IHI株はなぜ下がるのか?下落理由と今後注意したいポイントを徹底解説

IHI株が大きく下がっているのを見ると、「決算が悪かったのかな?」「このまま持っていて大丈夫かな?」「下落時に買ってもいいのかな?」と不安になる人も多いと思います。

特にIHIは、防衛・航空宇宙・民間エンジン・原子力などのテーマ性で注目されてきた銘柄です。そのため、株価が高値圏から大きく調整すると、業績に問題があるのか、それとも期待先行の反動なのかを冷静に見極める必要があります。

実際、IHIは2026年5月8日に発表した決算で、2026年3月期の業績は良好でした。2027年3月期も営業利益の増益を見込んでいます。それでも株価が下落した背景には、好決算の織り込み、決算後の利益確定売り、受注高や営業キャッシュフローへの見方、信用需給の重さなどが影響した可能性があります。

この記事では、IHI株が最近下がっている理由、決算後も売られた背景、決算内容の見方、下落時に買うべきかどうか、今後確認したいポイントをわかりやすく整理します。


目次

IHI株が最近下がっているのはなぜ?まずは直近の状況を確認

IHI株が最近下がっている理由を考えるうえでは、まず株価の位置を確認する必要があります。

IHI株は2026年2月10日に4,698円の年初来高値を付けましたが、2026年5月11日の終値は2,870円でした。高値から見ると、下落率は約38.9%です。つまり、短期間でかなり大きく調整した状態です。

2月高値から約4割下落

IHI株は、2026年2月10日に4,698円まで上昇しました。

この時期は、防衛関連株や航空・宇宙関連株への期待が強く、IHIも大きく買われていました。しかし、その後は下落基調となり、5月11日の終値2,870円まで下げています。

項目株価
2026年2月10日高値4,698円
2026年5月11日終値2,870円
高値からの下落率約38.9%

ここまで下がると、「業績が悪化したのでは」と不安になる人も多いはずです。

ただし、今回のIHIの場合、決算内容そのものは弱いとは言いにくいです。むしろ、株価が先に大きく上がりすぎていたことや、決算後の利益確定売りが下落を大きくした可能性があります。

5月8日の決算後も株価は下落

IHIは2026年5月8日に2026年3月期決算を発表しました。

決算発表当日の5月8日は、終値3,059円でした。しかし、翌営業日の5月11日は終値2,870円となり、前日比189円安、6.18%安で下落しています。出来高も5月8日は6,937万株、5月11日は4,242万株と大きく、決算前後で売買が膨らんでいました。

決算内容が悪くないにもかかわらず株価が下がった場合、市場では以下のような見方が出やすくなります。

  • 好決算はすでに株価に織り込まれていた
  • 決算発表をきっかけに利益確定売りが出た
  • 受注高やキャッシュフローの見通しに注意が向いた
  • 信用買い残の多さが売り圧力になった

つまり、決算後の下落は「決算が悪かったから」と単純に見るより、期待値と需給の問題として整理したほうが自然です。

短期的には決算後の利益確定売りも意識される

短期的には、決算後の利益確定売りも意識されます。

IHIの2026年3月期決算では、売上収益や営業利益が過去最高となり、2027年3月期も営業利益2,400億円を見込む強い見通しが出ています。

それでも株価が下がったのは、決算発表前から好業績期待が織り込まれていた可能性があるためです。

株価は、決算の良し悪しだけではなく、事前期待との差で動きます。好決算でも、投資家がすでにそれ以上の期待を株価に織り込んでいれば、発表後に材料出尽くしで売られることがあります。


決算発表後もIHI株が下落した理由

決算発表後もIHI株が下落した理由

IHI株が決算後も下落した理由は、決算内容そのものが悪かったからではありません。

むしろ、2026年3月期実績は強く、2027年3月期見通しも増益予想です。それでも売られたのは、好決算の織り込み済み感、受注高の減少予想、キャッシュフローの見通し、信用需給の重さなどが意識されたためと考えられます。

2026年3月期決算は過去最高益で着地

IHIの2026年3月期決算は、過去最高水準の強い内容でした。

会社資料では、2025年度、つまり2026年3月期について、売上収益は1兆6,434億円、営業利益は1,655億円とされており、売上収益と営業利益が過去最高を達成したと説明されています。

