akippa株式会社は、個人宅の車庫や月極駐車場の未契約区画、店舗・施設の空きスペースなどを、駐車場を探す利用者につなぐ「駐車場マーケットプレイス」を運営する会社です。2026年9月18日に東京証券取引所スタンダード市場へ上場しました。
サービス名の「アキッパ」は知っていても、上場会社として何を売り、どこで利益を得ているのかは少し分かりにくい事業です。ポイントは、akippaが全国の駐車場を大量に買って運営する会社ではなく、空いているスペースを持つオーナーと利用者の取引を成立させ、その取引から収益を得るプラットフォーム企業だという点です。
本記事では、アキッパのサービスの仕組み、売上と利益が生まれる流れ、競合サービスの中での位置、akippaの強みと弱み、今後の成長戦略まで順番に解説します。
※本記事は2026年9月28日時点の開示資料・公式情報をもとに作成しています。
akippaは何の会社?

akippa株式会社は、駐車場マーケットプレイス「アキッパ」を運営する会社です。マーケットプレイスとは、商品やサービスを提供したい人と利用したい人をつなぐ「取引の場」を指します。アキッパでは、空き駐車場を貸したいオーナーと、目的地近くで駐車場を予約したい利用者をつないでいます。
月極駐車場の未契約区画、個人宅の車庫、空き地、店舗や施設の空きスペースなど、普段は使われていない場所や時間を駐車スペースとして登録できます。利用者はWebやアプリから駐車場を探し、事前に予約・決済して利用します。
サービスの規模も大きくなっています。2026年7月末時点の累計会員数は550万人を超え、2025年12月時点では全国で常時5.5万件以上の予約可能な駐車場が掲載されていました。累計会員数は登録者の積み上げなので、実際の利用の厚みは利用UU数(実際に利用した重複のない利用者数)で確認します。2026年上期の利用UU数は60.6万人で、前年同期比11.8%増でした。
akippa株式会社の会社概要
akippa株式会社の基本情報は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | akippa株式会社 |
| 設立 | 2009年2月2日 |
| 代表者 | 代表取締役社長 CEO 金谷元気 |
| 本社 | 大阪府大阪市浪速区難波中2-10-70 なんばパークスタワー14階 |
| 主な事業 | 駐車場マーケットプレイス「アキッパ」の運営 |
| 上場市場 | 東京証券取引所スタンダード市場 |
| 上場日 | 2026年9月18日 |
| 証券コード | 627A |
会社の分類としては情報・通信業ですが、実際の事業は「駐車場」というリアルな資産と、Web・アプリ上の予約・決済を組み合わせたサービスです。土地を大量に保有して賃料を稼ぐ不動産会社とも、コインパーキング設備を自社で設置する駐車場運営会社とも異なります。
営業代行会社から駐車場予約サービスへ事業を転換した
akippaは、創業時は駐車場の会社ではなく、営業代行の会社でした。金谷元気社長は上場企業で営業を経験した後、2009年に24歳で営業代行会社として会社を創業し、携帯電話の販売代理などを手がけています。
その後、「何のために会社を経営するのか」を考える中で、社員全員が生活の中の困りごとを約200個書き出しました。その中にあったのが、「コインパーキングは現地へ行ってから満車だと分かって困る」という問題です。空いている駐車スペースはあるのに、停めたい人へ情報が届いていない。そのミスマッチを解消する事業として、2014年に駐車場予約サービスを始めました。
2015年2月には、主力事業である「アキッパ」に経営資源を集中させるため、社名をakippa株式会社へ変更しました。営業代行会社として培った法人開拓の経験は、その後の駐車場オーナー開拓にも生かされています。
駐車場予約サービス「アキッパ」はどのような仕組み?
