高配当の銀行株ランキング!配当利回りや増配の年数・その他の株主還元を比較

銀行株は配当利回りが比較的高い銘柄が多く、金利正常化による利益改善を背景に増配や自己株式取得を強化する銀行も増えています。ただし、高配当株を選ぶときに配当利回りだけを見るのは危険です。株価下落によって利回りが高く見えている場合や、配当性向が高く増配余力が乏しい場合もあります。

高配当の銀行株を比較する際は、配当利回りに加えて、増配実績、配当性向、利益成長、株主還元方針、信用コストなどを確認することが重要です。

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目次

高配当の銀行株ランキング

高配当の銀行株ランキング

まず、銀行株の予想配当利回りを同じ基準日で比較します。以下は高配当候補として比較しやすい主な銀行株を、2026年8月20日終値と同日時点の会社予想配当で計算したものです。利回りだけでなく、2026年3月期の配当性向と現在の配当方針も並べ、高配当の「中身」まで比較できる形にしています。

スクロールできます
順位銘柄(コード)予想利回り年間予想配当配当性向
(2026/3)
配当方針8/20終値
1大東銀行(8563)3.62%40円約30%配当性向30%目安1,105円
2大光銀行(8537)3.54%106円30.2%50円下限+利益連動2,996円
3東和銀行(8558)3.40%50円―(赤字)総還元性向30%以上1,469円
4セブン銀行(8410)3.35%11円90.5%安定配当328.5円
5第四北越FG(7327)3.30%80円40.0%累進+40%目安2,427円
6南日本銀行(8554)3.30%50円14.5%安定配当1,517円
7紀陽銀行(8370)3.23%156円※40.3%累進+40%目安4,830円
8しずおかFG(5831)3.19%108円47.7%50%以上へ累進3,382円
9東北銀行(8349)3.18%50円28.3%安定配当1,570円
10山口FG(8418)3.12%96円40.7%累進+50%へ3,075円
11琉球銀行(8399)3.11%98円39.7%40%以上+維持増配3,150円
12あおぞら銀行(8304)3.09%100円49.0%配当性向50%程度3,238円

※予想配当利回りは2026年8月20日終値と同日時点の会社予想配当から算出しています。過去の増減配実績を示す場合は実績配当のみを対象とし、将来の予想配当は連続増配・非減配年数に含めません。紀陽銀行は2026年10月1日に1株→3株の株式分割を予定しており、156円は分割を考慮しない年間換算値です。会社予想は中間78円(分割前)・期末26円(分割後)です。12位付近は予想配当利回りの差が小さく、株価変動によって順位が入れ替わる可能性があります。

高配当候補には地方銀行が多く並びます。一方、三菱UFJフィナンシャル・グループや三井住友フィナンシャルグループなどのメガバンクは利益・配当とも大きく伸びていますが、株価上昇も進んだため、配当利回りだけで見ると地銀の高配当銘柄より低くなることがあります。

同じ3%台の配当利回りでも、配当の安定性や増配余力は銀行ごとに異なります。高利回りの候補を見つけた後は、過去の減配実績、配当性向、利益成長、株主還元方針まで確認することが重要です。

高配当の銀行株で注目したい銘柄

高配当銀行株は、配当利回りや配当性向だけでは優劣を判断できません。配当を支える利益成長、資本効率、地域の資金需要、信用コストまで比較すると、同じ3%台の利回りでも銘柄ごとの強みとリスクが見えやすくなります。

大光銀行(8537)

項目内容
2027年3月期予想配当106円
予想配当利回り3.54%
配当性向30.2%(2026/3実績)
配当方針50円を下限に利益連動
増配実績65円→89円→106円予想
自社株買い

大光銀行で注目したいのは、増配幅そのものより、本業のトップラインが伸びる一方で配当負担にまだ余裕がある点です。2027年3月期第1四半期は大口与信費用の発生で最終利益が減少したものの、貸出金利息や役務取引等収益などのコア収益は増加し、会社は通期予想を据え置きました。金利上昇を本業収益の拡大へ取り込めているかを確認しやすい局面です。

