住友金属鉱山の決算が発表されると、「業績は良かったのか」「今後の見通しはどうなのか」「配当は増えるのか、減るのか」が気になる人も多いと思います。
住友金属鉱山は、金・銅・ニッケルなどの金属市況や為替の影響を受けやすい企業です。そのため、決算を見るときは、売上高や利益だけでなく、金属価格の前提、為替、配当、資源・製錬・材料といったセグメント別の強弱まで確認することが大切です。
最新決算は、2026年5月11日に発表された2026年3月期通期決算です。2026年3月期は大幅増益で着地しましたが、2027年3月期は増収減益予想となっており、配当も前期228円から207円予想へ減配見通しです。
この記事では、住友金属鉱山の最新決算、2027年3月期業績予想、配当、次回決算発表日、今後の注目ポイントをわかりやすく整理します。
住友金属鉱山の最新決算はいつ発表された?
住友金属鉱山の最新決算は、2026年5月11日に発表された2026年3月期通期決算です。
決算短信では、2026年3月期の連結経営成績、配当、2027年3月期の業績予想などが公表されています。
最新決算は2026年5月11日発表の2026年3月期通期決算
住友金属鉱山の2026年3月期決算短信は、2026年5月11日付で公表されています。
2026年3月期の主な数字は、売上高1兆7,415億円、税引前利益2,557億円、親会社の所有者に帰属する当期利益1,762億円です。前期と比べると、売上高は9.3%増、税引前利益は714.7%増、親会社帰属利益は969.3%増となりました。
決算短信・決算説明資料は公式IRで確認できる
住友金属鉱山の決算資料は、公式IRページで確認できます。
決算短信では、売上高、税引前利益、当期利益、配当、業績予想などの正式な数字を確認できます。決算説明資料やカンファレンスコール資料では、セグメント別の動向、金属価格や為替の前提、業績変動要因などをより詳しく確認できます。
公式サイトの決算電話会議ページには、2025年度、つまり2026年3月期の決算電話会議が2026年5月11日に掲載され、決算説明資料へのリンクも用意されています。
次回決算発表日は2026年8月10日予定
住友金属鉱山の次回決算は、2026年度第1四半期決算です。
公式IRカレンダーでは、2026年度第1四半期決算公表が2026年8月10日、2026年度第2四半期決算公表が2026年11月10日、2026年度第3四半期決算公表が2027年2月8日と掲載されています。なお、同ページでは予定や仮称は変更となる場合があるとも案内されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 最新決算 | 2026年3月期通期決算 |
| 発表日 | 2026年5月11日 |
| 次回決算 | 2026年度第1四半期決算 |
| 次回発表予定日 | 2026年8月10日 |
| 主な確認資料 | 決算短信、決算説明資料、IRカレンダー |
住友金属鉱山の最新決算のポイント

住友金属鉱山の最新決算は、2026年3月期実績は大幅増益、2027年3月期予想は増収減益という点がポイントです。
前期実績だけを見ると、売上・利益ともに大きく改善しています。一方で、次期予想では売上高は増えるものの、利益は減る見通しです。決算を見るときは、この「実績は良いが、次期予想には注意点がある」という構図を押さえておく必要があります。
2026年3月期は大幅増益で着地
2026年3月期は、大幅増益で着地しました。
決算短信では、2026年3月期の売上高は1兆7,415億円、税引前利益は2,557億円、親会社帰属利益は1,762億円でした。前期の親会社帰属利益は164億円だったため、利益面では大きく回復しています。
前期に減損などの影響があったこともあり、増益率は非常に大きく見えます。そのため、単純に増益率だけを見るのではなく、2027年3月期の予想や金属市況の前提とあわせて判断することが大切です。
売上高は1兆7,415億円
2026年3月期の売上高は、1兆7,415億円でした。
前期の1兆5,933億円から9.3%増加しています。住友金属鉱山は金属市況や為替の影響を受けやすい企業であり、売上高を見るときも、販売数量だけでなく、銅・金・ニッケル価格や為替の動きがどう影響したかを確認する必要があります。