業績だけを見ると、決して悪い決算ではありません。

むしろ、航空・宇宙・防衛を中心に収益性が改善しており、IHIの事業構造改革が進んでいることを示す内容でした。

2027年3月期も営業利益45%増予想

2027年3月期の見通しも、強い内容です。

IHIは2026年度見通しとして、売上収益1兆8,300億円、営業利益2,400億円、親会社所有者帰属当期利益1,650億円を示しています。営業利益は2025年度の1,655億円から大きく増える見通しです。

つまり、会社計画だけを見ると、2027年3月期も成長が続く見通しです。

それにもかかわらず株価が下がったのは、投資家が「決算内容が良いか」だけではなく、「その好材料がすでに株価に織り込まれているか」を見ていたためだと考えられます。

それでも好決算は織り込み済みと見られた可能性

IHI株は、2月に4,698円まで上昇していました。そこから大きく調整していたとはいえ、防衛・航空宇宙関連としての期待は依然として高かったと考えられます。

高い期待を受けていた銘柄では、好決算でも株価が下がることがあります。

特にIHIのように、防衛、航空、宇宙、原子力といったテーマ性を持つ銘柄は、将来成長への期待が先に株価へ織り込まれやすいです。そのため、決算が強くても「想定内」と見られれば、発表後に利益確定売りが出やすくなります。

受注高は2026年度に減少予想

決算後に注意された可能性があるのが、受注高の見通しです。

IHIの決算説明資料では、2025年度の受注高は1兆9,547億円でしたが、2026年度見通しでは1兆7,600億円とされています。売上収益や営業利益は伸びる一方で、受注高は減少する見通しです。

もちろん、これは単純に悪いとは限りません。前年度に大型案件があった反動や、事業ごとの受注タイミングの影響もあります。

ただし、株式市場では「利益は強いが、受注は減る」という見え方になると、将来の成長持続性を慎重に見る投資家も出てきます。特に防衛・エネルギー・航空関連では、受注の積み上がりが中長期の売上につながるため、次回以降の決算でも確認したいポイントです。

営業キャッシュフローは利益ほど伸びない見通し

もう一つの注意点は、キャッシュフローです。

IHIの2026年度見通しでは、営業利益は2,400億円まで増える予想ですが、営業キャッシュフローは1,000億円の見通しです。2025年度の営業キャッシュフロー1,213億円からは減少する予想となっています。

これは、成長投資や運転資本、エンジン関連支出などの影響があるためです。

利益が大きく伸びても、キャッシュフローが同じように伸びない場合、投資家は「稼いだ利益がどれだけ現金として残るか」を確認したくなります。

そのため、IHI株を見るときは、営業利益だけでなく、営業キャッシュフローやフリーキャッシュフローもセットで見る必要があります。

信用需給・大口売却への警戒も残る

IHI株の下落では、需給面も無視できません。

2026年5月1日時点のIHIの信用買残は2,242万5,600株、信用倍率は36.71倍と表示されています。信用買い残が多い銘柄は、株価が下がると損切りや追証回避の売りが出やすくなります。

また、IHIは防衛関連株として個人投資家からも注目されやすく、短期資金が入りやすい銘柄です。

好決算でも株価が下がった場合、業績だけでなく、信用需給や大口投資家の売買も確認する必要があります。需給が悪化している局面では、業績が強くても短期的に上値が重くなることがあります。


IHI株が下落しやすかった背景

IHI株が下落しやすかった背景には、個別決算だけでなく、防衛関連株全体の調整や、高値圏まで買われた反動があります。

IHIは、航空・宇宙・防衛、民間エンジン、原子力など複数の成長テーマを持つ銘柄です。その分、期待が高まりやすく、株価も先回りして上昇しやすい特徴があります。

防衛関連株全体の調整

IHIは、防衛関連株として見られることが多い銘柄です。

日本の防衛費増額、地政学リスク、航空・宇宙関連の需要拡大などを背景に、防衛関連株は個人投資家からも注目されてきました。IHIも、三菱重工業や川崎重工業と並んで防衛関連の代表銘柄として見られやすいです。

ただし、防衛関連株はテーマ性が強い分、地合いが悪化したり、利益確定売りが出たりすると、関連銘柄全体で調整しやすくなります。

IHI個別の決算が強くても、防衛関連株全体の過熱感が冷める局面では、株価が下がりやすくなります。

高値圏まで買われた反動

IHI株は、2月10日に4,698円まで上昇しました。

これは年初来高値であり、当時は防衛・航空宇宙関連としての期待がかなり高まっていたと考えられます。そこから5月11日の終値2,870円まで下げたため、高値から約4割の調整となっています。

