三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループの3大メガバンクは、国内金利の上昇を追い風に利益水準を大きく伸ばしています。2027年3月期の第1四半期も3社そろって前年同期比で増益となり、銀行株の収益環境そのものは引き続き良好です。
ただし、3社は同じ「メガバンク株」でも強みが異なります。三菱UFJは国内最大級の規模と海外収益、三井住友FGは資本効率向上を重視した経営とデジタル・決済基盤、みずほFGはCIB(コーポレート&インベストメントバンキング)の成長と収益力改善が主な特徴です。株価もすでに金利正常化を一定程度織り込んでいるため、配当利回りやPBRだけでなく、今後どこまでROEと利益を伸ばせるかまで比較する必要があります。
結論として、規模と収益源の分散を重視するなら三菱UFJ、高いROTE目標と株主還元・デジタル戦略を重視するなら三井住友FG、ROE改善と利益上方修正の継続を重視するならみずほFGが候補になります。ただし3社の第1四半期の通期進捗率は約29.5~30.2%でほぼ横並びです。2026年の比較では、純利益額だけでなく、参考EPS成長率、ROE、同一日のPER・参考PBR、株主還元、預貸金利ざや、下振れ耐性まで確認することが重要です。
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3大メガバンク株を一覧で比較
まず、3社の最新決算と株主還元を並べると、いずれも高い利益水準にあることが分かります。2026年4~6月期の親会社株主に帰属する純利益は、三菱UFJが8,094億円、三井住友FGが5,013億円、みずほFGが4,229億円でした。前年同期比ではそれぞれ約48%増、33%増、約46%増となっており、国内金利上昇や貸出需要、手数料・市場関連収益などが利益を押し上げています。
| 比較項目 | 三菱UFJ FG | 三井住友FG | みずほFG |
|---|---|---|---|
| 証券コード | 8306 | 8316 | 8411 |
| 2026年4~6月期 純利益 | 8,094億円 | 5,013億円 | 4,229億円 |
| 通期純利益予想 | 2兆7,000億円 | 1兆7,000億円 | 1兆4,000億円 |
| Q1進捗率 | 約30.0% | 約29.5% | 約30.2% |
| 参考EPS成長率(株式数一定) | 約+11.2% | 約+7.4% | 約+12.1% |
| 2025年度 会社公表ROE | 11.3% | 10%超 | 11.4% |
| 中期の資本効率目標 | 2026年度ROE 12%程度 | 2028年度ROTE 13%→中長期15% | 2028年度ROE 12%超 |
| 年間配当予想 | 96円 | 180円(分割前) | 150円 |
| 参考PBR(8/5終値・2026/3 BPS) | 約1.79倍 | 約1.61倍 | 約1.83倍 |
| 主な強み | 規模・海外・モルガン・スタンレー | 資本効率向上・Olive・決済・CIB | CIB・市場事業・ROE改善・楽天銀行連携 |
| 注目点 | ROE12%程度の実現 | ROTE改善と還元の両立 | 上方修正後も利益・ROE改善が続くか |
※純利益は2027年3月期第1四半期、配当は会社予想。ROE・ROTEは各社で定義が異なるため、単純な数値比較ではなく各社の目標と改善方向を確認する必要があります。
三菱UFJ・三井住友・みずほの違いを簡単に比較
3社の違いを一言で整理すると、三菱UFJは「規模とグローバル分散」、三井住友FGは「資本効率向上・株主還元・デジタル」、みずほFGは「ROE改善と業績モメンタム」が特徴です。国内金利上昇は3社共通の追い風ですが、みずほFGを「低PBRだから再評価余地が大きい」と単純に見るのではなく、上方修正後の利益成長とROEが伸び続けるかを確認する必要があります。
三菱UFJは国内銀行だけでなく、モルガン・スタンレーの持分法利益やアジアの銀行事業など、海外収益の厚みがあります。三井住友FGはOliveを軸とした個人向け金融プラットフォーム、カード・決済、CIB・S&Tなど資本効率の高い領域へのシフトを進めています。みずほFGは法人・投資銀行ビジネスの強さを生かしながら、楽天銀行との提携など個人分野の接点拡大にも動いています。
そのため、「銀行株だから3社は同じ方向に動く」と考えるだけでは不十分です。金利という共通要因に加えて、海外、市場、決済、CIB、デジタル、資本政策といった固有要因を比較することで、どの銘柄を選ぶべきかが見えやすくなります。
三菱UFJ・三井住友・みずほの特徴を比較

三菱UFJフィナンシャル・グループ
三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)の最大の強みは、国内最大級の顧客基盤とグローバルに分散した収益構造です。三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、三菱UFJニコスなどを抱え、国内の預貸金だけに依存しない総合金融グループとなっています。
2027年3月期第1四半期の親会社株主純利益は8,094億円と前年同期比で約48%増えました。円金利上昇に加えて貸出残高や手数料収入が伸び、モルガン・スタンレーの好調も持分法利益を押し上げています。会社は通期純利益2兆7,000億円を目標としており、中期経営計画では2026年度にROE12%程度を目指しています。
