リクルートは何の会社?Indeed・SUUMO・人材派遣の事業内容を解説

リクルートと聞くと、求人情報や転職サービスを思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし、リクルートホールディングス(6098)の事業は人材領域だけではありません。Indeedやリクルートエージェントに加え、SUUMO、Hot Pepper Beauty、じゃらん、人材派遣、Air ビジネスツールズなど、幅広いサービスを国内外で展開しています。

一見すると別々の事業に見えますが、共通しているのは、「何かを探している個人」と「顧客や人材を探している企業」をつなぐマッチングです。さらに近年は、AIやSaaSを使って採用や店舗運営そのものを効率化する方向へ事業領域を広げています。

この記事では、リクルートが何の会社なのかを、3つの事業、主なサービス、収益構造、強みまで整理します。

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目次

リクルートは何の会社?

リクルートホールディングスは、単なる求人会社ではなく、「マッチング×テクノロジー」を世界規模で展開する企業グループです。人材、住宅、美容、旅行、飲食などの分野で、個人ユーザーと企業クライアントが出会う場を作り、近年はAIや業務支援SaaSによってマッチング後の業務まで支援しています。

求人会社というより「マッチング×テクノロジー」の会社

リクルートグループが創業以来のビジネスモデルとして掲げているのが、個人ユーザーと企業クライアントのマッチングです。仕事を探す人と採用したい企業、住宅を探す人と不動産会社、美容院を探す人とサロンなど、分野は違っても基本構造は共通しています。

現在の事業体制は、HRテクノロジー、人材派遣、マーケティング・マッチング・テクノロジー(MMT)の3つに分かれています。リクルートホールディングスは持株会社としてガバナンスやモニタリングに集中し、各事業がそれぞれの市場で経営を進める体制です。

Indeed・SUUMO・ホットペッパーなど多数のサービスを展開

代表的なサービスだけでも、Indeed、Glassdoor、リクルートエージェント、リクナビNEXT、リクルートスタッフィング、スタッフサービス、SUUMO、Hot Pepper Beauty、じゃらん、ホットペッパー グルメ、Air ビジネスツールズなどがあります。

これらをサービス名だけで見ると事業の全体像が分かりにくいため、まずは3事業と主なサービスの関係を整理すると理解しやすくなります。

事業主なサービス・会社主な役割
HRテクノロジーIndeed、Glassdoor、Indeed PLUS、リクルートエージェント、リクナビNEXT求人・採用、人材紹介、AIを活用した人材マッチング
人材派遣リクルートスタッフィング、スタッフサービス、RGF Staffing企業へ派遣スタッフを提供
MMTSUUMO、Hot Pepper Beauty、じゃらん、ホットペッパー グルメ、Air ビジネスツールズ国内の販促マッチングと業務支援SaaS

リクルートホールディングスと株式会社リクルートの違い

検索時に混同しやすいのが、上場会社の「リクルートホールディングス」と、その傘下にある「株式会社リクルート」です。株式市場で証券コード6098として取引されているのはリクルートホールディングスであり、グループ全体を見て投資判断する必要があります。

上場しているのはリクルートホールディングス(6098)

株式会社リクルートホールディングスは、グループ全体を統括する持株会社です。2026年3月末時点でグループ従業員数は45,586人、連結子会社は218社に上ります。2026年3月期の連結売上収益は3兆6,973億円、営業利益は6,305億円でした。

したがって「リクルートの業績」を見る場合、国内の株式会社リクルートだけではなく、Indeedなどの海外HRテクノロジー、人材派遣を含めた連結グループ全体を見ることが重要です。

株式会社リクルートは国内の販促・SaaSを担うグループ会社

株式会社リクルートは、現在のグループ構成では主に日本国内の販売促進サービスを担う事業会社です。SUUMO、Hot Pepper Beauty、じゃらん、ホットペッパー グルメ、Air ビジネスツールズなどが主なサービスです。

2025年4月にはグループの事業体制が変更され、従来株式会社リクルートが担っていた人材領域の一部は、Indeed Japanや株式会社インディードリクルートパートナーズ、株式会社インディードリクルートテクノロジーズなどへ移管されました。現在は国内HR事業もIndeedとの一体運営が進んでいる点が以前との大きな違いです。

リクルートの事業は3つに分かれる

リクルートの事業は3つに分かれる

リクルートの事業構造を理解するには、3つのSBUを分けて見るのが最も分かりやすいです。売上規模、利益率、成長ドライバーがそれぞれ大きく異なるため、単純に「人材会社」とまとめると実態を見誤りやすくなります。

