リクルートの2027年3月期1Q決算はどうだった?Indeed・AI・業績・自社株買いを解説

リクルートホールディングス(6098)の決算を見るときは、売上収益や純利益だけでなく、Indeedを中心とするHRテクノロジー事業の成長率や収益化の進み方まで確認することが重要です。現在は海外のHRテクノロジー事業がグループの利益成長を大きく左右しており、米国の求人市場が強いかどうかだけでは業績を判断しにくくなっています。

2026年8月7日に発表された2027年3月期第1四半期決算は、増収に加えて利益が大幅に伸び、通期業績予想も上方修正されました。特に注目したいのが、米国Indeedの求人1件当たり売上を示すUS ARPJの上昇と、Premium Sponsored Jobsなどを通じたマネタイゼーションの進展です。

この記事では、最新決算が市場予想に対してどうだったのか、Indeedが伸びている理由、AIが収益化にどう関わっているのか、自社株買いの進捗まで整理します。

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目次

リクルートの最新決算はどうだった?

2027年3月期第1四半期は、売上収益が前年同期比18.9%増となった一方、営業利益は66.1%増、親会社の所有者に帰属する四半期利益は67.5%増となりました。増収率を大きく上回る利益成長となっており、売上拡大だけでなく採算改善も進んだ決算です。

会社が重視するEBITDA+Sも前年同期比56.5%増の2,928億円となり、売上収益・EBITDA+S・基本EPSはいずれも第1四半期として過去最高を更新しました。

2027年3月期1Qは増収・大幅増益

まず、2026年4~6月期の連結業績を前年同期と比較すると、主要な利益項目がいずれも60%台の増益となっています。基本EPSも145.48円まで上昇し、前年同期の83.97円から73.2%増えました。

項目2027年3月期1Q前年同期比
売上収益1兆453億5,000万円+18.9%
EBITDA+S2,928億円+56.5%
営業利益2,554億1,300万円+66.1%
税引前利益2,635億3,500万円+65.8%
親会社帰属利益2,026億1,800万円+67.5%
基本EPS145.48円+73.2%

営業利益率を売上収益に対して計算すると約24.4%で、前年同期の約17.5%から約6.9ポイント上昇しています。売上が2割弱伸びる中で営業利益が約1.7倍になったため、今回の決算では利益率改善の大きさが目立ちます。

売上・EBITDA+S・EPSはいずれも過去最高

リクルートは決算サマリーで、第1四半期の売上収益、EBITDA+S、基本EPSがいずれも過去最高となり、期初の想定も上回ったと説明しています。単純な前年同期比の伸びだけでなく、会社自身が5月時点で置いていた前提よりも強いペースで推移したことが、通期予想の上方修正につながりました。

なお、EBITDA+Sは営業利益に減価償却費や株式報酬費用などを調整したリクルート独自の重要指標です。株式報酬費用の影響を含むため一般的な営業利益とは一致しませんが、リクルートが事業の収益力や通期見通しを説明する際に重視しているため、決算では営業利益とあわせて確認したい指標です。

リクルートの決算は市場予想を上回った?

今回の決算は、前年同期比で大幅増益だっただけでなく、市場予想に対しても強い内容でした。第1四半期の利益実績が事前コンセンサスを上回ったうえ、上方修正後の通期純利益予想も決算前のアナリスト予想を大きく上回っています。

1Q利益はコンセンサスを大きく上回る

IFIS株予報が2026年7月24日時点でまとめていた第1四半期の経常利益コンセンサスは2,019億5,000万円でした。リクルートはIFRSを採用しているため経常利益を開示していませんが、比較対象に近い税引前利益の実績は2,635億3,500万円です。単純比較ではコンセンサスを約30.5%上回る水準となりました。

決算前からHRテクノロジー事業の改善は一定程度期待されていましたが、実際には米国Indeedの売上成長と利益率改善が想定以上に進みました。利益の上振れが通期見通しにも反映されたことで、単なる第1四半期の一時的な好調ではなく、会社が年間の利益水準そのものを引き上げた点が重要です。

