楽天銀行の決算について、「業績は良いのか」「株価にプラスなのか」「決算後に買ってよいのか」と気になっている人も多いのではないでしょうか。
楽天銀行は、ネット銀行として口座数や預金残高を伸ばしており、金利収益の増加を背景に2026年3月期は過去最高益を更新しました。経常収益・経常利益・当期純利益のいずれも大きく伸びており、決算内容だけを見ると好調といえます。
一方で、好決算だからといって、株価が必ず上がるとは限りません。楽天銀行株は、フィンテック事業再編、EPS低下懸念、金利上昇期待、株価に織り込まれた成長期待などによっても大きく動きます。
そのため、楽天銀行の決算を見るときは、売上や利益だけでなく、金利収益、預金残高、口座数、利ざや、今後の業績予想、株価への影響まで確認することが大切です。
この記事では、楽天銀行の最新決算、業績が伸びた理由、金利上昇メリット、株価への影響、今後の注目点をわかりやすく解説します。
楽天銀行の決算は良い?

結論として、楽天銀行の2026年3月期決算は好決算です。
経常収益・経常利益・当期純利益はいずれも過去最高を更新し、口座数や預金残高も拡大しています。
まずは主な決算数値を確認します。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 経常収益 | 1,845億円 | 2,555億円 | +38.4% |
| 経常利益 | 715億円 | 1,030億円 | +44.1% |
| 当期純利益 | 507億円 | 730億円 | +43.9% |
| ROE | 18.1% | 21.7% | +3.6pt |
| 自己資本比率 | ー | 10.7% | 健全な水準 |
楽天銀行は、金利収益の拡大を背景に大幅な増収増益となりました。経常利益は1,000億円を超えており、ネット銀行としての成長力が数字に表れた決算といえます。
ただし、投資家目線では「決算が良いか」だけでなく、「その好業績が今後も続くか」「株価にどこまで織り込まれているか」も重要です。
2026年3月期は過去最高益を更新
楽天銀行の2026年3月期は、経常収益2,555億円、経常利益1,030億円、当期純利益730億円となりました。
前年比では、経常収益が38.4%増、経常利益が44.1%増、当期純利益が43.9%増です。
いずれの利益項目も大きく伸びており、2026年3月期は過去最高益を更新した決算となりました。
楽天銀行の決算説明会でも、経常収益・経常利益・当期純利益が、いずれも2月に修正した業績予想を上回って着地し、過去最高益を大幅に更新したと説明されています。
この点から見ると、楽天銀行の業績はかなり強い内容だったといえます。
特に、経常利益が1,000億円を超えたことは、楽天銀行の収益力の高さを示しています。ネット銀行として口座数や預金残高を拡大しながら、金利上昇局面の恩恵も受けた決算です。
口座数・預金残高も拡大している
楽天銀行は、業績だけでなく顧客基盤も拡大しています。
2026年3月期時点で、口座数は1,800万口座、メイン口座数は590万口座、預金残高は12.9兆円となっています。
主な指標を整理すると、以下の通りです。
| 指標 | 2026年3月期 |
|---|---|
| 口座数 | 1,800万口座 |
| メイン口座数 | 590万口座 |
| 預金残高 | 12.9兆円 |
| 経費率 | 32.3% |
| 自己資本比率 | 10.7% |
口座数は前年比7.3%増、預金残高は前年比12.9%増となっており、ネット銀行としての成長が続いています。
銀行にとって、口座数や預金残高は重要な収益基盤です。口座数が増えれば、決済、送金、カード引き落とし、ローン、投資サービスなどにつながる可能性があります。
また、預金残高が増えれば、貸出や有価証券運用に回せる資金が増えます。金利上昇局面では、預金残高の大きさが金利収益の拡大につながりやすくなります。
特に注目したいのは、メイン口座数が590万口座まで増えている点です。
単に口座を開設してもらうだけでなく、給与受取やカード引き落とし、日常決済などに使われるメイン口座が増えるほど、楽天銀行の収益機会は広がります。
決算だけを見ると業績はかなり強い
決算数値だけを見ると、楽天銀行の業績はかなり強い内容です。
経常利益は1,000億円を超え、ROEも21.7%と高水準です。銀行株としては、収益性・成長性の両方で評価されやすい内容といえます。
