地震で上がる株には何がある?復興・防災関連の注目銘柄と過去に買われた株を解説

大きな地震が発生すると、「復興需要で上がる株はあるのか」「建設株や防災株の中で、どの銘柄を候補として見ればよいのか」と気になる人も多いのではないでしょうか。

地震後は、瓦礫撤去や道路啓開、地盤・橋梁の復旧、上下水道・電力・通信の復旧、仮設住宅の整備、本格的な建物再建へと需要が段階的に広がります。そのため、建機、地盤改良、インフラ補修、ライフライン、仮設建物、防災関連などは株式市場でも注目されやすい分野です。

ただし、地震が発生すれば関連株が必ず上がるわけではありません。この記事では、2026年7月の令和8年熊本地震を踏まえつつ、復旧フェーズごとの注目銘柄、過去の災害対応実績、本命候補を選ぶポイント、投資時の注意点まで整理します。

この記事のポイント
地震関連株は「地震が起きたから買う」のではなく、
①復旧需要が本業に直結するか、
②過去に災害対応実績があるか、
③国・自治体の予算や受注へつながるか、
④一時的な思惑ではなく平時の需要もあるか、
の4点で比較することが重要です。

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目次

2026年熊本地震で復興関連株は実際に上がった?

2026年7月28日16時27分ごろ、熊本県熊本地方を震源とするマグニチュード7.1(速報値)の地震が発生し、熊本県内で最大震度7を観測しました。気象庁は一連の地震活動を「令和8年熊本地震」としています。地震は日本株の通常取引が終わった後に発生したため、7月29日以降の相場が最初の本格的な反応となりました。

市場では復旧・復興、防災、インフラ復旧に関係する銘柄への関心が高まりました。ただし、同時期は企業決算など別材料も多く、個別株の上昇をすべて地震だけで説明するのは適切ではありません。今回は「地震後に物色対象になりやすかった分野」と「実需につながりやすい企業」を分けて見る必要があります。

熊本地震後に買われた主な復興関連銘柄

令和8年熊本地震の発生後は、株式情報サイトでも「復興関連」「防災」などのテーマへの関心が上昇しました。復興関連の代表銘柄として市場で意識されやすいのは、不動テトラ(1813)、ライト工業(1926)、ショーボンドホールディングス(1414)、コマツ(6301)、日立建機(6305)、ニシオホールディングス(9699)、三協フロンテア(9639)などです。

この中でも、今回の地震だけを材料に短期の値上がりを追うより、実際の災害復旧との接点が明確な企業を候補として比較する方が重要です。たとえばコマツ(6301)は2016年熊本地震と2024年能登半島地震で建設機械や発電機などの無償貸与を行い、三協フロンテア(9639)は2016年熊本地震で365戸の応急仮設住宅を供給しています。こうした実績は、テーマとの関連性を判断する材料になります。

短期物色という観点では地盤・土木・建機などが先に意識されやすい一方、本格的な受注は被害調査、復旧計画、予算措置、入札を経て発生することがあります。株価の反応と企業業績への寄与には時間差がある点を押さえておきましょう。

復興関連株すべてが上昇したわけではない

地震関連株で最も誤解しやすいのが、「地震が起きれば復興株は一斉に上がる」という考え方です。実際には、被害の場所と規模、各社の事業地域、直前の株価水準、決算、全体相場などが重なり、値動きにはかなり差が出ます。

特にコマツ(6301)や日立建機(6305)、大成建設(1801)のような大企業は、災害復旧との事業接点があっても、一地域の復旧工事だけで連結業績が大きく変わるとは限りません。反対に、不動テトラ(1813)やショーボンドホールディングス(1414)のように地盤・インフラ補修が主力の企業は、テーマとの距離が近い一方、思惑が先に株価へ織り込まれることがあります。