アキッパは、駐車場を借りたい利用者と、空きスペースを収益化したいオーナーの双方に価値を提供するサービスです。利用者には「目的地へ行く前に駐車場所を確保できる安心」を、オーナーには「使っていない場所や時間を収入へ変える手段」を提供します。
利用者は目的地近くの駐車場を事前予約・事前決済できる
利用者は、Webサイトやアプリで目的地周辺の駐車場を検索し、空き状況や料金、利用可能時間、対応車種などを確認して予約します。料金は予約時にオンラインで決済するため、現地で空車を探したり、利用後に精算機へ並んだりする必要がありません。
アキッパの主な価値は、目的地へ向かう前に駐車場所を確定できることです。イベント会場や観光地では、現地へ到着した時点で周辺駐車場が満車になっていることがあります。事前予約によって、利用者は駐車場探しに使う時間や不確実性を減らせます。料金は需要や日程によって変わるため、価格面の優位性は利用日や駐車場ごとに異なります。
利用時には駐車場利用料とは別にサービス料がかかります。2026年9月時点の公式ヘルプでは、サービス料は駐車場や地域によって異なる場合があると説明されており、予約画面で事前に確認する仕組みです。
頻繁に利用する人向けには有料会員サービス「アキッパバリュープラス」もあります。通常会員より3時間早く予約でき、駐車場利用料が10%割引になります。2026年9月時点では月払い500円、6か月2,500円、12か月4,500円のプランが案内されています。サービス料は10%割引の対象外です。
オーナーは空いている駐車場を初期費用・月額固定費なしで貸し出せる
オーナー側は、自宅の車庫、月極駐車場の空き区画、店舗駐車場、空き地などを登録し、貸し出せる日や時間を設定します。アキッパは初期費用・月額固定費・退会手数料を原則0円としており、特別な設備工事も求めていません。利用が発生したときに手数料を支払う成果報酬型なので、固定費をかけずに空きスペースの収益化を始められます。
2026年6月末時点の公式ヘルプでは、駐車場利用料の46.3%がオーナーへの報酬です。
知らない利用者へ個人宅などを貸し出す以上、事故や停め間違いなどの不安もあります。akippaは24時間365日の電話サポートと「駐車場シェア専用保険」を用意しており、一定の条件を満たす物損や傷害、損害賠償責任を補償対象としています。ただし、すべてのトラブルを無条件で補償する制度ではなく、事故状況によっては当事者間での解決が基本になります。
akippaはどうやって儲かる?
akippaは、利用者が支払う駐車場利用料のうちオーナーへの報酬を差し引いた手数料部分と、利用者から受け取るサービス料などで稼いでいます。会計上は、駐車場利用料やサービス料などを売上高として計上し、オーナーへ支払う報酬を売上原価として差し引きます。
売上は駐車場利用料・サービス料・有料会員サービスなどから生まれる
2025年12月期の売上高は38.28億円でした。売上の中心は利用者が支払う駐車場利用料で、これにサービス料、有料会員サービスの会費などが加わります。
| 収益区分 | 2025年12月期 | 構成比 | 内容 |
|---|---|---|---|
| 駐車場売上 | 32.39億円 | 84.6% | 利用者が支払う駐車場利用料を総額で計上 |
| サービス料 | 4.79億円 | 12.5% | 予約時に利用者が支払うプラットフォーム利用料 |
| その他 | 1.01億円 | 2.7% | バリュープラス会費など |
| その他の収益 | 0.08億円 | 0.2% | 賃貸収入等 |
| 合計 | 38.28億円 | 100.0% |
駐車場売上32.39億円には、オーナーへ支払う報酬の原資も含まれています。会社の収益力は、売上高に加えて、オーナー報酬などを差し引いた売上総利益、さらに販管費を差し引いた営業利益まで見ると把握できます。
テイクレートは原則53.7%
テイクレートとは、サービス上で成立した取引金額に対して、プラットフォーム側がどの程度を手数料として受け取るかを示す割合です。akippaは上場資料で、2026年6月末時点のテイクレートを原則53.7%としています。オーナーへの報酬率46.3%と表裏の関係にあります。
たとえば駐車場利用料が1,000円なら、原則としてオーナーに463円を支払い、残る537円がakippa側の手数料部分です。ただし、これは駐車場利用料に対する基本構造を示す数字で、利用者から別に受け取るサービス料なども売上に含まれます。
手数料の半分以上を受け取っても、営業利益率が5〜8%程度になる理由

