロボティクスが高成長を続けられる理由

Aiロボティクスの強みは、ヒット商品を1つ持っていることだけではなく、商品開発・販売・マーケティングを高速で回し、ブランドを複数育てる仕組みを構築しようとしている点です。独自AI「SELL」、ファブレス経営、複数ブランド、M&Aを組み合わせることで、売上規模が大きくなっても成長速度を維持することを目指しています。

AI「SELL」で商品開発を12~24か月から3~6か月へ短縮

Aiロボティクスという社名は、AIとRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を搭載した自社システム「SELL」に由来します。ロボットそのものを製造する企業ではなく、AIをブランド運営の仕組みに組み込んでいる企業です。

SELLではSNSや購買データからトレンドを検出し、需要予測、商品企画、パッケージ開発、広告効率や価格の最適化、供給計画などを連動させます。会社は、従来12~24か月かかっていた市場調査から商品ローンチまでの期間を3~6か月へ短縮し、約4倍のスピードで商品展開できると説明しています。

美容市場はトレンドの変化が速いため、需要が生まれてから商品を投入するまでの時間を短くできることは競争力になります。新ブランドや新SKUの成功率が高まれば、SELLは単なる業務効率化ではなく、成長率そのものを支える仕組みになります。

Yunthだけに依存しないブランドポートフォリオへ

上場当初はYunthの存在感が非常に大きい企業でしたが、現在はBrighte、Straine、BJCが加わり、売上構成は分散しています。2027年3月期1Qの売上構成では、Yunth29.8%、Brighte34.2%、BJC32.3%、Straine3.7%となりました。

特定ブランドが一時的に失速しても、別ブランドの成長で補える構造になれば、業績の安定性は高まります。実際、1QではYunthの進捗率が16.5%にとどまる一方、BrighteとBJCが全体の進捗を支えました。

ただし、複数ブランドを持つだけでリスクが消えるわけではありません。広告・販促、在庫管理、新商品の開発を同時に進める難易度も上がるため、各ブランドの売上だけでなく粗利率や在庫の動きも重要になります。

M&Aと海外展開を次の成長エンジンにする

会社はBJCの買収後もM&Aを継続する方針です。ブランド強化のM&Aでは、売上高50億円以上、ECと卸の双方で成長余地があること、特定分野で一定のシェアを持つことなどをターゲット条件に挙げています。マーケティング強化のM&Aでは、AIシステムの強化や販売チャネルの拡大、エンジニア人材の獲得なども対象です。

海外展開も中長期の成長材料です。2026年3月期の海外売上比率は7.4%でしたが、2029年3月期には20%超を目標としています。Yunthは東南アジアを中心に約10か国へ展開し、新たにマレーシア、シンガポール、オーストラリアへの配荷も決定しています。

国内の店頭販売、サロン、海外、M&Aと成長ルートを複数持てることが、将来の売上規模を大きくする余地につながっています。

2027年3月期も大幅な増収増益を計画

Aiロボティクスが成長株として評価される最大の理由は、売上と利益を短期間で大きく伸ばしてきた実績と、今後も高い成長を続ける計画にあります。2027年3月期はBJCの連結も加わり、売上高は前期比約1.9~2.0倍、営業利益は約2.0~2.6倍を見込んでいます。

決算期売上高営業利益営業利益率
2025年3月期142.06億円24.80億円17.5%
2026年3月期293.59億円38.02億円13.0%
2027年3月期予想560~600億円75~100億円約13.4~16.7%※

※売上高・営業利益の予想レンジから単純計算した参考値。

営業利益75~100億円を達成できるかが最大の焦点

2026年3月期は売上高が前期比106.7%増の293億5,900万円、営業利益が53.3%増の38億200万円となりました。売上はほぼ倍増しましたが、店頭卸への構造転換に向けた先行投資で営業利益率は17.5%から13.0%へ低下しています。

2027年3月期は売上高560~600億円、営業利益75~100億円を計画しています。1Qは営業赤字で始まったため、年間計画を達成するには2Q以降に大きく利益を積み上げる必要があります。6月単月で9億8,700万円まで黒字化したことは好材料ですが、今後も同水準の利益を継続できるかが重要です。

株価が中長期で上昇するためには、売上の高成長だけでなく、店頭卸への移行後も利益率を回復させ、75~100億円という営業利益計画を実現することが求められます。

高ROEと少人数・ファブレス経営も特徴

2026年3月期のROE(自己資本利益率)は56.7%でした。ROEは株主資本に対してどれだけ効率的に利益を生み出したかを見る指標で、一般的な上場企業と比べると高い水準です。

Aiロボティクスは2026年3月末時点で単体従業員36人と少人数で、製造、物流、コールセンターなどを外部へ委託するファブレス型の経営を採用しています。自社は商品開発やマーケティングなどのコア業務に集中することで、固定費を抑えながら高い生産性を目指しています。

ただし、高ROEをそのまま「財務が強い」と判断するのは危険です。BJC買収後は自己資本比率が大きく低下しており、負債を活用した財務レバレッジもROEを押し上げます。資本効率の高さと財務安全性は分けて確認する必要があります。