弱点は2026年3月期の実績ROEが約3.6%と低いことと、信用コストの振れです。ただし、第13次中期経営計画ではRORAを使った収益性管理や株主資本コストの引下げを通じた株主価値向上を掲げています。

信用コストが正常化し、貸出・手数料収益の伸びが最終利益とROE改善につながれば、高利回りに資本効率改善という再評価材料が加わります。逆に与信費用が高止まりする場合は増配余力の評価も下げる必要があり、ここが大光銀行を見る最大の確認点です。

大東銀行(8563)

項目内容
2027年3月期予想配当40円
予想配当利回り3.62%
配当性向約30%(2026/3実績)
配当方針安定配当+配当性向30%目安
増配実績32円→40円→40円予想
自社株買い

大東銀行の魅力は、ランキング首位の利回りそのものより、長期の非減配実績と利益に対する配当負担の軽さが同居している点です。急速な増配を狙うタイプではなく、配当を維持しながら利益が伸びた局面で還元を上積みする「安定収入型」として位置付けやすい銀行です。2027年3月期第1四半期も貸出金利息や有価証券利息配当金の増加を背景に増収増益となり、金利上昇の恩恵は本業収益に表れています。

一方、有価証券評価差額の悪化など、運用面の振れは残ります。大光銀行や山口FGほど増配の勢いは強くないため、株価の再評価には資金利益の伸びが最終利益やROE改善につながることが必要です。

「今の利回りと減配耐性」を優先する場合に比較しやい銘柄です。

第四北越フィナンシャルグループ(7327)

項目内容
2027年3月期予想配当80円
予想配当利回り3.30%
配当性向40.0%(2026/3実績)
配当方針原則累進+配当性向40%程度
増配実績63円→80円予想
自社株買い―(方針上は機動的に実施)

第四北越FGの強みは、3%台前半の利回りを取りながら、配当の決め方がTOP12の中でも明確なことです。利益が伸びたときだけ配当を増やす銀行と比べ、原則累進と配当性向の目安が示されているため、将来の受取配当を見通しやすいタイプです。2027年3月期第1四半期の好調を受けて通期利益予想も上方修正されており、還元方針だけでなく利益面の裏付けも強まっています。

一方、配当性向はすでに方針上の目安に近く、今後の増配は配当性向の引上げよりEPS成長への依存度が高くなります。大東銀行・大光銀行のような「低い配当性向による余力」ではなく、「累進方針による予見性」が主な魅力です。貸出金利息を中心とした資金利益の伸びが続き、累進配当を利益成長で支えられるかを確認したい銘柄です。

山口フィナンシャルグループ(8418)

項目内容
2027年3月期予想配当96円
予想配当利回り3.12%
配当性向40.7%(2026/3実績)
配当方針累進配当+2029年度50%程度へ
増配実績64円→96円予想/15期連続増配実績
自社株買い上限100億円(2026/5決議)

山口FGは、現在利回りだけならランキング上位行に劣るものの、TOP12では配当成長の継続性が最も分かりやすい銘柄です。累進方針に加えて将来的な配当性向引上げも掲げているため、利益が伸びれば受取配当も増えやすい設計です。2027年3月期第1四半期も貸出金利息の増加などを背景に大幅増益となり、足元では増配を支える利益面も堅調です。

ただし、株価上昇で現在利回りが低下すれば、「高配当株」としての即時的な魅力は相対的に薄れます。また還元率を引き上げるほど、将来の増配は利益成長に左右されます。大東銀行・大光銀行が現在利回りと配当余力を重視する候補なら、山口FGは「将来の配当成長」を重視する候補として比較すると位置付けが明確です。

しずおかフィナンシャルグループ(5831)

