東京エレクトロンの決算はいつ?発表時間・業績予想・コンセンサスを解説

東京エレクトロンの次回決算はいつ発表されるのか、AI・HBM向けの半導体設備投資が業績へどの程度反映されるのか気になっている方も多いのではないでしょうか。

次回決算では、DRAMや先端ロジック、先端パッケージング向けの売上が伸びるかに加え、中国向け売上の減少を台湾・韓国の先端投資で補えるかが注目されます。

市場では大幅な増益が予想されているため、前年同期比で増益となるだけでなく、高いコンセンサスを上回り、営業利益率を27%台へ改善できるかも重要です。

本記事では、東京エレクトロンの次回決算の日程や発表時間、市場コンセンサス、上期業績予想、前回決算の内容を整理し、決算後の株価を左右するポイントを解説します。

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目次

東京エレクトロンの次回決算はいつ?発表時間を確認

東京エレクトロンの次回決算は、2026年7月30日に発表される予定です。

今回は、2026年4月から6月までを対象とする2027年3月期第1四半期決算が発表されます。

項目内容
次回決算2027年3月期 第1四半期決算
決算発表日2026年7月30日
発表時間16時
決算短信掲載16時
決算説明会資料16時30分
対象期間2026年4月~6月
次々回決算2026年10月末ごろの見込み

東京エレクトロンは公式IRで、第1四半期決算を2026年7月30日に発表すると公表しています。

決算発表と決算短信の掲載時刻は16時、決算説明会資料は16時30分に公開される予定です。

東京証券取引所の通常取引は15時30分に終了するため、決算は取引終了後に発表されます。

発表直後はPTSで最初の株価反応を確認できますが、PTSは通常取引と比べて参加者や出来高が少ない場合があります。

決算内容に対する市場全体の評価を確認するには、翌営業日の寄り付きや出来高、終値まで見ることが重要です。

東京エレクトロンは決算短信だけでなく、次の資料も公開しています。

  • 決算説明会資料
  • 経営陣による説明
  • 決算説明会の質疑応答
  • 補足データ
  • 動画・音声配信

売上高や利益だけでは分からない下期の出荷見通し、半導体製造装置市場の見通し、中国向け売上、AI・HBM需要などを確認するため、説明会資料や質疑応答も合わせて確認しましょう。

東京エレクトロンの次回決算予想・市場コンセンサス

東京エレクトロンは、第1四半期単独の会社予想を公表していません。

市場では、第1四半期の経常利益が約2,145億円になると予想されています。

会社が公表しているのは2027年3月期上期までの業績予想であり、第1四半期決算では、上期計画に対して順調なスタートを切れたかが注目されます。

第1四半期の市場予想を確認

項目第1四半期市場予想前年同期実績増減率
経常利益約2,145億円約1,473億円約45.6%増

東京エレクトロンは、第1四半期単独の売上高や利益予想を公表していません。

一方、IFISが集計する市場コンセンサスでは、第1四半期の経常利益が約2,145億円になると予想されています。

前年同期の経常利益は約1,473億円だったため、市場予想を達成するには約672億円の増益が必要です。
市場では前年同期比約45.6%の大幅増益が期待されており、単に前年同期を上回っただけでは、好決算と評価されない可能性があります。

増益をけん引すると期待されているのが、AIサーバー向け半導体投資です。

生成AIの普及によって、次の分野への設備投資が拡大しています。

  • 先端ロジック半導体
  • HBM向けDRAM
  • 先端パッケージング
  • データセンター向け半導体
  • 高性能GPU・アクセラレーター関連

東京エレクトロンは、成膜、塗布・現像、エッチング、洗浄など幅広い工程で製造装置を提供しているため、AI関連投資の恩恵を受ける可能性があります。

今回の決算では、増益だったかだけでなく、経常利益が約2,145億円の市場予想を上回ったかが重要です。

市場コンセンサスはアナリスト予想の変更によって決算直前まで動くため、発表前に最新の数値を確認しましょう。

会社は上期で過去最高益を予想

東京エレクトロンは2027年3月期上期について、売上高、売上総利益、営業利益で過去最高を更新すると予想しています。

項目2027年3月期上期予想前年同期実績前年同期比
売上高1兆5,700億円1兆1,796億円約33.1%増
売上総利益7,150億円5,388億円約32.7%増
営業利益4,310億円3,031億円約42.2%増
税引前利益4,370億円3,129億円約39.7%増
親会社帰属利益3,280億円2,416億円約35.8%増
営業利益率27.5%25.7%1.8ポイント改善