MUFGの魅力は、国内金利が追い風になる局面でも、収益源が国内銀行業だけに偏らないことです。米国やアジアの景気・市場環境に左右される面はあるものの、国内貸出、海外法人金融、資産運用、証券、カード、持分法利益など複数の利益源を持つため、3メガの中では「規模と分散」を重視する投資家と相性が良い銘柄です。
一方で、規模が大きい分だけ成長投資に必要な資本も大きくなります。今後の株価上昇には、金利上昇による一時的な利益押し上げだけでなく、ROE12%程度を継続できる収益構造を作れるかが重要です。
三井住友フィナンシャルグループ
三井住友フィナンシャルグループ(8316)は、3メガの中でも資本効率向上と収益性改善を強く意識した経営が特徴です。2027年3月期第1四半期の親会社株主純利益は5,013億円で前年同期比33%増となり、国内貸出の増加や金利上昇に加え、市場事業も利益拡大に寄与しました。通期純利益予想は1兆7,000億円です。
成長戦略では、Oliveなどのデジタルプラットフォームを通じて預金・決済・資産運用の顧客接点を増やす一方、海外では採算性の低い貸出資産を削減し、CIBやS&T、トランザクションバンキングなど資本効率の高いビジネスへの転換を進めています。新中期経営計画では2028年度にROTE13%、ボトムライン利益2兆円を目標とし、中長期ではROTE15%程度を目指しています。
銀行の利益が金利に左右されやすい中、SMFGは「預貸金利ざやの改善+非金利収益+資本効率改善」の組み合わせを強く打ち出しています。毎期増配へのコミットや自己株式取得も含め、利益成長を1株当たり価値の増加につなげる姿勢が明確です。
注意点は、ROTE目標が高い分だけ市場からの期待も高まりやすいことです。高収益化が計画通り進まなければ、単に利益が増えているだけでは株価評価が伸びにくくなる可能性があります。逆に、Oliveの顧客基盤拡大やCIBへの転換が数字に表れれば、金利だけに依存しない評価軸を持ちやすくなります。
みずほフィナンシャルグループ
みずほフィナンシャルグループ(8411)は、法人・投資銀行や市場部門を含めた収益力改善が株価評価の焦点です。2027年3月期第1四半期の親会社株主純利益は4,229億円と前年同期比約46%増加し、通期純利益予想を1兆3,000億円から1兆4,000億円へ上方修正しました。修正後の通期予想に対する進捗率は約30.2%で、三菱UFJの約30.0%、三井住友FGの約29.5%とほぼ同水準です。強みは進捗率の高さではなく、第1四半期時点で通期見通しを引き上げた業績モメンタムにあります。
第1四半期では、国内の貸出金利上昇による預貸金利ざやの改善に加えて、投資銀行手数料や市場部門など非金利収益も伸びました。貸出残高は2026年3月末比で3.3兆円増加しており、単価上昇だけでなく貸出量の拡大も利益成長につながっています。
成長戦略ではCIBの競争力強化に加え、2026年5月に楽天銀行との戦略的な資本・業務提携を強化しました。法人・市場分野に強いみずほが、楽天銀行のデジタル顧客基盤や個人金融との接点をどこまで取り込めるかは中長期の注目点です。
みずほFGの2025年度の東証基準ROEは11.4%で、2028年度には12%超を目指しています。今後は通期予想の上方修正が一度で終わらず、CIB・市場事業や楽天銀行との連携を通じてEPSとROEの改善を継続できるかが重要です。第1四半期の進捗率自体は3社でほぼ横並びのため、「進捗率が突出しているから強い」と判断するのは適切ではありません。
3大メガバンクの業績を比較
純利益・参考EPS成長率・通期進捗を比較
3社とも2027年3月期第1四半期は大幅増益です。第1四半期純利益は三菱UFJが8,094億円、三井住友FGが5,013億円、みずほFGが4,229億円でした。一方、最新の通期純利益予想に対する進捗率は三菱UFJ約30.0%、三井住友FG約29.5%、みずほFG約30.2%とほぼ横並びです。
株価比較では会社全体の純利益額だけでなく、1株当たり利益であるEPSも重要です。ただし3社とも自己株式取得を進めているため、将来の期中平均株式数を正確に揃えた会社予想EPSを単純比較することはできません。そこで参考値として、2026年3月期の実績EPSに「2027年3月期の会社予想純利益÷2026年3月期実績純利益」の伸び率を掛けた、株式数一定前提の参考EPSを算出します。三菱UFJは約237円、三井住友FGは約442円、みずほFGは約564円で、参考EPS成長率はそれぞれ約11.2%、約7.4%、約12.1%です。
この参考EPSは「純利益成長率を実績EPSへ置き換えた比較値」であり、会社が予想するEPSそのものではありません。将来の自己株式取得・消却による株式数減少も織り込んでいないため、実際のEPS成長率は異なる可能性があります。特に三井住友FGは1,800億円の自己株式取得を完了し、消却も公表しているため、株式数一定の比較ではその効果が反映されません。みずほFGも最大2,000億円の自己株式取得枠を設定しています。したがって、この数値は純利益成長の比較に使い、自己株式取得の効果は株主還元の項目で別に評価します。
