INPEXの株式分割を解説!過去の1株→400株分割・今後の可能性は?

INPEX(1605)は、2013年10月1日に普通株式1株を400株にする大幅な株式分割を実施しています。現在よく見られる2分割・3分割より比率が大きいため、「なぜ400分割したのか」「また株式分割する可能性はあるのか」と疑問に感じる人もいるでしょう。

2013年の分割では、普通株式の400分割と同時に100株を1単元とする単元株制度が採用されました。そのため、単純に株価上昇を受けて最低投資額を下げる現在の株式分割とは背景が少し異なります。

今後の再分割を考える際は、過去の400分割という比率よりも、現在の100株あたり投資金額がどこまで高くなるかを見る方が重要です。東京証券取引所は望ましい投資単位として50万円未満を示しているため、100株単位のINPEXでは株価5,000円が一つの分かりやすい目安になります。ただし、これはINPEXが公表した分割基準ではありません。

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目次

INPEXは過去に株式分割を実施している

INPEXは過去に株式分割を実施している

INPEXは2013年10月1日を効力発生日として、普通株式1株につき400株の割合で株式分割を実施しました。INPEX公式の株主還元ページに掲載されている株式分割履歴は、2026年8月時点ではこの1回です。

項目内容
効力発生日2013年10月1日
分割比率普通株式1株→400株
分割後の株式数1,462,323,600株
単元株制度100株=1単元
現在の売買単位100株

1株が400株になる大幅な株式分割だった

たとえば分割前に普通株式1株を保有していた株主は、分割後には400株を保有する形になりました。株数だけを見ると400倍ですが、株式分割では1株あたりの価値が分割比率に応じて調整されるため、分割そのものによって保有資産が400倍になったわけではありません。

現在の株価チャートや過去の株価データでは、株式分割の影響を調整した「修正株価」が使われる場合があります。2013年以前の株価と現在の株価を単純比較するときは、分割調整の有無を確認する必要があります。

分割後株式数と現在の発行済株式数は異なる

2013年の分割直後の普通株式数は14億6,232万3,600株でしたが、2025年12月31日時点の発行済普通株式数は12億5,913万6,067株です。これはその後の自己株式取得や消却などによって株式数が変化しているためで、2013年の分割比率が変更されたわけではありません。

なぜINPEXは1株を400株に分割した?

2013年のINPEXの株式分割を理解するときは、400分割だけを単独で見るのではなく、同時に採用された単元株制度とセットで見ることが重要です。

100株を1単元とする単元株制度を採用した

INPEXは2013年5月10日に「株式の分割、単元株制度の採用及び定款の一部変更」を発表し、10月1日付で普通株式を400分割するとともに、100株を1単元とする制度へ移行しました。現在もINPEXの売買単位は100株です。

つまり2013年の400分割は、現在の売買単位につながる制度変更と同時に行われたものです。「株価が高くなったので400分割した」という説明だけでは、当時の変更内容を正確に捉えられません。

現在よくある2分割・3分割とは背景が少し違う

近年の上場企業では、株価上昇によって100株あたりの最低投資金額が高くなったときに、2分割・3分割などを実施して投資単位を引き下げる例が多く見られます。

INPEXの2013年分割は、400分割と100株単元の採用が同時に行われています。そのため「過去に400分割した会社だから、次も大幅な株式分割をする」と考える根拠にはなりません。今後の分割可能性は、現在の株価・投資単位・株主構成などから改めて考える必要があります。

株式分割すると株価や資産価値はどうなる?

株式分割では発行済株式数が増えますが、会社の利益や純資産が分割しただけで増えるわけではありません。株主の保有株数と1株あたり価格が同時に調整されるため、分割直後の理論上の保有価値は基本的に変わりません。

1株あたり株価は分割比率に応じて下がる

たとえば株価4,000円の会社が1株を2株に分割した場合、理論上の株価は2,000円になります。一方、100株を持っていた株主の保有株数は200株になるため、分割前後の保有価値は「4,000円×100株=40万円」「2,000円×200株=40万円」と同じです。

株数が増えても資産価値が自動的に増えるわけではない

株式分割そのものは、会社に新しい利益やキャッシュを生み出す材料ではありません。分割後に株価が上昇する企業もありますが、それは投資単位の低下による需給改善や業績期待などが影響した結果であり、分割だけで企業価値が増えるわけではありません。

配当も分割比率に合わせて調整される

株式分割を実施すると、通常は1株あたり配当も分割比率を考慮して調整されます。たとえば年間配当100円の株式を2分割し、会社の配当総額方針が変わらなければ、分割後の1株あたり配当は50円程度になるイメージです。保有株数が2倍になるため、分割だけで受け取る配当総額が自動的に2倍になるわけではありません。