復興関連株を買えば簡単に利益が出るわけではありません。地震直後は相場そのものが不安定になりやすく、急騰後の反落も起こり得ます。

地震で上がる可能性がある株・関連銘柄一覧

地震関連株は、何の復旧需要を受ける会社なのかで整理すると選びやすくなります。以下は、復旧・復興や防災との事業上のつながりを確認しやすい主な日本株です。

注目銘柄主な分野地震・復興との接点関連度*
不動テトラ(1813)地盤改良液状化対策・地盤復旧
ライト工業(1926)特殊土木斜面・のり面・地盤対策
ショーボンドホールディングス(1414)インフラ補修橋梁・トンネル補修、耐震補強
五洋建設(1893)港湾・土木港湾・防波堤などの災害復旧
コマツ(6301)建設機械瓦礫撤去・道路啓開・復旧工事
日立建機(6305)建設機械災害応急・復旧向け建機供給
ニシオホールディングス(9699)建機レンタル復旧工事向け機械・資機材レンタル
デンヨー(6517)非常用電源停電時・復旧工事現場の電源
ミライト・ワン(1417)通信インフラ通信設備の復旧・強靱化
前澤ホールディングス(575A)上下水道水道バルブ・上下水道インフラ
大成建設(1801)ゼネコン道路・施設・都市インフラの復旧
太平洋セメント(5233)セメント道路・橋・建物再建の基礎資材
三協フロンテア(9639)仮設建物応急仮設住宅・仮設施設
ナガワ(9663)仮設建物モジュール建築・仮設住宅
能美防災(6744)防災設備火災報知・消火設備、設備更新
ホーチキ(6745)防災設備火災報知・消火設備の施工・保守
応用地質(9755)地質・防災地震被害想定・地盤調査・防災計画

※「関連度」は、復旧・防災需要と主力事業の近さ、過去の災害対応実績などを基に本記事で整理した相対的な目安で、投資判断や株価上昇の確度を示すものではありません。

地震で上がる株を復旧フェーズ別に解説

地震発生後の需要は、発災直後から本格復興まで段階的に変化します。「いつ、何が必要になるか」を考えると、地震関連株の候補をより具体的に絞れます。ここでは各フェーズの特徴と、その中で注目しやすい個別銘柄を紹介します。

発災直後は建機・レンタル・非常用電源が注目されやすい

発災直後は建機・レンタル・非常用電源が注目されやすい

発災直後は、人命救助、道路啓開、瓦礫撤去、倒壊物の処理、停電対応などが優先されます。大型工事の受注より先に、現場へすぐ投入できる建設機械、レンタル資機材、可搬形発電機が必要になる段階です。

コマツ(6301)

コマツ(6301)は世界大手の建設機械メーカーで、油圧ショベルやブルドーザーなどは瓦礫撤去、道路啓開、造成、復旧工事に直接使われます。災害時の実績も明確で、2016年熊本地震では建設機械・フォークリフト・発電機・プレハブなどを無償貸与し、2024年能登半島地震でも建機や発電機の無償貸与と保守支援を行いました。

地震発生時に「建機需要」の代表銘柄として連想されやすい一方、コマツ(6301)はグローバル企業で事業規模が大きいため、国内の一つの復旧需要だけで全社利益が大幅に変わるとは考えにくい点が注意点です。短期のテーマ性は高くても、業績インパクトは世界の建機需要や資源・インフラ投資の方が大きくなりやすいでしょう。

日立建機(6305)

日立建機(6305)も、油圧ショベルなど復旧現場で必要となる建設機械を展開しています。国内販売・レンタルを担う日立建機日本は自治体などと災害協定を結び、災害応急・復旧時に機械や資材を優先供給する体制を整えています。

コマツ(6301)と同様、実際の復旧現場との接点は深い一方、単一災害による利益寄与は限定的になりやすい大型株です。地震後の短期物色だけでなく、国内インフラ投資、海外建機需要、鉱山機械など他の業績要因も合わせて見る必要があります。

ニシオホールディングス(9699)

ニシオホールディングス(9699)は、西尾レントオールを中核とする建設機械・資機材レンタル企業です。災害復旧では、すべての施工会社が必要な機械を自前で保有しているわけではないため、短期間に機材を手配できるレンタル会社の役割が大きくなります。

