レーザーテックの株価はなぜ下がる?暴落理由・受注減・半導体投資を解説

レーザーテック(6920)の株価が大きく下落すると、「なぜ売られているのか」「受注が減って業績が悪化しているのか」と気になる人も多いのではないでしょうか。

レーザーテックはEUV(極端紫外線)を使う最先端半導体のマスク検査装置で高い競争力を持つ一方、将来の成長期待が株価に強く織り込まれやすく、決算が増益予想でも市場の期待に届かなければ急落することがあります。

2026年8月の決算後も、受注そのものは大きく回復していたにもかかわらず、翌期の利益予想が市場コンセンサスを下回ったことで株価が大幅に下落しました。ここでは、直近の急落理由に加え、受注高、半導体設備投資、EUV・AI需要、高いバリュエーションや需給など、レーザーテックの株価が下がる要因を整理します。

売買動向・信用需給を確認するならYahoo!ファイナンスVIPがおすすめ

↓↓Yahoo!ファイナンスVIP倶楽部の詳細はこちら↓↓

Yahoo!ファイナンスVIP倶楽部
目次

レーザーテックの株価が大幅下落した理由

レーザーテックの株価が大幅下落した理由

2026年8月7日のレーザーテック株の大幅下落では、前日に発表された2026年6月期本決算と2027年6月期業績予想が主な材料になりました。最大のポイントは、2027年6月期が増収増益予想だったにもかかわらず、利益予想が市場コンセンサスを大きく下回ったことです。

2026年6月期の実績も減収減益でしたが、実績値の市場予想との差は比較的小さく、翌期の利益水準に対する期待とのギャップの方が株価には重く受け止められました。決算前に株価が短期間で上昇し、期待値が高まっていたことも売りを強めたと考えられます。

2027年6月期の営業利益予想が市場コンセンサスを下回った

レーザーテックは2027年6月期について、売上高2,900億円、営業利益1,250億円、経常利益1,250億円、純利益900億円を予想しました。前期比では売上高25.8%増、営業利益18.8%増となるため、会社予想だけを見れば業績回復を見込む内容です。

しかし、決算発表前のIFISコンセンサスと比較すると見え方が変わります。売上高は市場予想をわずかに上回った一方、営業利益は市場予想の1,394億5,100万円に対して会社予想が1,250億円と、約10%下回りました。 経常利益と純利益も市場予想を1割前後下回っています。

会社予想と決算発表前の市場コンセンサスを比較すると、次のようになります。

指標2027年6月期 会社予想IFISコンセンサス(8月5日時点)会社予想との差
売上高2,900億円2,889億6,600万円約0.4%上回る
営業利益1,250億円1,394億5,100万円約10.4%下回る
経常利益1,250億円1,410億6,400万円約11.4%下回る
純利益900億円1,014億9,600万円約11.3%下回る

特に注目したいのは、売上高の水準では市場期待を満たしているのに、利益では大きな差が出ている点です。会社予想から計算した2027年6月期の営業利益率は約43.1%で、2026年6月期実績の45.7%を下回ります。売上高が25.8%増えるのに対し、営業利益の伸びは18.8%にとどまるため、市場が期待していたほど利益が伸びない見通しと受け止められやすい内容でした。

レーザーテックのように高い成長期待を集める銘柄では、「増益か減益か」だけでなく、「市場が織り込んでいた利益を超えられるか」が株価を大きく左右します。今回の大幅安は、業績が赤字に転落したからではなく、増益予想でも期待値を満たせなかったことが重要な背景です。

2026年6月期が減収減益だったことも重荷になった

2026年6月期の実績は、売上高2,304億8,500万円で前期比8.3%減、営業利益1,052億5,900万円で14.3%減となりました。経常利益、純利益も減少しており、前期まで続いていた高成長からはいったん減速しています。

指標2026年6月期前期比
売上高2,304億8,500万円8.3%減
営業利益1,052億5,900万円14.3%減
経常利益1,078億9,500万円9.7%減
純利益774億8,500万円8.5%減
営業利益率45.7%前期48.8%から低下