また、口座数、メイン口座数、預金残高が拡大している点もプラス材料です。ネット銀行としての顧客基盤が広がっており、今後の収益成長につながる可能性があります。
ただし、株価は決算そのものだけで動くわけではありません。
株式市場では、現在の好業績だけでなく、今後の成長率、金利環境、フィンテック事業再編、EPS低下懸念、株価に織り込まれた期待も重視されます。
そのため、楽天銀行の決算が良くても、株価が下がることはあります。
特に楽天銀行株は、ネット銀行としての成長性や金利上昇メリットが期待されてきた銘柄です。その分、市場の期待値も高くなりやすく、好決算でも「期待を上回ったかどうか」が重要になります。
楽天銀行の業績が伸びた理由
楽天銀行の業績が伸びた主な理由は、金利収益の増加、運用資産の積み上げ、口座数・預金残高の拡大です。
特に2026年3月期は、金利上昇メリットが業績に表れた決算といえます。
楽天銀行は、ネット銀行として多くの預金を集め、その資金を貸出や有価証券運用などに回しています。金利が上がると、運用利回りや貸出金利の上昇が期待されるため、金利収益が伸びやすくなります。
また、口座数やメイン口座数が増えることで、預金残高や取引機会も広がります。これらが重なったことで、2026年3月期の業績は大きく伸びました。
金利収益の増加が業績を押し上げた
2026年3月期は、金利収益の増加が楽天銀行の業績を大きく押し上げました。
楽天銀行の連結損益では、金利収益が2025年3月期の1,281億円から、2026年3月期には1,976億円へ増加しています。
これは、楽天銀行にとって金利上昇が大きな追い風になったことを示しています。
日銀の政策金利引き上げや、運用資産の積み上げによって、楽天銀行の金利収益は大きく拡大しました。
銀行は、預金で集めた資金を貸出や有価証券運用に回して収益を得ます。金利が上がると、貸出金利や運用利回りが上昇しやすくなり、金利収益が増えやすくなります。
楽天銀行は預金残高が大きいため、金利上昇局面ではこの強みが業績に反映されやすいです。
そのため、2026年3月期の好決算は、単に口座数が増えたからだけではなく、金利上昇による収益環境の改善が大きく寄与したと考えられます。
預金残高の拡大が収益基盤になっている
楽天銀行の預金残高は、2026年3月期時点で12.9兆円まで拡大しています。
銀行にとって預金残高は、貸出や有価証券運用の原資になります。預金が多いほど、運用できる資金が増え、金利収益を伸ばしやすくなります。
特に金利上昇局面では、預金残高の大きさが収益力につながりやすいです。
低金利環境では、預金を多く集めても運用利回りが低く、収益につながりにくい面がありました。しかし、金利がある程度上がると、預金で集めた資金を運用することで収益を得やすくなります。
楽天銀行はネット銀行として預金残高を拡大してきたため、金利上昇の恩恵を受けやすい構造があります。
ただし、預金残高が増えれば必ず利益が増えるわけではありません。預金金利を引き上げれば、銀行側の資金調達コストも上がります。
そのため、今後は預金残高の拡大に加えて、預金金利と運用利回りの差である利ざやが維持できるかも重要になります。
メイン口座数の増加もプラス材料
楽天銀行の業績を見るうえでは、口座数だけでなく、メイン口座数が増えている点も重要です。
楽天銀行のメイン口座数は590万口座で、口座数の伸びを上回るペースで増加していると説明されています。
メイン口座とは、給与受取、決済、カード引き落とし、投資、ローンなど、日常的に使われる銀行口座のことです。
単に口座数が増えても、利用されなければ収益機会は限られます。一方で、メイン口座として使われるようになれば、預金残高が増えやすくなり、決済や送金、ローン、投資関連サービスなどの利用にもつながります。
楽天銀行は、楽天カードや楽天証券などとの連携により、メイン口座化を進めやすい立場にあります。
たとえば、楽天カードの引き落とし口座として楽天銀行を使う、楽天証券の入出金口座として使う、給与受取口座に設定するなど、楽天経済圏の中で利用機会を増やせます。
メイン口座数の増加は、楽天銀行の収益機会を広げるプラス材料です。
今後の決算でも、口座数だけでなく、メイン口座数がどれだけ伸びているかを確認したいところです。
2027年3月期の業績予想は?