西尾レントオールは自治体と災害時のレンタル資機材提供に関する協定を締結しており、救助・復旧、避難所運営などで必要となる設備を供給する体制があります。災害対応と本業のレンタル事業が直接つながるため、建機メーカーより事業テーマとの距離が近い候補として見やすい銘柄です。

デンヨー(6517)

デンヨー(6517)は、可搬形エンジン発電機や非常用発電設備を手掛ける企業です。地震で停電が発生した場合、医療・避難所・工事現場・通信設備などで電源確保が必要になります。ライフラインが復旧するまでの「つなぎ」として、移動可能な発電機の重要性が高まります。

非常用電源は地震だけでなく、台風・豪雨など幅広い災害やBCP対策にも使われます。災害発生時の短期需要と、平時の防災・事業継続需要の両方を持つ点が特徴です。

道路・橋・地盤の復旧では土木関連株が注目される

道路・橋・地盤の復旧

救命・応急対応の後は、道路、橋梁、斜面、地盤などの被害調査と復旧が進みます。液状化や地すべり、法面崩壊、橋梁損傷が発生した場合、一般的なゼネコンだけでなく、地盤改良や補修・補強を専門とする企業の技術が必要になります。

不動テトラ(1813)

不動テトラ(1813)は、土木、地盤改良、ブロック環境などを手掛ける企業で、地震関連では地盤改良の専門性が注目されます。液状化対策や軟弱地盤の強化は、被災後の復旧だけでなく、港湾・道路・住宅地を地震に強くする事前防災にも使われます。

過去の震災でも復興関連株として市場の関心を集めた実績があり、「地震・液状化」というテーマと本業の距離が近い代表銘柄です。ただし、テーマ化すると受注発表より先に株価が動くことがあるため、国・自治体の発注や地盤改良事業の受注残高へ実際につながるかを確認したいところです。

ライト工業(1926)

ライト工業(1926)は、斜面・のり面対策、地盤改良、構造物補修など特殊土木を得意とします。地震では揺れによる直接被害だけでなく、地盤の緩みやその後の降雨による斜面崩壊リスクが高まることがあり、同社の技術領域と重なります。

同社は地山補強や地盤改良の多様な工法を保有しており、復旧工事と事前防災の両方に関係する点が強みです。災害発生後だけでなく、道路・鉄道沿線の斜面防災や国土強靱化投資も中長期の需要要因になります。

ショーボンドホールディングス(1414)

ショーボンドホールディングス(1414)は、橋梁・トンネルなど社会インフラの補修・補強を専門とする企業です。地震後は橋梁や高架の点検が行われ、損傷が確認されれば補修、支承交換、落橋防止、耐震補強などが必要になります。

同社の大きな特徴は、新設建設ではなく「既存インフラを直す」ことが主力である点です。日本では老朽橋梁・トンネルの更新需要も大きく、震災復旧だけに依存せず、平時のインフラメンテナンス需要も取り込めるため、中長期の関連銘柄として比較しやすい会社です。

五洋建設(1893)

五洋建設(1893)は港湾・海洋土木に強いゼネコンです。沿岸部で津波や地震により防波堤、岸壁、港湾設備が被災した場合、海上土木の施工能力が必要になります。

東日本大震災後には、巨大津波で被災した八戸港の北防波堤災害復旧工事で、倒壊したケーソンの撤去・再設置などを担当しました。港湾被害が大きい災害では、過去の災害復旧実績を持つ企業として候補になりやすい一方、内陸地震では港湾需要が限定されるため、被害地域との適合性を見る必要があります。

水道・電力・通信などライフライン復旧にも需要が発生する

水道・電力・通信などライフライン復旧

地震後の生活再建では、道路だけでなく水道、電力、通信の復旧が欠かせません。ライフラインは応急復旧から恒久復旧、耐震化まで工事が続くため、復旧と国土強靱化の両方にまたがる分野です。

ミライト・ワン(1417)

