SKハイニックスの決算はいつ?速報・発表時間・業績予想・注目ポイントを解説

韓国の半導体大手SKハイニックスの2026年第3四半期決算が近づいています。前四半期にはAI向けメモリー需要を背景に過去最高の利益を記録しており、今回も大幅な増益が予想されています。ただし、株価を考えるうえでは、利益の大きさだけでなく、HBM4の量産状況やDRAM・NANDの価格上昇が今後も続くかが重要です。

さらに、決算と同時に追加の株主還元策を公表する予定で、特別配当に関する報道も出ています。この記事では、発表日程・日本時間・速報の確認方法から、業績の市場予想、注目すべき事業動向、日本の半導体関連株への影響まで解説します。

※本記事は2026年10月26日時点の開示資料・報道をもとに作成しています。

目次

SKハイニックスの2026年第3四半期決算はいつ発表される?

SKハイニックスの2026年第3四半期(7~9月期)決算は、10月28日(水)に発表予定です。決算結果を知らせるプレスリリースは日本時間の午前9時より前に公表され、決算説明会は午前9時から始まります。 これは同社が10月21日に公表した案内によるもので、決算説明会の開催時間だけでなく、速報が出る時間帯も明示されています。

確認項目2026年第3四半期の予定
決算対象期間2026年7月1日~9月30日
決算発表日2026年10月28日(水)
業績プレスリリース午前9時より前(日本時間)
決算説明会午前9時開始(日本時間)
配信言語韓国語・英語
決算資料・配信SKハイニックス公式IRサイト

なお、「午前9時より前」は公表時刻の案内であり、午前8時30分など特定の分単位まで確定しているわけではありません。 説明会の開始時刻と速報の公開時刻を混同しないことが大切です。

決算結果は、同社の公式IRサイトにある「Financial Information → Earnings Release」から確認できます。決算説明会の音声配信も予定されており、会議資料は同日にIRサイトへ掲載されます。速報を追いたい場合は、説明会の開始を待つのではなく、午前9時前から公式の発表を確認するとよいでしょう。

SKハイニックスの2026年第3四半期の業績予想は?

2026年7~9月期の市場予想は、売上高が約98.23兆ウォン、営業利益が約76.96兆ウォンです。 10月26日に報じられた金融情報会社FnGuideの証券会社予想の集計値で、SKハイニックスが発表した確定業績や会社予想ではありません。

前四半期および前年同期の実績と比較すると、想定されている増益幅の大きさが分かります。

連結業績2025年7~9月期
実績
2026年4~6月期
実績
2026年7~9月期
市場予想
売上高24.45兆ウォン79.32兆ウォン98.23兆ウォン
営業利益11.38兆ウォン60.54兆ウォン76.96兆ウォン
営業利益率約46.6%約76.3%約78.3%

※2025年7~9月期および2026年4~6月期は会社公表値を四捨五入。2026年7~9月期は2026年10月26日時点の市場予想。営業利益率は表示前の利益・売上高から計算した概算です。出典:

市場予想どおりであれば、前四半期に比べて売上高は約24%増、営業利益は約27%増となります。前年同期との比較では、売上高が約4倍、営業利益が約6.8倍という大きな伸びです。営業利益率も約78%と極めて高い水準が見込まれています。

こうした収益拡大の背景には、AIサーバー向けHBMなど付加価値の高い製品の販売に加え、一般的なDRAMやNANDの価格上昇があります。メモリー半導体の製造では巨額の設備投資が必要で、短期間には変わりにくい減価償却費などの固定費も大きくなります。このため、販売価格が上昇すると、その増収分が営業利益の増加につながりやすく、売上高以上のペースで利益が伸びる局面があります。

ただし、利益率が高ければ高いほど、その持続性が問題になります。市場予想を上回る決算でも、会社が年末以降のDRAM・NAND価格の下落を示唆すれば、将来の利益予想が引き下げられる可能性があります。逆に、予想に近い数字であっても、高収益を維持できる根拠が示されれば評価が変わることがあります。28日は実績と約76.96兆ウォンという市場予想との差だけでなく、増益の理由と今後の見通しを確認する必要があります。

SKハイニックスの10月28日決算で注目すべき3つのポイント

今回の決算では、過去3か月の利益額に加え、その成長を支える事業の状況が重要です。特に①HBM4の量産、②DRAM・NANDの販売価格と採算、③長期供給契約と設備投資の3点が、2027年以降の利益水準を考える材料になります。

HBM4の量産拡大は業績成長につながっているか

HBM(高帯域幅メモリー)は、複数のメモリーチップを積み重ね、大量のデータを高速でやり取りできるようにしたDRAMの一種です。生成AIの学習・推論に使われる高性能な画像処理半導体と組み合わせて使われます。AI半導体の計算能力が高くても、必要なデータを十分な速度で届けられなければ処理が滞るため、HBMの性能と供給能力はAIサーバーの性能を左右する重要な要素となっています。