楽天銀行は、2027年3月期も増収増益を見込んでいます。
ただし、2026年3月期の大幅増益と比べると、利益成長率は鈍化する見通しです。
投資家目線では、「増益が続くか」と同時に、「市場期待を上回れるか」が重要になります。
2027年3月期の業績予想は以下の通りです。
| 指標 | 2026年3月期実績 | 2027年3月期予想 | 伸び率 |
|---|---|---|---|
| 経常収益 | 2,555億円 | 3,146億円 | +23.1% |
| 経常利益 | 1,030億円 | 1,156億円 | +12.2% |
| 当期純利益 | 730億円 | 813億円 | +11.4% |
2027年3月期も増収増益予想であることは、楽天銀行株にとってプラス材料です。
一方で、2026年3月期ほどの高い利益成長率ではないため、株価が高成長を織り込んでいる場合は、成長率鈍化が意識される可能性があります。
2027年3月期も増収増益予想
楽天銀行の2027年3月期予想では、経常収益3,146億円、経常利益1,156億円、当期純利益813億円が見込まれています。
2026年3月期に続いて増収増益予想であり、業績成長は継続する見通しです。
経常収益は前年比23.1%増、経常利益は12.2%増、当期純利益は11.4%増の予想となっています。
業績が引き続き伸びる点は、楽天銀行株にとって評価されやすいポイントです。特に、金利収益の拡大や預金残高の成長が続けば、楽天銀行の収益基盤はさらに強くなります。
ただし、2026年3月期ほどの急成長ではない点には注意が必要です。
2026年3月期は、経常利益が前年比44.1%増と大きく伸びました。一方、2027年3月期予想では、経常利益の伸び率は12.2%に落ち着く見通しです。
そのため、投資家からは「増益は続くが、成長スピードは鈍化する」と見られる可能性があります。
政策金利0.75%を前提にした予想
2027年3月期予想は、政策金利0.75%を前提にしています。
また、追加利上げを織り込んでいない前提です。
そのため、今後さらに利上げが進めば、楽天銀行の金利収益に上振れ余地が出る可能性があります。
楽天銀行は、預金残高が大きく、金利上昇の恩恵を受けやすい銀行です。政策金利が上がれば、運用利回りや貸出金利の上昇が期待され、業績予想を上回る可能性もあります。
一方で、利上げ観測が後退すれば、金利メリットへの期待も弱まりやすくなります。
銀行株は、実際の業績だけでなく、金利見通しによっても株価が動きやすいです。日銀の利上げ観測が強まれば買われやすくなりますが、利上げ期待が後退すれば売られることもあります。
そのため、楽天銀行の決算を見るときは、会社予想だけでなく、政策金利の前提や今後の金利環境も確認する必要があります。
成長率鈍化は株価の見方に影響する
2027年3月期も増益予想ではありますが、2026年3月期の高成長と比べると、伸び率は落ち着く見通しです。
この成長率鈍化は、株価の見方に影響する可能性があります。
株式市場では、現在の業績だけでなく、将来の成長スピードが重視されます。特に楽天銀行のように、ネット銀行としての成長性や金利上昇メリットが評価されてきた銘柄では、成長率の変化が株価に反映されやすいです。
増収増益予想であっても、株価が高成長を織り込んでいる場合は、「期待ほどではない」と見られる可能性があります。
反対に、会社予想を上回るペースで金利収益や利益が伸びれば、上方修正期待につながる可能性があります。
決算を見るときは、「増益かどうか」だけでなく、会社予想や市場期待を上回れるかが重要です。
楽天銀行株では、2027年3月期予想に対する進捗率、金利収益の伸び、口座数・預金残高の拡大ペースを確認していきたいところです。
金利上昇は楽天銀行の決算にプラス?