| 銘柄 | Q1純利益 | 通期予想 | 進捗率 | 2026/3 EPS | 参考EPS(株式数一定)/ 成長率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 三菱UFJ FG | 8,094億円 | 2.7兆円 | 約30.0% | 213.17円 | 約237円 / +11.2% |
| 三井住友FG | 5,013億円 | 1.7兆円 | 約29.5% | 411.97円 | 約442円 / +7.4% |
| みずほFG | 4,229億円 | 1.4兆円 | 約30.2% | 502.92円 | 約564円 / +12.1% |
ROEを比較
ROEは株主資本を使ってどれだけ利益を生み出しているかを見る指標です。現在の資本効率は、自作のEPS・BPS計算ではなく、各社が2025年度実績として公表する東証基準ROEまたは会社公表ROEを優先して比較します。三菱UFJは11.3%、三井住友FGは10%超、みずほFGは11.4%です。三井住友FGは会社資料で「10%超」と開示しているため、小数点まで仮定して順位付けはしません。
3社とも2025年度のROEは10%を超える水準に到達していますが、現在値だけを見て三井住友FGの資本効率が3社で最も高いと整理するのは適切ではありません。三井住友FGの特徴は、ROTEを主要指標として資本効率をさらに引き上げる方針を明確にしている点です。現在値と将来目標を分けることで、「足元でどこが高いか」と「今後どこが改善を目指しているか」を混同せずに比較できます。
将来目標では、三菱UFJが2026年度にROE12%程度、三井住友FGが2028年度にROTE13%・中長期で15%、みずほFGが2028年度に東証基準ROE12%超を掲げています。三井住友FGだけROTEを主要目標に使っており、ROEと完全に同じ指標ではありません。現在値と将来目標を分けて見ることで、「今どこが効率的か」と「どこが今後改善を目指しているか」を混同せず比較できます。
| 銘柄 | 2025年度 会社公表ROE | 比較上の扱い | 補足 | |
|---|---|---|---|---|
| 三菱UFJ FG | 11.3% | 会社公表ROE | 2026年度目標はROE12%程度 | |
| 三井住友FG | 10%超 | 東証基準ROE (会社公表は「10%超」) | 将来目標はROTE13%→15% | |
| みずほFG | 11.4% | 東証基準ROE | 2028年度目標はROE12%超 | |
| 銘柄 | 将来目標 | 目標時期 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 三菱UFJ FG | ROE 12%程度 | 2026年度 | MUFG基準の目標 |
| 三井住友FG | ROTE 13% → 中長期15% | 2028年度 → 中長期 | ROEではなくROTE |
| みずほFG | 東証基準ROE 12%超 | 2028年度 | ROE目標 |
国内貸出・預金コストをできる範囲で比較
銀行の本業を比較するうえでは、貸出残高だけでなく、貸出利回り、預金利回り・預金コスト、預貸金利ざやを同じ範囲で見ることが重要です。ただし3社は国内銀行の集計範囲や開示形式が完全には揃っていません。特に「預金ベータ」を3社共通の定義で直接比較できる開示は確認できないため、無理に順位を付けず、開示範囲が近い指標を確認します。
2027年3月期第1四半期の国内2行ベースでは、三菱UFJの貸出金利回りは1.47%、預金利回りは0.30%、預貸金利回り差は1.16%でした。みずほの国内2銀行ベースでは貸出金利回り1.59%、預金コスト0.32%、預貸金利ざや1.26%です。一方、三井住友FGについては同じ四半期・同じ定義で3項目を揃えた数値を確認できないため、過年度や異なる集計範囲の数値を混ぜて順位付けはしません。
残高の大きさは事業規模を示しますが、2026年の比較でより重要なのは「貸出金利の上昇をどれだけ取り込み、預金コストの上昇をどこまで抑えられるか」です。今後は各社が同じ定義で開示する指標が増えれば、預金ベータや預貸金利ざやの変化を時系列で追うことで金利正常化の恩恵をより精密に比較できます。
| 国内預貸金関連(2026年度Q1) | 三菱UFJ(国内2行) | 三井住友FG | みずほ(国内2銀行) |
|---|---|---|---|
| 貸出金利回り | 1.47% | 同一定義のQ1数値を確認できず | 1.59% |
| 預金利回り・コスト | 0.30% | 同一定義のQ1数値を確認できず | 0.32% |
| 預貸金利回り差・ざや | 1.16% | 同一定義のQ1数値を確認できず | 1.26% |
国内金利上昇による利益への影響を比較
2026年6月に日銀が政策金利を1.0%程度へ引き上げたことで、3社とも国内資金利益の改善余地があります。ただし「政策金利がさらに25bp上昇した場合に純利益がいくら増えるか」という感応度は、3社が同一の前提・同一の利益段階で開示しているわけではありません。公開資料から一律の+25bp利益ランキングを作ると、貸出のリプライシング速度、預金ベータ、ヘッジ、預貸金の集計範囲などの違いを無視することになります。
