リクルートホールディングス(6098)の株価は、2026年2月の安値から大きく切り返し、8月までに大きく上昇しました。2月17日の年初来安値6,040円から見ると、2倍以上の株価になっています。
株価上昇の背景には、Indeedを中心とするHRテクノロジー事業の収益化が想定以上に進んでいることがあります。米国の採用需要が前年を下回る中でも、求人1件当たりの売上やAIを活用した採用支援の付加価値が高まり、売上と利益率が同時に伸びています。
さらに、業績予想の上方修正、大規模な自社株買い、信用買い残の大幅な整理、証券会社や海外機関投資家からの評価上昇も重なっています。8月7日に発表された2027年3月期第1四半期決算も強い内容で、今後の株価を考えるうえでは「なぜ利益成長が加速しているのか」を押さえることが重要です。

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リクルートの株価はなぜ上がる?

リクルートの株価上昇は、単一の材料ではなく、Indeedのマネタイゼーション、AI活用、利益率改善、業績上方修正、株主還元、需給改善が重なった結果と考えられます。特に2026年5月以降は、業績の強さが数字で確認されるたびに市場の利益予想が切り上がり、株価の評価水準も一段上がっています。
直近では、2026年8月7日に発表された2027年3月期第1四半期決算が新たな材料です。
直近では好決算と大幅上方修正が新たな上昇材料
2027年3月期第1四半期は、売上収益が前年同期比18.9%増の1兆453億円、EBITDA+Sが56.5%増の2,928億円、親会社帰属利益が67.5%増の2,026億円、基本EPSが73.2%増の145.48円となりました。会社は売上収益、EBITDA+S、基本EPSがいずれも期初想定を上回り、過去最高を更新したと説明しています。
さらに、通期の親会社帰属利益予想を6,230億円から7,550億円へ、基本EPSを447円から543円へ引き上げました。単に1四半期の数字が良かっただけではなく、会社自身が年間の利益水準を大きく引き上げたことが、株価にとって重要なポイントです。
リクルートの株価は2026年に大きく上昇
2026年の株価は「年初から一直線に上昇した」というより、2月に大きく下げた後、業績と還元の評価が進むにつれて急速に切り返した形です。2月の安値圏では信用買い残も急増していましたが、その後は株価上昇と同時に買い残が整理され、上値を抑える需給面の重さも小さくなりました。
2月17日の6,040円を底に株価は2倍以上へ
リクルートは2026年2月17日に6,040円まで下落しましたが、半年弱で株価は2倍を超えました。
この上昇は、単なる地合いの改善だけでは説明しにくい動きです。2月の業績上方修正、3月の3,500億円自社株買い、5月の強い通期見通し、6月の証券会社による評価引き上げなど、企業固有の材料が継続して出ています。
株価上昇を時系列で見ると「業績→還元→再評価」が続いている
2026年の主な材料を並べると、業績の上振れと株主還元が交互に確認され、そのたびに市場の評価が切り上がってきたことが分かります。
| 時期 | 主な材料 | 株価への意味 |
|---|---|---|
| 2月 | 2026年3月期の最終利益予想を4,483億円から4,809億円へ上方修正 | Indeedを中心とする収益改善を確認 |
| 3月 | 最大3,500億円・6,400万株の自社株買いを発表 | 大規模な株主還元と需給支援 |
| 5月 | 2027年3月期は純利益6,230億円、25.4%増を計画 | 4期連続最高益への期待が高まる |
| 5月 | 本決算後の5月18日に株価が16.6%上昇 | 会社計画を市場が強く評価 |
| 6月 | 野村證券が「買い」、目標株価16,000円へ引き上げ | Indeed Premiumの収益性を再評価 |
| 6月 | Capital Researchの共同保有比率が5.30%へ | 海外機関投資家の資金流入を確認 |
| 7月 | 株価が高値圏へ上昇、信用倍率は1倍前後へ改善 | 買い残の重さが大幅に軽減 |
| 8月 | 1Q好決算、通期純利益7,550億円へ大幅上方修正 | 利益予想のさらなる切り上げ |