ただし、2026年6月期の減収減益だけを見て「足元の需要が急激に悪化している」と判断するのは適切ではありません。レーザーテックは、前期に受注が弱かった影響で当期の売上が減少したと説明しています。半導体製造装置は注文を受けてから売上として計上されるまでに時間差があるため、過去の受注減が後から売上・利益に表れることがあります。

実際、2026年6月期の受注高は前期から大幅に回復しています。つまり今回の決算は、「売上と利益は過去の受注減の影響で減った一方、先行指標である受注は改善した」という二面性があります。そのため、株価下落の理由を単純な業績悪化だけで説明するよりも、翌期利益予想と市場期待の差まで見る必要があります。

決算前に株価が大きく上昇しており期待が高まっていた

決算前の株価上昇も、決算後の値動きを大きくした要因です。レーザーテック株は2026年7月31日の終値3万7,910円から、8月5日には4万6,680円まで上昇しました。わずか3営業日で約23%上昇しており、決算発表前にかなり強い期待が株価へ織り込まれていました。

さらに8月5日時点の予想PERは58倍台でした。高いPERは必ずしも「割高で売るべき」という意味ではありませんが、投資家が将来の大幅な利益成長を前提に株価を評価していることを示します。期待が高いほど、決算で求められるハードルも高くなります。

このような局面では、良い決算を出すだけでは株価上昇につながらず、事前に織り込まれていた期待をさらに上回る数字が必要になることがあります。 今回は、売上高の会社予想は市場予想を上回ったものの、利益予想が届かなかったため、決算前に積み上がった期待が一気に剥落しやすい状況でした。

レーザーテックの受注減は株価下落の原因?

受注減はレーザーテックの株価を考えるうえで非常に重要ですが、2026年8月時点では「受注が減り続けているから株価が下がった」という説明は正確ではありません。 受注高が大きく落ち込んだのは2025年6月期で、2026年6月期には2,375億400万円まで回復しました。

一方で、過去の受注減は2026年6月期の売上・利益を押し下げました。レーザーテックでは、受注の増減が時間差を伴って業績に反映されるため、「過去の受注」「足元の受注」「受注残高」を分けて見ることが重要です。

2025年6月期は受注高が1,052億円まで大幅に減少した

レーザーテックの受注高は2024年6月期に2,700億円台まで膨らんでいましたが、2025年6月期には1,052億2,600万円へ大幅に減少しました。前期比では61.4%減となり、受注の急減が将来業績への懸念を強めました。

会社は中期的な事業環境について、一部顧客が設備投資計画を見直したことで受注が一時的に弱含んだと説明しています。レーザーテックが手掛ける最先端半導体向け検査装置は単価が高く、顧客の投資計画や装置導入時期によって受注額が大きく振れやすい特徴があります。

受注が減っても、その期の売上が同じ割合で直ちに減るわけではありません。すでに積み上がっている受注残から売上計上が続くためです。ただ、受注減が長期間続けば受注残が減り、やがて売上や利益にも影響します。2025年6月期の受注急減が、2026年6月期の減収減益につながったと見ると、受注と業績の関係を理解しやすくなります。

2026年6月期の受注高は2,375億円まで回復した

足元では受注環境に明確な改善が見られます。2026年6月期の受注高は2,375億400万円となり、前期比125.7%増と2倍以上に回復しました。受注残高も3,229億6,400万円で前期比2.2%増となっています。

項目2025年6月期2026年6月期増減
受注高1,052億2,600万円2,375億400万円125.7%増
受注残高3,159億4,500万円3,229億6,400万円2.2%増

品目別では、2026年6月期の半導体関連装置の受注高が1,722億1,600万円となり、前期比208.5%増でした。サービスの受注も617億9,100万円で35.8%増えています。受注回復は装置だけに限らず、サービスも含めて進んだことが確認できます。

したがって、2026年8月の決算後急落を「受注減が止まっていないから」と説明するのは実態と合いません。むしろ株価が嫌気したのは、受注が回復しているにもかかわらず、2027年6月期の利益予想が市場の高い期待に届かなかった点です。受注回復を将来の利益へどこまで変換できるかが次の焦点になります。

