GO(581A)の決算を解説!売上・利益・赤字・今後の見通しは?

GOは2026年7月14日、上場後初となる通期決算を発表しました。

2026年5月期は、タクシーアプリ「GO」の利用拡大を背景に、売上高・営業利益が大幅に増加しました。さらに、2027年5月期は営業利益を前期比84.6%増の130億円と予想しています。

翌7月15日の株価は、今後も高い利益成長が続くとの期待からストップ高となりました。

一方、2026年5月期の純利益には、繰延税金資産の計上による一時的な押し上げも含まれています。

本記事では、GOの最新決算をもとに、売上・利益が大幅に伸びた理由や、過去の赤字から黒字へ転換した背景、今後の成長性を解説します。

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目次

GO(581A)の2026年5月期決算はどうだった?

GO(581A)の2026年5月期決算はどうだった?

GOの2026年5月期決算は、タクシーアプリの利用拡大と収益単価の上昇によって、売上高・利益が大幅に増加しました。

売上高と営業利益は会社予想とほぼ同水準でしたが、営業利益率は前期の8.7%から17.0%へ上昇しており、本業の収益性は大きく改善しています。

また、2027年5月期に営業利益84.6%増を見込んだことも、今後の高い利益成長を期待させる内容です。

項目2025年5月期2026年5月期前期比
売上高314億円414億円31.8%増
調整後EBITDA33億円85億円153.3%増
営業利益27億円70億円158.1%増
経常利益26億円64億円145.2%増
親会社帰属利益20億円88億円341.8%増

2026年5月期は、売上高414億4,600万円、営業利益70億4,100万円、親会社株主に帰属する当期純利益88億3,800万円となりました。

売上高は前期から約100億円増加し、営業利益は約2.6倍に拡大しています。

売上高は31.8%増の414億円

2026年5月期の売上高は、前期比31.8%増の414億4,600万円となりました。

上場承認時に発表していた会社予想は408億円だったため、実績は予想を約6億円上回っています

売上拡大をけん引したのは、主力のタクシーアプリ「GO」です。
アプリを利用した実際の乗車回数を示す実車数が増加したほか、1回の乗車から得られる平均売上も上昇しました。

つまり、単純にアプリの利用者が増えただけではありません。

タクシーの利用回数と1回当たりの収益が同時に増加したことが、売上高31.8%増につながっています。

タクシーアプリは、利用者や提携車両が増えるほど利便性が高まりやすいサービスです。

利用できる地域や提携車両が増えれば、タクシーを呼びやすくなり、継続利用や新規利用の増加も期待できます。

営業利益は約2.6倍の70億円

2026年5月期の営業利益は、前期比158.1%増の70億4,100万円となりました

売上高の伸び率が31.8%だったのに対し、営業利益は約2.6倍に拡大しています。

営業利益率も、2025年5月期の8.7%から2026年5月期は17.0%まで上昇しました。

決算期営業利益営業利益率
2025年5月期27億円8.7%
2026年5月期70億円17.0%

GOでは、アプリ開発費や人件費、システムの運営費などが発生します。

一方、利用者や実車数が増加しても、すべての費用が売上と同じ割合で増えるわけではありません。

事業規模が拡大すると、既存のシステムや人員を活用しながら売上を増やせるため、売上の増加以上に利益を伸ばせる可能性があります。

2026年5月期は、事業規模の拡大によって固定費を吸収し、利益を生み出しやすい事業構造へ変化しました。

2026年5月期決算は会社予想を上回った?

2026年5月期の実績を、2026年5月に発表した会社予想と比較すると以下のとおりです。

項目会社予想実績会社予想比
売上高408億円414億円約1.6%上振れ
調整後EBITDA86億円85億円約0.4%下振れ
営業利益70億円70億円約0.6%上振れ
経常利益67億円64億円約3.6%下振れ
親会社帰属利益64億円88億円約38%上振れ