ポイントは、株価が上がった後に材料が途切れたのではなく、会社計画や市場評価が後から追いつく形で新しい材料が出続けていることです。これが2026年の上昇トレンドを支える大きな特徴です。
株価上昇理由① Indeedの収益化が急速に進んでいる
リクルートの株価上昇を理解するうえで最も重要なのが、Indeedを中心とするHRテクノロジー事業の「求人1件から稼ぐ力」が高まっていることです。米国の採用需要が大きく回復していなくても、単価と顧客数を伸ばすことで売上を拡大できる構造へ変化しています。
米国Indeedの売上は前年同期比30%増
2027年3月期第1四半期のHRテクノロジー事業は、売上収益が前年同期比33.2%増の4,554億円となりました。為替の影響を含まない米ドルベースでも20.9%増の28億5,800万ドルと高い成長率です。
特に米国は前年同期比30.0%増の16億4,000万ドルとなり、四半期ベースで過去最高を更新しました。円安の追い風はありますが、ドルベースでもしっかり成長しているため、株価上昇を「為替だけ」で説明するのは適切ではありません。
US ARPJは35%上昇
重要なKPIがUS ARPJです。ARPJは「Average Revenue per Job」の略で、米国Indeedにおける求人1件当たりの平均売上を示します。2027年3月期第1四半期のUS ARPJ成長率は35%でした。
求人件数が同じでも、1件当たりの売上が35%増えればIndeedの収益は大きく伸びます。実際、会社は第1四半期の米国採用需要について前年割れが続いたと説明しているにもかかわらず、米国売上は30%増となりました。
つまり、以前のように「米国の求人件数が増えればIndeedが伸びる」というだけではなく、求人市場が弱い局面でもマネタイゼーションによって成長できるようになっていることが、市場から再評価されていると考えられます。
株価上昇理由② Premium Sponsored Jobsが成長
US ARPJ上昇の背景にあるのが、通常の求人広告より高付加価値な有料商品であるPremium Sponsored Jobsです。リクルートは2027年3月期の米国売上について、Premium Sponsored Jobsのさらなる伸長などにより前年比25.1%増を見込んでいます。
求人広告を「掲載枠」から高付加価値サービスへ変えている
Indeedの従来の収益モデルは、求人を目立たせるSponsored Jobsを中心とした広告課金でした。Premium Sponsored Jobsでは、求人を表示するだけではなく、採用活動そのものを効率化する機能を組み合わせ、企業が得られる成果を高めています。
企業にとって、採用できない期間が長引けば人手不足による機会損失が発生します。特に中小企業では採用スピードの価値が大きいため、単純な広告単価の安さより「早く採用できること」に対して料金を支払う余地があります。
Premiumの普及が求人1件当たり売上を押し上げる
リクルートは第1四半期決算説明会で、中小企業向けでは顧客数と単価の両方が伸び、大手企業でもAIプロダクトの利用が広がったと説明しています。これはPremium商品の価値が認められ、求人1件当たりの収益を押し上げていることを示します。
通期でもUS ARPJは30%成長を見込んでいます。Premium Sponsored Jobsの浸透が続けば、求人市場全体が急回復しなくてもIndeedの売上を伸ばせるため、中長期の利益成長期待につながります。
株価上昇理由③ AIがIndeedの収益力を高めている
AIはリクルートにとって単なる人気テーマではなく、実際の売上単価と顧客数を押し上げる商品機能として使われています。AIによる採用プロセスの自動化が企業側の生産性を高め、その価値を収益化できるようになってきたことが重要です。
AIで採用までの時間を短縮する
会社は第1四半期決算説明会で、AIを使って人事部門の時間のかかる手作業を自動化し、採用の生産性を高める新しいフェーズに入ったと説明しています。求人と候補者のマッチングだけでなく、候補者へのアプローチや採用プロセスの効率化まで、AIの利用範囲が広がっています。
採用までの時間が短くなれば、企業側は欠員による損失を減らせます。求職者側も企業から早く返信を受け、面接まで進みやすくなるため、プラットフォームの利用価値が上がります。
AIによる価値提供が「単価上昇」と「顧客数増加」につながる