SKハイニックスは2026年4~6月期の決算で、次世代製品「HBM4」の量産出荷を開始し、7~12月期に生産量を増やす方針を示しました。さらに次の製品にあたる「HBM4E」についても、上半期にサンプル出荷を終えたと説明しています。つまり、今回の決算ではHBM4の開発に成功したかどうかより、量産が進んで実際の収益拡大につながっているかが焦点です。

確認したいのは、主要顧客向けの出荷がどの程度増えたのか、販売価格や製品構成が改善したのか、歩留まりが安定したのかという点です。歩留まりとは、生産した半導体のうち合格品として出荷できる割合を指します。高価格のHBMでも、歩留まりが低く不良品が多ければ製造コストが増え、期待したほど利益は伸びません。数量の増加と利益率の改善を分けて評価する必要があります。

また、HBMの増産には先端製造設備やチップを積層する工程の能力が必要です。生産能力が限られる場合、HBM向けの製造工程を増やすことで一般的なDRAMの供給にも影響する可能性があります。サムスン電子など競合企業との比較では、単純な製品発表の速さではなく、顧客への安定供給、量産効率、製品の採用状況が重要です。ただし、顧客別売上高や製品別利益が開示されなければ、決算だけでHBM4の競争優位を定量的に断定することはできません。

DRAM・NANDの価格上昇で高い営業利益率が続くか

HBMだけでなく、一般的なDRAMとNANDの価格動向もSKハイニックスの利益を大きく左右します。 DRAMは処理中の情報を一時保存するメモリーで、サーバーやパソコン、スマートフォンに使われます。一方、NANDは電源を切っても情報を保存でき、SSDなどの記憶装置に組み込まれます。

SKハイニックスは2026年4~6月期に、DRAMとNANDの双方で販売価格が前四半期から大きく上昇したと説明しました。特に、サーバー向けDRAMや企業向けSSD(eSSD)といった高付加価値製品が好調で、営業利益率は約76%に達しました。 これはHBMだけの好調ではなく、AIデータセンターの投資がメモリー市場全体に波及している可能性を示しています。

販売価格の上昇は、販売数量を大きく増やさなくても売上高を押し上げます。たとえば出荷数量が同じで平均販売価格が10%上がれば、売上高も単純計算で10%増えます。一方、工場や製造装置の費用が同じ割合で増えるとは限らないため、利益は売上高を上回る割合で伸びることがあります。もっとも、実際の採算は製品構成、原材料費、歩留まり、為替などにも左右されます。

28日に注目すべきなのは、DRAM・NANDの平均販売価格が引き続き上昇しているか、サーバー向け製品の出荷が増えているか、在庫や供給能力に変化がないかです。需要が強くても各社が一斉に増産すれば、将来は供給過剰になって価格が下落する可能性があります。今回の高利益率が一時的な価格上昇によるものなのか、需要の拡大に支えられて維持できるのかを区別する必要があります。

長期供給契約と設備投資は2027年以降の成長を支える?

SKハイニックスは前四半期の決算で、主要顧客を含む約10社との長期供給契約(LTA)を締結したと説明しました。 長期供給契約とは、通常の短期的な注文より長い期間について、製品の供給条件を取り決める契約です。顧客の必要量を早い段階で把握できれば、生産計画や設備投資を組み立てやすくなり、売れ残りや供給不足のリスクを抑えられます。

ただし、長期契約を結んだからといって高い販売価格や利益率が保証されるわけではありません。 契約ごとに数量・価格の決め方が異なり、価格が市場動向に応じて調整される場合もあります。今回の説明会では、2027年向けの供給数量や価格交渉について、会社がどこまで具体的に示すかが注目されます。契約件数だけを増やすことよりも、採算を維持できる条件で需要を確保しているかが重要です。

需要に応じて供給を増やすため、同社はM15Xの量産準備を進めるほか、2027年初めに予定する龍仁(ヨンイン)の第1期クリーンルームの稼働を見据えた投資、先端パッケージング設備やNAND生産拠点への投資も計画しています。 顧客からの注文が増えても設備能力が不足すれば販売機会を逃すため、適切な増産投資は中長期の成長につながります。

その反面、半導体工場の投資額は大きく、新設備が稼働すると減価償却費などの負担が増えます。需要の伸びが想定を下回れば、稼働率の低下や販売価格の下落によって採算が悪化する可能性があります。設備投資の増加そのものが好材料なのではなく、需要に見合う生産能力をいつ・どの程度追加できるかを確認することが重要です。