上期の売上高は前年同期比約33.1%増の1兆5,700億円、営業利益は同約42.2%増の4,310億円を予想しています。

営業利益の伸び率が売上高を上回っており、営業利益率も前年同期の25.7%から27.5%へ改善する計画です。

業績成長をけん引すると見込まれているのが、AIサーバー向けの設備投資です。

先端ロジック向けでは、2ナノメートル世代などの微細化投資が進み、DRAM向けではHBMの生産能力拡大が続くと見込まれています。

東京エレクトロンは、DRAMや先端ロジック向け装置の出荷が増加すると予想しています。

特に、次の装置分野の成長が期待されています。

  • 塗布・現像装置
  • エッチング装置
  • 成膜装置
  • 洗浄装置
  • 先端パッケージング向け装置

第1四半期で上期計画の半分近くを稼げていれば、上期業績予想の達成に対する安心感が高まる可能性があります。

一方、半導体製造装置の売上は、顧客の工場建設や装置の検収時期によって四半期ごとに変動します。

第2四半期へ出荷や売上計上が偏る計画であれば、第1四半期の進捗率が低くても、直ちに業績不振とは判断できません。

決算説明会では、第1四半期の進捗だけでなく、第2四半期の出荷計画や上期予想を据え置いた理由も確認しましょう。

2027年3月期は通期会社予想を公表していない

東京エレクトロンは2027年3月期から、業績予想の開示期間を半期分に変更しました。

そのため、現時点では上期業績予想を公表している一方、2027年3月期通期の会社予想は公表していません。

「業績予想を出していない」のではなく、上期までの業績予想は公表している点に注意が必要です。

半導体製造装置市場は、次の要因によって見通しが変わりやすい業界です。

  • 顧客の設備投資計画
  • 米国の輸出規制
  • 中国向け装置需要
  • 地政学リスク
  • 半導体価格
  • AIサーバー需要
  • メモリメーカーの投資計画

半年より先の需要を正確に予想することが難しいため、会社は見通しの確度が比較的高い半期分を開示する方針へ変更したと考えられます。

通期会社予想がないため、通期の業績見通しを確認する際は、市場コンセンサスと会社の上期予想を分けて見る必要があります。

市場コンセンサスはアナリストの予想であり、東京エレクトロンが公表した計画ではありません。

今回の第1四半期決算では、下期の半導体製造装置需要について新しい説明があるかが注目されます。

中国向け投資、AIサーバー、DRAM、先端ロジック、先端パッケージングの需要見通しが変われば、通期市場予想も大きく変動する可能性があります。

現時点では、東京エレクトロンが再び通期予想の開示へ戻すかは明らかになっていません。

通期市場コンセンサスは大幅増収増益

会社は通期予想を公表していませんが、市場では2027年3月期に大幅な増収増益が見込まれています。

項目2027年3月期市場予想前期比
売上高約3兆2,914億円34.7%増
営業利益約9,645億円54.3%増
経常利益約9,748億円54.6%増
親会社帰属利益約7,429億円29.3%増

※市場予想は2026年7月16日時点。

市場では、売上高が前期比34.7%増の約3兆2,914億円、営業利益が同54.3%増の約9,645億円になると予想されています。

経常利益予想は約9,748億円で、4週間前の約9,521億円から約227億円上方修正されました。

AI向け半導体投資やメモリ設備投資への期待が高まり、業績予想が引き上げられていると考えられます。

一方、現在の市場予想には、会社が公表している上期の成長だけでなく、下期も高い需要が続くことが織り込まれています。

第1四半期決算が増収増益でも、市場予想を下回った場合や、下期需要に慎重な説明があった場合は、株価が売られる可能性があります。

反対に、上期予想が上方修正され、下期の需要にも強気な説明があれば、通期市場予想がさらに引き上げられる可能性があります。

会社の上期業績予想と通期市場コンセンサスは対象期間が異なるため、単純に数値を比較しないようにしましょう。

東京エレクトロンの前回決算はどうだった?