受注高はレーザーテックの将来業績を読む重要指標

レーザーテックでは、売上高や営業利益と並んで受注高を確認する価値があります。受注高は、その期間に顧客から新たに受けた注文の金額です。受注残高は、注文を受けているものの、まだ売上として計上されていない案件の残高を示します。

装置メーカーでは、受注、製造・出荷、顧客側での検収、売上計上という流れがあるため、受注の変化が売上より先に表れやすくなります。受注が大きく増えても翌四半期の売上が同じだけ増えるとは限りませんが、将来の売上を考えるうえで重要な先行指標になります。

今後は受注高が一度2,000億円台へ戻ったことだけでなく、高い受注水準を継続できるか、受注残高が積み上がるかを見る必要があります。2026年6月期は受注高が125.7%増えた一方、受注残高の増加は2.2%にとどまりました。売上計上も進んでいるためですが、翌期以降の成長を強めるには新規受注を継続的に獲得することが重要です。

レーザーテックはなぜ好決算でも株価が下がる?

レーザーテックでは、決算の売上高や利益が前年を上回っていても株価が下落することがあります。理由は、株式市場が過去の実績ではなく、将来の業績が事前の期待を上回るかどうかを重視して株価を形成するためです。

特にレーザーテックは、EUVや最先端半導体の成長期待を背景に高い評価を受けやすく、受注高や翌期予想が市場予想に届かなかったときの反応も大きくなりやすい銘柄です。

前年比ではなく市場コンセンサスとの比較で評価されやすい

決算を見るときは、「前年比で増益だったか」だけでなく、市場コンセンサスとの比較が重要です。市場コンセンサスとは、複数の証券会社やアナリストの予想を集計した市場予想のことです。株価にはこの予想が事前に織り込まれていることがあります。

2027年6月期の会社予想は営業利益18.8%増であり、数字だけ見れば好調です。しかし市場は約1,395億円の営業利益を期待していたため、1,250億円の会社予想は「増益予想」よりも「期待を約10%下回る予想」として評価されました。

逆に、減益決算でも市場がさらに悪い数字を想定していれば株価が上昇することがあります。株価反応は決算の絶対的な良し悪しより、事前予想との差で決まる場面が多いため、レーザーテックの決算を見る際は会社予想・市場予想・受注見通しをセットで確認する必要があります。

株価には将来の成長期待があらかじめ織り込まれている

レーザーテックが高い評価を受けやすい背景には、EUVを使う先端半導体の微細化という長期的な成長テーマがあります。AI向けGPUやHBMの需要拡大、2nm世代以降のロジック半導体投資などが続けば、高精度なマスク検査の重要性も高まります。

こうした将来性を期待して株価が先に上昇すると、PERも高くなりやすくなります。高PERは高い成長率が続く前提で許容されているため、利益成長率が想定を下回ったり、受注の回復が遅れたりすると、利益予想の下方修正だけでなくPERそのものが低下する「評価の修正」が起こる可能性があります。

例えば、利益が変わらなくても投資家が許容するPERが50倍から40倍へ低下すれば、理論上の株価評価は2割下がります。レーザーテックの値動きが業績数値以上に大きくなることがあるのは、利益の変化とバリュエーションの変化が同時に起こり得るためです。

過去にも業績改善だけでは株価が上がらなかった局面がある

2026年1月30日に発表した中間決算でも、レーザーテックは通期営業利益予想を850億円から1,000億円へ上方修正しました。業績面では改善が示されたものの、決算後の2月2日に株価は13.96%下落しています。

当時は、受注高の見通しが市場の期待に届かなかったことが重荷になりました。業績の上方修正があっても、投資家がより注目している受注や将来成長の見通しが弱ければ、株価は売られることがあります。

2026年8月の決算でも構図は似ています。今回は受注自体が回復している一方、翌期利益予想が市場予想を下回りました。レーザーテックでは、その時点で市場が最も重視しているKPIが「利益」「受注」「新製品の採用」などへ変化するため、決算数値の一部分だけで株価反応を判断しにくい点に注意が必要です。