売上高が伸びていること自体は評価材料です。ただし、住友金属鉱山の決算では、売上以上に税引前利益や親会社帰属利益、セグメント別利益の動きが重要になります。
親会社帰属利益は1,762億円
2026年3月期の親会社の所有者に帰属する当期利益は、1,762億円でした。
前期の164億円から大幅に増加し、前期比969.3%増となっています。
この数字だけを見ると、かなり強い決算に見えます。実績面では良好だったと言えますが、株式市場では来期予想も重視されます。2027年3月期の親会社帰属利益は1,390億円と減益予想になっているため、今後はこの予想に対してどれだけ進捗できるかが焦点です。
2027年3月期は増収減益予想
2027年3月期予想は、売上高1兆8,830億円、税引前利益2,290億円、親会社帰属利益1,390億円です。
売上高は前期比8.1%増の予想ですが、税引前利益は10.4%減、親会社帰属利益は21.2%減の予想です。つまり、2027年3月期は増収減益の見通しです。
住友金属鉱山のような資源関連株では、金属価格や為替が強くても、在庫評価影響やコスト増、材料事業の弱さなどで利益が伸びにくいことがあります。そのため、増収予想でも利益が減る理由を確認することが重要です。
年間配当は228円から207円予想へ
配当も今回の決算で注目されるポイントです。
2026年3月期の年間配当は228円でした。一方で、2027年3月期の年間配当予想は207円で、予想ベースでは前期比21円の減配見通しです。配当性向は2026年3月期が35.1%、2027年3月期予想が40.0%とされています。
配当目的で住友金属鉱山を見ている投資家にとって、減配予想は注意点になります。ただし、自己株式の取得・消却も発表されているため、配当だけでなく総還元として見ることも大切です。
2026年3月期決算を表で確認
ここでは、住友金属鉱山の2026年3月期決算を表で整理します。
| 項目 | 2025年3月期実績 | 2026年3月期実績 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1兆5,933億円 | 1兆7,415億円 | +9.3% |
| 税引前利益 | 313億円 | 2,557億円 | +714.7% |
| 当期利益 | 117億円 | 1,887億円 | — |
| 親会社帰属利益 | 164億円 | 1,762億円 | +969.3% |
| 営業活動CF | 1,496億円 | 1,018億円 | 減少 |
| 年間配当 | 104円 | 228円 | 増配 |
上記の通り、2026年3月期は利益面の改善が目立ちます。一方で、営業活動によるキャッシュ・フローは前期の1,496億円から1,018億円へ減少しています。
売上高・税引前利益・当期利益
2026年3月期は、売上高が1兆7,415億円、税引前利益が2,557億円、当期利益が1,887億円でした。
前期と比べると、特に利益の改善が大きいです。税引前利益は前期の313億円から2,557億円へ大幅に増加しています。
ただし、前期の利益水準が低かった反動もあります。決算を評価するときは、単純な増益率だけでなく、金属価格の影響、セグメント別の利益、2027年3月期の予想まで確認する必要があります。
親会社帰属利益
親会社の所有者に帰属する当期利益は、2026年3月期で1,762億円でした。
これは前期の164億円から大幅に増えています。1株当たり当期利益も、2025年3月期の59.99円から2026年3月期は649.55円へ増加しました。
投資家目線では、最終利益が大きく増えている点は評価材料です。一方で、2027年3月期予想では親会社帰属利益が1,390億円に減る見通しです。実績が強くても、次期予想が弱く見えると株価にはネガティブに働く場合があります。
キャッシュフローと財政状態
キャッシュフローを見ると、2026年3月期の営業活動によるキャッシュ・フローは1,018億円でした。前期の1,496億円から478億円減少しています。投資活動によるキャッシュ・フローはマイナス1,852億円、財務活動によるキャッシュ・フローは367億円でした。
また、2026年3月期末の資産合計は3兆5,590億円、資本合計は2兆2,919億円、親会社所有者帰属持分比率は58.3%でした。