ミライト・ワン(1417)は、通信インフラの設計・施工・保守を手掛ける企業です。携帯電話基地局や固定通信網などは災害時の情報伝達に不可欠で、被災設備の復旧や仮設通信環境の整備が必要になります。

通信インフラは災害時の救助・行政・避難生活を支える基盤でもあります。復旧需要だけでなく、通信網の冗長化や耐災害性向上といった長期投資にもつながる点が注目材料です。

前澤ホールディングス(575A)

前澤ホールディングス(575A)は、2026年6月に発足した上場持株会社で、傘下の前澤工業などが上下水道関連事業を展開しています。前澤工業は水道用バルブや水処理設備などを扱っており、水道管・施設の復旧や耐震化と関係します。

大地震では断水が長期化することがあり、応急復旧後にも配水施設や上下水道設備の更新が必要です。第1次国土強靱化実施中期計画でも上下水道施設の維持管理・更新が重点施策に含まれており、災害がない時期もインフラ更新需要を期待しやすい分野です。なお、旧・前澤工業(6489)は持株会社化に伴い上場を終了しているため、現在の上場銘柄は前澤ホールディングス(575A)です。

本格復興ではゼネコン・セメント需要が増える可能性

本格復興

被害調査が進み、復旧計画と予算が決まると、道路・公共施設・住宅・工場などの再建が本格化します。ここでは施工能力の大きいゼネコンや、コンクリートの基礎資材となるセメント企業が関係します。ただし、大企業ほど単一災害の業績寄与率は小さくなりやすい点も忘れないようにしましょう。

大成建設(1801)

大成建設(1801)は、建築・土木の大手ゼネコンとして道路、橋梁、公共施設、都市インフラなど幅広い復旧工事に対応できます。東日本大震災でも高速道路などの緊急復旧や多数の建物被害診断に取り組むなど、災害対応実績があります。

復興需要の受け皿になり得る一方、売上規模が大きく案件も全国・海外に分散しています。したがって、「地震が起きたから大成建設(1801)の利益が急増する」と単純化するのは難しい銘柄です。大型復旧工事の受注や公共投資の増加が継続するかを見たいところです。

太平洋セメント(5233)

太平洋セメント(5233)は国内セメント大手です。道路、橋梁、港湾、建物などの再建が本格化すると、コンクリートの原料となるセメント需要が必要になります。復興が長期化するほど、資材供給の重要性が高まります。

ただし、セメント会社自身の工場や物流拠点が被災するリスクもあります。東日本大震災では同社の大船渡工場が被災した一方、その後は復旧・災害廃棄物処理にも関与しました。需要増と自社設備被害の両面がある業種なので、被災地域と生産拠点の位置関係を確認する必要があります。

仮設住宅・仮設施設関連にも復旧需要が発生する

仮設住宅・仮設施設関連

住宅被害が大きい場合、恒久住宅が完成するまでの間に応急仮設住宅が必要になります。また、庁舎、診療所、店舗、事務所、倉庫などの機能を早く戻すため、ユニットハウスやモジュール建築が使われます。ここは過去の災害供給実績を確認しやすく、テーマとの関連性を判断しやすい分野です。

三協フロンテア(9639)

三協フロンテア(9639)は、ユニットハウスの製造・販売・レンタルを手掛けています。公式情報によると、東日本大震災では岩手県・宮城県・福島県・千葉県に約2,000戸、2016年熊本地震では365戸の応急仮設住宅を供給しました

この実績は、単に「仮設住宅関連」と分類されているだけでなく、大規模震災で実際に供給能力を発揮したことを示す材料です。住宅のほか、復旧拠点や事務所などにもユニットハウスを活用できるため、被害が広範囲で仮設需要が大きい場合には注目度が高まりやすい銘柄です。

ナガワ(9663)

ナガワ(9663)は、ユニットハウスやモジュール建築を手掛ける企業です。2024年能登半島地震でも応急仮設住宅の建設に関わるなど、災害時の仮設建物需要との接点があります。