売上高は会社予想をやや上回った一方、営業利益は予想とほぼ同水準でした。

調整後EBITDAは小幅に下回り、経常利益も会社予想を約3.6%下回っています。

そのため、売上高や営業利益を見る限り、2026年5月期の実績自体が大幅なサプライズだったわけではありません。

GOも、事業の業績についてはおおむね予想どおりの着地だったと説明しています。

親会社株主に帰属する当期純利益は、会社予想の64億円を大きく上回る88億円となりました。

ただし、純利益の上振れには繰延税金資産の計上による税効果が影響しています。

決算後の株価上昇では、2026年5月期の実績以上に、2027年5月期の営業利益を84.6%増とする高い成長予想が評価されたと考えられます。

GO(581A)の売上・利益が大幅に伸びた3つの理由

GOの売上高と利益が大幅に増加した背景には、タクシーアプリの利用者数が増えただけでなく、実車数や収益単価も伸びたことがあります。

業績拡大の要因内容
タクシー利用の増加実車数・MAUが拡大
収益単価の上昇1実車当たり平均売上高が増加
利益率の改善売上の拡大以上に利益が成長

特に、利用量と収益単価が同時に伸びている点は、GOの成長性を確認するうえで重要です。

実車数は19.9%増の1億1,544万回

2026年5月期の実車数は、前期比19.9%増の1億1,544万回となりました。

実車数とは、利用者がタクシーアプリ「GO」で配車を依頼し、実際にタクシーへ乗車した回数です。

アプリをダウンロードした人数ではなく、実際のタクシー利用につながった回数を示しています。

GOは利用可能地域を拡大し、提携するタクシー会社や車両を増やしてきました。

利用者にとっては、近くのタクシーを呼びやすくなり、待ち時間の短縮にもつながります。

一方、タクシー事業者にとっては、GOを利用する人が増えるほど、新たな乗客を獲得しやすくなります。

利用者と提携車両の双方が増えることで利便性が高まり、さらに利用が拡大する好循環が期待できます。

2026年5月期は実車数が1億回を大きく上回り、アプリの利用者基盤が実際の乗車回数の増加につながったといえます。

平均MAUは311万人まで増加

2026年5月期の平均MAUは、前期比14.7%増の311万人となりました。

MAUは「Monthly Active Users」の略で、月に1回以上アプリを起動した利用者数を示します。

平均MAUが増加していることから、GOを継続的に利用するユーザーの基盤は拡大しています。

ただし、アプリを起動するだけでは、必ずしも売上にはつながりません。

タクシーを検索しても乗車しなかった場合や、アプリを確認しただけの場合もMAUに含まれます。

そのため、MAUは実車数とあわせて確認することが重要です。

2026年5月期は、平均MAUが14.7%増となっただけでなく、実車数も19.9%増加しました。

利用者基盤の拡大が実際のタクシー利用につながっている点は、業績面でもポジティブな内容です。

1実車当たり平均売上高は169円に上昇

2026年5月期の1実車当たり平均売上高は169円となり、前期から19.9%増加しました。

1実車当たり平均売上高は、アプリ配車サービスの売上高を実車数で割って算出する指標です。

実車数が増えても、1回の利用から得られる売上が低下すれば、売上高の伸びは限定的になります。

GOでは、アプリ手配料に加え、日時を指定してタクシーを手配できる「AI予約」や、高級ワンボックス車を利用できる「GO PREMIUM」などを提供しています。
利用者のさまざまな移動需要に対応する高付加価値サービスを増やすことで、1回の乗車から得られる収益の拡大を目指しています