リクルートは足元の売上成長について、AIによる価値提供が増えたことによる単価上昇と、プロダクトを使う顧客数の増加が組み合わさった結果と説明しています。これは、AI投資が将来期待だけではなく、すでに売上に反映され始めていることを意味します。
生成AIの普及は求人検索サービスを代替するリスクとして意識されることもあります。一方で、現在のリクルートはAIをIndeedの競争力やマネタイゼーションを高める方向に取り込んでいます。今後はAIの進化そのものより、企業の採用成果をどこまで改善し、収益につなげられるかが重要です。
株価上昇理由④ 利益率とEPSが大きく改善している
売上成長だけなら株価の上昇余地は限定されることがあります。リクルートが強く評価されている理由は、売上以上のペースで利益が伸び、1株当たり利益も急速に拡大している点です。
HR TechnologyのEBITDA+Sマージンは47.4%へ
2027年3月期第1四半期のHRテクノロジー事業は、売上収益が33.2%増だったのに対して、EBITDA+Sは80.6%増の2,157億円となりました。EBITDA+Sマージンは前年同期の35.0%から47.4%へ12.4ポイント上昇しています。
売上が伸びるほど利益がより大きく増える「利益レバレッジ」が働いている状態です。会社は通期のHRテクノロジー事業のEBITDA+Sマージン予想も、5月時点の41.0%から45.8%へ引き上げました。
基本EPSは1Qで73.2%増、通期予想も543円へ
基本EPSは第1四半期に前年同期比73.2%増の145.48円となりました。通期予想も従来の447円から543円へ21.5%引き上げられています。株価が上昇していても、同時に利益予想が引き上がればバリュエーションの過熱を一部吸収できます。
8月7日終値13,100円を修正前EPS447円で単純計算すると予想PERは約29.3倍ですが、修正後EPS543円では約24.1倍です。株価だけを見ると高値圏でも、利益予想の切り上がりによって評価の土台も上がっています。
株価上昇理由⑤ 業績予想の上方修正が続いている
リクルートでは2026年に入ってから、利益予想が一度だけではなく繰り返し引き上げられています。株価は将来の利益を織り込んで動くため、市場予想を上回る業績が続くと、株価の基準となる利益水準そのものが切り上がります。
2月に2026年3月期の最高益予想を上積み
2026年2月9日の第3四半期決算では、2026年3月期の親会社帰属利益予想を4,483億円から4,809億円へ7.3%上方修正しました。Indeedを中心とするHRテクノロジー事業の収益が想定を上回ったことや、円安が追い風となりました。
翌2月10日の株価は寄り付き直後に5%超上昇しました。2月は株価が安値圏にあったため、上方修正が「業績悪化への警戒」を和らげる転換点の一つになりました。
5月には4期連続最高益を見込む強い会社計画
5月15日の本決算では、2026年3月期の親会社帰属利益が4,969億円と従来予想を上回って着地し、2027年3月期は25.4%増の6,230億円を見込みました。Premium Sponsored Jobsの成長などを前提に、HRテクノロジー事業の大幅な増収増益を計画したことが評価されました。
決算後の5月18日には株価が前営業日比16.6%上昇しています。これ以降、リクルートの株価は「求人市場の回復待ち」ではなく、「マネタイゼーションによる利益成長」を評価する相場へ移ったと見ることができます。
8月には通期利益予想をさらに大幅上方修正
8月7日の第1四半期決算では、5月に示した強い会社計画をさらに上回る進捗となり、親会社帰属利益予想を6,230億円から7,550億円へ引き上げました。5月時点でも25%増益予想でしたが、修正後は前期比51.9%増を見込む計画です。
2026年の株価上昇は、期待だけが先行したのではなく、決算のたびに利益予想が実際に切り上がっていることが大きな支えです。
今後も上昇が続くかを見る際は、次回決算でも会社計画に対する上振れ余地が残るかを確認する必要があります。
株価上昇理由⑥ 大規模な自社株買いが株価を支える
リクルートは利益成長だけでなく、自己株式取得を積極的に行っています。2026年3月31日には、最大3,500億円・6,400万株の自社株買いを発表しました。取得上限株数は自己株式を除く発行済株式数の4.58%に相当します。