項目内容
2027年3月期予想配当108円
予想配当利回り3.19%
配当性向47.7%(2026/3実績)
配当方針配当性向50%以上へ累進
増配実績80円→108円予想
自社株買い上限300億円(2026/8決議)

しずおかFGの差別化ポイントは、配当だけでなく自己株式取得まで含めた総還元を積極化していることです。2027年3月期第1四半期の大幅増益を受けて通期利益予想を引き上げ、増配と自己株買いを同時に打ち出しており、利益成長を1株価値の向上へ振り向ける姿勢がTOP12の中でも強く出ています。

一方、配当性向はすでに50%に近く、大東銀行・大光銀行ほど「配当性向を上げるだけで増配できる余地」は大きくありません。今後の配当成長にはEPSの伸びがより重要になります。現在利回りの高さだけなら上位地銀、配当と自社株買いを合わせた総還元を重視するならしずおかFG、という分け方がしやすい銘柄です。

琉球銀行(8399)

項目内容
2027年3月期予想配当98円
予想配当利回り3.11%
配当性向39.7%(2026/3実績)
配当方針配当性向40%以上+維持・増配
増配実績38円→88円→98円予想
自社株買い約5億円(2025/5実施)

琉球銀行の注目材料は、沖縄県内の資金需要と貸出金利回りの改善が同時に進んでいることです。2026年6月末の貸出金残高は前年同期末比1,020億円増の2兆1,117億円となり、貸出金利回りも2025年度下期から0.10ポイント上昇して1.79%となりました。金利上昇だけでなく貸出量の拡大も伴っており、還元強化の原資となる本業収益を確認しやすい状況です。

一方、近年の増配幅が大きいため、山口FGのような長期の連続増配株と同じ安定感が確立したとはまだ言いにくい段階です。有価証券損益や信用コスト、沖縄経済の景気変動も確認が必要です。貸出残高と利回りの改善が続けば、新しい還元方針の持続性を評価しやすくなります。

紀陽銀行(8370)

項目内容
2027年3月期予想配当156円※(分割前換算)
予想配当利回り3.23%
配当性向40.3%(2026/3実績)
配当方針累進配当+配当性向40%目安
増配実績110円→137円→156円予想※
自社株買い―(方針上は機動的に実施)

※紀陽銀行は2026年10月1日に1株→3株の株式分割を予定しています。156円は株式分割を考慮しない年間換算値で、会社予想は中間78円(分割前)・期末26円(分割後)です。

紀陽銀行は、配当の伸びだけでなく貸出と利益の成長が伴っている点を評価しやすい銘柄です。2027年3月期第1四半期は中小企業向け貸出などの増加で貸出金が前年度末比484億円増え、貸出金利息の増加を背景に親会社株主に帰属する四半期純利益も前年同期比18.5%増となりました。増配が還元方針だけでなく、本業の拡大によって支えられているかを確認しやすい点が強みです。

ただし、配当性向はすでに40%程度で、今後の増配余力はEPS成長に左右されます。長期の非減配実績は安心材料ですが、山口FGほどの連続増配実績はなく、しずおかFGほど自社株買いを前面に出した還元でもありません。「利益成長を伴う累進配当」を重視する場合に、バランスを取りやすい候補です。

セブン銀行(8410)

項目内容
2027年3月期予想配当11円
予想配当利回り3.35%
配当性向90.5%(2026/3実績)
配当方針継続的な安定配当
増配実績11円→11円→11円予想
自社株買い約508億円(2025/6、セブン&アイHD保有株を取得)

セブン銀行は、今回紹介するTOP12の中でも投資シナリオが他行と大きく異なります。高配当の背景を預貸金利ざやの拡大に求めるのではなく、ATMプラットフォームとリテール・海外事業の収益回復を見ます。会社は2026~2028年度の3か年見通しで、2028年度に経常利益400億円、ROE8%以上を目標としており、当面は増配より収益体質の立て直しが主題です。

配当性向が高いため、現時点では増配余力より「利益回復によって配当性向を下げられるか」が重要です。利益が回復すれば同じ配当額でも持続性は高まり、その先の還元余地も生まれます。逆に国内ATMや海外・カード事業の改善が遅れれば高い配当性向がリスクになります。

山口FGのような配当成長株ではなく、「安定配当+業績回復」を見る銘柄です。

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銀行株はなぜ高配当になりやすい?