SKハイニックスは10月28日に追加の株主還元策を発表!特別配当の可能性も

SKハイニックスは、10月28日の第3四半期決算に合わせて追加の株主還元策を公表する予定です。 10月26日に特別配当を検討しているとの報道が出たことを受け、同社は複数の株主還元策を検討しており、詳細は決算発表時に示す方針だと明らかにしました。ただし、特別配当の実施や金額は現時点で決定したものではありません。

報道では、キオクシアへの投資に関係する株式売却益などを原資に、約16兆ウォンの特別配当を検討していると伝えられています。特別配当は、通常の配当とは別に実施する一時的な配当です。業績が急拡大して得られた資金や一時的な投資利益を株主へ還元する場合に利用されます。ただし、今回の約16兆ウォンという数字は報道に基づくものであり、会社が配当額として決定・発表した数字ではありません。

追加還元の背景には、すでに公表された大規模な株主還元方針があります。SKハイニックスは2026年8月、約40兆ウォンの自己株式を取得して全額を消却する方針を発表しました。さらに、2025~2027年の累計フリーキャッシュフローの50%超を株主へ還元する目標を示し、現金配当の拡充も検討するとしています。

フリーキャッシュフローは、事業で得た現金から設備投資などに使った資金を差し引き、企業が比較的自由に活用できる資金を示す指標です。この割合を株主還元の目標にすることで、単年度の利益だけでなく、実際に生み出した現金を基準に配当や自社株買いを検討する姿勢が分かります。ただし、資金を先に還元しすぎると、今後の生産設備への投資や財務の安定性に影響するため、両立が求められます。

現金配当と自社株の消却は、株価に作用する仕組みが異なります。 配当は株主が直接現金を受け取る還元です。自己株式の消却は株式数を減らすため、同じ利益水準なら1株当たり利益などの指標を押し上げる方向に働きます。ただし、企業から現金が流出する点は共通しており、還元を決めたからといって企業価値や株価が必ず上がるわけではありません。

28日に確認したいのは、追加還元の手段が特別配当なのか自社株買いなのか、金額・実施時期・対象となる株主の条件がどうなるのかです。特別配当が実施される場合でも、一度限りの還元なのか、継続的な配当方針の見直しにつながるのかで評価は変わります。

SKハイニックスの決算で株価は上がる?

SKハイニックスの決算が好調でも、株価が必ず上がるとは限りません。市場がすでに織り込んでいる業績予想を超えるか、2027年以降の利益見通しが強まるかが重要です。追加の株主還元策も、金額や内容が市場の期待を上回るかによって評価が変わります。

過去最高益でも株価が上がるとは限らない

市場はすでに、SKハイニックスが第3四半期に約76.96兆ウォンの営業利益を計上すると予想しています。 この水準に近い実績が出ても、市場が予想していた範囲なら新鮮な好材料にならない可能性があります。株価を動かすのは、発表された業績が大きいかだけでなく、発表によって投資家の将来利益の見通しが変わるかという点です。

たとえば、営業利益が市場予想をやや上回ったうえにHBM4の量産が計画以上に進み、2027年の契約数量も堅調だと分かれば、中長期の利益予想が引き上げられる可能性があります。反対に、過去最高益であってもDRAMやNANDの価格上昇が鈍る見通しなら、足元の利益がピークに近いと受け止められ、株価が売られることもあります。

追加の株主還元策も重要です。特別配当が正式に決まれば株主に現金が還元されますが、すでに大規模な還元期待が株価に織り込まれていれば、発表後に材料出尽くしと受け止められることがあります。また、還元のために将来の成長投資が抑えられると判断されれば、評価が単純にプラスになるとは限りません。業績、将来の見通し、株主還元を合わせて評価することが必要です。

SKハイニックスの決算は日本の半導体関連株にどう影響する?

SKハイニックスの決算は、日本の半導体関連株にも重要な手掛かりになります。ただし、影響を受ける理由は企業によって異なります。HBMやDRAMを作る企業だけでなく、半導体の検査、チップの薄化・積層、工場の製造装置を手掛ける日本企業にも関係するためです。株価への影響を考える際は、HBMの量産ペース、設備投資計画、DRAM・NANDの市況を分けて確認する必要があります。

アドバンテストはHBM・高性能DRAM向けの検査需要に注目

アドバンテストは、半導体が設計どおりに動くかを検査するテスターを手掛けています。HBMは複数のメモリーチップを積み重ねるため、量産時には性能と品質の確認が重要です。HBM4への世代交代や生産量の拡大によって検査項目が増えれば、高性能なメモリーテスターの需要が伸びる可能性があります。アドバンテスト自身も2026年4~6月期に、高性能DRAM向けを中心としてメモリーテスターの販売が伸びたと説明しています。