東京エレクトロンの前回決算はどうだった?

東京エレクトロンの2026年3月期決算は、売上高と親会社帰属利益が過去最高となった一方、営業利益と利益率は低下しました。

研究開発費やサービス人員などのコストが増加したほか、中国向け成熟ノード投資の反動が利益を押し下げています。

項目2026年3月期前期比
売上高2兆4,435億円0.5%増
営業利益6,249億円10.4%減
経常利益6,303億円10.9%減
親会社帰属利益5,744億円5.6%増
売上総利益率45.3%1.8ポイント低下
営業利益率25.6%3.1ポイント低下

売上高は過去最高を更新しましたが、売上総利益率と営業利益率は低下しました。

一方、親会社帰属利益には政策保有株式の売却益が寄与しています。

前回決算を評価する際は、最終増益だけを見るのではなく、本業の営業利益が減少した点を確認する必要があります。

売上高は過去最高でも営業減益

2026年3月期の売上高は、前期比0.5%増の2兆4,435億円となり、過去最高を更新しました。

一方、営業利益は同10.4%減の6,249億円、経常利益は同10.9%減の6,303億円となりました。

売上高が増加したにもかかわらず営業減益となった主な要因の一つが、売上総利益率の低下です。

売上総利益率は前期から1.8ポイント低下して45.3%、営業利益率は3.1ポイント低下して25.6%となりました。

前期まで業績をけん引していた中国向け成熟ノード投資が一巡し、地域別・製品別の売上構成が変化したことが採算性に影響しました。

中国では、半導体の国産化を進めるため、成熟した製造技術に対応する半導体製造装置への投資が拡大していました。

一方、設備投資の一巡や輸出規制の影響によって、中国向け売上の伸びは鈍化しています。

また、東京エレクトロンは将来の成長に向けて、研究開発費や人材への投資を増やしています。

主な投資分野は次のとおりです。

  • エッチング装置
  • 成膜装置
  • 洗浄装置
  • 塗布・現像装置
  • 先端パッケージング
  • 装置保守・サービス人員
  • 新しい研究開発拠点

これらの投資は中長期的な成長に必要ですが、短期的には利益率を押し下げます。

前回決算では売上高が過去最高となったものの、売上の増加を営業利益の増加へつなげられませんでした。

東京エレクトロンの決算を見る際は、売上高だけでなく、売上総利益率や営業利益率も確認することが重要です。

最終利益は政策保有株式の売却益で増加

2026年3月期の親会社帰属利益は、前期比5.6%増の5,744億円となり、過去最高を更新しました。

営業利益と経常利益が減少した一方、最終利益が増加した背景には、政策保有株式の売却益があります。

東京エレクトロンは保有株式を売却し、特別利益を計上しました。

特別利益は本業の半導体製造装置事業から継続的に得られる利益ではないため、翌期も同じ規模で発生するとは限りません。

そのため、親会社帰属利益が増加したことだけで、本業の収益力が改善したと判断するのは適切ではありません。

前回決算は、営業減益と一時利益による最終増益が同時に発生した決算です。

次回の第1四半期決算では、政策保有株式の売却益などを除き、本業である営業利益がどの程度伸びたかを重視しましょう。

AI・HBM・先端ロジック向けの売上増加を、営業利益率の改善へつなげられたかが重要です。

第4四半期単独では利益率が回復

2026年3月期通期では営業減益となりましたが、第4四半期単独では売上高と営業利益が増加し、営業利益率も回復しました。

項目2026年1~3月期前年同期比
売上高7,118億円8.6%増
営業利益2,056億円11.9%増
親会社帰属利益2,142億円49.9%増
売上総利益率46.8%0.6ポイント低下
営業利益率28.9%0.9ポイント改善