テイクレート53.7%を見ると、「駐車場利用料の半分以上が会社に残るなら、利益率もかなり高いのでは」と感じるかもしれません。しかし、テイクレートはオーナーへ払う報酬を差し引いた段階の話であり、その後にサービスを運営するための費用がかかります。
| 項目 | 2025年12月期 実績 | 2026年12月期 会社予想 | 意味 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 38.28億円 | 43.00億円 | 駐車場利用料・サービス料などを含む |
| 売上原価 | 19.00億円 | 21.07億円 | 大部分がオーナーへの支払報酬 |
| 売上総利益 | 19.28億円 | 21.92億円 | 売上高から売上原価を差し引いた利益 |
| 販売費及び一般管理費 | 17.27億円 | 18.52億円 | 人件費、サーバー費、決済手数料等 |
| 営業利益 | 2.01億円 | 3.40億円 | 本業で最終的に残る利益 |
| 営業利益率 | 約5.2% | 約7.9% | 営業利益÷売上高 |
まず売上高から、オーナーへ支払う報酬を中心とする売上原価が差し引かれます。2026年12月期の会社計画では、売上高43.00億円に対し売上原価21.07億円、売上総利益21.92億円を見込んでいます。ここまでで、売上のおよそ半分が残るイメージです。
しかし、その売上総利益から人件費、サーバー費、駐車場利用料の決済手数料、社外の営業代理店への手数料などの販売費及び一般管理費が発生します。2026年12月期は販管費18.52億円を見込み、最終的な営業利益は3.40億円です。
つまり、53.7%は「駐車場利用料に対してakippaが受け取る手数料の割合」であり、7.9%は「会社運営に必要な費用まで差し引いた後の営業利益率」です。同じ「率」でも見ている段階が違います。
テイクレート53.7%と売上総利益率も一致しません。53.7%は2026年6月末時点の、駐車場利用料に対する原則の料率です。売上総利益率は、サービス料などを含む会社全体の売上高と実際の売上原価から計算します。
売上原価にはオーナーへの報酬以外の費用も含まれます。また、2025年12月期の実績とは時点も異なります。そのため、2025年12月期の売上総利益率は約50.4%と、53.7%を下回っています。
利益率は改善しています。2025年12月期の営業利益率は約5.2%でしたが、2026年12月期は約7.9%を予想しています。会社は固定費の割合が高い費用構造を背景に、売上の増加に対して販管費の増加を抑え、利益を伸ばす計画です。
駐車場資産を大量保有しない「アセットライト型」の仕組み
akippaは、全国に自社所有の土地を大量に買い集め、コインパーキング設備を設置して貸すことを基本モデルとしていません。第三者がすでに持っている空きスペースをプラットフォームへ掲載し、予約が成立したときに収益を得ます。
このように、大きな固定資産を自社で大量に持つことを前提としない事業モデルは「アセットライト」と呼ばれます。駐車場を1件増やすたびに土地取得や精算機の設置を行う必要がないため、供給網を広げる際の資本負担を抑えられます。
競合と比べてakippaはどの位置にいる?
akippaは、第三者調査で「予約可能な駐車場掲載数No.1」とされており、供給規模では主要な駐車場予約サービスの中で先行しています。駐車場予約の分野には、パーク24グループの「タイムズのB」、アースカーの「特P」、軒先株式会社の「軒先パーキング」など複数のサービスがあります。
| サービス | 運営会社 | 主な特徴・公表規模 |
|---|---|---|
| アキッパ | akippa株式会社 | 常時5.5万件以上。主要5社調査で予約可能な駐車場掲載数No.1 |
| タイムズのB | タイムズ24株式会社 | 全国2万台以上の予約制駐車場を案内。オーナーには売上の60%を支払うと公式説明 |
| 特P | 株式会社アースカー | 予約駐車場に加え、全国10万件以上の駐車場データを検索できる |
| 軒先パーキング | 軒先株式会社 | 住宅・月極・施設周辺などの空きスペースを事前予約・決済 |
この調査は主要5社を対象としており、各社の個別掲載数までは公表されていません。そのため「市場シェア○%」とは言えませんが、予約できる供給規模がakippaの競争力を支える材料になっています。
競合各社にも別の強みがあります。たとえばタイムズのBは、時間貸し駐車場「タイムズ」やタイムズクラブとの接点があります。特Pは予約スペースに加えて全国の駐車場データを検索できる入口を持っています。
akippaの強みは?