三協フロンテア(9639)と同じく、「被災後すぐに使える建物を供給する」という役割が分かりやすいのが特徴です。投資候補として比較する場合は、生産能力、在庫・レンタル資産、地域拠点、通常時の建設需要なども見ておきたいところです。

地震後は防災・耐震関連株にも注目が集まりやすい

防災・耐震関連株

復旧が進むと、「次の地震にどう備えるか」という需要が強くなります。建物の火災・防災設備更新、地震被害想定、地盤調査、耐震化などは、発災直後の復旧とは違い中長期の防災投資として続きやすい分野です。

能美防災(6744)

能美防災(6744)は、自動火災報知設備、消火設備、防排煙設備など総合防災システムを展開しています。地震そのものを復旧する企業ではありませんが、大規模地震では火災が二次災害になり得るため、建物再建や既存施設の防災設備更新で需要が生じます。

災害直後の短期特需よりも、再建・改修や防災意識の高まりを中長期で取り込むタイプの関連株と考える方が適切です。設備工事や保守・更新の継続収益がある点も、復興だけに依存しない材料になります。

ホーチキ(6745)

ホーチキ(6745)も、火災報知設備や消火設備の製造、施工、保守を手掛ける防災関連企業です。公共施設やオフィス、商業施設、住宅などの再建・改修時には防災設備が必要になります。

能美防災(6744)と同様に、地震後すぐに売上が立つというより、建築再建や設備更新が進む段階で需要が表れやすい銘柄です。地震テーマだけでなく、建築着工や設備更新市場の動向も合わせて見ましょう。

応用地質(9755)

応用地質(9755)は、地盤調査、地震動評価、地震被害想定、津波予測などを手掛ける地質・防災分野の企業です。建設会社のように復旧工事を施工するのではなく、どこにどのようなリスクがあり、どの対策を優先すべきかを判断する上流工程を支えます。

国や自治体がハザード評価や防災計画、インフラ強靱化を進める際に需要が生まれやすいため、発災後だけでなく平時の国土強靱化にも関係します。復旧需要より「防災・減災の継続投資」を狙う候補として位置づけやすい銘柄です。

地震関連株の本命を選ぶポイント

地震関連銘柄は多いものの、テーマに名前が入っているだけで本命扱いするのは危険です。候補を絞る際は、復旧需要と本業の距離、実績、企業規模に対する受注インパクト、政策予算とのつながりを確認することが重要です。

復興需要が本業に直結しているか

まず見るべきなのは、地震後に必要になる仕事が主力事業そのものかどうかです。不動テトラ(1813)の地盤改良、ショーボンドホールディングス(1414)のインフラ補修、三協フロンテア(9639)のユニットハウスなどは、需要と本業の関係を説明しやすい例です。

一方、巨大企業の一部事業だけが防災に関係するケースでは、関連テーマとして株価が動いても業績全体への寄与は小さい可能性があります。「関連しているか」だけでなく「どれだけ本業なのか」を確認しましょう。

過去に災害復旧の受注・供給実績があるか

実績は、テーマの実在性を確認するうえで強い材料です。コマツ(6301)は熊本・能登で建機や発電機を支援し、五洋建設(1893)は東日本大震災後の港湾復旧工事、三協フロンテア(9639)は東日本・熊本で応急仮設住宅供給の実績があります。

過去の実績があれば今回も必ず受注するわけではありませんが、災害時に必要な設備・人員・ノウハウを持つことの裏付けになります。企業の公式サイトや受注実績で確認したいポイントです。

復興需要が企業規模に対して大きいか

同じ100億円の追加受注でも、売上高数千億円の企業と数兆円の企業ではインパクトが違います。大型ゼネコンや建機大手は施工・供給能力が大きい一方、一地域の復興需要が連結業績に占める比率は小さくなりやすい傾向があります。

逆に、専門土木、仮設建物、特定設備などの中堅企業では、関連需要が業績を押し上げる可能性が相対的に高くなります。ただし小型株ほど思惑で株価が大きく振れやすいため、業績への寄与と株価の織り込みを分けて考える必要があります。