第4四半期の売上高は前年同期比8.6%増の7,118億円となり、四半期として過去最高を更新しました。

営業利益は同11.9%増の2,056億円となり、営業利益率も28.9%まで回復しています。

第3四半期には一部顧客の出荷時期変更などによって売上が減少しましたが、第4四半期には出荷が回復しました。

台湾や韓国を中心に、先端ロジックやDRAM向けの設備投資が増えたことも業績を押し上げています。

中国向け成熟ノード装置への依存度が低下し、より高付加価値な先端半導体向け装置の販売が増えれば、製品構成の改善につながる可能性があります。

一方、売上総利益率は前年同期から0.6ポイント低下しています。

営業利益率が改善した背景には売上規模の拡大による固定費吸収も含まれるため、製品採算が全面的に改善したとは限りません。

次回の第1四半期決算では、第4四半期に見られた売上と利益率の回復が続いているかが注目されます。

特に、営業利益率が会社の上期計画である27.5%を上回る水準を維持できるかを確認しましょう。

前年の第1四半期決算を確認

東京エレクトロンの次回決算を評価するために、前年の第1四半期実績を確認しておきましょう。

2026年3月期第1四半期は、売上高5,495億円、営業利益1,446億円となり、売上高・利益ともに高い水準でした。

項目2026年3月期 第1四半期
売上高5,495億円
営業利益1,446億円
経常利益約1,473億円
親会社帰属利益1,178億円
売上総利益率46.2%
営業利益率26.3%

前年第1四半期は、中国向けの半導体製造装置売上が高い比率を占めていました。

中国では、成熟ノードを中心とした半導体の国産化投資が続き、東京エレクトロンの塗布・現像装置やエッチング装置などの需要を押し上げていました。

一方、今回の2027年3月期第1四半期では、中国向け成熟ノード投資よりも、次の分野が業績をけん引すると見込まれています。

  • AIサーバー向け半導体
  • DRAM・HBM
  • 先端ロジック
  • GAA
  • 先端パッケージング
  • 台湾・韓国向け設備投資

売上構成が中国の成熟ノード向けから、高付加価値なAI・先端半導体向けへ変化すれば、売上高だけでなく利益率の改善にもつながる可能性があります。

前年第1四半期の営業利益率は26.3%でした。

会社が上期で計画する営業利益率は27.5%のため、今回の第1四半期で前年の26.3%を上回り、27%台へ改善できるかが注目されます。

また、市場では第1四半期の経常利益が約2,145億円となり、前年同期の約1,473億円から約45.6%増加すると予想されています。

単に前年同期比で増益となったかだけでなく、約2,145億円の市場コンセンサスを上回れるかを確認しましょう。

東京エレクトロンの決算で注目したい成長分野

東京エレクトロンの今後の業績を左右するのは、AIサーバー向けの設備投資やDRAM・HBM、先端ロジック、先端パッケージングの成長です。

会社は2027年3月期上期に、SPE新規装置の売上高が前年同期比41%増加すると予想しています。

成長分野確認したい内容
WFE市場1,500億~1,700億ドル規模へ成長するか
DRAM・HBMメモリ向け設備投資が増えるか
先端ロジックGAA・配線工程の装置需要
塗布・現像50%以上の売上成長計画
エッチング25%以上の売上成長計画
先端パッケージ60%以上の売上成長計画
SPE新規装置上期に前年同期比41%増を計画
フィールドソリューション保守・部品・改造需要
中国売上構成比がさらに低下するか
研究開発投資増を利益成長で吸収できるか