利益だけでなくキャッシュフローを見ることで、配当や投資、借入返済などに使える資金の動きが見えやすくなります。
1株当たり配当金
2026年3月期の年間配当は228円でした。
内訳は、第2四半期末65円、期末163円です。前期の年間104円から大きく増えています。一方で、2027年3月期予想は年間207円で、前期比では減配予想です。
配当を見るときは、単年度の金額だけでなく、配当性向や利益見通しも確認することが大切です。2027年3月期予想の配当性向は40.0%であり、利益水準に応じた配当計画と見ることもできます。
セグメント別に見る住友金属鉱山の決算
住友金属鉱山の決算は、全社の売上高や利益だけでは実態が見えにくいです。
同社は、主に資源、製錬、材料の3つの報告セグメントで事業を展開しています。決算短信では、資源では国内外における非鉄金属資源の探査・開発・生産・販売、製錬では銅・ニッケル・貴金属などの製錬・販売、材料では電池材料や粉体材料、結晶材料などの製造・販売を行っていると説明されています。
| セグメント | 2026年3月期売上高 | 2026年3月期税引前損益 | 主な見方 |
|---|---|---|---|
| 資源 | 3,025億円 | 1,678億円 | 金・銅価格や鉱山操業が重要 |
| 製錬 | 1兆3,500億円 | 915億円 | 在庫評価・コスト・金属価格を見る |
| 材料 | 2,845億円 | 152億円 | 電池材料・機能性材料の需要を見る |
2026年3月期は、資源と製錬が大きく利益を支えた一方、材料は黒字化したものの、今後の見通しには注意が必要です。
資源セグメント
資源セグメントは、住友金属鉱山の利益を大きく支える領域です。
2026年3月期の資源セグメントは、売上高3,025億円、税引前損益1,678億円でした。前期の税引前損益1,018億円から増加しており、金・銅などの市況や鉱山操業が業績を押し上げたと考えられます。
資源セグメントを見るときは、金価格、銅価格、鉱山の操業状況、持分法投資損益などを確認したいです。特に金や銅の価格が会社前提を上回るかどうかは、今後の業績上振れ余地にも関わります。
製錬セグメント
製錬セグメントは、売上規模が最も大きい領域です。
2026年3月期の製錬セグメントは、売上高1兆3,500億円、税引前損益915億円でした。前期は税引前損失71億円だったため、大きく改善しています。
製錬セグメントでは、銅やニッケル、貴金属の価格だけでなく、在庫評価、操業資材、エネルギーコストの影響も大きくなります。2027年3月期予想では、在庫評価影響やコスト増が利益の押し下げ要因として意識されるため、次回以降の決算でも注意して見たいセグメントです。
材料セグメント
材料セグメントは、電池材料や機能性材料を含む領域です。
2026年3月期の材料セグメントは、売上高2,845億円、税引前損益152億円でした。前期は542億円の赤字だったため、黒字転換しています。
ただし、材料セグメントは今後の見通しに注意が必要です。特に電池材料は、EV市場や車載電池需要、品種切替、販売数量の変化によって収益が左右されやすいです。
電池材料・機能性材料の動向
材料セグメントの中でも、電池材料と機能性材料の動向は重要です。
電池材料は、EVや車載電池市場の影響を受けやすい領域です。需要が強ければ成長材料になりますが、需要鈍化や品種切替の負担があると、利益を圧迫することがあります。
機能性材料は、電子部品や半導体関連需要とも関係しやすい領域です。住友金属鉱山の材料事業を見るときは、全体の売上だけでなく、電池材料と機能性材料のどちらが伸びているのか、利益にどう貢献しているのかを確認する必要があります。
セグメントごとの強弱を見ることが重要
住友金属鉱山の決算では、セグメントごとの強弱を見ることが重要です。
全社では大幅増益でも、資源、製錬、材料のすべてが同じように強いわけではありません。2026年3月期は資源と製錬が利益を支え、材料も黒字転換しましたが、2027年3月期は材料やコスト面に注意が必要です。
決算を読むときは、以下のように分けて見ると整理しやすいです。
- 資源:金・銅価格と鉱山操業を見る
- 製錬:在庫評価・コスト・金属価格を見る
- 材料:電池材料・機能性材料の需要を見る
住友金属鉱山は資源株として見られやすいですが、実際には製錬や材料の影響も大きい銘柄です。株価や業績を判断する際は、セグメント別の利益動向まで確認しましょう。