INPEXの現在の売買単位は100株

INPEXの現在の売買単位は100株です。2026年8月17日終値3,775円を基準にすると、100株購入するための最低投資金額は約37万7,500円になります。

株式分割の必要性を考える場合は、1株の株価だけでなく「株価×100株」で最低投資金額を見ることが重要です。

東証は投資単位50万円未満を望ましい水準としている

東京証券取引所は、個人投資家が投資しやすい環境を整備するため、望ましい投資単位として50万円未満を明示しています。投資単位が50万円以上の上場会社には、50万円未満への移行に向けた考え方や方針の開示を求めています。

100株単位のINPEXなら、株価5,000円で最低投資金額がちょうど50万円になります。そのため、株価が5,000円を大きく上回って定着する場合は、現在よりも株式分割を検討する合理性が高まりやすいと考えられます。

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INPEXが今後また株式分割する可能性は?

2026年8月時点で、INPEXから新たな株式分割は発表されていません。公式の株式分割履歴にも2013年10月1日の1:400分割のみが掲載されています。

今後の可能性はゼロではありませんが、現状の投資単位は東証が示す50万円未満に収まっています。そのため、最低投資金額だけを理由に直ちに株式分割を行う必要性は高くないと考えられます。

現状では100株あたりの投資額が50万円未満

2026年8月17日終値3,775円を基準にした最低投資金額は約37.8万円です。東証の「望ましい投資単位50万円未満」という水準の中に入っています。

この状態で株式分割を行えば、個人投資家がさらに買いやすくなる効果は期待できますが、東証基準への対応という意味では切迫した状況ではありません。

株価5,000円超が定着すると分割の理由が強まりやすい

INPEXは100株単位なので、株価と最低投資金額の関係は次のようになります。

1株あたり株価100株の最低投資額
3,000円30万円
4,000円40万円
5,000円50万円
6,000円60万円
8,000円80万円
10,000円100万円

株価5,000円はINPEXが公表している株式分割基準ではありません。あくまで、東証の50万円基準とINPEXの100株単元から逆算した記事上の目安です。株価が5,000円を超えたからといって、自動的に分割が行われるわけではありません。

東証も株式分割による投資単位引き下げを要請

今後のINPEXの株式分割を考えるうえでは、東京証券取引所が進めている少額投資政策も重要です。東証は以前から投資単位50万円未満を望ましい水準としており、株価が高い企業に対して投資単位の引き下げを促しています。

2026年7月に東証が改めて株式分割の検討を要請

東証は2026年7月28日、投資単位が50万円以上の会社に対して、投資単位引き下げに向けた株式分割の検討を改めて要請しました。2026年3月末時点では、東証上場会社の93.4%が50万円未満の投資単位となっています。

現時点のINPEXは50万円未満ですが、将来株価が上昇して高投資単位会社に該当するようになれば、こうした市場側の要請も分割検討を後押しする可能性があります。

個人投資家が求める投資単位は10万円程度との調査も

東証は個人投資家へのアンケートなどから、投資家が求める投資単位の水準は10万円程度と考えられるとしています。

INPEXの現在の30万~40万円台という最低投資額は50万円基準には収まるものの、10万円程度という個人投資家のニーズから見ればまだ高い水準です。個人株主をさらに増やしたい場合やNISAで買いやすくしたい場合には、50万円未満でも株式分割を行う余地はあります。

INPEXが株式分割するメリット

INPEXが将来株式分割を行う場合、企業価値そのものが増えるわけではありませんが、株式を購入しやすくする効果が期待できます。

最低投資金額を下げられる

たとえばINPEX株が4,000円のときに1株を2株へ分割すると、理論株価は2,000円になります。100株の最低投資金額は40万円から20万円へ下がるため、これまで資金面で100株を購入しにくかった投資家も参加しやすくなります。

個人投資家が買いやすくなる

最低投資金額が下がれば、投資資金の一部だけをINPEXへ配分しやすくなります。1銘柄に必要な金額が小さくなることで、他の銘柄やETFと組み合わせた分散投資もしやすくなります。

NISAに組み入れやすくなる

株式分割で投資単位が下がれば、NISAの年間投資枠の中で資金配分しやすくなります。東証も株式分割の効果として、最低投資金額が低下し、NISAへ組み入れやすくなることを挙げています。

流動性の向上が期待できる

個人投資家など市場参加者が増えれば、出来高や売買代金が増加し、流動性が高まる可能性があります。ただし、分割を実施すれば必ず売買が増えるわけではなく、業績や市場環境も影響します。

INPEXが株式分割すると株価は上がる?