半導体設備投資の減速もレーザーテックの株価下落要因になる

レーザーテックの業績は、最先端半導体メーカーやマスク関連企業の設備投資と密接に関係しています。AI半導体市場が中長期的に成長しても、顧客が設備導入を延期すれば受注のタイミングは後ろへずれます。

そのため、半導体需要そのものだけでなく、TSMC、Samsung Electronics、Intelなどが最先端プロセスへの投資をいつ実行するかが重要です。設備投資サイクルの変化は、レーザーテックの受注高と株価に先行して影響することがあります。

顧客の設備投資延期は受注の先送りにつながる

レーザーテックは、過去の受注が一時的に弱含んだ要因として、一部顧客による投資計画の見直しを挙げています。半導体工場の建設や先端プロセスへの移行には巨額の資金が必要であり、需要予測や歩留まり、装置の導入スケジュールなどによって投資時期が変更されることがあります。

顧客が投資を中止しなくても、半年や1年単位で導入時期が後ろへずれれば、その期間の受注高は弱く見えます。レーザーテックは大型装置の受注が業績に与える影響が大きいため、少数の顧客案件の時期がずれるだけでも前年比の変動率が大きくなりやすい点が特徴です。

一方、投資延期と需要消失は同じではありません。先端半導体の微細化が続き、EUVを使う工程が拡大すれば、検査需要が後から回復する余地があります。受注減が一時的なタイミングのずれなのか、顧客需要そのものの縮小なのかを見極めることが重要です。

AI半導体需要が強くてもレーザーテックの受注が一直線に増えるとは限らない

AIデータセンター投資の拡大は、レーザーテックにとって中長期的な追い風です。会社も2026年6月期決算で、AIへの投資拡大を背景に先端半導体への需要が高水準で推移すると見込んでいます。

ただし、「AI需要が増える=レーザーテックの受注がすぐ増える」という単純な関係ではありません。AI向けGPUやHBMの需要増加が半導体メーカーの設備投資につながり、先端ロジックの微細化やEUV工程の拡大を経て、マスク・マスクブランクス検査装置の導入につながります。複数の段階があるため、最終需要と装置受注には時間差があります。

また、AI投資が活発でも投資先がメモリ、先端ロジック、後工程、データセンター設備などに分散すれば、すべての投資がレーザーテックの売上に直結するわけではありません。株価を見る際は「AI市場が好調」という大きなテーマだけでなく、EUVを使う先端プロセスへの設備投資が実際に増えているかまで確認したいところです。

EUV・High-NA EUV投資の時期によって受注が大きく変動する

レーザーテックの競争力を支える重要分野がEUV関連です。EUVは非常に短い波長の光を使って微細な回路を形成する技術で、先端ロジック半導体の製造に欠かせない工程になっています。回路が微細になるほど、原版となるマスクに微小な欠陥がないかを高精度に検査する重要性も高まります。

今後は、より高い解像度を実現するHigh-NA EUVの導入も注目点です。新しい製造技術への移行では、装置の評価、顧客側での認定、量産採用といった段階を踏むため、技術的な需要があっても売上が一直線に増えるわけではありません。採用時期が後ろへずれれば、期待されていた受注も先送りされます。

レーザーテックは2025年10月に、EUVパターンマスク欠陥検査装置「ACTIS A200HiT」を発表しました。従来機に比べ検査速度を約3倍に高める製品で、先端マスク検査の生産性向上を狙っています。こうした新製品が複数顧客へ広がれば受注拡大要因になりますが、採用のペースが市場期待より遅い場合は株価の失望材料にもなり得ます。

レーザーテックの株価が下がりやすいその他の理由

レーザーテックの株価は、決算や受注だけでなく、バリュエーション、半導体株全体の地合い、米中規制、信用需給などでも大きく動きます。業績に直接変化がなくても、投資家のリスク許容度が低下すると売りが集中することがあります。