時価総額1兆円を目指す成長戦略も株価の期待材料

会社は2029年3月期に売上高2,200億円、営業利益400億円、当期純利益280億円を達成し、時価総額1兆円を目指す計画を掲げています。現在の売上規模から見ると非常に高い目標であり、その実現可能性への期待が株価のプレミアム要因になっています。

2027年3月期の売上高予想560~600億円から2029年3月期に2,200億円へ伸ばすには、その後2年間も毎年ほぼ2倍のペースで売上を増やす必要があります。既存ブランドの自然成長だけで達成するのは難しく、新ブランド、海外展開、追加M&Aを同時に成功させることが前提となります。

会社は成長戦略を「既存ブランドの拡大」「新規ブランドの創出」「M&A」の3本柱としています。海外売上比率も2026年3月期の7.4%から2029年3月期に20%超へ引き上げる計画です。

時価総額1兆円は会社が掲げる目標であり、達成が保証されたものではありません。一方で、明確な大型目標があり、その達成に向けてBJC買収や店頭卸への転換など具体的な施策が進んでいることは、成長期待を維持する材料になります。

株主優待も個人投資家から注目される要因

Aiロボティクスは株主優待を導入しており、自社商品の知名度を生かした優待は個人投資家の保有動機になりやすい材料です。業績やM&Aほど株価への影響が大きい要因ではありませんが、長期保有を促す需給面の支えとして見ることができます。

現在の制度では、基準日時点で100株以上を6か月以上継続保有している株主が対象です。2026年3月31日基準日分では、Yunthの「生VC美白美容液」「生VAダーマ美容液」「生AZ美容液」の3商品、税込1万3,000円相当が優待内容となっています。

会社は、商品を実際に利用して事業への理解を深めてもらうことと、株式を長期保有してもらうことを優待導入の目的としています。美容商品は企業の事業内容と直結しているため、金券型の優待と比べてもブランドの認知向上につながりやすい特徴があります。

ただし、株価変動の大きいグロース株では、優待額より株価の上下幅の方が大きくなりやすいため、優待だけを株価上昇の根拠にするのは適切ではありません。

Aiロボティクスの株価上昇が続くための条件

今後の株価を支えるには、成長ストーリーを発表するだけでなく、店頭卸への転換やBJC買収の効果を実際の利益として示す必要があります。特に2Q以降の営業利益、Yunthの店頭販売、BJCとのシナジーは重要な確認ポイントです。

Yunthの店頭売上が計画通り伸びるか

Yunthは取扱店舗数が約1万6,600店まで増えていますが、店舗へ商品を置くことだけでは十分ではありません。最終消費者に商品が売れる「セルアウト」が増え、追加発注につながることが重要です。

今後は取扱店舗数、配荷率、売場面積、新SKUの定着に加え、Yunthの売上高と売上総利益率を確認する必要があります。卸比率の上昇で粗利率が低下しているため、広告費の効率化を含めて営業利益を伸ばせるかがポイントです。

店舗数の拡大と1店舗あたり売上の上昇が同時に確認できれば、店頭卸への構造転換が成功していることを示しやすくなります。

2Q以降に営業利益を積み上げられるか

1Q決算後の株価上昇を支えた重要な前提は、販路転換の先行投資が1Qで完了し、6月単月で営業利益が黒字になったことです。裏を返せば、2Qでも赤字が続くようであれば、「一時的な先行投資」という説明への信頼は低下します。

通期営業利益の下限75億円を達成するにも、1Qの5億3,100万円の赤字を埋めたうえで、残り9か月に約80億円の営業利益を稼ぐ必要があります。下期偏重は会社の計画通りですが、2Qで利益回復の方向性を示せるかは株価にとって重要です。

次の決算では売上高の成長率以上に、営業利益、広告宣伝費率、販管費率の改善が注目されます。

BJCとのシナジーが利益に表れるか

BJCは1Qから売上を大きく上乗せしていますが、M&Aの評価は連結した売上高だけでは決まりません。Brighteのサロン展開やBJC商品のEC成長など、買収前にはなかった売上を生み出せるかが重要です。

BJCの1Q売上総利益率は57.8%で、前年同期の参考値52.9%から改善しました。EC販売の伸びやクロスセルによって売上と利益率を両方伸ばせれば、255億円を投じた買収への評価は高まりやすくなります。

逆に、BJCの利益が計画を下回れば、買収に伴う借入負担やのれんの大きさが意識されやすくなります。

新ブランドと海外展開が次の柱になるか

2029年3月期の売上高2,200億円を目指すには、Yunth、Brighte、BJCだけでなく、新ブランドや海外売上を大きくする必要があります。Straineは1Q売上高が前年同期比131.1%増だった一方、通期計画60億円に対する進捗率は6.8%にとどまりました。

会社は前期4Qに新ラインの初期出荷が集中した反動と説明しており、新ラインの定着によって下期に進捗率を高める計画です。Straineの回復、新商品の立ち上がり、海外配荷地域の増加が数字として確認できれば、成長の持続性を評価しやすくなります。