高値圏まで買われた銘柄は、少しでも期待に届かない材料が出ると売られやすくなります。

今回のIHIも、決算そのものは強い内容でしたが、株価が先に期待を織り込んでいたため、発表後に材料出尽くしと見られた可能性があります。

PER・PBR面の期待先行感

IHI株は、2月の高値圏ではかなり期待先行で買われていました。

時系列では、2026年5月8日時点のPERは25.94倍、PBRは5.75倍と表示されています。一方、5月11日時点では株価下落によりPER18.44倍、PBR4.66倍まで低下しています。

IHIのような大型機械株としては、PBRが高めに見られやすい水準です。

もちろん、成長性が高ければ一定のプレミアムは正当化されます。ただし、株価が高いバリュエーションまで買われている局面では、好決算でも「もう織り込み済み」と判断されることがあります。

信用買い残が重い

信用買い残の多さも、IHI株が下落しやすかった背景です。

2026年5月1日時点で、IHIの信用買残は2,242万5,600株、信用倍率は36.71倍と表示されています。

信用買い残が多い銘柄は、株価が上がっているときは買いの勢いが強く見えます。しかし、株価が下がり始めると、含み損を抱えた投資家の売りが出やすくなります。

特に決算後に株価が下がった場合、短期資金の損切りが重なり、下落が大きくなることがあります。

IHI株を今後見るときは、業績だけでなく、信用買い残が減っているか、出来高を伴って反転しているかも確認したいです。

IHIの決算は悪かったのか?

IHIの決算は、数字だけを見ると悪い決算ではありません。むしろ、2026年3月期実績は売上収益・営業利益ともに強く、2027年3月期見通しも大幅増益予想です。

ただし、株価が決算後に下落したことを考えると、投資家は「決算が良かったか悪かったか」だけでなく、好材料がすでに織り込まれていたか、受注高やキャッシュフローの見通しに不安がないかを見ていた可能性があります。

2026年3月期実績は良好

IHIの2026年3月期実績は、良好な内容でした。

決算説明資料では、2025年度、つまり2026年3月期の売上収益は1兆6,434億円、営業利益は1,655億円、親会社所有者帰属当期利益は1,609億円とされています。営業利益率も10.1%まで改善しており、過去数年の中でも収益性が高まっています。

特に、航空・宇宙・防衛分野の収益改善が目立ち、IHIの構造改革や事業ポートフォリオの改善が数字に表れてきた決算といえます。

そのため、今回の決算を単純に「悪い決算だったから株価が下がった」と見るのは適切ではありません。

2027年3月期見通しも強い

2027年3月期、つまり2026年度の会社見通しも強い内容です。

IHIは2026年度見通しとして、売上収益1兆8,300億円、営業利益2,400億円、親会社所有者帰属当期利益1,650億円を示しています。営業利益は2025年度の1,655億円から大きく増える予想で、営業利益率も13.1%まで改善する見通しです。

表で整理すると、以下のようになります。

項目2025年度実績2026年度見通し
売上収益1兆6,434億円1兆8,300億円
営業利益1,655億円2,400億円
親会社所有者帰属当期利益1,609億円1,650億円
営業利益率10.1%13.1%
配当20.00円23.00円

この見通しだけを見れば、IHIの業績は引き続き成長方向です。にもかかわらず株価が下がったのは、市場がすでに強い決算を織り込んでいた可能性があります。

ただし受注高とキャッシュフローには注意

一方で、注意したいのが受注高とキャッシュフローです。

IHIの受注高は、2025年度実績で1兆9,547億円でしたが、2026年度見通しでは1兆7,600億円とされています。売上収益や営業利益は伸びる見通しですが、受注高は前年度から減少する計画です。

また、営業キャッシュフローも確認したいポイントです。2025年度の営業キャッシュフローは1,213億円でしたが、2026年度見通しは1,000億円です。営業利益は大きく伸びる見通しである一方、営業キャッシュフローは利益ほど伸びない予想になっています。