2027年3月期の業績予想
住友金属鉱山の2027年3月期業績予想は、売上高は増える一方で、利益は減る「増収減益」予想です。
2026年3月期実績は大幅増益でしたが、2027年3月期は在庫評価影響やコスト増、材料事業の弱さなどが利益を押し下げる見通しです。決算を見るときは、売上高だけでなく、税引前利益や親会社帰属利益まで確認する必要があります。
| 項目 | 2026年3月期実績 | 2027年3月期予想 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1兆7,415億円 | 1兆8,830億円 | +8.1% |
| 税引前利益 | 2,557億円 | 2,290億円 | -10.4% |
| 当期利益 | 1,887億円 | 1,560億円 | -17.3% |
| 親会社帰属利益 | 1,762億円 | 1,390億円 | -21.2% |
| 1株当たり当期利益 | 649.55円 | 518.08円 | 減少 |
住友金属鉱山の決算短信では、2027年3月期予想として売上高1兆8,830億円、税引前利益2,290億円、親会社の所有者に帰属する当期利益1,390億円が示されています。
売上高は1兆8,830億円の増収予想
2027年3月期の売上高予想は、1兆8,830億円です。
2026年3月期実績の1兆7,415億円から増加する見通しで、前期比では8.1%増です。金属価格や為替の前提を見ると、銅や金の価格は高水準で推移する想定となっており、売上面では追い風が見込まれています。
ただし、売上高が増えるからといって、必ずしも決算全体が強いとは限りません。今回の予想では、売上は増えるものの、利益は減る見通しです。
親会社帰属利益は21.2%減予想
2027年3月期の親会社の所有者に帰属する当期利益は、1,390億円の予想です。
2026年3月期実績の1,762億円から、前期比21.2%減となる見通しです。株式市場では、売上よりも利益の増減が重視されやすいため、この減益予想は注意点になります。
特に2026年3月期は前期比で大幅増益だったため、2027年3月期の減益予想は反動減として見られやすいです。今後は、この会社予想が保守的なのか、それとも本当に利益環境が弱くなるのかを確認していく必要があります。
税引前利益も10.4%減予想
税引前利益も減益予想です。
2027年3月期の税引前利益は、2,290億円の予想です。2026年3月期実績の2,557億円から、前期比10.4%減となります。
親会社帰属利益ほど大きな減少率ではありませんが、税引前利益も減る見通しである点は、決算評価で見逃せません。
住友金属鉱山は金属価格や為替の影響を受けやすい企業ですが、金属価格が高水準でも、在庫評価影響やコスト増などによって利益が押し下げられることがあります。
増収減益予想をどう見るか
今回の業績予想は、投資家によって評価が分かれやすい内容です。
売上高が増える点はプラス材料です。一方で、親会社帰属利益が21.2%減る予想であるため、株価にはネガティブに受け止められやすいです。
特に注目したいのは、住友金属鉱山が実力損益では2027年3月期に2,400〜2,300億円を見込んでいる点です。決算説明資料では、金属価格上昇や為替の円安、ケブラダ・ブランカ銅鉱山の増産などが実力損益の押し上げ要因として示されています。
つまり、表面上は減益予想ですが、一時的な在庫評価影響などを除いた見方では、一定の改善要素もあります。決算を見るときは、会計上の利益だけでなく、実力損益やセグメント別の動きも確認したいところです。
在庫評価影響やコスト増も確認したい
2027年3月期予想では、在庫評価影響やコスト増が利益を押し下げる要因として示されています。
決算説明資料では、2026年度予想について、前年に損益を押し上げた在庫評価影響の剥落が対前年度で513億円のマイナス要因になること、さらに中東情勢などを受けたコスト上昇や、海外プロジェクト費用、電池材料事業の品種切替に伴う費用増加を見込むことが説明されています。
住友金属鉱山の決算では、金属価格だけを見ていると判断を誤りやすいです。金・銅価格が高くても、在庫評価やコスト、材料事業の採算によって利益は大きく変わります。
住友金属鉱山の決算は良い?悪い?