通期予想も市場予想を大幅に上回った

決算前のIFISコンセンサスでは、2027年3月期の親会社帰属利益は6,355億6,600万円程度が見込まれていました。これに対し、リクルートは今回、会社予想を従来の6,230億円から7,550億円へ引き上げています。決算前コンセンサスを約18.8%上回る水準です。

市場予想を上回る四半期実績だけでなく、会社側が年間見通しを大きく引き上げたことで、今回の決算は利益成長の持続性についても前向きな材料を示しました。特に上方修正の中心がHRテクノロジー事業であるため、今後もIndeedの収益化が会社全体の評価を左右する構図が続きそうです。

リクルートの決算が良かった理由

今回の大幅増益をけん引したのは、Indeedを中心とするHRテクノロジー事業です。HRテクノロジーは売上収益が前年同期比33.2%増となった一方、EBITDA+Sは80.6%増まで伸びました。

他の事業では、マーケティング・マッチング・テクノロジー(MMT)も売上収益3.7%増、EBITDA+S18.3%増と増益でした。人材派遣は売上収益11.5%増、EBITDA+S5.2%増で、利益率は前年同期の6.6%から6.2%へ低下しています。グループ全体の利益成長の強さは、HRテクノロジーの伸びが大きく押し上げたと見るのが自然です。

Indeedを中心とするHRテクノロジーが急成長

HRテクノロジー事業の第1四半期売上収益は4,554億円で、前年同期比33.2%増となりました。為替の影響を除くため米ドルベースで見ても28億5,800万ドル、20.9%増と高い成長率です。EBITDA+Sは2,157億円で80.6%増となり、EBITDA+Sマージンは35.0%から47.4%へ12.4ポイント上昇しました。

HRテクノロジー2027年3月期1Q前年同期比
売上収益4,554億円+33.2%
売上収益(米ドル)28億5,800万ドル+20.9%
EBITDA+S2,157億円+80.6%
EBITDA+Sマージン47.4%前年同期35.0%

売上の伸び以上に利益が伸びており、HRテクノロジーでは規模拡大と採算改善が同時に進みました。会社は、マネタイゼーションの進展とコスト効率化が期初想定より速く進んだことを、通期上方修正の背景として挙げています。

米国Indeedの売上は30%増

HRテクノロジーの中でも特に強かったのが米国です。米国売上は16億4,000万ドルで前年同期比30.0%増となり、四半期ベースで過去最高を更新しました。欧州・その他地域も28.5%増の6億1,000万ドル、日本も6.7%増の963億円となっています。

リクルートの業績を考えるうえで、国内の人材サービスやSUUMO・HOT PEPPERなどだけを見ると現在の収益構造を捉えにくくなっています。HRテクノロジーはグループの中で利益率が高く、今回のように米国Indeedで売上とマージンが同時に伸びると、連結利益への寄与も大きくなります。

Indeedはなぜ伸びている?ARPJが35%上昇

今回のIndeedの成長を理解するうえで最も重要なKPIが、US ARPJです。米国の求人掲載数そのものが大きく増えたわけではなく、1件の求人掲載から得られる平均売上が上昇したことで、米国売上が大きく伸びました。

ARPJとは「求人1件当たりの平均売上」

US ARPJは「US Average Revenue per Job Posting」の略で、米国HRテクノロジーの売上をIndeed上の平均求人掲載数で割って算出する指標です。求人掲載数が同じでも、1件当たりの課金額や有料サービスの利用が増えればARPJは上昇します。

2027年3月期第1四半期のUS ARPJ成長率は前年同期比35%でした。米国売上が30%増だったことからも、今回の成長は単純な求人件数の増加より、求人1件当たりの収益化が進んだ影響が大きいことが分かります。

Premium Sponsored Jobsが単価上昇をけん引

ARPJ上昇の中心となっているのが、IndeedのPremium Sponsored Jobsです。通常のStandardより高い価格帯に設定されており、求人の露出を増やすだけでなく、候補者の探索、マッチング、採用プロセスの効率化まで含めた機能を提供しています。

決算説明資料では、Premium Sponsored Jobsの主な機能として、Advanced Matching、Matched Candidates、AI-Generated Messages、AI Candidate Highlights、Interview on Demandなどが示されています。広告の掲載順位だけを販売するモデルから、採用活動そのものを支援する高付加価値サービスへ広げることで、1求人当たりの売上を高める戦略です。