高い成長率を長期間維持するには、既存ブランドの延長だけでなく、第2、第3の成長柱を継続的に作れるかが重要です。

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Aiロボティクスの株価が下がるリスク

Aiロボティクスは高い成長期待を織り込んで売買されやすく、期待を上回ると大きく上昇する一方、計画未達や成長鈍化が見えると株価が急落しやすい銘柄です。業績期待、M&A後の財務負担、美容ブランドの流行変化をセットで確認する必要があります。

高成長期待が大きく、決算未達に弱い

2026年5月に発表した2026年3月期決算では、売上高は前期比2倍超に伸びたものの、営業利益が期初計画を下回りました。決算発表後の5月14日にはストップ安売り気配となり、利益計画に対する市場の期待が高かったことが示されました。

成長株では、前年より増収増益であるだけでは株価が上がらないことがあります。株価にすでに高成長が織り込まれている場合は、「どれだけ成長したか」より「市場や会社の高い期待を達成できたか」が重要になるためです。

今後も75~100億円の営業利益計画や2029年3月期の1兆円構想への期待が高まるほど、計画未達時の株価反応も大きくなる可能性があります。

BJC買収で借入金とのれんが大きく増加

BJC買収は成長機会を広げる一方、財務負担を大きくしました。2026年6月末の連結総資産は481億8,400万円、純資産は56億100万円で、自己資本比率は11.6%です。有利子負債は約388億円、のれんは約213億円まで増えています。

借入を使ったM&Aでは、買収先が計画通り利益を生み出せれば株主価値を大きく増やせる可能性があります。一方、BJCの業績やシナジーが想定を下回れば、利息負担、返済負担、のれんの減損リスクが同時に意識されます。

今後のM&Aを評価する際は、売上高の増加だけでなく、営業キャッシュフロー、借入金の返済状況、自己資本比率も重要になります。

美容ブランドの流行変化と粗利率低下

化粧品や美容家電はヒット商品の影響が大きく、SNSでの話題性、競合商品の登場、広告効率の変化によって売上が急速に変わる可能性があります。YunthやBrighteが現在好調でも、同じ成長率が将来も続くとは限りません。

また、ECから店頭卸へ販売比率を移すことで、Yunth、Brighte、Straineの1Q売上総利益率は前年同期から低下しました。会社は販管費効率を改善して営業利益を確保する方針ですが、粗利率の低下を広告費削減などで吸収できなければ、売上が伸びても利益成長が鈍る可能性があります。

新商品の投入スピードが速い企業だからこそ、売上成長だけでなく在庫、粗利率、広告宣伝費のバランスを確認することが重要です。

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まとめ

Aiロボティクスの株価上昇を支えているのは、「AI」という社名だけではありません。Yunthを中心とした店頭販売への転換、Brighteの高成長、BJC買収による新しい販路、AI「SELL」を使った商品開発の高速化、そして2027年3月期も大幅な増収増益を目指す業績計画が評価材料になっています。

直近の2027年3月期1Qは営業赤字でしたが、会社は赤字の主因を販路転換に伴う先行コストと説明し、6月単月では営業利益9億8,700万円まで黒字化しました。通期予想も売上高560~600億円、営業利益75~100億円を維持しており、これが決算後の株価上昇につながった大きな理由と考えられます。

今後の焦点は、2Q以降に利益回復が実際に続くか、Yunthの店頭販売が伸びるか、BJCとのシナジーが利益へ表れるかの3点です。これらを確認できれば高成長ストーリーへの信頼は強まりやすい一方、計画未達や財務負担への懸念が強まれば、期待の反動で株価が大きく調整する可能性もあります。

出典

Aiロボティクス株式会社「2027年3月期 第1四半期 決算説明資料」

https://pdf.irpocket.com/C247A/xoA3/tx0r/SaUk/LCQC.pdf

Aiロボティクス株式会社 公式サイト

https://ai-robotics.co.jp

Aiロボティクス株式会社「業績・財務情報」

https://ai-robotics.co.jp/ir/finance/highlight

Aiロボティクス株式会社「株主優待情報」

https://ai-robotics.co.jp/ir/stock/benefit

PR TIMES「Aiロボティクス、サロン市場を牽引するBJCを255億で完全子会社化」

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000112.000061176.html

Yahoo!ファイナンス「Aiロボティクス(247A)決算情報」

https://finance.yahoo.co.jp/quote/247A.T/financials

Investing.com「Aiロボティクス(247A)株価」

https://jp.investing.com/equities/ai-robotics

会社四季報オンライン「Aiロボティクがストップ安売り気配、前期利益下振れを嫌気」

https://shikiho.toyokeizai.net/news/0/944512

Aiロボティクス株式会社「2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)」

https://finance-frontend-pc-dist.west.edge.storage-yahoo.jp/disclosure/20260513/20260513528008.pdf

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この記事を書いた人

投資歴7年。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、証券外務員資格取得。2019年に100万円から投資スタート。2022年に1000万円→2025に年5000万円突破。
YouTubeでは株式投資・企業決算を中心とした解説動画を200本以上公開(チャンネル登録者数5000人)。日本株を中心に、企業決算や業績、株価材料を分析しています。

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