特に値動きが大きい成長株では、複数の要因が同時に重なることで下落幅が拡大しやすいため、個別材料と市場全体の要因を分けて考えることが重要です。

高いPERと成長期待

レーザーテックは高い利益率とEUV関連の成長期待から、市場平均を大きく上回るPERで評価される場面があります。2026年8月5日時点では予想PERが58倍台となっており、決算前の株価には相応に高い成長期待が織り込まれていました。

PERが高いこと自体は、将来利益が大きく伸びれば正当化されます。一方、成長率が想定より低くなると、株価を支えていた「将来はもっと利益が増える」という前提が弱くなります。今回のように売上高予想は市場期待を満たしていても利益予想が低い場合は、利益成長の質を慎重に評価されやすくなります。

高いPERの銘柄では、業績下方修正だけでなく、予想を下回っただけでもPERの切り下がりが起きやすい点が下落リスクです。逆に、受注や利益が市場予想を継続的に上回れば、高い評価を維持できる可能性があります。

半導体株全体が売られると連れ安しやすい

レーザーテックに固有の悪材料がなくても、半導体株全体が売られる局面では連れ安することがあります。米国の半導体株、SOX指数、国内の東京エレクトロンやアドバンテストなどが大きく下落すると、半導体関連への投資比率を一括して落とす動きが出るためです。

AI関連株には大きな資金が流入しているため、金利上昇、景気懸念、AI投資の過熱感などが意識されると、業績の良い企業までまとめて利益確定の対象になることがあります。レーザーテックは値がさ株で売買代金も大きく、半導体セクターのセンチメントを反映しやすい銘柄の一つです。

こうした下落では、会社の受注や利益予想が変わっていないこともあります。個別材料が原因なのか、セクター全体の資金流出なのかを切り分けることで、下落が長期化する可能性を判断しやすくなります。

米中規制や中国の半導体装置国産化

半導体製造装置業界では、米中対立や輸出規制も継続的なリスクです。規制の対象が拡大すれば、中国向けの販売機会や顧客の設備投資計画に影響し、装置メーカー全体の成長率を押し下げる可能性があります。

また、中国では半導体製造装置の国産化が進められており、2026年7月には中国で国産DUV露光装置の量産が始まったとの報道を受け、海外の半導体製造装置株が売られる場面がありました

レーザーテックが主力とするEUVマスク検査装置とDUV露光装置は同じ製品ではないため、直接的な競合とみなすのは適切ではありません。
それでも、中国企業の技術力向上やサプライチェーンの国産化が進めば、海外装置メーカー全体に対する長期的な競争懸念が意識されます。個別製品への直接影響と、半導体装置セクター全体への投資家心理の悪化を分けて見る必要があります。

信用買い・空売り・利益確定など需給面

株価の短期的な下落幅は、業績だけでなく需給でも変わります。株価上昇局面で信用買いが積み上がると、急落時に含み損を抱えた投資家の損切りや追証回避の売りが出て、下落を増幅することがあります。

一方、機関投資家の空売りが多い銘柄では、下落時に売りが加速する場面がある反面、その後の買い戻しが反発要因になることもあります。空売り残高が多いという事実だけで株価の方向を決めることはできません。

レーザーテックは決算前後に出来高が膨らみやすく、短期間で株価が大きく上下します。決算前に急騰していた場合は、決算内容が悪くなくても「材料出尽くし」で利益確定売りが出やすくなります。業績材料と需給要因が重なると、決算の内容以上に大きな値動きになる点は意識しておきたいところです。

レーザーテックの株価下落は一時的?今後の注目ポイント

今回の下落が一時的な期待調整で終わるか、業績の伸び悩みを織り込む長期的な下落につながるかは、今後の決算で確認する必要があります。受注高がすでに回復しているため、焦点は「需要があるか」から、回復した受注をどれだけ売上と利益へ転換できるかへ移りつつあります。

特に、2027年6月期の利益進捗、受注の継続性、新製品の採用、最先端半導体への設備投資を確認すると、今回の会社予想が保守的だったのか、それとも市場期待が高すぎたのかを判断しやすくなります。