比較可能性を優先するなら、追加利上げ1回の仮想利益額よりも、実際に開示された国内貸出金利回り、預金利回り・コスト、預貸金利ざや、国内資金利益の増減を四半期ごとに追う方が精度は高くなります。三菱UFJとみずほでは第1四半期に預貸金利ざやの改善が確認でき、金利上昇が収益へ波及していることを確認できます。
みずほFGは従来の事業計画で政策金利0.75%を前提としており、その後の1.0%への引き上げは追い風です。ただし第1四半期の通期上方修正には金利だけでなく非金利収益や市場部門など複数の要因が含まれるため、上方修正額をそのまま+25bpの金利感応度とはみなせません。3社を比較する際は、利上げの恩恵と預金コスト上昇をセットで確認する必要があります。
3大メガバンクの預金獲得力を比較
銀行は預金を低コストで集められるほど有利
金利上昇局面では、預金獲得力が銀行の競争力に直結します。銀行は預金として集めた資金を貸出や有価証券運用に回すため、低い調達コストで安定的な預金を確保できれば、貸出金利との差である利ざやを確保しやすくなります。
ゼロ金利に近い環境では預金金利の差が小さく、顧客が銀行を乗り換える動機も限定的でした。しかし政策金利が上がるほど、預金者は金利やサービスを比較しやすくなります。銀行側も預金を維持するために預金金利を引き上げるため、貸出金利の上昇分がそのまま利益になるわけではありません。
したがって今後の3メガ比較では、預金残高だけでなく、個人の給与口座、決済、証券、カードなどを通じて顧客を囲い込み、価格競争だけに頼らず預金を維持できるかが重要です。
預金残高だけでなく顧客基盤の強さを比較する
三菱UFJは国内最大級の顧客基盤を持ち、法人・個人の幅広い取引から安定した預金を集められる点が強みです。大企業から中小企業、個人まで取引層が厚く、決済・カード・証券・信託を含めたグループ取引を増やすことで預金基盤を維持しやすい構造があります。
三井住友FGはOliveを重要な預金獲得チャネルと位置付けています。口座、カード、ポイント、証券などを一体化して日常の金融取引を集約することで、単に高い預金金利を提示するだけではない顧客接点を作る戦略です。新中期経営計画でもOliveやTrunkなどのデジタルプラットフォームを通じた預金基盤拡大を明確に掲げています。
みずほFGは第1四半期に法人預金が季節要因などで減少した一方、個人預金は新規口座獲得などで増加しました。さらに楽天銀行との提携強化は、デジタルチャネルを通じて個人顧客との接点を増やす余地につながります。預金獲得競争が激しくなるほど、この提携を実際の預金・決済・資産運用ビジネスへつなげられるかが重要になります。
利上げが進むほど預金獲得競争も重要になる
今後さらに政策金利が上がる場合、銀行株にとって「追加利上げ=無条件にプラス」とは限りません。貸出金利の上昇よりも預金金利の上昇が速くなれば、利ざや改善は鈍化します。逆に顧客基盤が強く、預金金利以外の利便性で資金を維持できる銀行は相対的に有利です。
この意味では、三井住友FGのOlive、三菱UFJの大規模な総合金融基盤、みずほFGと楽天銀行の連携は、いずれも「預金をどう集めるか」という競争につながっています。次の利上げ局面では、各社決算で国内預貸金利ざやと預金残高の変化を確認すると、利益成長の持続性を比較しやすくなります。
3大メガバンクの配当・株主還元を比較
| 銘柄 | 予想配当 | 配当利回り | 2026年度の自社株取得 | 買戻し利回り | 参考還元利回り |
|---|---|---|---|---|---|
| 三菱UFJ FG | 96円 | 約2.71% | 約1,000億円(取得済み) | 約0.25% | 約2.96% |
| 三井住友FG | 180円 | 約2.70% | 約1,800億円(取得完了) | 約0.71% | 約3.41% |
| みずほFG | 150円 | 約1.77% | 最大2,000億円(決議枠) | 約0.97% | 約2.74% |
配当金・配当方針を比較
3メガバンクはいずれも株主還元を強化しています。2027年3月期の年間配当予想は三菱UFJが96円、三井住友FGが180円、みずほFGが150円です。ただし株価や発行株式数が異なるため、1株当たり配当金の金額だけで3社を比較する意味はあまりありません。配当利回り、配当性向、増配方針、利益成長をセットで見る必要があります。
三菱UFJは配当性向40%程度を基本とし、利益成長を通じた1株当たり配当金の安定的・持続的な増加を掲げています。2026年3月期86円から2027年3月期96円へ増配予想です。
三井住友FGは配当性向40%に加え、毎期増配にコミットしています。2027年3月期は180円を予想しており、前期から23円の増配計画です。利益が成長する限り配当も増やす方針が明確で、株主還元を重視する投資家にとって分かりやすい特徴があります。
みずほFGは累進的な配当を基本とし、安定収益の成長を背景に毎年度5円程度の増配を目安としています。2027年3月期は150円予想で6期連続増配となる見込みです。また、自社株買いを含む総還元性向50%以上を目安としている点も特徴です。
自社株買いを比較
自社株買いはEPS算定上の株式数を減らし、1株当たり利益の押し上げにつながります。取得した自己株式を消却すれば、発行済株式総数も減少します。そのため、配当だけでなく自社株買いと消却の方針まで確認すると、1株当たり価値をどこまで高めようとしているかが分かります。