金利上昇は、基本的には楽天銀行の決算にプラスです。
楽天銀行は預金残高が大きく、運用資産や貸出による金利収益が伸びやすいためです。
実際に、2026年3月期は金利収益の増加が好決算の大きな要因になりました。
ただし、金利上昇はプラス面だけではありません。
預金金利の引き上げや預金獲得競争によって、銀行側の資金調達コストも上がる可能性があります。金利収益が増えても、預金金利の上昇によるコスト増が大きければ、利ざやは思ったほど改善しないことがあります。
そのため、金利上昇局面では、金利収益の増加だけでなく、預金金利や利ざやへの影響も確認することが大切です。
金利上昇で利ざや改善が期待される
銀行は、預金で集めた資金を貸出や有価証券運用に回して収益を得ています。
金利が上がると、貸出金利や運用利回りの上昇が期待され、利ざやが改善しやすくなります。
楽天銀行の2026年3月期も、金利収益の増加が好決算の大きな要因になりました。
楽天銀行は預金残高が12.9兆円まで拡大しており、金利上昇局面ではこの預金基盤を活かしやすい銀行です。
預金で集めた資金を有価証券運用や貸出に回し、より高い利回りで運用できれば、金利収益は拡大します。
このため、金利上昇は楽天銀行の決算にとって追い風になりやすいです。
特に、日銀の追加利上げ観測が強まる局面では、楽天銀行の金利収益拡大期待も高まりやすくなります。
預金金利の引き上げはコスト増にもなる
金利上昇はプラス面だけではありません。
普通預金や定期預金の金利を引き上げれば、預金者にとってはメリットになります。しかし、銀行にとっては資金調達コストが増えることになります。
楽天銀行の決算説明会Q&Aでも、金利のある世界になり、預金者の金利感応度が高まっていることや、定期預金へのシフトが起きていることに触れられています。
これは、金利上昇局面では預金者がより高い金利を求めやすくなることを示しています。
ネット銀行は、預金者が金利やポイント、利便性を比較して選びやすい業界です。そのため、他行が預金金利を引き上げれば、楽天銀行も預金獲得のために金利を引き上げる必要が出てくる可能性があります。
預金金利が上がれば、楽天銀行の資金調達コストも増えます。
金利収益の増加が預金金利の上昇を上回ればプラスですが、預金金利の引き上げ幅が大きい場合、利ざやが圧迫される可能性があります。
そのため、楽天銀行の決算を見るときは、金利収益だけでなく、預金金利の動向も確認する必要があります。
預金獲得競争が激しくなる可能性もある
金利上昇局面では、預金獲得競争が激しくなる可能性もあります。
ネット銀行や大手銀行が預金獲得を強化すると、預金金利競争が起きやすくなります。
楽天グループも、国内金利上昇による資金調達環境の変化に加えて、デジタルバンクや大手銀行を含めた顧客・預金獲得競争の激化に触れています。
楽天銀行は、ネット銀行として利便性や楽天経済圏との連携に強みがあります。一方で、預金者は金利に敏感になりやすいため、他行の金利が高ければ資金が移る可能性もあります。
預金残高を維持・拡大するために預金金利を引き上げれば、収益性に影響する可能性があります。
つまり、金利上昇は楽天銀行にとって追い風である一方、競争環境によってはコスト増にもつながります。
今後の決算では、金利収益がどれだけ増えているかに加えて、預金金利、利ざや、預金残高の伸びをセットで確認することが大切です。
楽天銀行の決算は株価にどう影響する?