最大3,500億円の自社株買いを実施中
取得期間は2026年4月1日から最長11月30日までです。会社は資本効率の向上と株主還元の充実を目的としており、株価水準や市場環境、投資余力などを勘案して取得を進めています。
自社株買いは市場で新たな買い需要を生むだけでなく、取得した株式を消却すれば発行済株式数が減り、同じ純利益でも1株当たり利益が増えやすくなります。EPS成長を重視するリクルートとの相性が良い還元策です。
7月末でも約2,300億円の取得枠が残る
第1四半期決算時点では、3,500億円の取得枠のうち1,200億円、1,251万株を取得しており、金額ベースの進捗率は34.3%です。単純計算では約2,300億円の取得余地が残っています。
残り枠が必ず一定ペースで買い付けられるわけではありませんが、株価が調整した局面で会社による買い需要が入り得ることは、需給面で意識されやすい材料です。
株価上昇理由⑦ 信用需給の改善も株価を支える
2026年のリクルートは、株価が約2倍になる一方で信用買い残が大幅に減少しており、需給面でも非常に特徴的な動きです。2月には信用倍率20倍を超える「買い長」でしたが、6月以降は1倍前後まで改善し、7月には売り長となる週も増えました。
2月は信用倍率20倍超で買い残が重かった
2月20日時点の信用買い残は478万8,100株、信用売り残は20万1,400株で、信用倍率は23.77倍でした。株価は6,284円で、年初来安値6,040円を付けた直後です。
信用買い残が多い銘柄では、株価が戻った場面で「損失が解消したら売りたい」という戻り売りが出やすくなります。2月時点では、業績だけでなく需給面でも上値の重さが意識されやすい状態でした。
株価上昇とともに信用買い残は約9割減少
その後は株価が上昇する一方、信用買い残が急速に整理されました。7月24日時点の信用買い残は47万3,400株まで減少しています。2月20日の478万8,100株と比べると、約90%減った計算です。
逆に信用売り残は2月20日の20万1,400株から、7月24日には43万4,600株へ増えています。株価が上昇しているのに信用買いが膨らまず、むしろ空売りが増えているため、上昇局面で新たな買い残のしこりが作られにくい形です。
| 時点 | 株価 | 信用売り残 | 信用買い残 | 信用倍率 |
|---|---|---|---|---|
| 2026/2/20 | 6,284円 | 201,400株 | 4,788,100株 | 23.77倍 |
| 2026/4/3 | 6,942円 | 173,900株 | 2,688,500株 | 15.46倍 |
| 2026/5/22 | 9,789円 | 447,200株 | 986,200株 | 2.21倍 |
| 2026/6/19 | 10,865円 | 468,600株 | 488,600株 | 1.04倍 |
| 2026/7/3 | 11,920円 | 498,300株 | 422,400株 | 0.85倍 |
| 2026/7/17 | 12,820円 | 491,400株 | 397,400株 | 0.81倍 |
| 2026/7/24 | 12,055円 | 434,600株 | 473,400株 | 1.09倍 |
7月31日申込分の銘柄別信用取引週末残高でも売り長となっており、7月末まで信用需給の軽さが続いています。年初の上値を抑えていた信用買い残がほぼ解消された点は、2026年の株価上昇を考えるうえで見逃せない変化です。
好材料が出れば空売りの買い戻しも上昇を後押し
信用倍率が1倍を下回る売り長の状態では、株価が想定以上に上昇した際、空売りしている投資家の損切りによる買い戻しが入りやすくなります。8月7日の好決算や大幅上方修正が強く評価された場合、ショートカバーが短期的な上昇を加速させる可能性はあります。
ただし、リクルートは売買代金の大きい大型株で、信用売り残の絶対量も日々の出来高に対して極端に多いわけではありません。小型株で見られるような「買い戻せないほど売りが積み上がった本格的な踏み上げ相場」を主因にするのは適切ではなく、需給は好業績による上昇を後押しする補助材料と見るのが自然です。
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株価上昇理由⑧ 証券会社や海外投資家からの評価も上昇