2026年5月期は実車数が19.9%増加し、1実車当たり平均売上高も同じく19.9%増加しました。

利用回数だけでなく、1回当たりの収益も伸びたことが、売上高の大幅な増加につながっています。

利用量と収益単価が同時に伸びた

GOの2026年5月期は、利用者数だけでなく、実車数と1実車当たり平均売上高が同時に増加しました。

成長の流れは以下のとおりです。

利用者の増加

実車数の増加

1実車当たり平均売上高の上昇

売上高の拡大

利益率の改善

タクシーアプリでは、利用者が増えても実際の乗車回数が増えなければ、売上への効果は限定的です。

また、実車数が増えても1回当たりの収益が低下すれば、利益を大きく伸ばすことは難しくなります。

GOは、2026年5月期に実車数と収益単価の両方を伸ばしました。

さらに、売上高の増加率を上回る利益成長を実現しています。

利用者の拡大を売上と利益につなげられる段階へ移ったことが、今回の決算で確認できました。

GO(581A)の利益率が大幅に改善した理由

GO(581A)の利益率が大幅に改善した理由

2026年5月期は売上高が前期比31.8%増となった一方、営業利益は同158.1%増となりました。

利益の伸びが売上の伸びを大きく上回った背景には、売上総利益率の改善や、事業規模の拡大による固定費負担の低下があります。

GOはアプリの利用拡大に伴い、オペレーティング・レバレッジが効く収益構造へ変化しています。

営業利益率は8.7%から17.0%へ上昇

GOの営業利益率は、2025年5月期の8.7%から2026年5月期は17.0%へ上昇しました。

調整後EBITDAマージンも10.8%から20.7%まで改善しています。

利益率2025年5月期2026年5月期
営業利益率8.7%17.0%
調整後EBITDAマージン10.8%20.7%

アプリ事業では、システム開発費や人件費など一定の固定費が発生します。

一方、利用者や実車数が増えても、すべての費用が同じ割合で増加するわけではありません。

売上規模が大きくなると、既存のシステムや事業基盤をより多くの利用に活用できるため、売上に占める固定費の割合を抑えやすくなります。

2026年5月期は、売上高が31.8%増加した一方、調整後の販売費及び一般管理費は8.0%増にとどまりました。

その結果、売上の増加以上に利益を伸ばすことができたと考えられます。

広告費や人件費の増加を売上成長で吸収

GOは利益を増やす一方で、広告宣伝や人材への投資を停止したわけではありません。

タクシーアプリの認知度向上や新規利用者の獲得に向けたマーケティング投資を継続しています。

また、事業拡大に伴う人員の増加や、賞与制度の導入による費用も発生しました。

費用は増加していますが、売上高や売上総利益の伸びが費用の増加を上回っています。

2026年5月期の売上総利益は前期比38.0%増となり、売上総利益率も51.6%から54.1%へ改善しました。

事業規模の拡大によって原価率や販売管理費率が低下し、成長投資を続けながら利益率も高めています。

費用を単純に削減して利益を増やしたのではなく、投資を継続しながら収益性を改善した点は評価できる内容です。

「売上成長企業」から「利益成長企業」へ変化

GOは過去、タクシーアプリの認知拡大や利用者の獲得を優先し、広告宣伝などの先行投資を積極的に行っていました。

利用者基盤を作る成長段階では費用負担が大きく、営業赤字が続いていました。

しかし、利用者数や実車数が増加し、2025年5月期には営業黒字へ転換しています。

2026年5月期は営業利益が70億円まで拡大し、営業利益率も17.0%へ上昇しました。

これまでに構築した利用者基盤や提携タクシー網を、売上と利益へつなげる段階に移っています。

今後も実車数や1実車当たり平均売上高が増加し、利益率の改善が続けば、株式市場では単なる「売上成長企業」ではなく、高い利益成長を続ける企業として再評価される可能性があります。

GO(581A)は赤字?現在は営業黒字

GOは過去に営業赤字を計上していましたが、現在は赤字企業ではありません。

2025年5月期に営業黒字へ転換し、2026年5月期は営業利益70億円まで拡大しました。

決算期売上高営業利益純利益
2024年5月期239億円△19億円△33億円
2025年5月期314億円27億円20億円
2026年5月期414億円70億円88億円