株式分割は投資家にとって注目されやすい材料ですが、分割だけで企業価値が増えるわけではありません。そのため「分割発表=必ず株価上昇」と考えるのは適切ではありません。

株式分割だけでは企業価値は増えない

株式分割では、会社の売上高・利益・キャッシュフロー・純資産が増えるわけではありません。株数を細かく分けるだけなので、理論上は1株あたり価格が分割比率に応じて下がります。

買いやすさの改善は需給面でプラスになり得る

一方、最低投資金額が下がることで新しい投資家が参加しやすくなれば、需給面ではプラス材料になる可能性があります。特に100株の購入金額が高くなっている局面では、株式分割による投資家層拡大が評価されるケースがあります。

INPEXでは原油・LNG・業績の方が長期的には重要

INPEXの企業価値を長期的に左右するのは、株式分割よりも原油価格、為替、イクシスLNGの操業、アバディLNGの開発、利益水準、配当・自社株買いなどです。

株式分割は「株を買いやすくする」材料であり、会社の収益力そのものを変える材料ではありません。投資判断では、分割の有無と事業の成長性を分けて考える必要があります。

INPEXの株式分割で配当や株主優待はどうなる?

将来INPEXが株式分割を発表した場合は、株価だけでなく配当と株主優待の扱いも確認する必要があります。

配当は1株あたり金額が調整される

株式分割後は保有株数が増えるため、1株あたり配当も分割比率を踏まえて調整されるのが一般的です。分割前後で会社の配当方針が変わらなければ、株主が受け取る配当総額が株式分割だけで増減するものではありません。

株主優待は基準株数の変更有無を確認

INPEXの現在のQUOカード優待では400株以上・800株以上という株数区分があります。将来株式分割を行う場合、会社が優待基準株数を分割比率に合わせて変更するのか、それとも基準を据え置くのかによって実質的な優待条件が変わります。

株式分割が発表された場合は、「株主優待制度の変更に関するお知らせ」が同時または後日発表されていないか確認することが重要です。

甲種類株式(黄金株)は400分割されていない

2013年に1株→400株へ分割されたのは普通株式です。経済産業大臣が1株保有する非上場の甲種類株式、いわゆる黄金株については株式分割が行われていません。INPEX公式FAQでも、2013年の分割は普通株式のみで、甲種類株式は分割していないと説明されています。

甲種類株式は現在も1株だけ発行されており、普通株式とは議決権や拒否権などの性質が異なります。また配当や残余財産分配については、普通株式の400分割を考慮して分割前の普通株式と同等になるよう定款で定められています。

甲種類株式そのものの仕組みや経済産業大臣が保有する理由は、株式分割とは別の論点です。

INPEXが今後株式分割するか確認するポイント

今後の株式分割可能性を追う場合は、過去の400分割という比率よりも、現在の投資単位と会社の株主政策を見ることが重要です。

確認ポイント分割を検討する理由が強まりやすい状況
株価5,000円を超えて高値が定着する
100株の投資単位50万円以上になる
東証の要請高投資単位会社として投資単位引き下げが求められる
個人株主数個人投資家の参加をさらに増やしたい
流動性売買参加者や出来高の拡大を目指す
NISAより少額で購入しやすくしたい
会社IR株式分割・定款変更に関する発表が出る

特に簡単なのは、「INPEXの株価×100株」を定期的に確認する方法です。50万円を大きく超える状態が続けば、東証の方針との関係でも分割を検討する理由が今より強くなります。

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まとめ:INPEXは2013年に1株→400株へ分割、今後は投資単位に注目

INPEXは2013年10月1日に、普通株式1株を400株にする株式分割を実施しました。同時に100株を1単元とする単元株制度を採用しており、現在も100株単位で売買されています。

そのため、2013年の400分割を現在の一般的な2分割・3分割とまったく同じ理由で捉えるのは適切ではありません。今後の再分割可能性を見るなら、100株あたりの最低投資金額がどこまで高くなるかを確認する方が重要です。

東証は望ましい投資単位として50万円未満を示しているため、100株単位のINPEXでは株価5,000円=最低投資額50万円が一つの分かりやすい目安になります。ただし5,000円はINPEXが公表した分割基準ではなく、東証基準から逆算した目安にすぎません。現時点で新たな株式分割は発表されておらず、今後は株価水準、個人株主政策、東証の要請、会社IRを確認することが重要です。

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この記事を書いた人

投資歴7年。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、証券外務員資格取得。2019年に100万円から投資スタート。2022年に1000万円→2025に年5000万円突破。
YouTubeでは株式投資・企業決算を中心とした解説動画を200本以上公開(チャンネル登録者数5000人)。日本株を中心に、企業決算や業績、株価材料を分析しています。

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