三菱UFJは2026年5月18日から6月25日にかけて約1,000億円の自己株式取得を実施しました。自己株式は発行済株式総数の5%程度を保有上限の目安とし、それを超える分は原則消却する方針です。
三井住友FGは2026年5月に決議した自己株式取得を7月31日までに完了し、累計2,801万8,600株を約1,800億円で取得しました。8月3日には取得終了と、取得した2,801万8,600株を8月20日に消却する予定であることを公表しています。みずほFGは5月の最大1,000億円に加えて7月に追加で最大1,000億円を決議し、2026年度の取得枠を合計最大2,000億円へ拡大しました。取得する自己株式はすべて消却する方針です。
自社株買いは金額だけでなく時価総額に対する規模で見ると比較しやすくなります。2026年8月5日終値と公表株式数を使った概算では、三菱UFJの1,000億円は時価総額の約0.25%、三井住友FGの約1,800億円は約0.71%、みずほFGの最大2,000億円は約0.97%に相当します。配当利回りと単純合算した参考還元利回りは、三菱UFJ約3.0%、三井住友FG約3.4%、みずほFG約2.7%です。ただし、みずほFGは取得上限額を用いており、各社で取得時期・実績と決議枠が異なるため、実現利回りではありません。
3大メガバンクの成長戦略を比較

三菱UFJは海外・モルガン・スタンレーが強み
三菱UFJの成長戦略では、国内の金利正常化に加えて海外収益をどこまで伸ばせるかが重要です。特にモルガン・スタンレーは株式トレーディングやウェルスマネジメントなどに強みを持ち、MUFGの持分法利益に大きく寄与します。2027年3月期第1四半期でもモルガン・スタンレー関連の持分法利益が増益要因となりました。
また、アジアではタイのアユタヤ銀行やインドネシアのバンクダナモンなどを通じて成長市場への展開を続けています。国内金利がいずれ安定した後でも、アジアの金融需要、海外法人金融、資産運用などが利益成長を支えれば、単なる「日銀利上げ銘柄」から一段高い評価を得やすくなります。
一方で、海外事業は米国金利、景気、為替、市場環境の影響を受けます。国内と海外で収益を分散できることは強みですが、海外市場が悪化した局面では国内銀行より変動要因が増える点には注意が必要です。
三井住友FGはカード・決済・デジタルと資本効率に注目
三井住友FGは、Oliveを中心としたデジタルプラットフォームを国内戦略の核の一つに置いています。銀行口座、クレジットカード、ポイント、証券などをまとめることで顧客接点を広げ、預金だけでなく決済・カード・資産運用へ収益機会を拡大できる点が特徴です。
海外では、貸出残高を積み上げるだけのビジネスから、CIBやS&Tなど資本効率の高い領域へ軸足を移す方針です。新中期経営計画では低採算アセットを削減し、国内の旺盛な資金需要や高採算ビジネスへ資本を再配分する計画を掲げています。
この戦略が進めば、SMFGの利益は「貸出残高が増えたから増益」という形から、手数料・決済・市場関連収益を含む複合的な成長へ変わります。ROTE13%、その先の15%という高い目標を実現できるかが、株価の再評価余地を左右します。
みずほFGはCIB・市場事業・楽天銀行との提携に注目
みずほFGは大企業・機関投資家との取引に強く、CIBや市場事業の成長が重要な差別化要因です。第1四半期では投資銀行手数料などの非金利収益が伸び、市場部門も好調でした。金利収益に加えて手数料・トレーディング収益が伸びれば、国内金利の方向だけで利益が決まりにくくなります。
さらに2026年5月には、みずほ銀行と楽天銀行が戦略的な資本・業務提携を強化しました。楽天銀行はネット銀行として大規模な個人口座・デジタル顧客基盤を持つため、みずほが強みを持つ法人・証券・資産運用などと連携できれば、新しい収益機会につながる可能性があります。
もっとも、提携の価値は発表だけでは決まりません。送客、預金、住宅ローン、決済、資産運用など具体的なKPIに成果が表れるかを確認する必要があります。みずほの再評価が一過性で終わらないためには、CIBの強さに加えて個人・デジタル分野でも利益成長を作れるかがポイントです。
3大メガバンクのPER・PBR・ROEを比較
2026年8月5日終値でバリュエーションを比較
3社を同じ株価時点で比較するため、株価は2026年8月5日終値に統一します。終値は三菱UFJが3,541円、三井住友FGが6,666円、みずほFGが8,470円です。PERは前述の株式数一定前提の参考EPSを使うため「簡易PER」、PBRは2026年3月末BPSを使うため「参考PBR」として計算します。配当利回りは2027年3月期会社予想配当を使用します。
| 銘柄 | 8/5終値 | 参考EPS | 簡易PER | 2026/3 BPS | 参考PBR(3月末BPS) |
|---|---|---|---|---|---|
| 三菱UFJ FG | 3,541円 | 約237円 | 約14.93倍 | 1,973.31円 | 約1.79倍 |
| 三井住友FG | 6,666円 | 約442円 | 約15.07倍 | 4,135.71円 | 約1.61倍 |
| みずほFG | 8,470円 | 約564円 | 約15.02倍 | 4,640.23円 | 約1.83倍 |