東京エレクトロンは半導体製造の幅広い工程へ装置を提供しているため、AI向け設備投資が増えるほど、複数の装置分野で成長機会が生まれます。

一方、半導体メーカーの設備投資時期や工場の稼働計画によって、売上計上が後ろ倒しになる可能性にも注意が必要です。

WFE市場は1,500億~1,700億ドルへ成長するか

東京エレクトロンは、CY2026からCY2027のWFE市場について、年間1,500億~1,700億ドルになると見込んでいます

CY2025と比べて、20%以上の成長を想定しています。

WFEは、半導体の前工程で使用する製造装置市場を示します。

市場拡大をけん引すると見込まれているのが、AIサーバー向けの半導体需要です。

生成AIの普及によって、高性能GPUやAIアクセラレーター、HBM、先端ロジック半導体の需要が増えています。

その結果、半導体メーカーによる次のような設備投資が拡大する可能性があります。

  • 先端ロジックの微細化投資
  • DRAM・HBMの生産能力拡大
  • 先端パッケージング
  • データセンター向け半導体
  • 高性能・省電力半導体

WFE市場では、従来のロジック・ファウンドリー向けに加え、メモリ向け設備投資の比率が高まると予想されています。

東京エレクトロンは塗布・現像、成膜、エッチング、洗浄など複数の工程で装置を提供しているため、市場全体の成長による恩恵を受けやすい企業です。

一方、WFE市場の見通しは、顧客の設備投資計画によって変動します。

半導体価格の下落や在庫調整、工場建設の遅延、輸出規制などが発生した場合は、設備投資が延期される可能性があります。

決算では、WFE市場の規模だけでなく、顧客の設備投資時期や装置の出荷見通しに変更がないかを確認しましょう。

DRAM・HBM向け売上は伸びるか

AIサーバー市場の拡大によって、DRAMやHBM向けの設備投資が増加しています。

HBMは複数のDRAMを縦方向に積み重ね、高速かつ大容量のデータ処理を実現するメモリです。

生成AIの学習や推論では大量のデータを処理する必要があるため、GPUと組み合わせて使用されるHBMの需要が急増しています。

東京エレクトロンは、HBMの製造に必要な複数の工程へ装置を提供しています。

主な成長領域は次のとおりです。

  • DRAMのキャパシタ工程
  • 高アスペクト比加工
  • HBMの配線層形成
  • 成膜・エッチング工程
  • ウエハ洗浄
  • ボンディング装置
  • 先端パッケージング

SKハイニックス、Samsung、Micronなどのメモリメーカーは、HBMの生産能力を増やすために設備投資を進めています。
こうした投資が予定どおり実行されれば、東京エレクトロンのDRAM・HBM向け売上も増加する可能性があります。

一方、メモリ市場は価格や需給によって投資額が大きく変動する傾向があります。

HBM需要が強くても、一般的なDRAMやNANDの市況が悪化した場合は、メモリメーカーが設備投資を延期する可能性があります。

決算では、HBM向けの強い需要が実際の装置出荷や売上へ反映されているかを確認しましょう。

先端ロジック・GAA投資に注目

先端ロジック分野では、2ナノメートル世代などの微細化投資が進んでいます。

半導体の性能や省電力性を高めるため、従来のFinFETからGAA構造への移行が進む見込みです。

GAAでは製造工程が複雑になり、成膜やエッチング、塗布・現像、洗浄などの工程数が増える可能性があります。

そのため、先端ロジックの微細化は、東京エレクトロンにとって1枚のウエハ当たりの装置需要を増やす要因となります。

主な注目工程は次のとおりです。

  • GAA構造の形成
  • 微細な配線工程
  • HARC工程
  • 成膜・エッチング
  • EUV露光前後の塗布・現像
  • 洗浄・表面処理

TSMC、Samsung、Intelなどは、先端ロジック半導体の量産に向けた投資を進めています。

東京エレクトロンは塗布・現像装置で高いシェアを持っており、先端半導体の量産が拡大すれば、装置需要も増える可能性があります。

一方、顧客の量産開始が遅れた場合は、装置の納入や売上計上も後ろ倒しになる可能性があります。

決算では、先端ロジック向け出荷の増加と、顧客の量産開始時期を確認しましょう。

先端パッケージングは60%以上の成長計画

東京エレクトロンは2027年3月期の先端パッケージング関連売上について、前期比60%以上の成長を計画しています。

前期の先端パッケージング関連売上は約2,000億円でした。

今期はHBMや先端ロジック向けを中心に、さらに大幅な成長を見込んでいます。

先端パッケージングでは、複数の半導体やメモリを組み合わせ、1つのパッケージとして高い性能を実現します。

東京エレクトロンが成長を期待する主な装置は次のとおりです。

  • HBM向けボンディング装置
  • 先端ロジック向けプローバ
  • 塗布・現像装置
  • エッチング装置
  • 成膜装置
  • 洗浄装置

東京エレクトロンは2027年3月期について、塗布・現像で50%以上、エッチングで25%以上、先端パッケージングで60%以上の売上成長を計画しています。

ただし、新しい装置が顧客の生産ラインで評価されても、すぐに大規模な売上へつながるとは限りません。

顧客の量産工程でPORを獲得し、複数工場や複数ラインへ採用が広がることで、本格的な売上成長につながります。

決算では次の点を確認しましょう。

  • PORの獲得状況
  • 顧客の量産開始時期
  • 装置の出荷台数
  • 売上計上時期
  • 先端パッケージングの利益率
  • HBM向け装置の採用拡大

高い売上成長を確保しながら、採算性も改善できるかが重要です。

中国向け売上の減少は業績に影響する?