住友金属鉱山の決算は、2026年3月期実績だけを見ると良好です。
売上高、税引前利益、親会社帰属利益はいずれも大きく伸びました。一方で、2027年3月期予想は増収減益で、配当も減配見通しです。そのため、投資家目線では「前期実績は良いが、今期予想には注意点が多い決算」と整理できます。
2026年3月期実績は良好
2026年3月期の実績は、かなり強い内容でした。
売上高は1兆7,415億円で前期比9.3%増、税引前利益は2,557億円で前期比714.7%増、親会社帰属利益は1,762億円で前期比969.3%増でした。
決算説明資料でも、主要拠点の安定操業と新規鉱山の稼働により、銅価格・金価格の上昇、円安進行の恩恵を受けたことが説明されています。
この点だけを見れば、2026年3月期決算は良好だったと言えます。
2027年3月期予想は注意点が多い
一方で、2027年3月期予想には注意点があります。
売上高は前期比8.1%増の1兆8,830億円を見込むものの、税引前利益は10.4%減、親会社帰属利益は21.2%減の予想です。
また、決算説明資料では、在庫評価影響の剥落、コスト上昇、海外プロジェクト費用、電池材料事業の品種切替に伴う費用増加などが見込まれています。
そのため、2027年3月期の決算を見るときは、単に「売上が増えるから良い」と判断するのではなく、利益率やセグメント別の採算を確認する必要があります。
減益予想と減配予想が株価の重荷になりやすい
2027年3月期は、利益だけでなく配当も減少する見通しです。
2026年3月期の年間配当は228円でしたが、2027年3月期予想は207円です。予想ベースでは前期比21円の減配見通しとなります。
資源株や高配当株として住友金属鉱山を見ている投資家にとって、減益予想と減配予想が同時に出ることは、株価の重荷になりやすいです。
ただし、配当性向は2027年3月期予想で40.0%とされており、利益水準に応じた配当計画とも見られます。配当だけでなく、株主還元全体を確認することが大切です。
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自社株買い・消却はプラス材料
減益・減配予想は注意点ですが、自社株買い・消却はプラス材料です。
住友金属鉱山は、2026年5月11日に自己株式取得と自己株式消却に関するお知らせを公表しています。会社のニュースページでも、自己株式取得および消却について発表したことが確認できます。
また、決算説明資料では、2026年5月12日から7月31日にかけて200億円の自己株式取得を予定し、取得完了後に取得分を消却する予定と示されています。
自社株買い・消却は、1株当たり利益の改善や資本効率向上につながる可能性があるため、株主還元面では評価材料です。
決算評価は市況前提と進捗次第で変わる
住友金属鉱山の決算評価は、金属価格や為替の前提によって変わりやすいです。
2027年3月期予想では、銅、金、ニッケル、為替の前提が示されています。これらが会社前提を上回れば、業績上振れの可能性があります。反対に、会社前提を下回る場合は、減益幅が広がるリスクがあります。
そのため、現時点では「2026年3月期実績は良いが、2027年3月期予想には注意」と整理し、次回以降の決算で進捗を確認するのが現実的です。
住友金属鉱山の配当・株主還元を確認
住友金属鉱山の決算を見るうえで、配当と株主還元は重要です。
今回の決算では、2026年3月期の年間配当は228円となった一方、2027年3月期予想では207円と減配見通しになっています。ただし、自社株買い・消却も発表されているため、配当だけでなく総還元として見る必要があります。
2026年3月期の年間配当は228円
2026年3月期の年間配当は、1株あたり228円です。
内訳は、第2四半期末65円、期末163円です。2025年3月期の年間配当104円から大きく増加しました。
2026年3月期は大幅増益だったため、利益水準に応じて配当も増えた形です。
2027年3月期予想は207円
2027年3月期の年間配当予想は、1株あたり207円です。
2026年3月期の228円から見ると、21円の減配予想です。内訳は、第2四半期末103円、期末104円の予想となっています。
減配予想は、配当目的で保有している投資家にとってはネガティブ材料になりやすいです。一方で、2025年3月期の104円と比べると、207円はなお高い水準です。
配当性向は40.0%予想