銀行は製造業のような大規模設備投資を恒常的に必要とする業種ではない一方、自己資本規制を満たす必要があります。必要な自己資本や成長投資を確保したうえで余剰資本が積み上がれば、配当や自己株式取得へ振り向けやすくなります。

加えて、2025年度の銀行決算では円金利上昇を背景に資金利益が増え、大手行・地域銀行の当期純利益が増益となりました。利益が増えれば、配当性向を一定に保つ方針の銀行でも1株当たり配当金を引き上げやすくなります。

もっとも、銀行には自己資本比率などの規制があり、利益をすべて株主還元へ回せるわけではありません。貸出成長やM&A、システム投資などへの資本配分も必要です。そのため、銀行株の還元力を見る際は「利益が増えたか」だけでなく、「どの程度を配当・自社株買いに振り向ける方針か」を確認することが重要です。

配当利回りだけで銀行株を選んではいけない

配当利回りだけで銀行株を選んではいけない

株価が伸び悩んで利回りが高く見えている場合がある

配当利回りは「年間配当÷株価」で計算されるため、配当額が変わらなくても株価が下落すれば利回りは上昇します。業績悪化や信用コスト増加を理由に株価が下がった・あるいは伸び悩んでいる結果、他の銀行に比べて高配当に見えているケースには注意が必要です。

高利回りを見つけたら、まず「配当が増えたのか」「株価が伸びていないだけなのか」を分けて確認すると判断しやすくなります。

減配履歴と配当性向を確認する

過去に何度も減配している銀行と、非減配・連続増配を続けている銀行では、同じ配当利回りでも配当の安心感が異なります。また、配当性向が100%近い状態が続けば、利益が少し落ちただけでも配当維持が難しくなる可能性があります。

一方で、配当性向が低ければ必ず増配するわけでもありません。成長投資や資本規制を優先する企業もあるため、会社の株主還元方針とセットで見る必要があります。

信用コストや債券損失も見る

銀行の利益は金利上昇だけで決まりません。貸倒れや不良債権の増加で信用コストが膨らめば、資金利益の改善を打ち消すことがあります。また、金利上昇時には保有債券の価格が下落し、売却損が利益を下押しする場合もあります。

日本銀行によると、2025年度は円金利上昇を受けた債券売却損が利益の下押し要因となる一方、資金利益の増加などで大手行・地域銀行の利益は増えました。高配当銀行株では、こうしたプラス要因とマイナス要因の両方を確認する必要があります。

高配当銀行株12社の増配実績を比較

「増配実績」を見るなら、今期の増配額だけでなく、過去に減配を避けてきた期間と直近のDPS推移を同じ軸で見る必要があります。TOP12について、2026年3月期実績から2027年3月期予想への増減に加え、実績ベースの連続増配・非減配期間と直近の配当推移を整理します。

銘柄2026/3→2027/3予想今期増減連続増配・非減配直近の推移(実績)
大東銀行40円→40円±0円10期連続非減配30→30→30→32→40円
大光銀行89円→106円+17円10期連続非減配
2期連続増配
50→50→50→65→89円
東和銀行35円→50円+15円5期連続非減配25→25→35→35→35円
セブン銀行11円→11円±0円10期連続非減配
8期据え置き
11→11→11→11→11円
第四北越FG63円→80円+17円8期連続非減配
3期連続増配
20→20→24.17→43.67→63円※
南日本銀行50円→50円±0円7期連続非減配
3期連続増配
25→25→30→35→50円
紀陽銀行137円→156円※+19円10期連続非減配
3期連続増配
40→40→50→110→137円
しずおかFG80円→108円+28円3期連続増配(FG発足後)30→39→60→80円(FG発足後)
東北銀行50円→50円±0円9期連続非減配(2018/3~)50→50→50→50→50円
山口FG64円→96円+32円15期連続増配28→31→43→60→64円
琉球銀行88円→98円+10円6期連続非減配
3期連続増配
35→35→37→38→88円
あおぞら銀行91円→100円+9円2024/3減配後、2期連続増配149→154→76→79→91円