東京エレクトロンの中国向け売上構成比は低下しています。

一方、台湾・韓国を中心とした先端ロジックやDRAM向けの設備投資が増加し、中国向け売上の減少を補い始めています。

項目売上構成比
2026年3月期通期の中国34.1%
2026年3月期第4四半期の中国26.8%
2026年3月期第4四半期の台湾22.0%

2026年3月期通期の中国向け売上構成比は34.1%でしたが、第4四半期は26.8%まで低下しました。

中国では、成熟ノードを中心とした半導体製造装置への投資が業績を押し上げてきました。

しかし、過去に急増した設備投資が一巡したほか、米国による輸出規制の強化も中国向け販売へ影響する可能性があります。

中国向け売上比率は低下していますが、依然として全体の4分の1を超える規模です。

そのため、中国市場の装置需要が急速に減少した場合は、東京エレクトロンの売上高や利益にも影響する可能性があります。

一方、第4四半期の台湾向け売上構成比は22.0%となりました。

台湾ではTSMCを中心に、先端ロジックやAI向け半導体の設備投資が進んでいます。

韓国でもSKハイニックスやSamsungによるDRAM・HBM投資が拡大しており、中国向け成熟ノード投資から、台湾・韓国向けの先端投資へ売上構成が変化しています。

今後は次の項目を確認しましょう。

  • 中国向け売上構成比
  • 中国向け売上高の減少率
  • 台湾・韓国向け売上の増加率
  • 先端ロジック向け装置の出荷
  • DRAM・HBM向け装置の出荷
  • 地域別の利益率
  • 輸出規制の影響

中国依存が低下し、高付加価値なAI・先端半導体向け装置の販売が増えれば、利益率が改善する可能性があります。

一方、中国向け売上の減少を台湾・韓国の成長で補えなければ、全社売上の伸びが鈍化する可能性があります。

東京エレクトロンの次回決算で確認したいポイント

東京エレクトロンの次回決算では、経常利益約2,145億円の市場予想を上回れるかに加え、上期計画の進捗や利益率の改善が注目されます。

注目点確認したい内容
市場予想経常利益約2,145億円を上回れるか
上期売上高1兆5,700億円へ順調か
営業利益上期4,310億円計画の進捗
営業利益率27%台へ改善するか
売上総利益率45.5%前後を維持できるか
SPE新規装置上期41%増計画へ順調か
DRAM・HBMメモリ投資が売上へ反映されたか
先端ロジックGAA・配線工程の需要
先端パッケージ60%以上の成長計画
中国売上比率と減収幅
台湾・韓国先端投資が中国減少を補えるか
フィールドサービス保守・改造・部品売上
研究開発費増加を利益で吸収できるか
上期予想上方修正されるか
下期見通し通期コンセンサスへ届く可能性
配当中間配当361円の変更
株価PTS・翌営業日の反応