akippaの強みは、供給と利用者が相互に増えるネットワーク効果、現場の営業力とテクノロジー開発力、高いテイクレートを維持できる集客力、資産を大量保有しない事業構造の組み合わせにあります。
強み1|会員と駐車場の規模が相互に増えるネットワーク効果
マーケットプレイスでは、貸す側と借りる側の両方が十分に集まるほどサービスの価値が上がります。このように参加者が増えることで、さらに参加者を呼び込む性質を「ネットワーク効果」と呼びます。
アキッパでは、駐車場が増えると利用者が目的地の近くで予約できる確率が上がります。利用者が増えて予約が入れば、オーナーは空きスペースから収入を得る機会が増えます。その実績が新しいオーナーを呼び、さらに駐車場が増えるという循環が生まれます。

2026年6月末の掲載駐車場数は約5.9万台(58,870台)で前年同月比8.7%増、2026年上期の利用UU数は60.6万人で前年同期比11.8%増でした。なお、「常時5.5万件以上」は2025年12月の予約可能な駐車場掲載数を月平均した数字で、58,870台とは集計時点と定義が異なります。供給と実利用者がともに増えている点が、ネットワーク拡大を確認する材料になります。
強み2|営業力とテクノロジー開発力を両方持っている
akippaは上場資料で、営業力とテクノロジー開発力の双方を競争力として挙げています。金谷社長も2026年9月のForbes JAPANのインタビューで、同社の強みを「泥臭い営業力」と表現しています。これは、Web広告だけで駐車場オーナーを待つのではなく、供給が必要な場所を見つけて直接開拓してきた歴史を指しています。 営業が担うのは、法人や施設、月極駐車場、高需要エリアなどの供給開拓です。
テクノロジー開発では、予約・決済、駐車場検索、料金設定、オーナー管理などをオンライン化しています。個人オーナーがアプリから登録・管理できる「オーナーモード」も、供給拡大を支える開発機能の一つです。
強み3|高い集客力があるため、原則53.7%のテイクレートでもオーナーを集められる
原則53.7%というテイクレートは、オーナー側の取り分が相対的に低くなることを意味します。競合であるタイムズのBは公式に売上の60%を駐車場提供者へ支払うと説明しており、報酬率だけで比べればakippaが有利とはいえません。
それでもakippaが高いテイクレートを維持できる理由として、会社は多数の会員基盤と利用実績を背景とした集客力を挙げています。オーナーにとって大切なのは報酬率そのものより、「実際に何回予約が入り、最終的にいくら受け取れるか」です。
強み4|アセットライト型なので、土地を大量取得せず全国へ供給を広げられる
アセットライト型の強みは、駐車場を増やすために毎回土地や建物を買う必要がないことです。既存の個人宅、月極駐車場、店舗、施設などの空きスペースを取り込めれば、設備投資を抑えながら供給網を広げられます。
その分、経営資源をテクノロジー開発、営業、マーケティング、サポートへ振り向けられます。駐車場が1件増えるたびに大きな固定資産投資を伴うモデルと比べると、全国展開の速度を上げやすい構造です。
akippaの弱み・課題は?