2027年3月期の配当性向は、40.0%予想です。
2026年3月期の配当性向は35.1%で、2027年3月期は利益が減る見通しのなかでも配当性向を40.0%まで高める予想となっています。
決算説明資料では、株主還元方針として、剰余金の配当は原則として連結配当性向35%以上とし、連結自己資本比率が適正水準の55%を上回る間はDOE3.5%を下限指標とする方針が示されています。
この方針を踏まえると、2027年3月期の配当207円は、利益水準に応じた配当計画と見ることもできます。
自社株買い・消却を発表
住友金属鉱山は、自己株式取得と消却も発表しています。
決算説明資料では、2026年5月12日から7月31日に200億円の自己株式取得を予定し、取得完了後に取得分を消却する予定とされています。
配当が減少する見通しでも、自社株買い・消却が行われれば、株主還元全体としては一定の支援材料になります。
特に、自己株式の消却は発行済み株式数の減少につながるため、1株当たり利益や資本効率の改善要因として見られることがあります。
配当だけでなく総還元を見る
住友金属鉱山の株主還元を見るときは、配当金だけで判断しないことが大切です。
2027年3月期予想では配当が前期比で減る見通しですが、自社株買い・消却を含めると総還元の見え方は変わります。
配当目的で見る場合は、以下をセットで確認したいです。
- 年間配当金
- 配当性向
- DOE
- 自社株買い
- 自己株式の消却
- キャッシュフロー
- 金属市況による利益変動
資源株は利益変動が大きいため、配当だけでなく、業績と株主還元方針の両方を確認する必要があります。
住友金属鉱山の決算における金・銅・ニッケル・為替の前提
住友金属鉱山の決算では、金・銅・ニッケル・為替の前提が非常に重要です。
同社は金属市況や為替の影響を受けやすいため、会社予想の前提と実際の市況がどの程度ずれているかによって、業績の見方が変わります。
| 項目 | 2027年3月期予想の前提 |
|---|---|
| 銅 | 11,000ドル/t |
| 金 | 4,200ドル/toz |
| ニッケル | 7.50ドル/lb |
| 為替 | 155円/ドル |
上記は3月決算ベースの前提です。決算説明資料では、銅11,000ドル/t、ニッケル7.50ドル/lb、金4,200ドル/toz、為替155円/ドルが示されています。
銅価格前提は11,000ドル
2027年3月期予想の銅価格前提は、3月決算ベースで11,000ドル/tです。
2026年3月期実績の10,816ドル/tからは上昇する前提です。
銅価格は、資源セグメントや製錬セグメントの収益に影響します。銅価格が会社前提を上回れば業績上振れ要因になりやすく、下回れば利益下振れリスクになります。
金価格前提は4,200ドル
金価格前提は、3月決算ベースで4,200ドル/tozです。
2026年3月期実績の3,939ドル/tozから上昇する前提になっています。
住友金属鉱山は金鉱山事業も持つため、金価格の上昇は業績や投資家心理にプラスに働きやすいです。ただし、金価格が高くても、在庫評価影響やコスト増があると、全社利益が素直に伸びるとは限りません。
ニッケル価格前提は7.50ドル
ニッケル価格前提は、3月決算ベースで7.50ドル/lbです。
2026年3月期実績の7.08ドル/lbからは上昇する見通しです。
ニッケルは、製錬や電池材料に関係する重要な金属です。EVや電池材料需要、供給過剰、製錬コストなどによって採算が変わりやすいため、ニッケル価格だけでなく、材料セグメントや製錬セグメントの収益も確認する必要があります。
為替前提は155円
2027年3月期予想の為替前提は、3月決算ベースで155円/ドルです。
2026年3月期実績の150.78円/ドルから円安前提になっています。
円安は、金属価格の円換算や海外資源権益の収益にはプラスに働きやすいです。一方で、輸入資材やエネルギーコストにはマイナスに働くこともあるため、為替だけで業績を判断するのは危険です。
為替が155円前提から円高に振れれば、利益には下押し要因となる可能性があります。
市況前提が変わると業績も変わりやすい
住友金属鉱山は、金属市況や為替の変化で業績が変わりやすい企業です。
決算説明資料では、2027年3月期予想について、銅価格や金価格は高水準での推移を見込む一方、在庫評価影響の剥落やコスト上昇などを見込むと説明されています。
そのため、今後の決算を見るときは、会社予想の前提に対して実際の市況がどう動いているかを確認することが重要です。