営業利益率は27%台へ戻るか

前年第1四半期の営業利益率は26.3%、2026年3月期通期では25.6%でした。

一方、会社は2027年3月期上期の営業利益率を27.5%と予想しています。

項目営業利益率
前年1Q26.3%
2026年3月期通期25.6%
2027年3月期上期計画27.5%

利益率改善の主な要因として期待されているのが、高付加価値な装置の販売増加です。

AI、DRAM・HBM、先端ロジック、先端パッケージング向けの売上が増えれば、製品構成の改善につながる可能性があります。

一方、東京エレクトロンは研究開発費や人員、設備投資も増やしています。

売上高が増えても、研究開発費や人件費がそれ以上に増えれば、利益率が改善しない可能性があります。

また、中国向け成熟ノード装置と、台湾・韓国向けの先端装置では、製品構成や採算性が異なる可能性があります。

決算では、売上増加を営業利益の増加へつなげ、27%台の利益率を確保できたかを確認しましょう。

SPE新規装置売上は41%増へ進んでいるか

東京エレクトロンは2027年3月期上期のSPE新規装置売上について、前年同期比41%増の1兆2,000億円を見込んでいます。

アプリケーション上期売上構成計画
非メモリ57%
DRAM32%
NAND11%

非メモリには、先端ロジックやファウンドリー向け装置などが含まれます。

DRAMの構成比は32%まで上昇し、HBMを中心としたメモリ投資の拡大が期待されています。

一方、NANDは11%にとどまり、メモリ向けの中でもDRAM・HBMが成長をけん引する構成です。

上期計画どおりに進めば、AIや先端半導体向けへの売上構成変化がより明確になります。

ただし、半導体製造装置は顧客の工場建設や検収時期によって、四半期ごとの売上が大きく変動します。

第1四半期の進捗が低い場合でも、第2四半期に出荷が集中する計画であれば、直ちに上期未達とは判断できません。

決算説明会では、装置の出荷時期と第2四半期の売上計画も確認しましょう。

研究開発費の増加を吸収できるか

東京エレクトロンは2027年3月期に、研究開発費3,300億円、設備投資1,900億円を計画しています。

項目2027年3月期計画
研究開発費3,300億円
設備投資1,900億円
減価償却費1,000億円

研究開発費は、次の成長分野へ投入される見込みです。

  • エッチング
  • 成膜
  • 洗浄
  • 塗布・現像
  • 先端パッケージング
  • HBM向け装置
  • GAA向け装置

東京エレクトロンは宮城、熊本、岩手などで新しい開発・生産拠点の整備も進めています。

研究開発や設備への投資は、将来の装置シェア拡大や新製品の売上増加につながる可能性があります。

一方、研究開発費や減価償却費は、短期的には利益率を押し下げます。

売上高が増えても、投資負担を吸収できなければ、営業利益率が会社計画を下回る可能性があります。

決算では、投資額以上に売上高と営業利益を伸ばせているかを確認しましょう。

受注高は公表される?

東京エレクトロンは、四半期ごとの受注高を現在公表していません。

そのため、決算で受注額そのものを確認することはできません。

「受注が増えているか」を判断する場合は、次の情報を確認する必要があります。

  • SPE新規装置の売上予想
  • WFE市場の見通し
  • 顧客の設備投資計画
  • アプリケーション別の売上構成
  • 地域別売上
  • 会社の装置出荷見通し
  • 第2四半期以降の売上計画

受注高が公表されていたとしても、受注から売上計上まで時間がかかる場合があります。

また、顧客の都合によって納入時期が変更される可能性もあります。

東京エレクトロンは四半期受注額の開示を取りやめているため、決算説明会のコメントやSPE新規装置売上予想から将来の需要を判断することが重要です。

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東京エレクトロンの決算に期待して株の購入を検討している人もいるでしょう。

株を購入する前には、信用買いが増えているのか、信用買いの整理が進んでいるのかを確認することも重要です。
信用買いが増えていると株価が上がりにくく、信用買いが整理されていると上値が軽くなりやすいからです。

一般的な信用残は週次で公表されるため、急落当日の信用需給をすぐに確認することはできません。
松井証券では、東証の売買内訳データをもとに算出した「信用残(当日推計)」と「信用倍率(当日推計)」を確認できます

信用買いが増えているのか信用返済による売りが出ているのかなど、株価変動の背景を考える際にも活用でき、需給の良いタイミングでの取引が可能です。

私も別の証券会社を利用していましたが、信用需給の分析用に活用するサブ口座として松井証券を使い始めて、今では気になる銘柄の需給を毎日確認しています。
トレードの勝率を少しでも上げたいという人はぜひ活用してみてはいかがでしょうか。

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東京エレクトロンの決算後の株価はどうなる?

東京エレクトロンの決算後の株価は、増収増益だったかだけでなく、高い市場期待を上回れるかによって反応が変わる可能性があります。

市場では2027年3月期に大幅な増収増益が予想されており、AI・HBM・先端ロジックへの成長期待も株価へ織り込まれている可能性があります。

シナリオ想定される決算株価への影響
強気コンセンサス超過、利益率改善、上期予想を上方修正業績成長を織り込み株価上昇につながる可能性
中立増収増益だが市場予想並み、上期予想は据え置き想定内として方向感が出にくい可能性
弱気市場予想未達、利益率低下、出荷遅延高い成長期待が後退し売られる可能性