HRテクノロジー|Indeedを中心とする最重要事業

HRテクノロジーは、IndeedとGlassdoorを軸に、求職者と企業を世界規模でつなぐ事業です。60以上の国と地域で展開しており、現在のリクルートで最も大きな利益を稼ぐ事業になっています。

Indeedは世界規模の求人・採用プラットフォーム

Indeedは求人検索だけを提供するサイトではありません。求職者には求人検索、プロフィール登録、企業情報、面接支援などを提供し、企業側には求人広告、候補者のソーシング、スクリーニング、候補者とのやり取り、面接など採用プロセス全体を支える機能を提供しています。

公式情報では、Indeedは2026年3月時点で6億6,500万件以上の求職者プロフィールを持ち、60以上の国と地域、28言語で展開しています。規模の大きな両面市場を持つことが、データ蓄積やマッチング精度の向上につながります。

Indeedはどうやって稼いでいる?

収益の中心は企業側から得る採用関連の料金です。求人の露出を高めるスポンサー求人に加え、現在はStandard Sponsored JobsやPremium Sponsored Jobs、Smart Sourcing、Smart Screeningなど、採用効率を高める高付加価値商品を展開しています。

Premium Sponsored Jobsでは高度なマッチング、精緻なターゲティング、企業ブランディング、AIを使った業務効率化機能などをまとめて提供しています。単に求人件数を増やすだけでなく、1件の求人から得る収益を高める方向へ進んでいることが近年のHRテクノロジー事業の特徴です。

Indeed PLUSやリクルートエージェントもHRテクノロジーへ

日本ではIndeed PLUSが、Indeed、リクナビNEXT、タウンワークなどの求人メディアや採用管理システム、他社サイトをネットワークでつなぐ求人配信プラットフォームとして展開されています。企業は一度求人を投稿することで、Indeedのマッチング技術を使いながら複数の求人サイトへ届けられる仕組みです。

また、リクルートエージェントやリクルートダイレクトスカウトなどの人材紹介サービスも2025年4月からHRテクノロジー側へ移管されました。リクルートが日本で培った人材紹介ノウハウとIndeedのテクノロジーを統合し、採用プロセスをより速く、シンプルにする「Simplify Hiring」を進めています。

人材派遣|売上規模ではリクルート最大の事業

人材派遣は、2026年3月期のセグメント売上収益が1兆7,034億円と、3事業の中で最も大きい売上規模を持つ事業です。日本だけでなく、欧州、米国、オーストラリアなどで幅広く展開しています。

リクルートスタッフィングやスタッフサービスを展開

日本ではリクルートスタッフィングやスタッフサービスが代表的です。リクルートスタッフィングは都市部の大企業を中心に幅広い職種の人材派遣を行い、スタッフサービスは事務、技術、IT、医療、製造など多様な職種をカバーしています。

海外ではRGF Staffingの傘下で欧州、米国、豪州などに展開し、それぞれの地域特性に合わせた運営を行っています。景気や雇用市場の影響を受ける一方、グローバルに地域を分散している点が特徴です。

人材紹介と人材派遣は何が違う?

リクルートエージェントのような人材紹介では、求職者が採用企業へ直接入社し、リクルート側は採用成功などに応じて紹介料を得ます。これに対して人材派遣では、派遣スタッフは派遣会社と雇用契約を結び、派遣先企業で働きます。

同じ人材領域でも、人材紹介はHRテクノロジー、人材派遣は人材派遣SBUに分かれています。サービス名だけでなく収益モデルも異なるため、業績を見る際には区別が必要です。

売上は大きいが利益率は低い

2026年3月期の人材派遣事業は、売上収益1兆7,034億円に対してEBITDA+Sは997億円、EBITDA+Sマージンは5.9%でした。HRテクノロジーの37.7%、MMTの27.4%と比べると、表面上の利益率はかなり低く見えます。

理由は、派遣スタッフの人件費が売上原価に含まれるためです。会社側も、人材派遣は他事業より売上原価率が高くなる構造だと説明しています。売上が大きいことと、高利益率であることは別という点は、リクルートの事業構造を見るうえで重要です。

SUUMO・ホットペッパー・じゃらんはMMT事業

日本国内で馴染みのあるSUUMO、Hot Pepper Beauty、じゃらん、ホットペッパー グルメなどは、マーケティング・マッチング・テクノロジー(MMT)事業に属します。消費者と店舗・事業者をつなぐマッチングプラットフォームが中心です。