会社は2027年3月期の米国売上を前年同期比25.1%増の66億5,000万ドルと見込み、その前提として通期のUS ARPJ成長率を30%としています。第1四半期だけでなく、通期でも高い単価成長を見込んでいる点は重要です。

求人数が大きく増えなくても売上を伸ばせる構造に

Indeed Hiring Labの米国求人掲載動向を示すJPIは、第1四半期時点で前年同期比約4%低い水準でした。それにもかかわらずUS ARPJが35%上昇したことで、米国売上は30%増えています。求人市場の数量成長に頼らず、マネタイゼーションで売上を伸ばした形です。

この構造は、米国雇用市場が力強く回復しなくても一定の成長余地を確保できるという意味でプラス材料です。一方で、ARPJの高成長を長期に続けるには、企業側がPremium機能に価格以上の採用効果を感じる必要があります。今後はUS ARPJの成長率だけでなく、Premium Sponsored Jobsの普及と求人掲載数の双方を確認する必要があります。

AIはリクルートの業績にどう影響している?

AIはリクルートにとって、既存の求人検索サービスを代替する可能性があるリスクであると同時に、Indeedのサービス価値と収益単価を高めるための手段でもあります。今回の決算では、AIを組み込んだPremium機能を含むマネタイゼーションが進み、HRテクノロジーの売上成長につながっています。

AIはIndeedを脅かすだけの存在ではない

生成AIやAIエージェントが普及すると、求職者が求人サイトを一件ずつ検索する行動そのものが変わる可能性があります。AIが複数の求人情報を横断して候補を提示するようになれば、従来型の求人検索サイトにとっては利用者の入口を奪われるリスクがあります。

しかし、Indeed自身もAIや機械学習を活用し、求人と求職者のマッチングを高度化しています。リクルートの戦略は、単に求人情報を集める媒体にとどまらず、企業の採用活動と求職者の仕事探しをより短時間で成立させる方向へサービスを進化させることです。

AIによる高付加価値化が求人単価を押し上げる

Premium Sponsored Jobsには、AI-Generated MessagesやAI Candidate HighlightsといったAI機能が含まれています。候補者の特徴を整理したり、企業から候補者への連絡を支援したりすることで、採用担当者の作業時間を減らし、単なる広告掲載より高い付加価値を提供する仕組みです。

企業にとって採用効率が高まれば、Standardより高い料金を支払う合理性が生まれます。US ARPJの上昇は、この高付加価値化が収益面に表れ始めていることを示すKPIとして見ることができます。

AI・効率化で利益率も大きく改善

HRテクノロジーのEBITDA+Sマージンは47.4%となり、前年同期の35.0%から大幅に改善しました。会社は利益率改善の背景として、売上成長に加えてコスト効率化の進展を挙げています。

AI機能は主にサービスの高付加価値化やマネタイゼーション側に関わっていますが、今回の利益率上昇をAIだけで説明するのは適切ではありません。売上の高成長、Premium商品の拡大、運営効率の改善などが組み合わさった結果として、HRテクノロジーの利益成長が売上成長を大きく上回ったと捉えるのがよいでしょう。

リクルートは通期業績予想を大幅上方修正

第1四半期の好調を受け、リクルートは2027年3月期の通期業績予想を大幅に引き上げました。売上収益の修正率は5%ですが、EBITDA+S、営業利益、純利益、EPSは2割前後引き上げられており、売上以上に利益見通しが改善しています。

項目5月15日時点8月7日修正後前期比
売上収益4兆300億円4兆2,300億円+14.4%
EBITDA+S9,490億円1兆1,050億円+39.1%
営業利益7,870億円9,450億円+49.9%
親会社帰属利益6,230億円7,550億円+51.9%
基本EPS447円543円+55.2%

売上予想は4兆300億円から4兆2,300億円へ

通期売上収益予想は従来の4兆300億円から4兆2,300億円へ2,000億円引き上げられました。前期比では14.4%増を見込みます。上方修正の中心はHRテクノロジーで、米国をはじめとする各地域の売上見通しが引き上げられています。