国や自治体の復旧予算・受注につながるか

本格的な業績寄与を判断するには、被害額だけでなく「実際に発注される復旧事業」を見る必要があります。激甚災害指定、国・自治体の補正予算、道路・河川・上下水道・公共施設の復旧計画、企業の受注発表などが具体化すると、テーマが実需へ近づきます。

特に公共工事系の企業は、予算措置→入札・契約→工事進捗→売上計上という流れになるため、地震発生から業績反映まで時間差があります。株価だけ先に上がっている場合は、受注が追いつくかを確認しましょう。

短期の思惑買いではなく業績拡大につながるか

地震発生直後は、SNSやテーマ株ランキングをきっかけに短期資金が流入することがあります。しかし、材料が「関連しそう」という連想だけなら、数日で物色が終わることもあります。

中長期で候補にするなら、災害がなくてもインフラ老朽化、防災投資、建設需要などで利益を伸ばせる会社かを見ることが重要です。ショーボンドホールディングス(1414)や応用地質(9755)などは、復興だけでなく平時のインフラ・防災投資と接点を持つ例です。

過去の大地震ではどんな復興関連株が買われた?

過去の震災を見ると、地震後に注目される業種には共通点があります。ここでは日経平均の下落幅など市場全体の検証ではなく、どの復旧ニーズから関連株が意識されたのかに絞って整理します。

東日本大震災では建設・仮設住宅・非常用電源関連が注目

2011年の東日本大震災では、被害が極めて広範囲だったため、建設・土木、地盤改良、仮設住宅、発電機、港湾復旧など幅広い関連株が意識されました。不動テトラ(1813)は震災後に復興関連株の一角として強い動きを見せたと当時の市場記事で報じられています。

実需の例では、三協フロンテア(9639)が約2,000戸の応急仮設住宅を供給し、五洋建設(1893)は津波で被災した八戸港防波堤の復旧工事を担当しました。被害が大きく長期化すると、初動資機材から本格土木・建築まで需要が段階的に広がることが分かります。

2016年熊本地震では復旧・仮設住宅関連が注目

2016年熊本地震では、建物被害に加えて道路・橋梁・斜面・ライフラインにも大きな影響が出ました。

建機・特殊土木・仮設住宅などが復旧に必要となり、コマツ(6301)は建機・発電機・プレハブを無償貸与、三協フロンテア(9639)は365戸の応急仮設住宅を供給しました。

今回の令和8年熊本地震を考える際にも、同じ地域で過去にどの企業・製品が使われたかは有力な比較材料です。ただし被害地点や規模は毎回異なるため、2016年と同じ需要がそのまま再現されるとは限りません。

2024年能登半島地震では地盤・建設関連が物色

2024年能登半島地震では、発災後の株式市場で不動テトラ(1813)など地盤・土木関連への物色が意識されました。道路寸断や斜面被害、港湾・住宅被害が大きく、建機、土木、仮設住宅など幅広い復旧需要が必要になりました。

コマツ(6301)は建機・フォークリフト・発電機などの貸与を決定し、ナガワ(9663)も応急仮設住宅の建設に関わっています。市場での短期テーマ化と、実際の現場需要が同時に確認できる事例です。

過去事例から分かる「上がりやすい株」の共通点

過去の事例から見ると、地震後に注目されやすいのは「災害時に何を提供する会社かが一言で分かる銘柄」です。地盤改良、建機、発電機、仮設住宅、橋梁補修などは、復旧との因果関係を市場参加者が理解しやすいため、テーマ化しやすい傾向があります。

一方で、中長期に業績へつながりやすいのは、短期の連想だけでなく過去の災害対応実績、施工能力、自治体との連携、平時の需要まで持つ企業です。地震発生当日の株価反応だけで「本命」を決めないことが重要です。

地震関連株は災害がなくても国土強靱化が追い風になる

地震関連株を中長期で見るなら、災害発生時の一時的な復興需要だけでなく、国が平時から進める国土強靱化を外せません。第1次国土強靱化実施中期計画では、2026年度からの5年間で事業規模をおおむね20兆円強程度とする方針が示され、道路・上下水道・通信・エネルギーなど幅広い強靱化が対象です。