ただし、SKハイニックスのHBM出荷量が増えても、既存の検査設備で対応できればテスターの追加発注がすぐに増えるとは限りません。今回の決算でHBM4の量産能力や歩留まり改善、2027年に向けた増産方針が示されるかが重要です。アドバンテストも10月28日15時30分に決算発表を予定しているため、同社が示すメモリーテスターの販売・需要見通しと照合すると、業績への影響をより具体的に判断できます。

ディスコ・TOWAはHBMの薄化・積層工程への投資に注目

ディスコは、半導体の材料であるウェーハを薄く削る研削装置や、チップに切り分ける装置などを手掛けています。HBMでは複数のDRAMチップを縦に積み重ねるため、一枚一枚のチップを薄く加工し、破損を防ぐ技術が重要になります。SKハイニックスがHBM4の生産能力を増やす場合、こうした加工工程に必要な装置の投資が拡大する可能性があります。ただし、装置の需要は新設ラインや既存設備の能力によって左右され、出荷数量だけでは受注額は決まりません。

TOWAは、半導体チップを樹脂で包んで保護するモールディング(封止)装置を手掛けています。2025年にはHBM4向けの狭いすき間へ樹脂を充填できる新技術を発表しました。HBMの高積層化が進むほど、熱や品質の問題を抑えながら量産する技術の重要性が高まります。そのため、SKハイニックスが先端パッケージングへの投資を積み増すかは、TOWAの事業機会を考える材料になります。

東京エレクトロン・KOKUSAI ELECTRICはDRAM工場への設備投資に注目

東京エレクトロンは、薄膜を形成する成膜装置、不要な部分を取り除くエッチング装置、洗浄装置など幅広い半導体製造装置を手掛けています。SKハイニックスが先端DRAMの工場を増強したり、製造技術を新しい世代へ移したりすれば、関連する装置の需要が増える可能性があります。ここで重要なのはDRAMの販売価格が高いかどうかだけでなく、増産のために新たな設備発注が必要になるかという点です。

KOKUSAI ELECTRICは、ウェーハに薄い膜を形成する成膜装置などを手掛けています。同社はDRAMの高性能化や構造の複雑化に伴う成膜工程の高度化を事業機会と位置付けています。SKハイニックスが説明する2027年の設備投資額、工場の立ち上げ時期、製造技術の高度化は両社にとって判断材料です。

キオクシアホールディングスはNAND・SSDの需要と価格が焦点

キオクシアホールディングスの主力はNAND型フラッシュメモリーとSSDです。HBMは高速計算に必要なデータのやり取りを支えるDRAMの一種ですが、NANDやSSDはデータを長期保存する役割を担います。そのため、キオクシアの業績に直接関わりやすいのは、SKハイニックスのHBM4出荷量よりも、NANDの平均販売価格やデータセンター向けSSDの需要動向です。

AIデータセンターへの投資は、計算処理に使うHBMだけでなく、大量のデータを保存する企業向けSSDにも波及する可能性があります。SKハイニックスがNAND価格の上昇や企業向けSSDの販売拡大を説明すれば、キオクシアの事業環境を考える手掛かりになります。ただし、販売する製品の構成やコスト競争力が異なるため、SKハイニックスの高利益率をキオクシアにそのまま当てはめることはできません。

なお、特別配当を巡る報道にキオクシアの名前が登場するのは、SKハイニックスによる同社関連の投資や株式売却が背景にあるためです。この売却益を株主還元に使うという話と、キオクシア自身のNAND事業の採算が改善するかは別問題です。10月29日にはサムスン電子、10月30日にはキオクシアホールディングスの決算も予定されています。複数社の説明を照合することで、市況全体の変化と企業ごとの事情を分けて評価できます。

まとめ

SKハイニックスの2026年第3四半期決算は10月28日(水)に発表予定です。プレスリリースは日本時間午前9時より前、決算説明会は午前9時から始まります。 市場では売上高約98.23兆ウォン、営業利益約76.96兆ウォンが予想されていますが、これらは正式な実績ではありません。

今回の注目点は、HBM4の量産拡大、DRAM・NANDの高収益が続くかどうか、そして追加の株主還元策です。株価への影響は市場予想との差と将来見通しによって変わるため、発表された数字だけでなく、利益が増えた理由と今後も維持できる条件を確認することが重要です。

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この記事を書いた人

投資歴7年。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、証券外務員資格取得。2019年に100万円から投資スタート。2022年に1000万円→2025に年5000万円突破。
YouTubeでは株式投資・企業決算を中心とした解説動画を200本以上公開(チャンネル登録者数5000人)。日本株を中心に、企業決算や業績、株価材料を分析しています。

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