想定為替レートも1ドル154円から159円へ変更されているため、円換算売上には円安の追い風も含まれます。ただし、HRテクノロジーは米ドルベースの売上予想も引き上げられているため、為替だけによる修正ではありません。

EBITDA+Sは9,490億円から1兆1,050億円へ

EBITDA+S予想は9,490億円から1兆1,050億円へ1,560億円引き上げられました。前期比では39.1%増で、EBITDA+Sマージンも従来予想の23.5%から26.1%へ上昇する見通しです。

売上収益の修正率が5.0%なのに対してEBITDA+Sは16%超引き上げられており、会社が第1四半期で確認した収益性改善を年間見通しにも反映したことが分かります。

純利益は6,230億円から7,550億円へ

親会社の所有者に帰属する当期利益は、従来の6,230億円から7,550億円へ1,320億円引き上げられました。前期の4,969億円から51.9%増となる見込みで、従来の最高益予想をさらに上乗せする形です。

営業利益予想も7,870億円から9,450億円へ引き上げられているため、純利益だけが特殊要因で増える見通しではありません。主力事業の採算改善が連結利益の上方修正につながっています。

EPSは447円から543円へ

基本EPS予想は447円から543円へ引き上げられ、前期比55.2%増を見込んでいます。EPSは1株当たり利益を示すため、利益成長に加えて自社株買いによる発行済み株式数の減少もプラスに働きます。

リクルートは配当だけでなく大規模な自社株買いを継続しているため、株主還元を見るときは年間配当額だけでなく、EPS成長と自己株式取得をあわせて確認することが重要です。

HRテクノロジーの通期予想も大幅に引き上げ

連結業績の上方修正を支えているのが、HRテクノロジー事業の通期見通し引き上げです。売上だけでなく利益率の見通しも引き上げられており、第1四半期の高いマージンを一定程度維持する前提に変わりました。

HR Technology売上は約1.82兆円へ

HRテクノロジーの通期売上収益予想は、従来の1兆6,537億円から1兆8,220億円へ引き上げられました。米ドルベースでも107億3,800万ドルから114億8,500万ドルへ上方修正され、前期比18.7%増を見込んでいます。

円換算だけでなくドルベースでも見通しが改善しているため、想定為替の変更だけでは説明できない上方修正です。Indeedを中心とする事業そのものの収益化が期初想定を上回っていることが大きな要因です。

EBITDA+Sマージンは45.8%を予想

HRテクノロジーの通期EBITDA+Sは8,340億円、マージンは45.8%を見込んでいます。5月時点ではEBITDA+S6,774億円、マージン41.0%の計画だったため、利益見通しの引き上げ幅は売上以上に大きくなっています。

第1四半期の47.4%からはやや低下する前提ですが、それでも前期実績の37.7%を大幅に上回ります。今後の決算では、売上成長だけでなく45%前後の高い利益率を維持できるかが重要な確認点です。

米国・欧州・日本すべての見通しを上方修正

地域別では、米国売上を前期比25.1%増の66億5,000万ドル、欧州・その他を23.2%増の25億2,000万ドル、日本を5.4%増の3,670億円と見込んでいます。3地域すべてで5月時点の見通しが引き上げられました。

米国と欧州ではPremium Sponsored Jobsを含むマネタイゼーションの進展、日本ではIndeed PLUSの成長や下期の人材紹介サービス回復が主な前提です。特に米国は連結利益への影響が大きいため、US ARPJ30%成長という会社前提を維持できるかが今後の焦点になります。

リクルートの自社株買いはどこまで進んでいる?