2024年5月期から2026年5月期までの2年間で、売上高は約175億円増加しました。

営業損益も19億円の赤字から70億円の黒字へ改善しており、事業の成長と収益化が同時に進んでいます

過去は利用者獲得のため先行投資を拡大

GOは、タクシーアプリの利用者基盤を拡大するため、テレビCMをはじめとした広告宣伝を積極的に行ってきました。

タクシーアプリでは、利用者だけを増やしても利便性は高まりません。

アプリから配車できる提携タクシー会社や車両を増やし、利用者がタクシーを呼びやすい環境を作る必要があります。

利用者の獲得や提携事業者の拡大、アプリの開発などに先行して費用を投じたため、過去は営業赤字となっていました。

一方、先行投資によって利用者や提携車両が増加すれば、配車サービスとしての利便性も高まります。

GOは赤字期間に利用者基盤を拡大し、将来の売上・利益につながる事業基盤を構築してきました。

2025年5月期に営業黒字へ転換

GOは2025年5月期に、営業利益27億円を計上し、通期での営業黒字へ転換しました。

アプリ利用者の増加によって実車数が拡大したほか、1実車当たり平均売上高も上昇しました。

売上規模が拡大したことで、アプリの開発費や人件費などの固定費を吸収しやすくなっています。

利用者の獲得を優先する段階から、構築した利用者基盤を活用して利益を生み出す段階へ移行しました。

2026年5月期は営業利益がさらに70億円まで増加しています。

黒字化が一時的なものではなく、その後も利益拡大が続いている点は、業績を評価するうえで重要です。

2026年5月期は累積赤字も解消

GOは2026年5月期に利益を大幅に積み上げ、利益剰余金もプラスへ転換しました。

2025年5月末の利益剰余金は54億9,100万円のマイナスでしたが、2026年5月末は33億4,600万円のプラスとなっています。

過去の赤字によって積み上がっていた累積損失を解消しました。

純資産も、2025年5月末の175億円から2026年5月末は278億円へ増加しています。

本業の収益性が改善しただけでなく、利益の積み上げによって財務面も改善しました。

今後も利益成長を継続できれば、成長投資やM&Aなどに活用できる資金も増加します。

赤字から黒字へ転換し、累積損失も解消したことで、新たな成長投資を進めやすい財務基盤へ変化しています。

純利益88億円はどう評価する?一時的な利益も確認

2026年5月期の親会社株主に帰属する当期純利益は88億円となり、前期比341.8%増となりました。

ただし、純利益の増加には、繰延税金資産の計上や持分変動利益なども影響しています。

純利益88億円をすべて本業によって稼いだ利益と見るのではなく、営業利益と一時的な利益を分けて確認することが重要です。

繰延税金資産で純利益が約34億円押し上げられた

2026年5月期の親会社株主に帰属する当期純利益は88億3,800万円となり、前期比341.8%増加しました。

会社予想の64億円も約24億円上回っています。

純利益が大幅に上振れた主な理由は、繰延税金資産の計上です。

GOは今後の課税所得を見積もり、繰延税金資産の回収可能性を検討しました。
その結果、回収が見込まれる部分を繰延税金資産として計上し、法人税等調整額として34億2,100万円の利益効果を反映しています

繰延税金資産は、将来支払う税金を減らせると見込まれる金額を会計上の資産として計上するものです。

アプリ利用者の増加やタクシー配車によって直接得た利益ではありません。

そのため、純利益88億円をすべて本業の利益成長として評価するのは注意が必要です。

持分変動利益8億円も計上

2026年5月期は、持分変動利益8億2,500万円を特別利益として計上しました。

GOは、GOドライブとGOジョブを分社化し、第三者割当増資を実施しています。
第三者の出資によってGOの持分比率が変化したことから、会計上の持分変動利益が発生しました。

持分変動利益は特別利益に計上されており、タクシーアプリの運営によって継続的に得られる利益ではありません。

また、営業利益にも含まれていません。

純利益を確認する際は、繰延税金資産による税効果だけでなく、持分変動利益の影響も考慮する必要があります。

純利益には本業以外の一時的な利益も含まれているため、今後も同じ規模の利益が継続するとは限りません。

本業の実力は営業利益で確認

純利益には一時的な利益が含まれるため、本業の収益力を確認する場合は、営業利益や調整後EBITDAを重視する必要があります。

2026年5月期の営業利益は前期比158.1%増の70億円となりました。

調整後EBITDAも前期比153.3%増の85億円まで拡大しています。

純利益の増加には会計上の税効果が含まれていますが、営業利益や調整後EBITDAも大幅に増加しました。

また、営業利益率や調整後EBITDAマージンも改善しています。

一時的な利益を除いても、タクシーアプリの利用拡大や収益単価の上昇によって、本業の収益力は高まっています。

純利益88億円をすべて本業の成長と見るのは注意が必要ですが、営業利益も約2.6倍に増えているため、決算全体は好調と評価できます。

2027年5月期は営業利益85%増を予想

GOは2027年5月期について、売上高485億円、営業利益130億円を予想しています。

売上高は前期比17.0%増を見込む一方、営業利益は同84.6%増、経常利益は同102.9%増となる見通しです。

項目2026年5月期2027年5月期予想前期比
売上高414億円485億円17.0%増
調整後EBITDA85億円144億円68.1%増
営業利益70億円130億円84.6%増
経常利益64億円131億円102.9%増
親会社帰属利益88億円112億円26.7%増