楽天銀行の決算は好調ですが、株価は決算内容だけで動くわけではありません。
好決算は株価の支援材料になります。経常収益や利益が伸びていれば、企業価値の向上が期待されやすく、投資家から評価されやすくなります。
一方で、株価は将来の期待を先取りして動きます。そのため、決算が良くても、市場が期待していたほどではなかった場合や、別の悪材料が意識された場合には、決算後に売られることもあります。
楽天銀行の場合は、業績そのものは好調です。しかし、フィンテック事業再編によるEPS低下懸念や希薄化懸念、金利上昇期待の変化、株価に織り込まれた成長期待も重要な判断材料になります。
そのため、楽天銀行株を見るときは、「決算が良いかどうか」だけでなく、「その決算が今後の株価評価を押し上げる内容か」「再編リスクを上回る成長が見込めるか」を確認することが大切です。
好決算は株価の支援材料になる
経常収益・経常利益・当期純利益が伸びていることは、株価にとって基本的にはプラス材料です。
楽天銀行の2026年3月期は、経常収益2,555億円、経常利益1,030億円、当期純利益730億円となり、いずれも過去最高を更新しました。
特に、金利収益の拡大、口座数・預金残高の増加、ROEの高さは評価されやすいポイントです。
楽天銀行は、ネット銀行として口座数を増やしながら、預金残高も拡大しています。預金残高が増えれば、貸出や有価証券運用に回せる資金が増えます。金利上昇局面では、この預金基盤が金利収益の拡大につながりやすくなります。
また、ROEが21.7%と高水準である点も、収益性の高さを示しています。
業績成長が続くなら、中長期の株価を支える材料になります。特に、2027年3月期も増収増益予想であるため、金利収益の伸びや口座数・預金残高の拡大が続くかは、今後の株価を見るうえで重要です。
ただし好決算でも株価が下がることはある
好決算でも、株価が必ず上がるとは限りません。
株価は過去の実績だけでなく、将来の期待で動きます。そのため、決算が良くても、市場期待を下回った場合や、将来の成長に不安が出た場合には売られることがあります。
楽天銀行の場合、決算そのものは好調です。しかし、フィンテック事業再編によるEPS低下懸念や希薄化懸念があります。
楽天銀行は、楽天カードや楽天証券HDを傘下に取り込むフィンテック事業再編を進めています。この再編は、銀行・カード・証券の連携強化という成長材料になる一方で、株式交付やA種種類株式によって、既存株主の1株あたり利益が薄まる可能性もあります。
株式市場では、会社全体の利益が増えるかどうかだけでなく、1株あたり利益が伸びるかどうかが重視されます。
そのため、楽天銀行の決算が良くても、再編によってEPSが低下すると見られれば、株価は下がる可能性があります。
また、株価がすでに高成長を織り込んでいる場合、増益決算でも「期待ほど強くない」と受け止められることがあります。
つまり、「決算が良い=必ず株価が上がる」とは考えない方がよいです。
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フィンテック再編が株価反応を複雑にしている
楽天銀行株の株価反応を複雑にしているのが、フィンテック事業再編です。
2026年5月20日に、楽天銀行による楽天カード・楽天証券HDの子会社化を含むフィンテック事業再編の最終合意が発表されました。
この再編は、楽天銀行にとって成長材料になる可能性があります。
銀行・カード・証券が一体となれば、楽天銀行口座を起点に、カード決済、証券投資、ローン、資産形成サービスなどをつなげやすくなります。楽天経済圏の中で金融サービスの利用が広がれば、楽天銀行の収益機会も増える可能性があります。
一方で、再編には株式交付やA種種類株式が関係しています。
そのため、既存株主から見ると、EPS低下や将来的な希薄化懸念が出やすくなります。事業規模が大きくなっても、1株あたり利益が伸びなければ、株主価値が高まったとは判断されにくいです。
このように、フィンテック再編には「成長期待」と「株主価値への不透明感」の両面があります。
そのため、楽天銀行株は「好決算だから買われる」「再編リスクがあるから売られる」と単純には判断しにくい銘柄です。
投資家は、好決算と再編リスクの両方を見ながら、今後の株価を判断する必要があります。
楽天銀行の決算で見るべきポイント
楽天銀行の決算を見るときは、通常の売上・利益だけでなく、銀行株ならではの指標を確認することが重要です。
一般企業であれば、売上高や営業利益、純利益を見ることが多いですが、銀行株では金利収益、預金残高、貸出残高、信用コスト、自己資本比率なども重要になります。