※連続増配・非減配年数は2026年3月期までの実績のみで判定し、2027年3月期予想は含めていません。第四北越FGの過去配当は株式分割調整後。しずおかFGの2023年3月期は、静岡銀行の中間配当15円としずおかFGの期末配当15円を合算して30円としています。紀陽銀行の2027年3月期予想156円は、2026年10月1日予定の1株→3株の株式分割を考慮しない年間換算値です。

比較すると、山口FGは15期連続増配で継続性が突出します。大光銀行は長期の非減配実績を保ちながら直近2期で増配へ転じ、第四北越FGと紀陽銀行も非減配を続けたうえで直近3期の増配が続いています。つまり、同じ今期+17~19円の増配でも、「増配を始めたばかりか」「長期の非減配実績の上に増配が続いているか」で意味が異なります。

一方、セブン銀行と東北銀行は配当額を長く維持する「安定配当型」で、配当成長を狙う銘柄とは性格が違います。あおぞら銀行は2024年3月期に大幅減配した後の回復局面であり、足元の増配だけを山口FGなどと同列には評価できません。高配当株では、現在の受取額を重視するのか、将来のDPS成長を重視するのかによって選ぶ銘柄が変わります。

高配当銀行株12社の配当性向・配当方針を比較

配当性向は、利益に対してどの程度を配当に回しているかを見る指標です。低いほど必ず優れているわけではありませんが、配当方針と合わせて見ると増配余力や配当の安定性を比較しやすくなります。

銘柄配当性向配当方針評価
大東銀行約30%配当性向30%目安増配余力を残す
大光銀行30.2%50円下限+利益連動増配余力を残す
東和銀行―(赤字)総還元性向30%以上利益回復が前提
セブン銀行90.5%安定配当増配余力は小さい
第四北越FG40.0%原則累進+40%程度安定性が高い
南日本銀行14.5%安定配当配当負担は軽い
紀陽銀行40.3%累進+40%目安方針と整合
しずおかFG47.7%50%以上へ累進還元強化中
東北銀行28.3%安定配当余力を残す
山口FG40.7%累進+50%程度へ増配余地あり
琉球銀行39.7%40%以上+維持増配新方針と整合
あおぞら銀行49.0%配当性向50%程度方針と整合

特に差が大きいのが大光銀行とセブン銀行です。どちらも3%台の利回りですが、大光銀行は配当性向30%台で利益に対する配当負担が比較的軽い一方、セブン銀行は90%台です。高配当株は利回りだけでなく、配当を支える余力まで確認する必要があります。

累進配当とDOEの違い

累進配当は、原則として1株当たり配当金を減らさず、維持または増配する考え方です。ランキングTOP12では第四北越FGや山口FGなどが累進的な配当方針を掲げており、将来の配当を見通しやすい点が特徴です。

DOE(株主資本配当率)は、株主資本に対してどの程度の配当を行うかを見る指標です。利益の一時的な変動を受けにくい一方、銀行株では配当性向や累進配当を主要な還元基準とする企業も多いため、DOEだけに絞らず会社ごとの方針を確認することが重要です。

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高配当銀行株12社の自社株買い・株主還元を比較

株主還元は配当だけではありません。自己株式取得まで含めると、現在利回りでは見えにくい還元の強弱が分かります。以下はTOP12について、直近の主な自己株買いと還元方針を比較したものです。