※株価は2026年8月5日終値で統一。参考EPSは2026年3月期実績EPSに会社予想純利益の増益率を反映した株式数一定前提の比較値で、会社予想EPSそのものではありません。参考PBRは2026年3月末BPSを使用しており、6月末純資産の変動は反映していません。三井住友FGは2026年10月1日に1対2の株式分割を予定しているため、表は分割前ベースです。
同じ計算条件では簡易PERは3社とも約15倍前後に集中しています。したがって「PERが最も低いから買う」という差は小さく、参考EPS成長率、ROE、参考PBR、株主還元、金利正常化後の成長戦略まで合わせて比較する必要があります。
PERだけではメガバンク株の割安性は判断できない
PERは利益に対して株価が何倍まで買われているかを見る指標ですが、銀行株では利益の質や金利感応度が異なるため、PERが低い銘柄ほど必ず割安とは限りません。例えば利益が一時的な市場収益や有価証券売却益で押し上げられていれば、低PERでも翌期に利益が減る可能性があります。
反対に、国内預貸金利ざやや手数料収益など継続性の高い利益が伸び、ROEが長期的に改善するなら、PERが多少高くても利益成長によって割高感が解消されることがあります。3社を比較する際は、現在のPER順位ではなく、来期以降のEPS成長率と利益の持続性を確認することが重要です。
PBRとROEをセットで比較する
PBRは純資産に対する株価の倍率ですが、銀行の株主資本がどれだけ利益を生むかを示すROEとセットで考える必要があります。ROEが低い銀行に低いPBRが付くのは自然であり、PBR1倍未満だから自動的に割安というわけではありません。
逆にROEが10~12%を超える水準へ定着し、さらに増配や自社株買いによって1株当たり価値が伸びるなら、PBR1倍を超えていても評価が維持される可能性があります。2026年8月5日終値と2026年3月末BPSから算出した参考PBRは、三菱UFJ約1.79倍、三井住友FG約1.61倍、みずほFG約1.83倍です。6月末BPSを反映した最新PBRではない点には注意が必要ですが、みずほFGが3社で最も低PBRというわけではないため、「みずほ=低PBRの再評価余地」という整理は適切ではありません。
三菱UFJは2026年度にROE12%程度、三井住友FGは2028年度ROTE13%から中長期15%、みずほFGは2028年度にROE12%超を目指しています。株価の上値を考える際は、低PBRかどうかではなく、現在のPBRに対してEPS・ROEをどこまで伸ばせるかを見る必要があります。
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メガバンク株の今後の見通しを比較
日銀の追加利上げは3社共通の追い風
日銀は2026年6月に政策金利を1.0%程度へ引き上げました。追加利上げが続けば、貸出金利の上昇を通じて3メガの資金利益がさらに改善する余地があります。特に企業の資金需要が同時に強ければ、貸出金利と貸出残高の両方が増えるため、銀行にとって好ましい環境です。
ただし、現在の株価はすでに金利正常化と銀行収益の改善を一定程度織り込んでいます。政策金利が上がったという事実だけでは、過去と同じ幅でPBRが拡大するとは限りません。今後は利上げによる増益額が市場予想を上回るか、さらに来期以降の利益予想が引き上がるかが重要になります。
利上げ打ち止め後は利益成長の差が重要になる
メガバンク株の中長期的な差が最も出やすいのは、日銀の利上げがいずれ打ち止めになった後です。利上げ期待が続いている間は3社が同じ銀行セクターとして買われやすい一方、金利水準が安定すると、各社固有の利益成長率が株価を左右しやすくなります。
三菱UFJなら海外・モルガン・スタンレー・アジア、三井住友FGならOlive・決済・CIB・資本効率改善、みずほFGならCIB・市場事業・楽天銀行との連携が重要です。こうした非金利・非国内貸出の成長が強い会社ほど、利上げテーマが一巡した後でもEPSを伸ばしやすくなります。
景気悪化・信用コスト増加には注意
銀行株にとって金利上昇は基本的に追い風ですが、利上げが景気を過度に冷やすと状況は変わります。企業の資金需要が減少するだけでなく、倒産や貸倒れが増えて信用コストが上昇すれば、利ざや改善による増益を相殺する可能性があります。
また、中東情勢や原油価格、米国・アジアの景気など海外要因も無視できません。3社ともフォワードルッキング引当などでリスクに備えていますが、大きな景気悪化局面では与信費用の増加が共通の下落要因になります。決算では純利益だけでなく、信用コストと貸倒引当の変化も確認する必要があります。
海外金利・為替の影響は3社で異なる
三菱UFJ、三井住友FG、みずほFGはいずれも海外事業を持つため、米国金利や為替の影響を受けます。ただし事業構成が異なるため、影響の出方も同じではありません。三菱UFJはモルガン・スタンレーやアジア銀行事業の存在感が大きく、海外市場の収益が連結利益を押し上げる一方、相場悪化時の変動も受けます。
三井住友FGは海外貸出中心からCIB・S&Tなどへの転換を進めており、今後は海外事業の収益性が改善するかが焦点です。みずほFGも米国を含むCIB・市場事業を成長分野としているため、資本市場が活況なら非金利収益を伸ばしやすい一方、市場環境が悪化した場合は収益の振れが大きくなることがあります。
為替についても「円安なら銀行株にプラス」と単純化はできません。海外利益の円換算には追い風でも、外貨調達コストや顧客企業の信用力など別の影響があるため、海外比率の高い銀行ほど複数の要因を確認する必要があります。