つまり、IHIの決算は利益面では強いものの、投資家目線では次の点を確認したくなる内容です。

確認ポイント見る理由
受注高将来の売上成長につながるか
営業CF利益が現金収入に結びついているか
FCF成長投資・配当・財務改善の余力を見る
設備投資成長投資が先行しすぎていないか

好決算でも、受注やキャッシュフローに注意点があると、短期的には株価の重荷になることがあります。

株価は決算の良し悪しより期待との差で動く

株価は、決算の良し悪しだけで動くわけではありません。

IHIの決算内容は良好でしたが、株価は5月8日の終値3,059円から、翌営業日の5月11日に2,870円まで下落しました。5月11日の下落率は前営業日比6.18%安です。

このように、好決算でも株価が下がることがあります。理由は、投資家がすでに好業績を織り込んでいたり、決算発表をきっかけに利益確定売りが出たりするためです。

IHI株の場合も、決算そのものが悪かったというより、好決算が想定内と見られたこと、受注高やキャッシュフローの見通しに注意が向いたこと、需給面の重さが残っていたことが下落につながった可能性があります。


IHI株は下落時に買い?売るべき?

IHI株が大きく下落すると、「押し目買いしてよいのか」「まだ下がるなら売るべきか」と迷う人も多いと思います。

結論としては、業績面だけを見れば押し目候補になり得るが、短期的には需給悪化やチャートの崩れに注意が必要です。

好決算後の利益確定売りであれば、下落は一時的な調整にとどまる可能性があります。一方で、信用買い残の重さや受注高・キャッシュフローへの不安が続く場合は、株価の上値が重くなる可能性もあります。

好決算後の利益確定なら押し目候補

今回の下落が、好決算後の利益確定売りであれば、IHI株は押し目候補になります。

IHIは2026年度に売上収益1兆8,300億円、営業利益2,400億円を見込んでいます。営業利益率も13.1%へ改善する見通しで、業績の方向性は悪くありません。

特に、民間エンジン、防衛、原子力などの成長領域が引き続き伸びるなら、中長期の投資対象として評価できる余地があります。

ただし、株価が下がったからすぐ買うのではなく、下落理由が「一時的な利益確定」なのか、「業績見通しへの不安」なのかを分けて判断することが大切です。

需給悪化が続くなら慎重に見る

短期的には、需給悪化に注意が必要です。

IHIは個人投資家にも人気が高い銘柄で、防衛関連株として短期資金が入りやすい特徴があります。信用買い残が多い状態で株価が下がると、損切りや追証回避の売りが出やすくなります。

信用残データでは、2026年4月24日時点の信用買残は2,161万9,300株、信用倍率は28.44倍と高い水準でした。信用買い残が積み上がっている銘柄は、下落局面で売り圧力が強まりやすい点に注意が必要です。

そのため、短期で買う場合は、需給が落ち着いてからでも遅くありません。

営業CFと受注の進捗を確認する

IHI株を中長期で見るなら、営業利益だけでなく、営業キャッシュフローと受注高の進捗を確認しましょう。

2026年度見通しでは、営業利益は2,400億円まで増える一方、営業キャッシュフローは1,000億円、フリーキャッシュフローは750億円の見通しです。利益は伸びる計画ですが、キャッシュフローは2025年度実績から減少する予想になっています。

また、受注高も2025年度の1兆9,547億円から、2026年度見通しでは1兆7,600億円へ減少する計画です。

見るべきポイントは以下です。

  • 2026年度の受注高が会社計画を上回るか
  • 民間エンジン・防衛の受注が伸びているか
  • 営業CF1,000億円を達成できるか
  • 設備投資や研究開発費が想定内に収まるか
  • FCFがプラスを維持できるか

IHIは利益成長が期待できる一方で、成長投資も必要な企業です。利益とキャッシュフローの両方を見ることが重要です。

短期ならチャート反転を待つ

短期売買でIHI株を狙うなら、チャートの反転を待つのが無難です。

5月11日時点の終値は2,870円で、5月8日終値3,059円から下落しました。出来高も決算前後で大きく膨らんでおり、短期資金の売買が集中していたと見られます。

短期では、以下のような反転サインを確認したいです。

  • 急落後に下げ止まる
  • 出来高を伴って陽線が出る
  • 25日移動平均線を回復する
  • 直近安値を割らずに反発する
  • 信用買い残が減少する

業績が良くても、チャートが崩れている間は売りが続くことがあります。短期では、決算内容よりも需給とチャートの形を重視したほうがよい場面もあります。

中長期なら航空・防衛・原子力の成長を見る

中長期で見るなら、IHIの成長領域を確認したいです。

特に注目したいのは、民間向け航空エンジン、防衛、原子力です。IHIは2026年度から、民間向け航空エンジン・防衛・原子力といった成長事業を主な対象に、キャパシティ拡充に向けた投資を進める方針を示しています。