銘柄配当利回り直近の主な自社株買い還元方針
大東銀行3.62%安定配当+30%目安
大光銀行3.54%50円下限+利益連動
東和銀行3.40%約10億円(~2026/1)総還元性向30%以上
セブン銀行3.35%約508億円(2025/6、セブン&アイHD保有株を取得)安定配当中心
第四北越FG3.30%累進+機動的取得方針
南日本銀行3.30%安定配当
紀陽銀行3.23%累進+機動的取得方針
しずおかFG3.19%上限300億円(2026/8)50%以上へ累進+買い
東北銀行3.18%安定配当
山口FG3.12%上限100億円(2026/5)累進+機動的取得
琉球銀行3.11%約5億円(2025/5)40%以上+機動的取得
あおぞら銀行3.09%50%程度+四半期配当

自社株買いまで含めると、しずおかFGや山口FG、琉球銀行では配当以外の株主還元実績も確認できます。一方、セブン銀行にも約508億円の自己株式取得実績がありますが、これはセブン&アイ・ホールディングス保有株の取得という特殊要因を含むため、通常の市場買付型の株主還元とは分けて見る必要があります。大東銀行や大光銀行は現在利回りと配当余力が強みで、還元のタイプが異なります。自己株買いは金額だけでなく、時価総額に対する規模、実施目的、継続性も確認しましょう。

高配当銀行株とメガバンクの株主還元を比較

高配当TOP12の現在利回りは3.09~3.62%で、2026年8月20日終値ベースではメガバンク3社の1.86~2.77%を上回ります。一方、MUFG・SMFG・みずほFGは利益成長に伴う増配に加え、数千億円規模の自己株式取得を実施しており、配当利回りだけでは捉えにくい総還元力があります。「今受け取れる配当」を重視するか、「増配と自社株買いを含む1株価値の成長」を重視するかで評価が変わります。

銘柄予想利回り年間予想配当配当性向配当方針主な自己株買い
MUFG2.77%96円40.3%配当性向40%程度+安定・持続増配2025年度5,000億円
SMFG2.75%180円38.0%配当性向40%+毎期増配にコミット2026年5月1,800億円
みずほFG1.86%150円28.8%累進的増配+総還元性向50%以上2026年度7月まで上限2,000億円

※予想配当利回りは2026年8月20日終値(MUFG 3,464円、SMFG 6,546円、みずほFG 8,085円)と2027年3月期会社予想配当から算出。SMFGの年間予想配当は2026年10月1日予定の1株→2株分割前ベースです。

三菱UFJフィナンシャル・グループ

項目内容
予想配当利回り2.77%(8/20終値ベース)
2027年3月期予想配当96円
配当性向40.3%(2026/3実績)
配当方針配当性向40%程度+安定的・持続的増配
自社株買い2025年度5,000億円

高配当TOP12に対するMUFGの強みは、配当の絶対利回りではなく、利益成長を増配と大規模な自己株買いの両方へ振り向ける点です。TOP12上位のような3%台半ばのインカムは得にくい一方、自己株買いによる株式数の減少まで含めると、1株当たり利益や配当の成長を評価しやすくなります。現在利回り重視なら地銀上位、総還元とEPS成長重視ならMUFGという違いです。

三井住友フィナンシャルグループ

項目内容
予想配当利回り2.75%(8/20終値ベース)
2027年3月期予想配当180円(株式分割前ベース)
配当性向38.0%(2026/3実績)
配当方針配当性向40%+毎期増配にコミット
自社株買い2026年5月に1,800億円を決議

SMFGはメガバンクの中でも配当の予見性が強みです。毎期増配へのコミットがあるため、TOP12の安定配当型より配当成長の方向性が明確で、さらに自己株買いも組み合わせています。現在利回りは高配当TOP12に届かないため、初年度の受取配当より将来のDPS成長を重視する場合の比較対象です。なお、2026年10月1日に1株を2株へ分割予定で、表の配当額は分割前ベースです。