特に楽天銀行は、ネット銀行として口座数や預金残高を伸ばしているため、顧客基盤の拡大が業績にどうつながっているかを見る必要があります。
決算で確認したいポイントを整理すると、以下の通りです。
| チェックポイント | 見る理由 |
|---|---|
| 経常収益・経常利益 | 業績全体の成長を確認するため |
| 金利収益 | 金利上昇メリットが出ているかを見るため |
| 預金残高 | 収益基盤の拡大を確認するため |
| 口座数・メイン口座数 | 顧客基盤と利用定着を確認するため |
| 貸出残高 | 収益機会が広がっているかを見るため |
| 信用コスト | 貸倒リスクが高まっていないかを見るため |
| 自己資本比率 | 銀行としての健全性を見るため |
| 再編後のEPS | 既存株主にとってプラスか見るため |
楽天銀行の決算では、特に金利収益と利ざや、口座数・メイン口座数・預金残高、信用コストと自己資本比率を確認したいところです。
金利収益と利ざや
楽天銀行は、金利収益の伸びが業績を押し上げています。
2026年3月期は、金利収益の増加が好決算の大きな要因になりました。日銀の政策金利引き上げや運用資産の積み上げによって、楽天銀行の収益環境は改善しています。
そのため、今後の決算でも金利収益がどれだけ伸びているかを確認することが重要です。
ただし、金利収益が増えていても、利ざやが改善しているとは限りません。
金利上昇が続いても、預金金利の引き上げで資金調達コストが増えれば、利ざやは思ったほど改善しない可能性があります。
ネット銀行は預金獲得競争が激しく、利用者は金利に敏感です。他行が預金金利を引き上げれば、楽天銀行も預金を維持・獲得するために金利を引き上げる必要が出てくる可能性があります。
そのため、決算を見るときは、金利収益の増加だけでなく、預金金利や利ざやへの影響も確認したいところです。
口座数・メイン口座数・預金残高
楽天銀行の成長力を見るうえでは、口座数・メイン口座数・預金残高が重要です。
楽天銀行はネット銀行として口座数を増やしており、2026年3月期時点で口座数は1,800万口座、メイン口座数は590万口座、預金残高は12.9兆円となっています。
口座数が増えれば、顧客基盤の拡大につながります。
ただし、単に口座数が増えるだけでは不十分です。重要なのは、その口座が日常的に使われているかどうかです。
特にメイン口座数が伸びているかは、楽天銀行が日常利用されているかを判断する材料になります。
給与受取、カード引き落とし、決済、投資、ローン利用などにつながれば、楽天銀行の収益機会は広がります。
また、預金残高は金利収益の土台になります。預金残高が増えれば、貸出や有価証券運用に回せる資金が増え、金利上昇局面では収益拡大につながりやすくなります。
楽天銀行の決算を見るときは、口座数だけでなく、メイン口座数と預金残高が伸びているかをセットで確認することが大切です。
信用コストと自己資本比率
銀行株では、信用コストと自己資本比率も重要です。
信用コストとは、貸出先の返済が滞った場合などに備えて発生する費用です。貸出が増えても、貸倒リスクが高まれば利益を圧迫します。
楽天銀行が今後、住宅ローンやカードローンなどの貸出を伸ばしていく場合、貸出残高の拡大だけでなく、信用コストが適切に管理されているかを見る必要があります。
貸出が増えて利益機会が広がっても、貸倒リスクが高まれば、最終的な利益は伸びにくくなります。
また、自己資本比率は、銀行としての健全性を見るための重要な指標です。
楽天銀行の自己資本比率は、2026年3月期時点で10.7%と説明されています。現時点では、銀行として健全な水準を維持しているといえます。
ただし、フィンテック事業再編や事業拡大によって、今後の財務指標がどう変化するかは確認が必要です。
決算を見るときは、収益の伸びだけでなく、信用コストや自己資本比率もあわせて確認することで、成長の質を判断しやすくなります。
楽天銀行の次回決算で注目したいこと
次回以降の決算では、2027年3月期予想に対する進捗率、金利収益の伸び、預金金利上昇によるコスト増、フィンテック事業再編の影響を確認したいところです。
楽天銀行は、2027年3月期も増収増益を見込んでいます。
ただし、投資家にとって重要なのは、会社予想に対して順調に進んでいるかです。特に、金利収益が計画を上回るペースで伸びているか、預金金利の引き上げで利ざやが圧迫されていないか、フィンテック再編によるEPSへの影響がどう出るかが注目されます。