2027年5月期も、主力のアプリ配車事業を中心に成長が続く見通しです。

また、売上の増加以上に利益を伸ばす計画となっており、事業規模の拡大による利益率の改善が期待されています。

売上17%増に対して営業利益は85%増

2027年5月期の売上高は、前期比17.0%増の485億円を予想しています。

一方、営業利益は同84.6%増の130億円となる見通しです。

売上高は前期から約70億円増加するのに対し、営業利益は約60億円増加する計画となっています。

営業利益率は、2026年5月期の17.0%から、2027年5月期は単純計算で約26.8%まで上昇する見通しです。

決算期売上高営業利益営業利益率
2026年5月期414億円70億円17.0%
2027年5月期予想485億円130億円約26.8%

利用者や実車数の増加に伴って売上が拡大する一方、アプリ開発費やシステム運営費などの固定費が同じ割合で増加しなければ、売上以上に利益を伸ばせます。

2027年5月期は、売上成長を続けながら収益性も大幅に高め、高利益率の利益成長企業へ変化する計画です。

アプリ配車事業が引き続き成長をけん引

2027年5月期も、タクシーアプリ「GO」を中心とするアプリ配車事業が業績成長をけん引する見通しです。

アプリ配車事業の売上高は、2026年5月期の195億円から、2027年5月期は250億円へ増加する予想です。

前期比では27.8%増となり、全社売上高の成長率である17.0%を上回ります。

今後の成長では、以下の2点が重要です。

  • 実車数を増やし、アプリ経由のタクシー利用を拡大する
  • ARPRを高め、1回の乗車から得られる売上を増やす

ARPRは「1実車当たり平均売上高」を示します。

GOでは、アプリ手配料に加え、「AI予約」「GO PREMIUM」「GO BUSINESS」などの付加価値サービスを提供しています。

利用者や実車数を増やすだけでなく、付加価値サービスによって収益単価も高めることで、売上の拡大を目指しています。

利用量と1回当たりの収益を同時に伸ばせるかが、2027年5月期の業績を左右するポイントです。

営業利益130億円は強気な予想

2027年5月期の営業利益130億円は、前期の70億円から約60億円の増益を見込む計画です。

営業利益を84.6%増やすには、売上を拡大するだけでなく、広告宣伝費や人件費、システム運営費などを効率的にコントロールする必要があります。

また、GOは自動運転や物流などの新規事業にも投資を進めています。

成長投資を抑えて短期的な利益を増やすのではなく、将来に向けた投資を続けながら利益率も改善する計画です。

会社は、事業規模の拡大に伴って利益率が改善する「オペレーティング・レバレッジが効く収益構造」を見込んでいます。

一方、営業利益130億円という高い計画が市場で意識されると、今後の決算に対する期待も高まりやすくなります。

四半期決算では、営業利益の進捗率だけでなく、実車数やARPR、利益率の推移も確認する必要があります。

高い利益成長を実際の業績で示せるかが、今後の評価を左右すると考えられます。

2027年5月期の利益率はなぜ大きく改善する?