みずほフィナンシャルグループ

項目内容
予想配当利回り1.86%(8/20終値ベース)
2027年3月期予想配当150円
配当性向28.8%(2026/3実績)
配当方針累進的増配+総還元性向50%以上
自社株買い2026年度は7月までに上限2,000億円を決議

みずほFGは3社の中でも現在利回りが低く、配当収入だけを目的にTOP12と比べれば見劣りします。一方、累進的な増配方針に総還元性向の目安を組み合わせ、自社株買いまで資本政策に組み込んでいる点が特徴です。高配当ランキングでは拾いにくい「配当+買い戻し」の代表例で、現在のインカムより総還元の継続性を評価する銘柄です。

この比較では、「現在の受取配当」を優先するならTOP12の高利回り行が有利です。一方、増配の継続性や自己株買いによる1株価値の向上まで含めると、メガバンクの相対的な魅力は高まります。高配当地銀とメガバンクはどちらが一律に優れているというより、インカム重視か総還元・配当成長重視かで使い分けるのが自然です。

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高配当銀行株を選ぶ7つのポイント

高配当銀行株は、利回りの高さだけで最終順位を決めると、「株価下落で高利回りになった銘柄」と「利益成長で増配できる銘柄」を区別できません。まず現在利回りを確認し、その配当が利益で無理なく支えられているか、将来も維持・増配できるかを順番に確認します。以下の7項目を投資判断のチェックリストとして使うと比較しやすくなります。

確認項目見るポイント
1. 予想配当利回り同じ基準日の株価で比較する。株価下落による利回り上昇かどうかも確認する。
2. 増配・減配実績連続増配、非減配、過去の減配回数を見る。
3. 配当性向利益に対して配当が無理のない水準か、増配余地が残っているかを確認する。
4. 累進配当・DOE会社が配当の安定性をどのような指標で管理しているかを見る。
5. 自己株式取得配当以外の還元も含め、時価総額比で規模を評価する。
6. EPS・ROEの成長高配当を支える利益成長と資本効率があるかを見る。
7. 信用コスト・財務健全性貸倒れ、債券損失、自己資本比率など、減配につながり得る下振れ要因を確認する。

特に重要なのは「利回り→配当性向・配当方針→利益成長」の順です。利回りが高くても配当性向が高すぎれば増配余力は限られます。一方、配当性向に余裕があり、資金利益やEPSが伸びている銀行なら、将来の増配余地を評価しやすくなります。

そのうえで自社株買い、ROE、信用コストまで確認すると、「今の配当収入を重視する銘柄」と「配当成長・総還元を重視する銘柄」を分けられます。銀行は金利上昇が追い風になる一方、信用コストや債券損失が利益を打ち消すこともあるため、最後に下振れ要因まで確認することが高利回りの罠を避けるポイントです。

高配当銀行株はNISAにも向いている?

高配当銀行株では、NISAの成長投資枠を利用することで配当や売却益の非課税メリットを得られます。ただし、上場株式の配当をNISAで非課税にするには、配当金の受取方法を「株式数比例配分方式」に設定する必要があります。

配当金領収証方式や銀行口座で受け取る方式では、NISA口座で保有していても20.315%の税率で源泉徴収されます。また、NISA口座で発生した売却損は、特定口座や一般口座の利益と損益通算できません。

高配当株を長期保有する場合でも、NISAだから減配リスクがなくなるわけではありません。非課税メリットより先に、配当の持続性と企業価値を確認することが重要です。

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まとめ:銀行株は配当利回りだけでなく「増配余力」で選ぼう

高配当の銀行株を探すと、利回り上位には地方銀行が多く並びます。一方、メガバンクは現在利回りが突出していなくても、利益成長に伴う増配や大規模な自己株式取得を進めています。

そのため、「今の利回りが一番高い銀行」を選ぶのではなく、配当利回り、増配実績、配当性向、利益成長、株主還元方針、信用コストを組み合わせて判断することが重要です。

現在の受取配当を重視するなら高利回り地銀、将来の配当成長や総還元を重視するなら増配方針の強い地銀やメガバンクも候補になります。高配当株ほど、配当が続く根拠を確認してから投資判断することが大切です。