国土強靱化で防災・減災投資が続く

国土強靱化は、地震が起きた後に直すだけでなく、被害を小さくするために事前に整備する政策です。大規模地震対策、河川・道路の防災、避難環境、災害情報、地域防災力など多様な施策が含まれます。

このため、不動テトラ(1813)、ライト工業(1926)、応用地質(9755)などは、災害の有無にかかわらず事前防災やインフラ強化の継続投資が需要要因になり得ます。

老朽インフラ更新も関連企業の追い風

地震対策と同時に進むのが、道路、橋梁、トンネル、上下水道などの老朽化対策です。古いインフラは地震時の被害リスクが高く、点検、補修、更新、耐震化が必要になります。

ショーボンドホールディングス(1414)の橋梁・トンネル補修や、前澤ホールディングス(575A)傘下企業の上下水道関連はこのテーマと重なります。「震災復興」ではなく「維持更新」という平時の市場があることは、中長期投資では大きな違いです。

一時的な復興需要だけに依存しない企業にも注目

地震関連株で中長期の候補を探すなら、「次の大地震が来なければ業績が伸びない会社」ではなく、普段から受注機会がある企業の方が考えやすくなります。インフラ更新、都市再開発、公共工事、設備保守、地質調査など、通常時の需要が土台にある企業です。

地震はあくまでテーマへの注目を高めるきっかけであり、企業価値を支えるのは平時も続く事業競争力と利益成長です。復興関連というラベルだけでなく、決算や受注残高まで確認しましょう。

地震が起きても関連株が必ず上がるわけではない

地震関連株には復旧需要というプラス材料がある一方、大地震は日本経済や企業活動そのものへ大きな損失を与えます。復興需要だけを見て買い判断をすると、全体相場の急落や個別企業の被災リスクを見落とす可能性があります。

大地震では日本株全体が急落することもある

被害規模が大きい地震では、投資家がリスクを避けるため日本株全体を売ることがあります。復興関連株であっても、市場全体の下落に巻き込まれる可能性があります。

特に発災直後は被害額や企業への影響が分からず、情報が短時間で更新されます。「復興需要があるから市場下落とは無関係」とは考えず、指数・為替・海外市場も含めて落ち着いて確認することが重要です。

被災地域に工場を持つ企業は逆に悪影響を受ける

地震は、復旧関連企業に需要を生む一方、被災地域に工場、物流拠点、店舗を持つ企業にはマイナスです。令和8年熊本地震では、Reutersが本田技研工業(7267)、ルネサスエレクトロニクス(6723)、ソニーグループ(6758)、アイシン(7259)など複数企業で操業停止や生産調整が生じたと報じています。

熊本・九州は半導体や自動車関連の生産拠点が多いため、サプライチェーンへの影響が復興株の上昇要因を上回る可能性もあります。地震の経済影響は「上がる株」と「下がる株」の両面から見る必要があります。

復興関連株は思惑だけで急騰する場合がある

地震のニュースが出ると、実際の受注が決まる前から関連銘柄へ資金が集まることがあります。小型株では出来高が急増し、短期間で株価が大きく上昇するケースもあります。

しかし、復旧予算や受注が実際には限定的だった場合、材料が薄れると株価が元の水準へ戻ることがあります。「テーマとの関連」と「利益が増える確度」を分けて考えることが重要です。

急騰後の高値づかみに注意する

関連株がすでに急騰している場合、良い材料があっても期待が株価へ織り込まれている可能性があります。特にストップ高や出来高急増の後は、短期資金の利益確定で値動きが荒くなりやすい点に注意が必要です。

候補を選ぶ際は、災害前からの株価推移、出来高、決算、PER・PBR、受注残高なども合わせて確認し、「良い会社・良いテーマ」と「今の株価で買いやすいか」は別問題として判断するのが基本です。