2027年5月期は、売上高が17.0%増となる一方、営業利益は84.6%増となる見通しです。

利益率が大きく改善する背景には、アプリ配車事業の拡大や収益単価の上昇、固定費負担の低下があります。

GOは、過去に利用者獲得へ積極的なマーケティング投資を行ってきました。

利用者や提携車両の基盤が拡大したことで、今後は既存の事業基盤を活用し、売上の増加以上に利益を伸ばす段階へ移行する方針です。

営業利益率は約17%から約27%へ上昇

GOの営業利益率は、2026年5月期の17.0%から、2027年5月期は約26.8%まで上昇する見通しです。

約1年間で営業利益率が10ポイント近く改善する計画となっています。

利益率の改善を支える要因は、主に以下のとおりです。

  • アプリ配車事業の売上拡大
  • 実車数の増加
  • 1実車当たり平均売上高の上昇
  • 固定費負担の低下
  • 高付加価値サービスの拡大

タクシーアプリでは、利用者や実車数が増加しても、アプリの開発費や人件費などが必ず同じ割合で増えるわけではありません。

売上規模が拡大すれば、既存のシステムや人員をより多くの利用に活用できるため、売上に占める固定費の割合を抑えやすくなります。
また、「AI予約」や「GO PREMIUM」などのサービスによってARPRが上昇すれば、利用者数の増加以上に売上を拡大できる可能性があります。

事業規模の拡大と収益単価の上昇を組み合わせることで、営業利益率の大幅な改善を目指しています。

調整後EBITDAマージンは約30%を予想

GOは2027年5月期の調整後EBITDAを、前期比68.1%増の144億円と予想しています。

調整後EBITDAマージンは、2026年5月期の20.7%から29.7%まで上昇する見通しです。

項目2026年5月期2027年5月期予想
調整後EBITDA85億円144億円
調整後EBITDAマージン20.7%29.7%

調整後EBITDAは、営業利益に減価償却費やのれん償却費、株式報酬費用、自動運転費用を加えて算出する指標です。

一時的な費用や将来の事業化に向けた投資の影響を調整し、本業の収益力を見るために使用されます。

2026年5月期は、自動運転の実証実験に関連する費用として7億5,400万円を調整項目へ加えています。

自動運転への投資を進める一方、調整後EBITDAも大幅に増加しており、既存事業の収益力は高まっています。

ただし、調整後EBITDAは自動運転費用などを足し戻した独自指標です。

実際の利益を確認する場合は、営業利益や営業キャッシュ・フローもあわせて見る必要があります。

今後は、調整後EBITDAマージン約30%を実現できるかが重要です。

利益率改善が計画どおり進むかが最大の注目点

2027年5月期の営業利益130億円を達成するには、売上高を増やすだけでは十分ではありません。

営業利益率を約17%から約27%まで高める必要があるため、費用効率の改善が重要です。

今後は、以下の費用を確認する必要があります。

  • 広告宣伝費
  • 人件費
  • アプリやシステムの開発・運営費
  • 自動運転の研究開発費
  • 新規事業への投資費用

GOは、大規模なマーケティング投資が一巡し、売上高に占めるマーケティング費用の割合が低下しています。

2026年5月期は、売上高に対するマーケティング費用の割合が16.6%となりました。

中期的には10%前後を目指しており、事業規模の拡大によって費用負担を抑える方針です。

一方、利用者の成長を維持するために広告宣伝費が再び増加した場合や、人件費・研究開発費が想定以上に膨らんだ場合は、利益率の改善が遅れる可能性があります。

営業利益130億円の達成には、売上成長と費用効率の改善を両立できるかが重要です。

GO(581A)の財務状況とキャッシュ・フロー

GOは利益の増加に伴い、財務状況やキャッシュ・フローも改善しています。

2026年5月末の現金及び預金は345億円、純資産は278億円となりました。

項目2025年5月末2026年5月末
現金及び預金251億円345億円
純資産175億円278億円
自己資本比率28.2%32.6%
営業キャッシュ・フロー50億円96億円