強気シナリオは、第1四半期の経常利益が市場予想の約2,145億円を上回り、営業利益率も27%台へ改善するケースです。

加えて、上期予想が上方修正され、下期のWFE市場やAI・HBM需要について強気な説明があれば、通期市場予想も引き上げられる可能性があります。

中立シナリオは、大幅な増収増益となったものの、市場予想とほぼ同じ水準にとどまるケースです。

上期予想が据え置かれ、下期について新しい材料がなければ、決算内容は想定内と判断される可能性があります。

決算前に株価が大きく上昇していた場合は、好決算でも材料出尽くしとなる可能性があります。

弱気シナリオは、経常利益が市場予想を下回り、営業利益率も低下するケースです。

装置の出荷遅延や中国向け需要の急減、メモリメーカーの設備投資延期などが確認された場合は、高い成長期待が後退する可能性があります。

決算では次の項目を確認しましょう。

  • 経常利益約2,145億円との比較
  • 営業利益率
  • 売上総利益率
  • 上期予想の修正
  • 下期の需要見通し
  • AI・HBM向け売上
  • 先端ロジック向け出荷
  • 中国向け売上の減少幅
  • 台湾・韓国向け売上
  • 研究開発費の増加
  • 中間配当の変更

東京エレクトロンの株価は、SOX指数やNVIDIAなど米国半導体株の値動きにも影響を受ける可能性があります。

決算発表後はPTSの反応だけで判断せず、翌営業日の寄り付きや出来高、終値まで確認しましょう。

まとめ

東京エレクトロンの次回決算は、2026年7月30日16時に発表される予定です。

会社は第1四半期単独の業績予想を公表しておらず、市場では経常利益約2,145億円が予想されています。

今回の決算では、主に次のポイントへ注目です。

  • 決算発表日は2026年7月30日
  • 発表時間は16時
  • 決算説明会資料は16時30分に公開予定
  • 第1四半期の経常利益予想は約2,145億円
  • 前年同期から約45.6%増益が期待されている
  • 会社は通期予想ではなく上期予想を公表
  • 上期売上高は1兆5,700億円を予想
  • 上期営業利益は4,310億円を予想
  • 上期営業利益率は27.5%を計画
  • 前期は売上高と最終利益が過去最高
  • 前期営業利益は10.4%減
  • 政策保有株式の売却益が最終利益を押し上げた
  • WFE市場は1,500億~1,700億ドルを想定
  • DRAM・HBM・先端ロジックが成長をけん引
  • 先端パッケージングは60%以上の成長計画
  • 中国向け売上構成比は低下
  • SPE新規装置売上は上期41%増を計画
  • 研究開発費は3,300億円を計画

東京エレクトロンの決算では、増収増益だったかだけでなく、高い市場コンセンサスを上回り、売上増加を利益率改善へつなげられたかが重要です。

決算発表後は、経常利益約2,145億円との比較や上期予想の修正、AI・HBM・先端ロジックの進捗を確認しましょう。

出典

・東京エレクトロン「IRカレンダー」
https://www.tel.co.jp/ir/calendar/index.html

・東京エレクトロン「2027年3月期 第1四半期決算発表(予定)」
https://www.tel.co.jp/ir/library/report/fy2027-q1.html

・東京エレクトロン「業績予想」
https://www.tel.co.jp/ir/finance/forecast/

・東京エレクトロン「決算短信・決算説明会資料」
https://www.tel.co.jp/ir/library/report/index.html

・東京エレクトロン「2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」
https://www.tel.co.jp/ir/irta3a00000006g5-att/fy26q4tanshin-j.pdf

・東京エレクトロン「2026年3月期 決算説明会 プレゼンテーション資料」
https://www.tel.co.jp/ir/irta3a00000006g5-att/fy26q4presentations-j.pdf

・東京エレクトロン「2026年3月期 決算説明会 トランスクリプト」
https://www.tel.co.jp/ir/irta3a00000006g5-att/fy26q4transcript-j.pdf

・IFIS株予報「東京エレクトロン(8035)業績進ちょくと決算スケジュール」
https://kabuyoho.ifis.co.jp/index.php?action=tp1&bcode=8035&sa=report

・株予報Pro「東京エレクトロン(8035)アナリスト予想・コンセンサス」
https://kabuyoho.jp/sp/reportAnalyst?bcode=8035

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