リクルートは2026年3月31日、最大3,500億円の自社株買いを発表しており、今回の決算でも進捗が示されました。2026年7月31日時点で取得額は1,200億円、取得株数は約1,250万株となっています。

最大3,500億円・6,400万株の自社株買いを実施中

今回の自己株式取得枠は、取得金額の上限が3,500億円、取得株数の上限が6,400万株です。発表時点の自己株式を除く発行済株式数に対して最大4.58%に相当し、取得期間は2026年4月1日から11月30日までとされています。

リクルートは近年、大規模な自社株買いを継続しており、2025年10月に決議した2,500億円の枠も2026年2月にほぼ全額を取得して終了しました。配当利回りだけを見ると株主還元が小さく見えやすい会社ですが、総還元では自己株式取得の比重が大きい点が特徴です。

7月末までに1,200億円を取得、残り枠は約2,300億円

7月31日時点の取得額1,200億円は、3,500億円の上限に対して34.3%です。金額ベースでは約2,300億円の取得余地が残っています。取得株数は約1,250万株で、6,400万株の上限に対しては約2割の進捗です。

自社株買いは市場での買い需要を生み、発行済み株式数の減少を通じてEPSを押し上げる可能性があります。ただし、取得のタイミングや株価水準によって実際の需給効果は変わります。今後も月次の取得状況と、11月末までにどこまで枠を消化するかを確認したいところです。

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リクルートの決算で気になる点・リスク

今回の第1四半期は強い内容でしたが、通期見通しには為替の追い風が含まれ、Indeedの成長も高いARPJを前提としています。好調な数字だけでなく、上方修正の前提が崩れる可能性も確認しておく必要があります。

今回の業績には円安の追い風もある

リクルートは通期の想定為替レートを1ドル154円から159円へ、1ユーロ182円から184円へ、1豪ドル110円から112円へ変更しました。海外売上の円換算額には、5月時点より円安の前提が使われています。

そのため、通期売上や利益の上方修正には為替の押し上げも含まれます。ただし、HRテクノロジーは米ドルベースの売上予想も107億3,800万ドルから114億8,500万ドルへ引き上げられているため、今回の修正を円安だけで説明することもできません。

米国求人市場の悪化には引き続き注意

IndeedはUS ARPJを大きく伸ばすことで、求人掲載数が伸びなくても売上を拡大できています。ただし、雇用環境が大きく悪化し、企業が採用人数や採用広告費を削減すれば、単価上昇だけで影響を吸収し続けるのは難しくなります。

会社の通期見通しでは米国売上25.1%増、US ARPJ30%成長を前提としています。今後、求人掲載数の減少幅が拡大する場合や、Premium商品の利用拡大が鈍化する場合は、この成長率を維持できるかが論点になります。

AIによって求人検索そのものが変わる可能性

AIはIndeedの高付加価値化に使われていますが、中長期では求人検索の入口を変える可能性もあります。求職者が生成AIやAIエージェントに希望条件を伝え、複数の求人サービスを横断して仕事を探すようになれば、従来の求人検索サイトへの直接訪問が減る可能性があります。

リクルートにとって重要なのは、求人情報の集積量だけでなく、マッチング精度、採用成功までのスピード、企業側の業務効率といった価値を高め続けることです。AIを使ったPremium機能がARPJの成長につながる間は強みになりますが、競争環境の変化は継続的に確認したいリスクです。

人材派遣子会社への公取委立入検査

2026年6月2日には、日本の人材派遣事業に属するリクルートスタッフィングとスタッフサービスが、独占禁止法違反の疑いに関連して公正取引委員会の立入検査を受けました。リクルートは当局の調査に全面的に協力しているとしています。

現時点では結果や財務影響を合理的に見積もることが難しく、今回の通期業績予想には影響が織り込まれていません。現段階で業績への金額影響を断定することはできませんが、調査の進展や行政上の措置が公表された場合には確認が必要です。

リクルートの決算後の株価はどうなる?

今回の決算は、利益のコンセンサス超過、大幅な通期上方修正、Indeedの高成長、HRテクノロジーの利益率改善、自社株買いの継続という複数の好材料がそろっています。ファンダメンタルズだけを見れば、業績期待を引き上げる内容です。

一方、株価の反応は決算内容だけでなく、発表前にどこまで好業績を織り込んでいたかや、市場全体の地合いにも左右されます。好決算であっても期待値が非常に高い場合は利益確定が出ることがあるため、決算の良し悪しと短期の株価反応は分けて考える必要があります。

好決算・大幅上方修正は株価にポジティブな内容

特にポジティブなのは、単に1Q実績が良かっただけでなく、会社が通期純利益予想を7,550億円まで引き上げ、HRテクノロジーの通期マージンも45.8%へ上方修正したことです。将来利益の見通しそのものが改善しているため、企業価値を評価する前提が上がりました。