akippaの強みは、そのまま弱みにもつながります。ネットワーク効果は規模が伸びている間は強力ですが、競合に利用者やオーナーが流れれば逆回転する可能性があります。イベント需要の偏り、個人の駐車場を扱う運営難度、オンラインサービスへの依存は継続的な観察点です。
競争が激しくなれば、テイクレートやオーナー獲得で優位性が薄れる可能性がある
akippaにはタイムズのB、特P、軒先パーキングなどの競合があります。高いテイクレートを維持する条件は、オーナーへの報酬率の差を上回る予約実績やサポートを提供できることです。
特に、競合が利用者を増やして「同じくらい予約が入るのに、オーナーへの報酬率が高い」という状態になれば、akippaの53.7%というテイクレートは弱点に変わります。オーナーは固定契約で長期拘束されることが前提ではなく、貸出停止もできるため、供給側の継続利用を当然視できません。
イベント・行楽需要が大きいため、季節や天候で利用が変動する
アキッパは日常の通勤・通学や知人宅訪問にも使われますが、イベント・スポーツ観戦、旅行・観光など非日常用途の比重も大きいサービスです。証券リサーチセンターによると、2025年12月期の駐車場売上では非日常用途が55%を占めました。
このため、業績には季節性があります。会社のリスク開示では、夏休みやお盆などで外出が増える第3四半期(7〜9月)は売上が高くなり、プロスポーツのオフシーズンと重なる第1四半期(1〜3月)は相対的に低くなる傾向が示されています。
加えて、花火大会やスポーツイベントのように需要が集中する日に台風・豪雨・大雪などが発生すると、イベント中止や外出控えで予約が減ります。天候による変動は、イベント需要の比重が大きいアキッパ特有の業績リスクです。
2026年上期の実績は売上高19.15億円で通期計画43.00億円の44.5%、営業利益1.19億円で通期計画3.40億円の35.0%でした。第3四半期(7〜9月)が繁忙期になる事業なので、上期の進捗率だけで通期の達成可否を判断せず、繁忙期を含む下期の実績と合わせて捉えます。
個人の駐車場を仲介するため、掲載品質やトラブル対応がサービスへの信頼に直結する
アキッパでは、個人宅や空き地など、一般のオーナーが提供するスペースも扱います。供給を広げられる反面、場所の分かりにくさ、サイズ情報の誤り、停め間違い、設備の損傷、近隣とのトラブルなど、コインパーキング設備を自社管理するモデルとは異なる運営課題が生じます。
会社は掲載基準、本人確認、レビュー、通報窓口などを設けていますが、物理的な駐車スペースそのものをakippaが直接管理しているわけではありません。現地情報の精度やオーナーごとの管理状態にばらつきが生じれば、予約キャンセルや問い合わせの増加につながります。
トラブルが増えると、問い合わせ対応などの運営コストが膨らむほか、利用者やオーナーからの信頼低下にもつながります。掲載駐車場数を増やしながら、サービス品質を一定水準に保つ運営力が課題になります。
オンラインサービスなので、システム障害や情報管理も継続的な課題になる
アキッパでは、検索、予約、決済、オーナー管理の多くをインターネット上で行います。システムが停止すると予約が成立せず、既存予約の確認や決済にも影響が出るため、サービスの安定稼働は事業継続の前提です。
会社はクラウドの利用やセキュリティ体制の整備を進め、2022年には情報セキュリティマネジメントの国際規格に基づくISMS認証を取得しています。ただし、サイバー攻撃、アクセス急増、ソフトウェア不具合、外部の決済事業者やアプリストアの方針変更といった外部要因を完全には排除できません。
akippaは今後どのように事業を広げる?