次回決算では、単に増収増益かどうかだけでなく、今後の株価評価につながる中身を確認することが大切です。
2027年3月期予想に対する進捗率
次回決算でまず確認したいのは、2027年3月期予想に対する進捗率です。
楽天銀行は、2027年3月期に経常収益3,146億円、経常利益1,156億円、当期純利益813億円を見込んでいます。
この予想に対して、四半期ごとの決算でどの程度進んでいるかを見ることが重要です。
特に、金利収益が計画を上回るペースで伸びているかを確認したいところです。
楽天銀行は、政策金利0.75%を前提に業績予想を出しています。追加利上げを織り込んでいないため、今後さらに金利が上がれば、金利収益の上振れ余地が意識される可能性があります。
進捗率が高ければ、上方修正期待につながる可能性があります。
一方で、金利収益の伸びが鈍かったり、費用が想定以上に増えたりすれば、成長期待が弱まる可能性があります。
預金金利と利ざやの変化
次回決算では、預金金利と利ざやの変化も重要です。
金利収益が伸びていても、預金金利の引き上げで資金調達コストが増えていれば、最終的な利益に残る部分は小さくなる可能性があります。
普通預金や定期預金の金利競争が強まれば、楽天銀行も預金を維持・獲得するために金利を引き上げる必要が出てくるかもしれません。
その場合、金利上昇による収益拡大メリットが、預金金利の上昇によって一部相殺される可能性があります。
特にネット銀行は、利用者が金利やサービスを比較しやすいため、預金獲得競争が激しくなりやすいです。
そのため、楽天銀行の次回決算では、金利収益が伸びているかだけでなく、預金金利の上昇が利ざやにどの程度影響しているかを確認したいところです。
金利上昇メリットが本当に利益に残っているかを見ることが重要です。
フィンテック再編後のEPSとシナジー
フィンテック事業再編後は、楽天カード・楽天証券HDとの連携効果が数字に表れるかが重要になります。
再編によって、楽天銀行は銀行・カード・証券を一体的に展開しやすくなります。楽天銀行口座を起点に、カード決済、証券投資、ローン、資産形成サービスなどを広げられれば、収益機会は増える可能性があります。
一方で、投資家にとっては、会社全体の規模拡大よりも、1株あたり利益が増えるかが重要です。
株式交付やA種種類株式によって、既存株主のEPSが低下する場合、事業規模が大きくなっても株価評価は上がりにくくなります。
そのため、次回以降の決算では、再編後のEPSとシナジーを確認する必要があります。
具体的には、楽天カードや楽天証券HDとの連携によって、どの程度の収益拡大が見込めるのか、コスト増を上回る利益成長があるのか、既存株主にとって株主価値が高まっているのかを見たいところです。
フィンテック再編は中長期の成長材料になる可能性がありますが、短期的にはEPS低下や希薄化懸念が残ります。
だからこそ、今後の決算では「再編によって本当に利益成長が加速しているか」を確認することが重要です。
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まとめ
楽天銀行の2026年3月期決算は、経常収益・経常利益・当期純利益が過去最高を更新した好決算です。
金利収益の増加、口座数・預金残高の拡大、メイン口座化が業績を支えています。
2027年3月期も増収増益予想ですが、2026年3月期ほどの高成長ではないため、成長率鈍化には注意が必要です。
また、預金金利の引き上げによる利ざや圧迫や、フィンテック再編によるEPS低下懸念も確認したいポイントです。
楽天銀行の決算を見るときは、売上・利益だけでなく、金利収益、利ざや、預金残高、信用コスト、再編後のEPSまで確認することが大切です。
▼出典
2026年3月期 IRプレゼンテーション|楽天銀行株式会社
楽天銀行株式会社 2026年3月期通期決算説明会書き起こし
2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)|楽天銀行株式会社
楽天銀行株式会社の株式交付による楽天カード株式会社、楽天証券ホールディングス株式会社の子会社化等による楽天銀行を含む楽天グループのフィンテック事業再編に関する最終合意について|楽天グループ株式会社
定款一部変更及びA種種類株式に係る発行登録に関するお知らせ|楽天銀行株式会社
株式会社みずほ銀行と楽天銀行株式会社による戦略的な資本業務提携について|みずほ銀行
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