加えて、3,500億円の自社株買いは7月末時点で約3分の1の消化にとどまっています。残り枠が必ず一定ペースで買い付けられるわけではありませんが、自己株式取得が継続していることは需給面の下支え材料になり得ます。

今後は「ARPJ成長」と「高利益率を維持できるか」が重要

今後の業績と株価を見るうえでは、今回の決算で示された高い成長率が持続するかが重要です。特に確認したい項目は次のとおりです。

  • 米国のUS ARPJが通期30%成長の会社前提に沿って推移するか
  • Premium Sponsored Jobsの利用拡大が続くか
  • 米国の求人掲載数が大幅に悪化しないか
  • HRテクノロジーのEBITDA+Sマージン45%前後を維持できるか
  • AI機能がマッチング精度や採用効率の向上につながるか
  • 残り約2,300億円の自社株買いがどの程度進むか

今回の上方修正で市場の期待値も上がるため、次回以降は「増収増益かどうか」だけではなく、ARPJや利益率が引き上げられた会社計画に対して上振れ・下振れするかが株価材料になりやすくなります。

リクルートの次回決算はいつ?

次回は2027年3月期第2四半期決算です。2026年8月7日時点では、リクルートの公式IRイベントページに第2四半期の具体的な発表日はまだ掲載されていません。

参考として、前年度の2026年3月期第2四半期決算は2025年11月6日に発表されました。例年どおりであれば2026年11月上旬が一つの目安になりますが、正式な日程は会社のIRカレンダーで確認する必要があります。

次回決算では、第1四半期で35%増となったUS ARPJ、HRテクノロジーの利益率、米国求人掲載動向、Premium Sponsored Jobsの収益化、自社株買いの進捗が特に重要です。今回の大幅上方修正後も業績が計画を上回るペースを維持できるかが焦点になります。

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まとめ|リクルートの最新決算はIndeedの収益化が想定以上に進む好決算

リクルートの2027年3月期第1四半期は、売上収益18.9%増に対して営業利益66.1%増、親会社帰属利益67.5%増となり、利益成長が際立つ決算でした。通期純利益予想も6,230億円から7,550億円へ大幅に引き上げられています。

最大のポイントは、米国Indeedで求人掲載数の伸びに頼らず、US ARPJを35%伸ばして売上を拡大したことです。Premium Sponsored JobsやAIを使った採用支援機能による高付加価値化が進み、HRテクノロジーのEBITDA+Sマージンは47.4%まで上昇しました。

今後はUS ARPJの高成長を維持できるか、HRテクノロジーの高い利益率が続くか、米国雇用市場の悪化を吸収できるかが重要です。残り約2,300億円の自社株買いも含め、業績成長と株主還元の両面を確認していきたいところです。

出典
  • リクルートホールディングス「FY2026 Q1 Earnings Summary」
    https://recruit-holdings.com/en/ir/library/upload/recruit_202703Q1_summary_en/
  • リクルートホールディングス「Consolidated Financial Results for Q1 FY2026」
    https://recruit-holdings.com/en/ir/library/upload/recruit_202703Q1_earnings_en/
  • リクルートホールディングス「Presentation Slides of Earnings Results Call for Q1 FY2026」
    https://file.recruit-holdings.com/files/en/Recruit_202703Q1_presentation_en.pdf
  • リクルートホールディングス「Recruit Holdings Announces Share Repurchases」
    https://recruit-holdings.com/en/newsroom/20260331_0001/
  • リクルートホールディングス「IR Events」
    https://recruit-holdings.com/en/ir/events/
  • IFIS株予報「6098 リクルートホールディングス – 業績進ちょくと決算スケジュール」
    https://kabuyoho.ifis.co.jp/index.php?action=tp1&bcode=6098&sa=report
  • IFIS株予報「6098 リクルートホールディングス – 業績見通し」
    https://kabuyoho.ifis.co.jp/index.php?action=tp1&bcode=6098&sa=report_chg
  • 株探「リクルート、今期最終を21%上方修正・最高益予想を上乗せ」
    https://s.kabutan.jp/news/k202608070321/
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