金属価格が会社前提を上回れば、業績上振れ期待が出やすくなります。反対に、金属価格が下落したり円高が進んだりすれば、業績下振れリスクが高まります。
次回決算で注目したいポイント
住友金属鉱山の次回決算では、2027年3月期予想に対して、どれだけ順調に進捗しているかを確認したいです。
今回の決算では、2026年3月期実績は大幅増益だった一方で、2027年3月期は増収減益予想となりました。そのため、次回以降は「会社予想が保守的だったのか」「減益リスクが想定以上に大きいのか」を見極めることが重要です。
2027年3月期予想に対する進捗率
まず確認したいのは、2027年3月期予想に対する進捗率です。
会社予想では、2027年3月期の売上高は1兆8,830億円、税引前利益は2,290億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,390億円です。次回決算では、この通期予想に対して、第1四半期時点でどの程度進んでいるかを見る必要があります。
特に親会社帰属利益は前期比21.2%減予想のため、進捗が弱いと減益見通しへの警戒感が強まりやすくなります。反対に、進捗が想定より強ければ、会社計画が保守的だったと見られる可能性もあります。
金・銅・ニッケル価格が会社前提を上回るか
住友金属鉱山は、金・銅・ニッケルなどの金属市況の影響を受けやすい企業です。
2027年3月期予想では、銅価格前提は11,000ドル/t、金価格前提は4,200ドル/toz、ニッケル価格前提は7.50ドル/lbとされています。これらの価格が会社前提を上回って推移すれば、業績上振れ期待につながりやすくなります。
一方で、金属価格が会社前提を下回る場合は、利益下振れリスクが意識されます。住友金属鉱山の決算を見るときは、決算発表日だけでなく、日々の金・銅・ニッケル価格もあわせて確認したいところです。
為替が155円前提からどう動くか
為替も重要な確認ポイントです。
2027年3月期予想では、為替前提は155円/ドルです。決算説明資料では、金属価格や為替前提が業績予想の重要な前提として示されています。
一般的には、円安は海外資源権益や金属価格の円換算収益にプラスに働きやすいです。一方で、円安は輸入資材やエネルギーコストの上昇につながる面もあるため、単純に円安ならすべてプラスとは言い切れません。
次回決算では、為替が155円前提から円安方向に進んでいるのか、円高方向に振れているのかを確認しましょう。
資源・製錬・材料セグメントの利益
住友金属鉱山の決算では、全社の売上高や利益だけでなく、セグメント別の利益を見ることが大切です。
特に注目したいのは、資源、製錬、材料の3セグメントです。資源は金・銅価格や鉱山操業、製錬は在庫評価やエネルギーコスト、材料は電池材料や機能性材料の需要に影響されやすい領域です。
次回決算では、以下のように分けて確認すると整理しやすくなります。
- 資源:金・銅価格の追い風が利益に反映されているか
- 製錬:在庫評価影響やコスト増がどの程度残っているか
- 材料:電池材料や機能性材料の採算が改善しているか
全社では増収でも、どこかのセグメントが弱いと利益が伸びにくくなります。住友金属鉱山の場合、セグメントごとの強弱が株価評価にも影響しやすいです。
自社株買い・消却の進捗
株主還元では、自社株買いと消却の進捗も確認したいです。
住友金属鉱山は、2026年5月11日に自己株式取得と自己株式消却に関するお知らせを公表しています。また、決算説明資料では、自己株式取得と消却を実施する方針が示されています。
2027年3月期は減配予想ですが、自社株買い・消却が進めば、総還元としては一定の支援材料になります。
配当だけを見ると減配に見えても、自社株買いを含めると株主還元の評価が変わる場合があります。次回決算では、取得状況や消却の進捗も確認しましょう。
配当予想が維持されるか
最後に、配当予想が維持されるかも重要です。
2026年3月期の年間配当は228円でしたが、2027年3月期予想では207円とされています。予想ベースでは前期比21円の減配見通しです。
配当目的で保有している投資家にとって、配当予想の維持は重要な判断材料です。今後、利益予想が下振れすれば、配当予想にも影響する可能性があります。
一方で、金属価格や為替が会社前提より強く、利益が上振れする場合は、配当維持や追加還元への期待が出る可能性もあります。
住友金属鉱山の決算資料はどこで見られる?