2027年6月期の利益が会社予想を上回って進捗するか

最も重要なのは、会社が示した営業利益1,250億円を上回るペースで業績が進むかです。決算発表前の市場コンセンサスは約1,395億円だったため、会社予想との間には約145億円の差があります。

今後の四半期決算で高い利益率を維持し、通期予想に対する進捗率が高まれば、「会社予想は慎重だった」と評価され、上方修正期待が株価を支える可能性があります。反対に、売上が伸びても利益率が改善せず、会社予想の達成自体が不透明になれば、市場予想の切り下げが続くリスクがあります。

2027年6月期会社予想の営業利益率は約43.1%で、2026年6月期の45.7%を下回ります。研究開発費や製品構成など利益率を左右する要因を確認し、増収がどの程度利益成長につながっているかを見ることが重要です。

受注高の回復が継続するか

2026年6月期の受注高が2,375億400万円まで回復したことはポジティブな材料です。ただし、2025年6月期には受注高が1,052億円まで急減した経緯があるため、1年だけの回復で受注変動リスクがなくなったとは言えません。

今後も2,000億円台の受注を維持できるか、受注残高が再び積み上がるかを確認する必要があります。受注高が高水準を維持すれば、2027年6月期だけでなく、その先の売上成長に対する見通しも強まりやすくなります。

反対に、顧客の投資計画見直しで受注が再び急減すれば、今回回復した業績見通しへの信頼も弱まります。レーザーテックでは、四半期利益より先に受注トレンドが変化することがあるため、決算ごとに確認したい指標です。

ACTIS・MATRICSなど新製品の受注が伸びるか

受注の中身も重要です。レーザーテックはEUVマスク検査のACTISシリーズに加え、フォトマスク検査装置のMATRICSなどを展開しています。2026年6月期の受注回復では半導体関連装置が大きく増えており、新製品や高付加価値製品の採用拡大が今後の成長を左右します。

特にACTIS A200HiTは、従来機より検査速度を高め、先端マスク検査の生産性向上を狙う製品です。評価装置の導入から量産向けの複数台受注へ進めば、単発の受注回復ではなく構造的な需要拡大として評価されやすくなります。

数量だけでなく、高い利益率を維持できる製品構成になっているかも重要です。市場が今回の決算で利益予想を厳しく見たことを踏まえると、新製品の受注増と利益率改善を同時に示せるかが株価再評価のポイントになります。

AI・最先端半導体への設備投資が続くか

会社は2027年6月期について、AI関連投資を背景に先端半導体への需要が高水準で推移すると想定しています。この前提が維持されれば、EUVを使う最先端プロセスの拡大を通じてレーザーテックにも追い風となります。

確認したいのは、AI企業の設備投資額だけではありません。TSMCやSamsung Electronics、Intelなどの先端ノード投資、ASMLのEUV装置受注、主要ファウンドリーの量産計画など、レーザーテックの製品需要へつながる投資が続いているかが重要です。

AI投資が拡大していても、過剰投資への懸念が強まれば半導体株全体のバリュエーションは下がる可能性があります。実需としての設備投資と、株式市場が織り込む期待の両方を見ることで、株価の持続性を判断しやすくなります。

高い期待値がどこまで調整されたか

業績が好調でも、株価がすでに将来成長を十分に織り込んでいれば上値が重くなることがあります。今回の決算前には短期間で株価が大きく上昇し、予想PERも高水準でした。決算後の下落は、業績悪化だけでなく高すぎた期待を調整する動きという側面があります。

期待値の調整が進み、株価に織り込まれる利益成長のハードルが下がれば、同じ会社予想でも評価が変わる可能性があります。一方、利益予想がさらに下方修正されれば、PERが低下しても割安とは限りません。

今後は株価水準だけを見て「下がったから安い」と判断するのではなく、利益予想・受注・成長率に対してどの程度の評価が付いているかを確認することが重要です。受注回復と利益成長が市場予想を上回るようになれば、再び成長期待が高まる可能性があります。