中長期で評価するなら、短期的な株価下落だけでなく、以下を確認したいです。

成長テーマ確認ポイント
民間エンジン航空需要回復とアフターマーケット収益
防衛防衛予算増加と受注の積み上がり
原子力再稼働・新規案件・関連投資
宇宙将来の育成事業としての進捗
財務成長投資とキャッシュフローのバランス

IHI株は、短期では需給に左右されやすい一方で、中長期では航空・防衛・原子力の成長が評価されるかが重要になります。


IHI株を見るうえで今後確認したいポイント

IHI株を今後見るうえでは、決算後の株価反応だけでなく、2026年度予想に対する進捗を確認することが大切です。

特に、営業利益2,400億円、営業CF1,000億円、受注高1兆7,600億円という会社見通しに対して、四半期ごとにどの程度進んでいるかを見ていく必要があります。

2026年度予想に対する進捗率

まず確認したいのは、2026年度予想に対する進捗率です。

IHIの2026年度見通しは、売上収益1兆8,300億円、営業利益2,400億円、親会社所有者帰属当期利益1,650億円です。営業利益率は13.1%を見込んでいます。

次回以降の決算では、売上収益と営業利益がこの計画に対して順調に進んでいるかを確認しましょう。

もし営業利益の進捗が強ければ、決算後の下落は一時的な失望売りだったと見られる可能性があります。一方で、進捗が弱い場合は、好決算後の期待剥落が続く可能性もあります。

民間エンジン・防衛の成長

IHIの成長を見るうえで重要なのが、民間エンジンと防衛です。

民間エンジンは、航空需要の回復やアフターマーケット収益の拡大がポイントです。防衛は、日本の防衛費増額や安全保障関連需要の拡大によって、受注・売上の成長が期待されます。

IHIは、2026年度から民間向け航空エンジン・防衛・原子力を中心に、キャパシティ拡充へ向けた投資を計画的に実行する方針を示しています。

株価が再評価されるには、これらの成長領域が実際の受注・売上・利益に結びつくことが重要です。

受注高の減少が一時的か

2026年度見通しでは、受注高が1兆7,600億円とされています。

2025年度実績の1兆9,547億円からは減少する見通しです。売上や利益が伸びる一方で受注高が減るため、投資家は「成長が続くのか」を確認したくなります。

受注高の減少が一時的な大型案件の反動であれば、過度に心配する必要はないかもしれません。一方で、民間エンジンや防衛でも受注が鈍るようなら、中長期の成長期待に影響します。

次回決算では、受注高の内訳を確認し、どの事業で増減しているのかを見ることが大切です。

営業CF1,000億円を達成できるか

営業キャッシュフローも重要です。

IHIの2026年度見通しでは、営業CFは1,000億円です。2025年度実績の1,213億円からは減少する見通しですが、成長投資や運転資本の増加を考えると、キャッシュ創出力を確認するうえで重要な数字です。

営業利益が伸びていても、営業CFが弱い場合は、投資家が慎重に見る可能性があります。

特にIHIは、民間エンジンや防衛、原子力などで成長投資が必要な局面です。利益成長とキャッシュフローのバランスを確認することが、中長期の投資判断では欠かせません。

信用需給と大口投資家の売買

最後に、信用需給と大口投資家の売買も確認したいです。

IHIは防衛関連株として個人投資家の注目度が高く、信用買い残が積み上がりやすい銘柄です。信用倍率が高い状態では、株価が下がったときに売りが出やすくなります。

また、大口投資家の売買や機関投資家の利益確定も、株価に影響する可能性があります。

今後は、以下を確認するとよいです。

  • 信用買い残が減っているか
  • 出来高を伴って反発しているか
  • 25日線や75日線を回復できるか
  • 大口の売りが一巡しているか
  • 防衛関連株全体の地合いが改善しているか

IHI株は業績面では強さがありますが、短期的には需給に左右されやすい状態です。株価の反転を確認するには、決算進捗だけでなく、信用需給とチャートもあわせて見ることが大切です。

IHI株の下落に関するよくある質問

IHI株はなぜ下がっているのですか?