SUUMO|住宅の売買・賃貸をつなぐ

SUUMOは住宅の売買、賃貸、リフォームに関するオンラインプラットフォームに加え、新築マンションや注文住宅の購入相談を行う相談カウンターも提供しています。住宅を探す個人と、不動産会社・住宅会社をつなぐ役割を担っています。

Hot Pepper Beauty・グルメ|店舗とユーザーをつなぐ

Hot Pepper Beautyは美容サロンなど、ホットペッパー グルメは飲食店とユーザーをつなぐサービスです。情報検索だけでなく予約までプラットフォーム上で完結するため、ユーザーの行動データや予約実績を蓄積できる点が強みです。

店舗側から見ると、単なる広告掲載ではなく、集客、予約、顧客管理など事業運営に近いところまでリクルートのサービスを使える構造になっています。

じゃらん|宿泊施設と旅行者をつなぐ

じゃらんは主に国内旅行の宿泊施設、ツアー、周辺観光情報などを扱うオンラインプラットフォームです。旅行者と宿泊施設をつなぎ、予約という具体的なアクションまでつなげることで収益化しています。

Airビジネスツールズ|マッチング以外の成長事業

MMT事業では、マッチングサービスだけでなく、Air ビジネスツールズを中心とした業務支援SaaSも重要な事業になっています。集客した顧客を店舗へ送るだけでなく、店舗側の日常業務を効率化するところまで事業領域を広げています。

Airレジ・Airペイなど店舗業務を支援

Air ビジネスツールズは、予約・受付管理、会計、決済、人材採用、シフト管理、資金調達などを支援するサービス群です。リクルートは15以上のサービスを提供しており、飲食、美容、小売など幅広い事業者が利用できます。

リクルートは「送客」から「店舗経営支援」へ広がっている

従来の販促事業は、メディアにユーザーを集めて店舗や事業者へ送客し、掲載料や予約などから収益を得るモデルが中心でした。Air ビジネスツールズでは、予約後の決済、会計、シフトなど、店舗運営の内部まで支援できます。

このため、リクルートは「集客プラットフォーム」だけでなく、企業の業務プロセスに継続的に組み込まれるSaaS企業としての側面も強めています。マッチングで得た顧客接点とSaaSを組み合わせられることがMMT事業の特徴です。

リクルートはどの事業で稼いでいる?

事業規模を見ると、売上が最も大きいのは人材派遣ですが、利益を最も稼いでいるのはHRテクノロジーです。「売上最大」と「利益最大」が違うことが、リクルートの収益構造を理解するうえで最も重要なポイントの一つです。

以下は2026年3月期の事業別実績です。EBITDA+Sは、リクルートが事業ごとの収益力を把握するために用いている利益指標です。

事業売上収益EBITDA+SEBITDA+Sマージン
HRテクノロジー1兆4,584億円5,499億円37.7%
人材派遣1兆7,034億円997億円5.9%
MMT5,646億円1,549億円27.4%

売上最大は人材派遣

人材派遣は売上収益1兆7,034億円で最大です。派遣スタッフの人件費を売上原価に含むビジネスモデルのため、売上金額自体が大きくなりやすい特徴があります。

利益最大はHRテクノロジー

HRテクノロジーの売上収益は人材派遣を下回りますが、EBITDA+Sは5,499億円と圧倒的に大きく、マージンも37.7%です。3事業のセグメントEBITDA+S合計の約7割をHRテクノロジーが占めています。

つまり、現在のリクルートは売上規模だけを見れば人材派遣会社の色が強い一方、利益成長と企業価値を考えるとIndeedを中心とするHRテクノロジーの重要度が非常に高い会社です。

Indeedの業績が株価に与える影響が大きい理由

HRテクノロジーは利益額が大きく、利益率も高いため、Indeedの売上成長やマネタイゼーションの改善がグループ全体の利益成長に直結しやすい構造です。米国求人市場、求人1件当たり売上、Premium Sponsored Jobs、AIによる採用効率化などが株式市場で注目されやすいのはこのためです。

一方で、人材派遣やMMTは事業ポートフォリオを分散し、安定した売上や国内事業のキャッシュ創出を支える役割があります。リクルートを「Indeedだけの会社」と見るのも正確ではありません。