業績改善が進む中で、証券会社や大手機関投資家からの評価も変化しています。こうした資金は信用取引とは異なり、中長期の業績見通しや企業価値を前提に動くため、株価の再評価を示す材料になります。
野村證券は目標株価を8,000円から16,000円へ引き上げ
2026年6月18日、野村證券はリクルートの投資判断を「ニュートラル」から「バイ」へ引き上げ、目標株価を8,000円から16,000円へ大幅に引き上げました。株価は同日、一時8%高となりました。
評価引き上げの背景として、IndeedのPremium広告プランの好調さ、米国平均単価の中期見通し改善、HRテクノロジー事業の利益成長性、自社株買いなどが挙げられています。現在の株価上昇を支える材料と、証券会社の評価軸がほぼ一致しています。
Capital Researchは保有比率5%超へ
6月22日に公表された大量保有報告書では、米Capital Research and Managementと共同保有者のリクルート株保有比率が5.30%となり、新たに5%を超えました。報告義務発生日は6月15日です。
大型の海外機関投資家が保有を増やしたことだけで株価が上がるわけではありませんが、Indeedを中心とするグローバルな成長ストーリーが海外投資家にも評価されていることを示す一例です。
リクルートの株価上昇はどこまで続く?

今後の株価がさらに上昇するには、これまで株価を押し上げてきた「利益予想の切り上がり」が続く必要があります。特に、米国の求人市場そのものより、US ARPJとHRテクノロジーの利益率が重要です。
US ARPJが通期30%成長を維持できるか
会社は2027年3月期のUS ARPJ成長率を30%と見込んでいます。第1四半期は35%だったため、足元では会社計画を上回るペースです。Premium Sponsored Jobsの普及やAI商品の利用拡大が続き、通期30%前後の成長を維持できれば、米国求人需要が弱くても売上成長を続けられます。
HR Technologyの高利益率を維持できるか
第1四半期のEBITDA+Sマージン47.4%は非常に高い水準です。会社の通期予想は45.8%なので、第2四半期以降も45%前後を維持できれば、売上成長以上の利益成長を続けやすくなります。
一方、AI開発への投資や営業・マーケティング費用が増えれば、四半期ごとの利益率は変動します。47.4%という1Qの数字をそのまま年間に当てはめるのではなく、通期45.8%の会社計画との比較を見ることが重要です。
業績上方修正後もEPS成長が株価についていけるか
株価が2月安値から2倍以上になったことで、市場の期待値は以前より高くなっています。ただし、8月の上方修正で通期EPS予想も447円から543円へ大きく上がりました。今後も利益予想が切り上がれば株価上昇を支えやすい一方、業績が会社計画どおりにとどまるだけでも市場の反応は以前より厳しくなる可能性があります。
リクルート株の上昇が止まる可能性がある要因
リクルートには複数の成長材料がありますが、株価が大きく上昇した後は「良い会社か」だけでなく、「高まった市場期待を上回り続けられるか」が重要になります。主なリスクは次のとおりです。
- 米国の採用需要が想定以上に悪化し、顧客数や広告支出が減少する
- US ARPJの伸びが鈍化し、Premium Sponsored Jobsの高単価化が頭打ちになる
- AI競争が激化し、Indeed以外のサービスやAIエージェントに求人検索・採用支援の機能が分散する
- 高いHR Technologyの利益率を維持できず、利益成長率が低下する
- 円高に転じ、海外事業の円換算売上・利益が押し下げられる
- 株価上昇によって市場期待が高まり、好決算でも材料出尽くしになる
米国求人市場の悪化は依然としてリスク
第1四半期は米国の採用需要が前年を下回る中でも売上を30%伸ばしましたが、雇用市場の悪化がさらに進めば影響を完全には避けられません。ARPJの上昇で求人件数減少をどこまで吸収できるかが焦点です。
AIは成長材料である一方、競争環境も変える
AIは現在Indeedの付加価値を高めていますが、同時にGoogle、LinkedIn、生成AIサービスなどが採用・求人検索へ機能を広げる可能性があります。リクルートがAIを使うこと自体ではなく、企業と求職者の双方に継続的な成果を提供し、ネットワーク効果を維持できるかを見る必要があります。