出典

1. 日本銀行「金融システムレポート別冊 2025年度の銀行・信用金庫決算」

2. 大東銀行「財務・IR情報」

3. Yahoo!ファイナンス「大東銀行 配当情報」

4. 大光銀行「たいこうの経営方針」

5. Yahoo!ファイナンス「大光銀行 配当情報」

6. 東和銀行「2026年3月期 決算短信」

7. 東和銀行「自己株式取得に係る事項の決定に関するお知らせ」

8. Yahoo!ファイナンス「東和銀行 配当情報」

9. セブン銀行「配当・株主還元方針」

10. Yahoo!ファイナンス「セブン銀行 配当情報」

11. 第四北越フィナンシャルグループ「配当情報」

12. Yahoo!ファイナンス「第四北越FG 配当情報」

13. 南日本銀行「ディスクロージャー誌2026」

14. Yahoo!ファイナンス「南日本銀行 配当情報」

15. 紀陽銀行「統合報告書2026」

16. Yahoo!ファイナンス「紀陽銀行 配当情報」

17. しずおかフィナンシャルグループ「株式・社債の状況/株主還元」

18. Yahoo!ファイナンス「しずおかFG 配当情報」

19. Yahoo!ファイナンス「しずおかFG 適時開示」

20. 東北銀行「2026年3月期 有価証券報告書」

21. Yahoo!ファイナンス「東北銀行 配当情報」

22. 山口フィナンシャルグループ「株主還元(配当・優待)」

23. 山口フィナンシャルグループ「自己株式取得に係る事項の決定」

24. Yahoo!ファイナンス「山口FG 配当情報」

25. 琉球銀行「株主還元方針の見直しに関するお知らせ」

26. Yahoo!ファイナンス「琉球銀行 配当情報」

27. あおぞら銀行「2026年3月期 決算短信」

28. Yahoo!ファイナンス「あおぞら銀行 配当情報」

29. 三菱UFJフィナンシャル・グループ「株主還元方針」

30. 三井住友フィナンシャルグループ「株主還元」

31. みずほフィナンシャルグループ「資本政策・株主還元方針・配当情報」

32. 日本証券業協会「NISAのよくある質問」

33. セブン銀行「財務戦略担当役員メッセージ」

34. 琉球銀行「自己株式(普通株式)取得にかかる事項の決定に関するお知らせ」

35. 大光銀行「決算短信・決算説明資料(2027年3月期 第1四半期)」

36. 琉球銀行「2027年3月期 第1四半期決算短信」

37. 紀陽銀行「2027年3月期 第1四半期決算短信」

38. セブン銀行「代表取締役社長メッセージ」

39. 山口フィナンシャルグループ「第20期 定時株主総会招集ご通知」

40. Yahoo!ファイナンス「三菱UFJフィナンシャル・グループ 配当情報」

41. Yahoo!ファイナンス「三井住友フィナンシャルグループ 配当情報」

42. Yahoo!ファイナンス「みずほフィナンシャルグループ 配当情報」

43. Yahoo!ファイナンス「三菱UFJフィナンシャル・グループ 株価時系列」

44. Yahoo!ファイナンス「三井住友フィナンシャルグループ 株価時系列」

45. Yahoo!ファイナンス「みずほフィナンシャルグループ 株価時系列」

46. しずおかフィナンシャルグループ「配当政策について(2024年2月資料)」

47. 紀陽銀行「2026年3月期 有価証券報告書」

48. セブン銀行「統合報告書2025」

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この記事を書いた人

投資歴7年。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、証券外務員資格取得。2019年に100万円から投資スタート。2022年に1000万円→2025に年5000万円突破。
YouTubeでは株式投資・企業決算を中心とした解説動画を200本以上公開(チャンネル登録者数5000人)。日本株を中心に、企業決算や業績、株価材料を分析しています。

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