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リクルートの強みは「マッチング」を横展開できること

リクルートのサービスは、人材、住宅、美容、旅行など一見バラバラですが、ビジネスの基本構造は共通しています。大規模なユーザー基盤と企業基盤を集め、データを使ってマッチングを改善するという仕組みを複数分野へ横展開できることが強みです。

人材・住宅・美容・旅行に共通する仕組み

Indeedなら求職者と採用企業、SUUMOなら住宅を探す人と不動産会社、Hot Pepperなら店舗と利用者、じゃらんなら旅行者と宿泊施設をつなぎます。供給側と需要側の双方を増やし、マッチング数を増やすことでプラットフォームの価値を高める点は共通しています。

MMT事業では約9,700万の個人ユーザーと約97万の企業クライアントを抱え、2024年度の年間総アクション数は3.7億件でした。こうした利用データを、予約、決済、売上などの情報と組み合わせられる点もリクルートの資産です。

データとAIが蓄積するほど競争力を高めやすい

マッチングサービスでは、利用者や企業が増えるほどデータが増え、条件に合う相手を見つける精度を改善しやすくなります。IndeedではAIを使った候補者マッチングやスクリーニングを進め、MMTでも予約・決済などのデータを活用してAIによるサービスや価格の改善提案を行う方針です。

リクルートの強みは、単に多数のブランドを持っていることではなく、長年蓄積したマッチングのノウハウにテクノロジーとデータを重ねられることにあります。

リクルートの業績を左右するポイント

リクルートは複数事業を持つため、業績を見る際にはそれぞれ異なる市場環境を確認する必要があります。特に現在はHRテクノロジーの利益寄与が大きいため、Indeed関連の指標が全社業績へ与える影響も大きくなっています。

Indeed・米国求人市場

HRテクノロジーでは、米国を中心とする求人需要、企業の採用意欲、スポンサー求人の利用状況などが重要です。同時に、求人件数だけでなく、Premium商品やAI機能を通じて1件の求人からどれだけ収益を得られるかも成長を左右します。

人材派遣市場

人材派遣は企業の人員需要や景気動向の影響を受けます。日本だけでなく欧州、米国、豪州へ展開しているため、地域ごとの雇用環境や為替変動も業績に影響します。

国内消費・店舗需要

MMTでは住宅、美容、旅行、飲食などの需要が重要です。予約件数や取引額が増えるほどプラットフォームの収益機会も増えます。Air ビジネスツールズの普及によって、販促需要だけでなく店舗のDX需要も成長材料になります。

AIによるマッチングの進化

AIはHRテクノロジーだけでなくMMTでも重要なテーマです。マッチング精度を上げ、採用や店舗運営の手間を減らせれば、ユーザーと企業双方にとってサービス価値が高まり、単価や利用頻度の向上につながる可能性があります。

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まとめ|リクルートはIndeedを中核とするグローバルHRテック企業

リクルートホールディングスは、求人広告だけの会社ではありません。人材、住宅、美容、旅行、飲食などで個人と企業をつなぎ、さらにAIやSaaSを使って採用・店舗運営の効率化まで支援する企業グループです。

現在の事業構造では、売上規模は人材派遣が最大ですが、利益はIndeedを中心とするHRテクノロジーが最大です。SUUMOやHot Pepper、Air ビジネスツールズを持つMMTも高い利益率を持ち、国内事業を支えています。

リクルートを投資先として見る場合は、サービスの知名度だけでなく、Indeedの収益化、AIを使ったマッチング、人材派遣市場、国内マッチングとSaaSの成長を合わせて確認することが重要です。

出典

リクルートホールディングス「ビジネスモデル」
https://recruit-holdings.com/ja/about/business/

リクルートホールディングス「会社概要」
https://recruit-holdings.com/ja/about/profile/index.html

リクルートホールディングス「グループ企業一覧」
https://recruit-holdings.com/ja/about/group/

リクルートホールディングス「2026年3月期通期 決算サマリー」
https://recruit-holdings.com/ja/ir/library/upload/recruit_202603Q4_summary_jp/

リクルートホールディングス「2026年3月期通期 決算短信」
https://recruit-holdings.com/ja/ir/library/upload/Recruit_202603Q4_earnings_jp.html

リクルートホールディングス「当社グループのガバナンス体制の変更について」
https://recruit-holdings.com/ja/newsroom/20240909_0001/

リクルートホールディングス「Air ビジネスツールズの10年とこれから」
https://recruit-holdings.com/ja/blog/post_20240126_0001/

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