【PR】株の購入前は松井証券で信用残高を確認するのがおすすめ

株を購入する前には、信用買いが増えているのか、信用買いの整理が進んでいるのかを確認することも重要です。
信用買いが増えていると株価が上がりにくく、信用買いが整理されていると上値が軽くなりやすいからです。

一般的な信用残は週次で公表されるため、急落当日の信用需給をすぐに確認することはできません。
松井証券では、東証の売買内訳データをもとに算出した「信用残(当日推計)」と「信用倍率(当日推計)」を確認できます

信用買いが増えているのか信用返済による売りが出ているのかなど、株価変動の背景を考える際にも活用でき、需給の良いタイミングでの取引が可能です。

私も別の証券会社を利用していましたが、信用需給の分析用に活用するサブ口座として松井証券を使い始めて、今では気になる銘柄の需給を毎日確認しています。
トレードの勝率を少しでも上げたいという人はぜひ活用してみてはいかがでしょうか。

松井証券の公式サイトはこちらから

レーザーテックの株価が下がる理由まとめ

レーザーテックの株価が下がる理由は、単純な業績悪化だけではありません。2026年8月の決算後急落では、2027年6月期が増収増益予想だったにもかかわらず、営業利益などの会社予想が市場コンセンサスを1割前後下回ったことが大きなポイントでした。

過去には2025年6月期の受注高が1,052億2,600万円まで減少し、その影響が2026年6月期の減収減益につながりました。一方、2026年6月期の受注高は2,375億400万円まで回復しているため、現在も受注減が続いているわけではありません。

  • 直近の急落理由: 翌期利益予想が市場コンセンサスを下回り、決算前に高まった期待が剥落した
  • 業績面: 2026年6月期は過去の受注減の影響で減収減益となった
  • 受注面: 2026年6月期の受注高は前期比125.7%増の2,375億400万円まで回復した
  • 構造的な下落要因: 半導体設備投資の延期、高いPER、米中規制、セクター全体の下落、信用需給などがある
  • 今後の焦点: 受注回復が継続し、2027年6月期の利益が会社予想を上回って伸びるかが重要になる

レーザーテックはAI・EUV・半導体微細化という長期的な成長テーマを持つ一方、市場から求められる成長率も高い銘柄です。そのため、「業績が良いか悪いか」だけでなく、市場が期待する数字を超えられるかが株価を大きく左右します。今後は受注高と利益率、新製品の採用、最先端半導体への設備投資を継続して確認することが重要です。

出典

レーザーテック株式会社「2026年6月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」

https://finance-frontend-pc-dist.west.edge.storage-yahoo.jp/disclosure/20260806/20260806511603.pdf

レーザーテック株式会社「業績報告」

https://www.lasertec.co.jp/ir/plan/message.html

レーザーテック株式会社「新製品 アクティニックEUV パターンマスク欠陥検査装置 ACTIS A200HiTシリーズを発表」

https://www.lasertec.co.jp/news/559763b6cc33fa6f4524e04561738524.pdf

日本取引所グループ「レーザーテック 2025年6月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」

https://www2.jpx.co.jp/disc/69200/140120250807533568.pdf

IFIS株予報「レーザーテック(6920) 銘柄レポート」

https://kabuyoho.ifis.co.jp/index.php?action=tp1&bcode=6920&sa=report

Yahoo!ファイナンス「レーザーテック(株)【6920】:株価時系列・信用残時系列」

https://finance.yahoo.co.jp/quote/6920.T/history

楽天証券 トウシル「決算レポート:レーザーテック(高性能CPUの需要増加とレーザーテックとの関係に注目したい)」

https://media.rakuten-sec.net/articles/-/52322

株探「レーザーテック—大幅続落、業績上方修正も受注見通しをマイナス視」

https://s.kabutan.jp/news/n202602020286

トレーダーズ・ウェブ「前場コメント No.1 レーザーテク、大塚HD、キヤノン、カーブスHD、円谷フィール、QPSHD」

https://www.traders.co.jp/news/article/1_2183323

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

目次