現在の主力は駐車場マーケットプレイスですが、会社は供給の増加、イベント・法人・自治体との連携、オーナー登録の効率化を進めながら、将来的には駐車場を起点としたモビリティプラットフォームへ広げる方針です。
イベント・法人・自治体との連携で高需要エリアの駐車場を増やす
スポーツ観戦、花火大会、祭りなどは、特定の日時と場所に車が集中するため、事前予約の価値が高い利用シーンです。akippaはイベント主催者やスポーツクラブ、自治体と連携し、周辺の民間駐車場や空きスペースを公式駐車場としてまとめて運用する取り組みを進めています。
イベントに合わせた供給開拓には、イベント当日の売上と、その後の供給網拡大という2つの意味があります。イベント周辺で新たに開拓した駐車場は、終了後も日常利用できる供給としてネットワークに残ります。高需要の日をきっかけに供給を増やし、通常利用へつなげることで、供給獲得の効率を高められます。
また、予約制にすることで「満車の駐車場を探す車」の流入を減らし、交通渋滞や違法駐車を抑える効果も期待できます。会社はこれまで50以上の自治体・スポーツクラブ等との連携実績を公表しており、社会課題の解決を営業機会へ変える点が特徴です。
営業とオーナーモードを使い分け、駐車場供給の獲得を効率化する
これまでakippaは社員や社外の営業代理店による開拓で駐車場を増やしてきました。今後は、その営業力を高需要エリアや法人・大口案件へ集中させ、個人オーナーは「オーナーモード」から自分で登録できるようにすることで、供給獲得の方法を分けています。
オーナーモードでは、駐車場やスペースの追加、貸出日、料金、予約、報酬、レビューなどをアプリで管理できます。これまで営業担当が開拓しにくかった住宅街や地方でも、オーナーが自発的に参加できるため、1件の駐車場を増やすための人的負担を抑えられます。
供給獲得では、人の営業とセルフ登録を案件に応じて使い分けます。大規模施設やイベント周辺では交渉や運営設計が必要であり、個人の小規模供給はセルフ登録との相性があります。全国へ広げるうえでは、この役割分担が営業効率を左右します。
駐車場から「モビリティプラットフォーム」へ広げる構想
akippaは中長期のビジョンとして「世界一のモビリティプラットフォームをつくる」と掲げています。モビリティプラットフォームとは、駐車場予約だけでなく、人や車の移動に関わる複数のサービスをつなぐ基盤という意味です。
会社はEVシフトや自動運転も見据え、「どこでもスマート駐車場」の実現を掲げています。将来的に駐車場が、車を停めるだけの場所から、充電、乗り換え、移動サービスとの接続点へ変われば、現在の駐車場ネットワークを別のモビリティサービスへ活用できる余地があります。
現在の売上・利益の中心は駐車場マーケットプレイスです。EVや自動運転などは将来の事業領域として構想されている段階なので、現在の事業実績とは分けて評価します。
数年内に売上500億円を目指し、企業の合併・買収(M&A)も成長手段にする
金谷社長は2026年9月のForbes JAPANのインタビューで、数年以内に売上500億円を目指す「Boost500」を掲げています。2026年12月期の会社予想売上高43億円と比べると約11.6倍で、既存サービスの自然な成長だけでは届きにくい規模です。
そこで会社は、掲載駐車場数の拡大と利用者1人当たりの単価向上に加え、企業の合併・買収(M&A)も成長手段として挙げています。既存の駐車場へスマートロックなどを導入し、現金集金や管理にかかるコストを減らしながら、時間貸しと契約車利用を柔軟に切り替える「スマート駐車場」化も構想しています。
500億円は2026年12月期の会社予想より長い時間軸で掲げる中長期的な構想です。達成時期や利益水準まで細かく約束された数値計画ではありません。
akippaの将来性を確認するには、どの数字を見れば分かる?
akippaを継続的に見る場合、累計会員数だけを追っても事業の強さは判断できません。重要なのは、供給が増えているか、実際の利用が増えているか、高いテイクレートを維持できているか、そしてその規模が最終的な利益へ変わっているかです。
| 確認する指標 | 直近の基準値 | 何が分かるか | 主な確認先 |
|---|---|---|---|
| 累計会員数 | 550万人超(2026年7月末) | サービスの認知・登録者の蓄積 | 会社公式発表 |
| 利用UU数 | 60.6万人(2026年上期、前年同期比11.8%増) | 実際に利用する人の厚み | 上場資料/今後の決算資料 |
| 掲載駐車場数 | 58,870台(2026年6月末、前年同月比8.7%増) | 供給網が拡大しているか | 上場資料/今後の決算資料 |
| 予約可能な駐車場掲載数 | 常時5.5万件以上(2025年12月平均) | 利用者が予約できる供給規模 | 会社公式発表 |
| テイクレート | 原則53.7%(2026年6月末) | 集客力を背景にテイクレートを維持できているか | 上場資料 |