3大メガバンクの下振れ耐性を比較
上方向の利益成長だけでなく、信用コストや自己資本の余力を確認すると、景気悪化時の下振れ耐性を比較しやすくなります。CET1(普通株式等Tier1)比率は銀行の損失吸収力を見る代表的な指標です。ただし、各社で開示基準や目標時点が異なるため、単純な数値順位ではなく、会社が示す運営目線に対して十分な資本余力を維持できているかを見る必要があります。
| 比較項目 | 三菱UFJ FG | 三井住友FG | みずほFG |
|---|---|---|---|
| CET1の運営目線・現状 | 9.5~10.5%のターゲットレンジ | 3年かけて10.5%程度へ引き上げ | FY2025末10.3%、運営レンジ上限付近 |
| 信用リスクの主な確認点 | 国内外の大企業・海外貸出の信用コスト | 海外CIB・貸出の信用コスト、フォワードルッキング引当 | CIB・法人貸出の信用コスト |
| 金利・債券・市場リスク | 国内外金利と大規模な有価証券ポートフォリオ | 国内外金利に加えCIB・S&Tの市場変動 | 国内外債券とCIB・市場事業の変動 |
| 海外景気感応度 | 高め:モルガン・スタンレー、アジア事業 | 高め:海外CIB・S&T・貸出 | 高め:CIB・市場事業 |
CET1については、三菱UFJが中期経営計画で9.5~10.5%のターゲットレンジ、三井住友FGが3年間で10.5%程度への引き上げを示しています。みずほFGは2025年度末に10.3%となり、会社が示す運営レンジの上限付近まで改善しています。基準や目標時点は完全には一致しないため、この数値だけで優劣を付けるのではなく、株主還元や成長投資を進めながら必要な資本バッファーを確保できるかを見ることが重要です。
信用コストも各社で定義や管理対象が異なるため、金額だけを横並びにして順位付けするのは適切ではありません。景気後退時には、与信関係費用の増加に加えて、債券評価損や市場部門の利益変動が株価の下押し要因になります。成長率・バリュエーション・株主還元だけでなく、信用コスト、CET1、債券リスク、海外部門の変動まで確認すると、現在の株価から見たリスクリワードを比較しやすくなります。
メガバンク株を買うならどれ?
規模・収益基盤の分散を重視するなら三菱UFJ
三菱UFJは、3社の中で規模と収益源の分散を重視したい場合に有力です。国内金利上昇の恩恵を受けながら、モルガン・スタンレー、アジア銀行事業、証券、信託、カードなど複数の収益源を持っています。2027年3月期第1四半期の純利益も8,094億円と3社で最大でした。
国内景気だけに依存しない点は安定材料ですが、その分海外市場や為替の影響も受けます。それでも「銀行株に投資したいが、国内貸出一本足ではなく世界の金融市場も取り込みたい」という場合には、三菱UFJが最も分かりやすい選択肢です。
資本効率向上・株主還元・デジタル戦略を重視するなら三井住友FG
三井住友FGは、資本効率向上への取り組みと株主還元、デジタル金融の成長を重視する場合に候補になります。毎期増配へのコミットに加えて自社株買いも機動的に実施しており、利益成長を1株当たり価値の向上につなげる方針が明確です。
また、Oliveによる預金・決済・資産運用の顧客基盤拡大と、低採算貸出からCIB・S&Tなどへの資本再配分が進めば、ROTE改善の余地があります。現在の利益だけでなく「3年後にROTE13%、さらに長期で15%」という成長ストーリーを評価するなら、三井住友FGが魅力的です。
ROE改善・利益上方修正の継続を重視するならみずほFG
みずほFGは、ROE改善と利益予想の上方修正が今後も続くと考える場合に注目できます。第1四半期の純利益は約46%増となり、通期純利益予想を1兆3,000億円から1兆4,000億円へ引き上げました。修正後予想に対する進捗率は約30.2%で3社とほぼ横並びですが、第1四半期の段階で通期見通しを引き上げたこと自体が業績モメンタムの強さを示しています。
2025年度の東証基準ROEは11.4%で、2028年度には12%超を目指しています。CIBや市場事業の強さに加え、楽天銀行との提携が新たな成長源になれば、利益構造の改善が続く可能性があります。一方、2026年8月5日終値と2026年3月末BPSから算出した参考PBRは約1.83倍で、3社の中で最も低いわけではありません。したがって投資判断の軸は「低PBRの再評価」ではなく、利益成長とROE改善を今後も実現できるかです。
3社の選び方を目的別に整理
| 重視するポイント | 候補 | 理由 |
|---|---|---|
| 規模・グローバル分散 | 三菱UFJ FG | 国内最大級の基盤に加え、モルガン・スタンレーやアジア事業を持つ |
| 資本効率向上・増配・デジタル | 三井住友FG | 高いROTE目標を掲げ、Olive・決済・CIBへ資本を配分 |
| ROE改善・利益上方修正 | みずほFG | Q1で通期純利益予想を上方修正。2028年度ROE12%超を目指す |
| 国内利上げの恩恵 | 3社共通 | 預貸金利ざや改善が共通の追い風。ただし預金コストとの競争も重要 |
「最も割安な1社」を固定的に決めるより、自分が何をリターンの源泉として期待するかを明確にして選ぶ方が合理的です。金利上昇を重視するなら3社とも対象になりますが、利上げが一巡した後まで保有するなら、海外・デジタル・CIBなど各社固有の成長力を重視する必要があります。