IHI株が下がっている主な理由は、2月高値まで大きく買われた反動、決算後の利益確定売り、信用需給の重さ、受注高やキャッシュフローへの慎重な見方が重なったためと考えられます。

2026年3月期決算は良好でしたが、株価は決算内容だけでなく、事前期待との差や需給でも動きます。実際にIHI株は、2026年5月8日の終値3,059円から、5月11日は2,870円へ下落しました。

IHIの決算は悪かったのですか?

IHIの決算は、悪い内容ではありません。

2026年3月期は、売上収益1兆6,434億円、営業利益1,655億円、親会社の所有者に帰属する当期利益1,609億円となり、営業利益は前年度から増加しました。

また、2027年3月期も売上収益1兆8,300億円、営業利益2,400億円を見込んでいます。数字だけを見ると、業績は強い内容です。

IHIは好決算なのになぜ下がったのですか?

好決算でも、株価が下がることはあります。

IHIの場合、決算前から航空・防衛・原子力などの成長期待が高く、好業績がすでに株価に織り込まれていた可能性があります。また、2026年度見通しでは営業利益が伸びる一方で、受注高は2025年度実績1兆9,547億円から1兆7,600億円へ減少する見通しです。

そのため、市場は「決算が良いか悪いか」だけでなく、今後も成長が続くか、受注やキャッシュフローが十分かを見ていたと考えられます。

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IHI株は下落時に買っても大丈夫ですか?

業績面だけを見ると、下落時の押し目候補になり得ます。

ただし、短期的には信用需給やチャートの崩れに注意が必要です。決算後に株価が大きく下げているため、すぐに買うよりも、出来高を伴って反転するか、25日線・75日線を回復できるか、信用買い残が落ち着くかを確認したいところです。

中長期で見る場合は、営業利益2,400億円予想に対する進捗、受注高、営業キャッシュフロー、民間エンジン・防衛・原子力の成長を確認しましょう。

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IHIの今後の注目点は何ですか?

今後の注目点は、2026年度予想に対する進捗です。

特に確認したいのは、以下のポイントです。

  • 営業利益2,400億円予想に対して順調に進んでいるか
  • 受注高1兆7,600億円見通しが保守的か
  • 営業キャッシュフロー1,000億円を達成できるか
  • 民間エンジン・防衛・原子力の成長が続くか
  • 信用需給や大口投資家の売りが落ち着くか

IHIは業績面では強さがありますが、株価は期待値と需給にも左右されます。決算後の下落を見るときは、業績・受注・キャッシュフロー・チャートをセットで確認することが大切です。

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まとめ

IHI株は、2026年2月の高値から大きく調整し、5月8日の決算発表後も下落しました。2026年5月11日の終値は2,870円で、5月8日終値3,059円から6.18%安となっています。

ただし、決算内容そのものは悪くありません。2026年3月期は売上収益1兆6,434億円、営業利益1,655億円、親会社所有者帰属当期利益1,609億円となり、2027年3月期も営業利益2,400億円を見込んでいます。

それでも株価が下がった背景には、以下の要因があると考えられます。

確認ポイント内容
好決算の織り込み決算前から期待が高かった可能性
利益確定売り決算発表をきっかけに短期資金が売った可能性
受注高2026年度見通しでは前年度比で減少予想
営業CF営業利益ほど伸びない見通し
信用需給信用買い残が多いと下落時に売りが出やすい
防衛関連株の調整テーマ株として地合いの影響を受けやすい

IHI株を下落時に買うか迷う場合は、株価が下がった事実だけで判断せず、2026年度予想に対する進捗、受注高、営業キャッシュフロー、民間エンジン・防衛・原子力の成長、信用需給の改善を確認することが重要です。

▼出典
2025年度(2026年3月期)決算説明資料(IFRS) – IHI
2026年3月期 決算概要 連結 – IHI
2025年度(2026年3月期)決算説明会「中長期の方向性」「経営概況」 – IHI
決算短信・決算説明資料 | IR資料室 – IHI
株主・投資家情報 – IHI
IHI【7013】:株価時系列・信用残時系列 – Yahoo!ファイナンス
IHI【7013】:株価・株式情報 – Yahoo!ファイナンス

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