| 売上総利益率 | 約50.4%(2025年)、約52.2%(2026年上期) | 駐車場利用料等からオーナー報酬を引いた後の取り分 | 財務諸表 |
| 営業利益率 | 約5.2%(2025年)、約7.9%予想(2026年) | 規模拡大を会社の最終的な稼ぐ力へ変えられているか | 決算資料 |
利用UU数と掲載駐車場数は現時点で上場資料に開示されています。上場後も同じ指標が継続開示されるかはまだ確認できないため、今後の決算短信・決算説明資料・有価証券報告書などで開示の有無を確認します。
ネットワーク効果を測るには、「1台当たりの予約件数」「オーナー継続率」「オーナーモード経由の新規登録数」なども有用です。ただし、現時点ではこれらを毎期継続して追える形の開示は確認できません。追加開示されれば、ネットワークの質を判断する補助指標になります。
最終的には、「掲載駐車場数↑+利用UU数↑+テイクレート維持+営業利益率↑」が同時に続くかを見ると、akippaのネットワーク効果と収益性が両立しているかを判断できます。
まとめ
akippa株式会社は、空いている駐車場と利用者をつなぐ駐車場マーケットプレイス「アキッパ」を運営する会社です。土地を大量に保有して駐車場を経営する企業というより、供給者と利用者をつなぎ、予約・決済・運営を支えるプラットフォーム企業と捉えると事業の仕組みが分かりやすくなります。
- 収益の中心は駐車場利用料で、オーナーへの報酬を差し引いたうえで、サービス料や有料会員収入などを含めて利益を積み上げる。
- 予約可能な駐車場掲載数No.1の供給規模、550万人超の累計会員、営業力とテクノロジーの組み合わせがネットワーク効果を支える。
- 原則53.7%の高いテイクレートは収益力の源泉だが、競合が集客力を高めればオーナー獲得で弱点にもなり得る。
- 季節・天候、トラブル対応、システム安定性などのリスクがあり、強みを維持できるかは継続して確認する。
- 利用UU数、掲載駐車場数、テイクレート、売上総利益率、営業利益率を追うことで、規模が本当の企業価値へ変わっているかを確認できる。
akippaを評価するときは、「会員が多い」「駐車場が多い」という規模だけで結論を出さず、その規模が予約を増やし、高いテイクレートを維持し、最終的に営業利益へつながっているかを見ることが大切です。強みと弱みを同じ事業構造の裏表として捉えると、今後の決算や事業指標の変化から競争力の持続性を判断できます。
出典
新規上場申請のための有価証券報告書(Iの部) akippa株式会社
https://www.jpx.co.jp/listing/stocks/new/t13vrt000001udd2-att/09akippa-1s.pdf
東京証券取引所スタンダードへの上場に伴う当社決算情報等のお知らせ
https://www.jpx.co.jp/listing/stocks/new/t13vrt000001udd2-att/09akippa.pdf
会社概要|akippa株式会社
https://akippa.co.jp/company/overview
代表メッセージ|akippa株式会社
https://akippa.co.jp/company/message
株式基本情報|akippa株式会社
FAQ|akippa株式会社
アキッパが「予約可能な駐車場掲載数」でNo.1を獲得|akippa株式会社
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000625.000016205.html
駐車場の貸し出しも アキッパ
オーナーモードで最高の駐車場ホスト体験を|アキッパ
https://www.akippa.com/ownermode
サービス料とは何ですか?|akippa ヘルプセンター
支払い報酬はどのように計算されますか?|akippa ヘルプセンター
駐車場シェア専用保険とは何ですか?|akippa ヘルプセンター
バリュープラスとは|アキッパ
https://www.akippa.com/preorder/about
akippa 新規上場会社紹介レポート|証券リサーチセンター
9月上場、駐車場シェアのakippa M&Aなどで数年内に売り上げ500億円へ|Forbes JAPAN
https://forbesjapan.com/articles/detail/104938
タイムズのBとは|タイムズのB
予約制駐車場|タイムズ24株式会社
https://www.times24.co.jp/service/reserve.html
駐車場予約&駐車場検索なら 特P
予約のできる駐車場|軒先パーキング
事業内容|akippa株式会社
akippaが国際規格の情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)認証を取得

コメント