2026年5月期の営業キャッシュ・フローは96億900万円となり、前期の50億4,100万円から大幅に増加しました。

現金及び現金同等物の期末残高も345億8,400万円まで増加しています。

利益だけでなく、本業から生み出す現金も増加している点は、成長投資を続けるうえで重要です。

営業キャッシュ・フローは96億円

2026年5月期の営業キャッシュ・フローは96億900万円となり、前期の約50億円から約46億円増加しました。

営業キャッシュ・フローは、企業が本業の事業活動によって生み出した現金の流れを示します。

会計上の利益が増えていても、売掛金の増加などによって現金を回収できていなければ、営業キャッシュ・フローは伸びない場合があります。

GOは営業利益が約2.6倍に増加しただけでなく、営業キャッシュ・フローも大幅に増えました。

本業の成長が実際の現金収入にもつながっていると考えられます。

今後は、自動運転や物流、新規事業、M&Aなどへの投資拡大が予想されます。

本業で生み出したキャッシュを成長投資へ活用できる点は、GOの財務面の強みです。

現金は345億円まで増加

2026年5月末の現金及び預金は345億8,400万円となり、前期末の251億4,800万円から約94億円増加しました。

純資産も175億円から278億円へ増加し、自己資本比率は28.2%から32.6%まで改善しています。

現金を積み上げることで、既存事業の拡大だけでなく、新たな成長分野への投資余力も高まります。

GOは、自動運転タクシーの実装に向けた研究開発や車両調達に加え、タクシー・物流領域の企業への投資も検討しています。

自動運転分野では、Waymoや日本交通とプロジェクトを進めており、研究開発や用地の確保、テストドライバー、車両の調達などに資金を活用する方針です。

一方、現金を保有するだけでは企業価値の向上にはつながりません。

今後は、増加した資金を成長投資やM&Aへどのように活用するかも重要になります。

GO(581A)の決算で気になる点・リスク

GOの2026年5月期決算は、本業の利益拡大や高い来期予想が評価できる内容でした。

一方、純利益には一時的な要因が含まれており、2027年5月期は営業利益85%増という高い計画を掲げています。

注意点内容
純利益の一時要因繰延税金資産で利益が押し上げ
高い利益計画営業利益85%増の達成が必要
成長期待の織り込み高い成長を前提に評価される可能性
利用者の伸び鈍化実車数の成長に影響
収益単価の停滞売上・利益成長が鈍化
成長投資自動運転・新規事業の費用が先行

今後は業績が成長しているかだけでなく、市場の高い期待を上回る成長を継続できるかも確認する必要があります。

純利益88億円には一時利益が含まれる

2026年5月期の親会社株主に帰属する当期純利益は88億円となり、前期比341.8%増となりました。

ただし、純利益には、繰延税金資産の計上による法人税等調整額34億円の利益効果や、持分変動利益8億円が含まれています。

これらは、タクシーアプリの利用拡大によって継続的に得られる利益ではありません。

そのため、純利益88億円だけを見て、本業の利益が4倍以上に増えたと判断するのは注意が必要です。

一方、営業利益も前期比158.1%増の70億円となりました。

一時的な利益を除いても本業の収益性は改善しているため、決算全体を否定する内容ではありません。

純利益の一時要因と本業の利益成長を分けて評価することが重要です。

営業利益130億円のハードルは高い

2027年5月期は、営業利益を前期比84.6%増の130億円と予想しています。

営業利益率も約17%から約27%まで改善する計画です。

売上高が予想どおり増加しても、広告宣伝費や人件費、研究開発費などが想定以上に増えれば、営業利益130億円を達成できない可能性があります。

一方、実車数やARPRが会社計画を上回れば、業績の上方修正が期待される可能性もあります。

高い成長予想が株価へ織り込まれた場合は、増収増益を達成しても、市場の期待を下回るだけで株価が調整する可能性があります。

今後の四半期決算では、営業利益の進捗率だけでなく、営業利益率が計画どおり改善しているかも確認しましょう。

営業利益130億円の達成には、高い売上成長と利益率改善の両方が必要です。

ロボタクシーは短期利益への貢献が不透明

GOは、Waymoや日本交通と自動運転タクシーの社会実装に向けた取り組みを進めています。

自動運転タクシーが実用化すれば、ドライバー不足の解消やタクシー供給の拡大につながる可能性があります。

一方、現時点では実証や技術の適応を進める段階です。

2026年5月期は、自動運転の実証実験に関連する費用として7億5,400万円を負担しました。

今後も、研究開発だけでなく、車両の調達や用地の確保、運用体制の構築などに費用が発生する可能性があります。

また、自動運転タクシーの商用サービスをいつ開始するのか、GOがどのような収益モデルを構築するのかは、今後確認したいポイントです。

ロボタクシーは大きな成長テーマですが、現時点では短期的に利益を増やす事業ではなく、投資が先行する可能性があります。

ロボタクシーへの期待と現在の業績への貢献は分けて考える必要があります。

今後のGO(581A)の決算で確認したいポイント

GOは2027年5月期に、売上高17.0%増、営業利益84.6%増を予想しています。

高い利益成長を実現できるか確認するため、今後の決算では以下の指標に注目しましょう。

  • 営業利益130億円に対する進捗率
  • 実車数が増加を続けるか
  • 平均MAUが伸びるか
  • 1実車当たり平均売上高が上昇するか
  • 営業利益率が改善するか
  • 広告費や人件費を効率化できるか
  • 自動運転への投資費用が増加するか