円安の追い風が逆回転する可能性
第1四半期の平均ドル円は159.3円で、前年同期の144.4円から大きく円安となりました。会社は通期の想定ドル円も5月時点の154円から159円へ変更しています。HRテクノロジーはドルベースでも20.9%増と成長していますが、円高になれば円換算の売上・利益には逆風になります。

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まとめ|リクルート株はIndeedの収益構造改善が上昇の中心
リクルートの株価は2026年2月の6,040円から8月7日の13,100円まで約117%上昇しました。最大の背景は、Indeedが米国求人件数の回復だけに依存せず、Premium Sponsored JobsやAIを使って求人1件当たりの売上を高めるビジネスへ進化していることです。
第1四半期のUS ARPJは35%増、HRテクノロジーのEBITDA+Sマージンは47.4%まで上昇し、通期EPS予想も543円へ引き上げられました。そこに3,500億円の自社株買い、信用買い残の大幅整理、売り長となる信用需給、証券会社や海外投資家からの評価上昇が重なっています。
今後も上昇が続くかを見るうえでは、株価そのものより、US ARPJ、Premium Sponsored Jobs、AIによる顧客単価と顧客数の伸び、HRテクノロジーの利益率、EPSの上方修正余地を確認したいところです。信用需給は上昇を後押ししやすい状態ですが、現在の株価を支えている中心はあくまでファンダメンタルズの改善です。
出典
- リクルートホールディングス「2027年3月期第1四半期決算 決算サマリー」
https://recruit-holdings.com/ja/ir/library/upload/recruit_202703Q1_summary_jp/ - リクルートホールディングス「2027年3月期 第1四半期決算説明会 書き起こし」
https://recruit-holdings.com/ja/ir/library/upload/recruit_202703Q1_call-transcript_jp/ - リクルートホールディングス「2026年3月期通期 決算サマリー」
https://recruit-holdings.com/ja/ir/library/upload/recruit_202603Q4_summary_jp/ - リクルートホールディングス「自己株式取得に係る事項の決定について」
https://recruit-holdings.com/ja/newsroom/20260331_0001/ - リクルートホールディングス「決算関連資料」
https://recruit-holdings.com/ja/ir/financials/ - 株探「リクルート、今期最終を7%上方修正・最高益予想を上乗せ」
https://s.kabutan.jp/news/k202602090110/ - 株探「前日に『買われた株!』総ザライ (1)」
https://s.kabutan.jp/news/n202605190053/ - 株探「リクルートが一時8%高と急反発、国内大手証券はレーティング『バイ』に引き上げ」
https://s.kabutan.jp/news/n202606180909/ - 株探「リクルートについて、米キャピタル・リサーチは保有割合が5%を超えたと報告」
https://s.kabutan.jp/news/n202606220310/ - 株探「リクルートホールディングス 株価時系列データ・信用残」
https://s.kabutan.jp/stocks/6098/historical_prices/margin/ - 株探「リクルートホールディングス 株価時系列データ・月次」
https://s.kabutan.jp/stocks/6098/historical_prices/monthly/ - 日本取引所グループ「銘柄別信用取引週末残高」
https://www.jpx.co.jp/markets/statistics-equities/margin/05.html
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