まとめ

地震後に注目されやすい株は、復旧フェーズによって異なります。発災直後はコマツ(6301)、日立建機(6305)、ニシオホールディングス(9699)、デンヨー(6517)などの建機・資機材・非常用電源、復旧段階では不動テトラ(1813)、ライト工業(1926)、ショーボンドホールディングス(1414)などの専門土木・補修企業が候補になります。

本格復興では大成建設(1801)や太平洋セメント(5233)、三協フロンテア(9639)、ナガワ(9663)などに需要が広がり、長期では応用地質(9755)、能美防災(6744)、ホーチキ(6745)など防災・減災関連も意識されます。

ただし、地震関連株なら必ず上がるわけではありません。復旧需要が本業に直結するか、過去の災害実績があるか、企業規模に対して受注インパクトが大きいか、平時の国土強靱化・インフラ更新需要もあるかを比較し、短期の思惑と中長期の実需を分けて考えることが重要です。

出典

熊本地方気象台|熊本県熊本地方の地震と津波について(第1号)

https://www.data.jma.go.jp/kumamoto/shosai/kakusyusiryou/20260728_r8kumamoto_no1.pdf

国土交通省 九州地方整備局|令和8年熊本地震の対応状況

https://www.qsr.mlit.go.jp/bousai_joho/r80728kumamotozisinn.html

Reuters|Strong quake hits Japan’s production hub, disrupts business operations

https://www.reuters.com/business/retail-consumer/strong-quake-hits-japans-production-hub-disrupts-business-operations-2026-07-29

株探|「復興関連」が12位にランクイン、令和8年熊本地震発生で関心

https://kabutan.jp/news/marketnews/?b=n202607310747

コマツ|令和6年能登半島地震に対する支援について

https://www.komatsu.jp/ja/newsroom/2024/20240108

コマツ|2016年熊本地震の被災者への支援

https://www.komatsu.jp/en/newsroom/2016/20160418

日立建機日本|地域・災害への取り組み

https://www.hitachicm.com/jp/ja/sustainability/community

西尾レントオール|災害時等におけるレンタル資機材の提供に関する協定

https://www.nishio-rent.co.jp/news/?id=509&m=Detail

デンヨー|製品情報 DCA-100SGC-H

https://www.denyo.co.jp/products/dca-100sgc-h

不動テトラ|地盤改良事業・液状化対策関連技術

https://www.fudotetra.co.jp/solution/soil

ライト工業|斜面・のり面対策/地山補強土

https://www.raito.co.jp/project/doboku/method/norimen/jiyama/radish

ショーボンドホールディングス|道路(橋梁・トンネル)

https://www.sho-bondhd.jp/business/road

五洋建設|八戸港八太郎地区北防波堤災害復旧工事

https://www.penta-ocean.co.jp/business/project/pj_story/2012/10.html

ミライト・ワン|通信インフラを創り守る

https://www.mirait-one.com/special/group-business/communication-infrastructure

前澤ホールディングス|株式情報

https://maezawa-hd.co.jp/ir/information

大成建設|東日本大震災への対応(アーカイブ)

https://www.taisei.co.jp/about_us/wn/2011/110404_3723.html

太平洋セメント|東日本大震災関連情報(アーカイブ)

https://www.taiheiyo-cement.co.jp/news/attention.html

三協フロンテア|社会との関わり・災害復興支援

https://www.sankyofrontier.com/corporate/csr/society.html

ナガワ|復興支援

https://group.nagawa.co.jp/business/reconstruction.html

能美防災|事業紹介・防災システム

https://www.nohmi.co.jp/about_nohmi/006.html

ホーチキ|防災事業

https://www.hochiki.co.jp/whats/jigyou/bousai

応用地質|地震・津波防災

https://www.oyo.co.jp/services/solution/disaster-prevention-and-infrastructure/earthquake-tsunami

内閣官房|第1次国土強靱化実施中期計画

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kokudo_kyoujinka/dai1_chuukikeikaku/index.html

内閣官房|国土強靱化年次計画2026

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kokudo_kyoujinka/nenji_keikaku/2026

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