住友金属鉱山の決算資料は、公式IRページで確認できます。
決算内容を正確に見るなら、株価サイトやニュースだけでなく、公式の決算短信や決算説明資料を確認するのが基本です。特に住友金属鉱山は、金属価格や為替、セグメント別の動きが重要なため、決算説明資料や電話会議資料まで見ると理解しやすくなります。
| 資料 | 確認できる内容 |
|---|---|
| 決算短信 | 売上高・利益・配当・業績予想 |
| 決算説明資料 | セグメント別業績・市況前提・損益要因 |
| 決算電話会議資料 | 決算の補足説明・業績変動要因 |
| IRカレンダー | 次回決算発表日 |
| 自己株式取得・消却のお知らせ | 株主還元の詳細 |
決算短信
決算短信では、売上高、税引前利益、親会社帰属利益、配当、次期業績予想などを確認できます。
住友金属鉱山は2026年5月11日に、2026年3月期決算短信を公表しています。最新決算の正式な数字を確認するなら、まず決算短信を見るのが基本です。
決算説明資料
決算説明資料では、決算短信よりも詳しく、セグメント別の状況や業績変動要因を確認できます。
住友金属鉱山の場合、資源、製錬、材料の各セグメントで業績要因が異なります。そのため、全社の数字だけでなく、どの事業が利益を押し上げ、どの事業が重荷になっているかを確認するには、決算説明資料が役立ちます。
決算電話会議資料
決算電話会議資料では、金属価格や為替の前提、在庫評価影響、コスト増、株主還元方針などを確認できます。
2025年度の決算説明資料では、株主還元方針、配当予想、自己株式取得、金属価格・為替前提などがまとめられています。決算を深く理解したい場合は、決算短信だけでなく電話会議資料も確認するとよいです。
IRカレンダー
次回決算発表日を確認するなら、IRカレンダーを見ます。
住友金属鉱山のIRカレンダーでは、2026年度第1四半期決算公表は2026年8月10日、2026年度第2四半期決算公表は2026年11月10日、2026年度第3四半期決算公表は2027年2月8日と掲載されています。なお、予定や仮称は変更される場合があるため、最新情報は公式IRカレンダーで確認しましょう。
自己株式取得・消却のお知らせ
株主還元を確認する場合は、自己株式取得・消却のお知らせも重要です。
住友金属鉱山は、2026年5月11日に自己株式取得と自己株式消却に関するお知らせを公表しています。配当だけでなく、自社株買い・消却も含めた総還元を確認することで、株主還元の全体像が見えやすくなります。
住友金属鉱山の決算に関するよくある質問
住友金属鉱山の最新決算は?
住友金属鉱山の最新決算は、2026年5月11日に発表された2026年3月期通期決算です。2026年3月期は、売上高1兆7,415億円、親会社の所有者に帰属する当期利益1,762億円でした。
住友金属鉱山の次回決算発表日はいつ?
公式IRカレンダーでは、2026年度第1四半期決算公表は2026年8月10日予定と掲載されています。予定は変更される場合があるため、最新情報は公式IRカレンダーで確認しましょう。
住友金属鉱山の2027年3月期予想は?
2027年3月期予想は、売上高1兆8,830億円、税引前利益2,290億円、親会社の所有者に帰属する当期利益1,390億円です。売上高は増収予想ですが、利益は減益予想です。
住友金属鉱山の決算は良かったですか?
2026年3月期実績だけを見ると、大幅増益で良好です。ただし、2027年3月期予想は増収減益で、配当も228円から207円へ減配見通しのため、今後の見通しには注意が必要です。
住友金属鉱山の配当金はいくらですか?
2026年3月期の年間配当は228円です。2027年3月期予想では年間207円となっており、予想ベースでは減配見通しです。
住友金属鉱山の決算資料はどこで見られますか?
住友金属鉱山の決算資料は、公式IRページで確認できます。決算短信、決算説明資料、決算電話会議資料、IRカレンダー、自己株式取得・消却のお知らせなどを確認すると、決算の全体像を把握しやすくなります。
まとめ
住友金属鉱山の最新決算は、2026年5月11日に発表された2026年3月期通期決算です。
2026年3月期は、売上高1兆7,415億円、親会社の所有者に帰属する当期利益1,762億円となり、大幅増益で着地しました。一方で、2027年3月期予想は売上高1兆8,830億円の増収予想ながら、親会社帰属利益は1,390億円と21.2%減益予想です。
また、2026年3月期の年間配当は228円でしたが、2027年3月期予想では207円と減配見通しです。自社株買い・消却はプラス材料ですが、決算評価では減益予想と減配予想が注意点になります。
次回決算では、以下のポイントを確認したいです。
- 2027年3月期予想に対する進捗率
- 金・銅・ニッケル価格が会社前提を上回るか
- 為替が155円前提からどう動くか
- 資源・製錬・材料セグメントの利益
- 自社株買い・消却の進捗
- 配当207円予想が維持されるか
住友金属鉱山の決算は、売上や利益だけでなく、金属市況、為替、セグメント別利益、配当、株主還元をセットで確認することが大切です。
▼出典
2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結) – 住友金属鉱山
2025年度(2026年3月期)決算短信 | ニュース – 住友金属鉱山
2025年度 決算説明資料(カンファレンスコール資料) – 住友金属鉱山
決算電話会議(カンファレンスコール) | 株主・投資家情報 – 住友金属鉱山
決算期別IR資料一覧 | 株主・投資家情報 – 住友金属鉱山
IRカレンダー | 株主・投資家情報 – 住友金属鉱山
自己株式取得に係る事項の決定及び自己株式の消却に関するお知らせ – 住友金属鉱山
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