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メガバンク株を比較するときの注意点
3社とも同じ銀行株だからと一括りにしない
3大メガバンクの株価は金利や景気に反応して同じ方向へ動くことが多いものの、利益構造は同一ではありません。海外事業比率、証券・市場ビジネス、個人向け決済、CIB、資本政策などの違いによって、同じマクロ環境でも業績の伸び方は変わります。
特に金利正常化が進んだ後は、セクター全体への資金流入より個別企業の利益成長が重視されやすくなります。「銀行株が強いからどれでもいい」と考えず、四半期ごとに利益の増減要因を確認することが重要です。
配当利回りだけで選ばない
メガバンクは配当・自社株買いが魅力ですが、配当利回りだけで選ぶと利益成長の差を見落とします。高い配当利回りは、株価が低迷している結果として生じる場合もあります。逆に配当利回りが低くても、EPSと配当が高いペースで成長するなら長期的な総リターンは大きくなる可能性があります。
確認したいのは、配当性向、増配方針、自社株買い、利益成長、ROEの5点です。還元が強くても利益が伸びなければ持続性に限界があります。利益成長と還元を同時に実現できる銀行ほど、株主価値を継続的に高めやすくなります。
利上げ期待が株価にどこまで織り込まれているかを見る
銀行株は日銀の利上げ期待が高まると買われやすいため、実際の利上げ前に株価が大きく上昇することがあります。その場合、利上げが実施されても「想定通り」と受け止められ、株価が伸びないことがあります。
重要なのは、政策金利そのものではなく、各社の利益予想にどれだけ上振れ余地があるかです。貸出金利、預金金利、貸出残高、信用コストを確認し、市場予想より利益が伸びる余地があるかを判断する必要があります。
ROE改善とPBR上昇のバランスを見る
3メガのPBRはすでに1倍を大きく上回る局面にあり、「PBR1倍割れ修正」という初期の銀行株相場とは違う段階に入っています。今後さらに株価が上昇するには、PBRの上昇に見合うROE改善が必要です。
例えばROEが12%から15%へ高まるなら、以前より高いPBRが許容される可能性があります。一方、ROEが横ばいなのに株価だけが大きく上昇すれば期待リターンは低下します。銀行株を比較する際は「どこが一番低PBRか」ではなく、「今のPBRに対して今後どの程度ROEを伸ばせるか」を見ることが重要です。
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まとめ:3大メガバンクは収益性・還元・成長戦略まで比較しよう
三菱UFJ、三井住友FG、みずほFGは、国内金利上昇を追い風に3社とも高い利益成長を実現しています。2027年3月期第1四半期もそろって大幅増益となり、国内銀行業の収益環境は良好です。
一方、今後の投資判断では「日銀が利上げするからメガバンクを買う」だけでは不十分です。三菱UFJは規模と海外・モルガン・スタンレー、三井住友FGは資本効率向上・Olive・決済、みずほFGはCIB・利益上方修正・楽天銀行との連携という異なる成長軸を持っています。
規模と収益源の分散を重視するなら三菱UFJ、高いROTE目標と株主還元・デジタル戦略を重視するなら三井住友FG、ROE改善と利益上方修正の継続を重視するならみずほFGが候補です。3社の第1四半期進捗率はほぼ横並びで、2026年8月5日終値から計算した簡易PERも約15倍前後に集まっています。そのため今後の差は、利益成長、資本効率、預金コスト、非金利収益、株主還元に加え、信用コストやCET1比率など下振れ耐性によって生まれやすくなります。
出典
- 日本銀行「金融政策決定会合・2026年」
- 三菱UFJフィナンシャル・グループ「2026年度(2027年3月期)第1四半期 財務情報」
- 三菱UFJフィナンシャル・グループ「経営戦略」
- 三菱UFJフィナンシャル・グループ「トップメッセージ」
- 三菱UFJフィナンシャル・グループ「配当情報」
- 三菱UFJフィナンシャル・グループ「株主還元方針」
- 三井住友フィナンシャルグループ「2027年3月期 決算関連資料」
- 三井住友フィナンシャルグループ「CFOメッセージ(統合報告書2026)」
- 三井住友フィナンシャルグループ「業績・財務ハイライト」
- 三井住友フィナンシャルグループ「自己株式の取得状況および取得終了ならびに自己株式の消却に関するお知らせ」(2026年8月3日)
- みずほフィナンシャルグループ「FY2026 First Quarter Financial Information」
- みずほフィナンシャルグループ「Integrated Report 2026(Web版)」
- みずほフィナンシャルグループ「Stock Information / Shareholder Return」
- みずほ銀行「楽天銀行との戦略的な資本・業務提携強化」
- Yahoo!ファイナンス「三菱UFJ FG 株価時系列」
- Investing.com「三井住友FG 過去データ」
- みんかぶ「みずほFG 株価時系列」
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