特に、実車数・ARPR・営業利益率は、売上成長と収益性を確認するうえで重要です。

実車数とARPRを確認

GOのアプリ配車事業を確認する際は、実車数とARPRの推移が重要です。

実車数は、アプリ「GO」を経由して実際にタクシーへ乗車した回数を示します。

実車数が増加すれば、タクシーアプリの利用拡大が売上につながっていると判断しやすくなります。

一方、ARPRは1実車当たり平均売上高を示します。

アプリ手配料や「AI予約」「GO PREMIUM」などの利用が拡大すれば、1回の乗車から得られる収益も増加する可能性があります。

今後も、

実車数の増加

ARPRの上昇

売上高の拡大

利益の増加

という成長を続けられるかが重要です。

利用回数と収益単価の両方が伸びているかを確認しましょう。

営業利益率の改善を確認

2027年5月期は、営業利益率が約17%から約27%まで改善する見通しです。

売上高の成長率は17.0%ですが、営業利益は84.6%増を予想しています。

そのため、営業利益130億円を達成するには、売上を増やすだけでなく、費用を効率的にコントロールする必要があります。

四半期決算では、以下の点を確認しましょう。

  • 営業利益率が前年同期を上回っているか
  • マーケティング費用の割合が低下しているか
  • 人件費やシステム費用が急増していないか
  • 売上総利益率が改善しているか

利益率が会社計画を上回れば、営業利益の上方修正につながる可能性があります。

一方、売上が増えていても利益率が改善しなければ、営業利益130億円の達成に対する不透明感が高まる可能性があります。

売上の成長以上に、利益率の改善ペースが重要です。

成長投資と利益拡大を両立できるか

GOは、既存のタクシーアプリだけでなく、自動運転や物流、EV充電などの新規事業にも取り組んでいます。

また、事業基盤や事業領域を拡大するため、M&Aも成長投資の選択肢としています。

新規事業が成長すれば、中長期的な売上拡大につながる可能性があります。

一方、事業を立ち上げる段階では、研究開発費や人件費、設備関連費用などが先行する可能性があります。

短期的な利益を優先して成長投資を抑えると、将来の成長余地が小さくなる可能性もあります。

今後は、高い利益率を維持しながら、新しい成長分野への投資も継続できるかが重要です。

既存事業が生み出す利益を将来の成長へつなげられるかを確認しましょう。

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まとめ|GO(581A)は本業の利益成長と強気な来期予想が評価

GOの2026年5月期は、売上高が前期比31.8%増の414億円、営業利益が同158.1%増の70億円となりました。

実績は会社予想とほぼ同水準でしたが、実車数と1実車当たり平均売上高が同時に増加し、本業の収益性も大幅に改善しています。

GOは2025年5月期に営業黒字へ転換しており、現在は赤字企業ではありません。

一方、2026年5月期の純利益88億円には、繰延税金資産の計上による一時的な税効果なども含まれています。

本業の収益力を確認する場合は、純利益だけでなく、営業利益や調整後EBITDAもあわせて確認することが重要です。

2027年5月期は、売上高485億円、営業利益130億円を予想しています。

売上高17.0%増に対して営業利益84.6%増を見込んでおり、事業規模の拡大による利益率改善が期待されています。

今後は、以下のポイントに注目しましょう。

  • 実車数が増加を続けるか
  • ARPRが上昇するか
  • 営業利益率が計画どおり改善するか
  • 営業利益130億円に対する進捗率
  • 自動運転などへの成長投資を継続できるか

GOは、利用者基盤を拡大する段階から、既存の事業基盤を活用して利益を伸ばす段階へ移っています。

今後は、高い利益成長を継続しながら、新規事業への投資も進められるかが業績を左右するポイントです。

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