ソフトバンク(9434)の決算はいつ?2027年3月期1Qの予想・注目点を解説

「ソフトバンクの次回決算はいつ?」「次回決算は良さそう?」と気になっている人も多いのではないでしょうか。

今回取り上げるのは、ソフトバンクグループではなく、証券コード9434のソフトバンク株式会社です。

国内の携帯通信を中心とする会社ですが、現在は通信の安定収益に加えて、法人向けDX、PayPayを中心とする金融事業、LINEヤフーのメディア・EC事業が業績を構成しています。

前期は売上高と純利益が過去最高となりました。ただし、企業結合に伴う再測定益や税効果などの一過性要因も含まれているため、表面上の利益だけで決算を判断するのは適切ではありません。

本記事では、ソフトバンク(9434)の次回決算の日程、2027年3月期の業績予想、市場コンセンサス、前回決算、決算で確認したい重要KPIを解説します。

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目次

ソフトバンク(9434)の次回決算はいつ?

項目内容
決算2027年3月期第1四半期
発表日2026年8月4日(火)
決算短信午後3時30分予定
決算説明会午後4時予定
投資家向け説明会午後6時予定
証券コード9434
決算期3月

ソフトバンク(9434)の次回決算は、2026年8月4日(火)に発表される予定です。

決算短信は午後3時30分、決算説明会は午後4時、投資家向け説明会は午後6時から予定されています。

今回発表されるのは、2026年4月から6月までを対象とする2027年3月期第1四半期決算です。

決算発表日と説明会の時間は、ソフトバンク株式会社の公式IRで公表されています。

決算発表後には、主に次の資料が公開される予定です。

  • 決算短信
  • 決算データシート
  • 決算説明会資料
  • 決算説明会の動画
  • 主な質疑応答

なお、投資会社であるソフトバンクグループ(9984)の決算発表日とは異なります。
Armやソフトバンク・ビジョン・ファンドを中心に確認したい場合はソフトバンクグループ(9984)、国内通信やPayPay、LINEヤフーを確認したい場合はソフトバンク(9434)の決算を見る必要があります。

決算発表後は、売上高や純利益だけでなく、次の項目を確認しましょう。

  • 営業利益
  • 調整後EBITDA
  • 一過性要因を除いた利益
  • セグメント別の営業利益
  • プライマリー・フリー・キャッシュ・フロー
  • 通期業績予想や配当予想の修正

ソフトバンク(9434)の次回決算予想

項目2027年3月期予想前期比
売上高7兆5,000億円6.6%増
調整後EBITDA1兆9,500億円7.2%増
営業利益1兆1,000億円5.5%増
親会社帰属純利益5,600億円1.7%増
年間配当8.8円0.2円増配
配当性向76.2%0.4ポイント上昇

ソフトバンクは2027年3月期について、売上高7兆5,000億円、調整後EBITDA1兆9,500億円、営業利益1兆1,000億円を予想しています。

親会社の所有者に帰属する純利益は、前期比1.7%増の5,600億円となる見通しです。

売上高、調整後EBITDA、営業利益、純利益のすべてで増加を見込んでおり、前期に続いて増収増益を計画しています。

2027年3月期も増収増益を予想

2027年3月期の売上高は、前期比6.6%増の7兆5,000億円を予想しています。

営業利益は5.5%増の1兆1,000億円、親会社帰属純利益は1.7%増の5,600億円となる計画です。

前期の親会社帰属純利益は5,508億円だったため、会社予想を達成すれば過去最高益を更新します。

ただし、営業利益の増加率が5.5%であるのに対して、純利益の伸び率は1.7%にとどまります。

ソフトバンクは既存事業の成長に加えて、AI計算基盤、AIデータセンター、GPUクラウド、AIサービスなどへの成長投資を積極化する方針です。

投資の拡大によって将来の成長が期待できる一方、研究開発費や設備費用が先行し、短期的な利益やキャッシュフローを圧迫する可能性があります。

次回決算では、次の2点を分けて確認する必要があります。

  • 通信、法人、金融など既存事業の利益成長
  • AI関連の成長投資による費用増加

また、ソフトバンクでは企業結合や事業再編に伴う一過性利益が計上されることがあります。

増収増益という結果だけでなく、一過性要因を除いた継続事業の利益が伸びているかを確認しましょう。

すべての報告セグメントで増益を計画

セグメント2027年3月期予想前期比
コンシューマ5,600億円1.7%増
エンタープライズ2,300億円19.5%増
ディストリビューション360億円2.1%増
メディア・EC2,640億円9.8%増
ファイナンス1,100億円27.5%増
その他・成長投資1,000億円の赤字赤字拡大
全社営業利益1兆1,000億円5.5%増

ソフトバンクは2027年3月期について、すべての報告セグメントで営業増益を計画しています。

特に高い成長率を見込んでいるのが、エンタープライズ事業とファイナンス事業です。

エンタープライズ事業は前期比19.5%増の2,300億円、ファイナンス事業は27.5%増の1,100億円を予想しています。

各セグメントの主な増益要因は次のとおりです。

  • コンシューマ:通信料金改定による増収
  • エンタープライズ:法人モバイル、クラウド、AI、セキュリティーの拡大
  • ディストリビューション:法人向けICT商材などの販売
  • メディア・EC:アスクルのシステム障害からの回復と固定費削減
  • ファイナンス:PayPayの決済・金融サービスの成長

一方、「その他・成長投資」は、前期の626億円の赤字から1,000億円の赤字へ損失が拡大する予想です。

次世代社会インフラやAI関連の研究開発費などが増加するため、報告セグメントの増益が成長投資による赤字を吸収できるかが重要になります。

次回決算では、エンタープライズとファイナンスの利益成長が、全社の増益を牽引しているかを確認しましょう。

市場予想は会社予想をやや上回る

項目会社予想市場予想差額
売上高7兆5,000億円約7兆5,283億円約283億円
親会社帰属純利益5,600億円約5,687億円約87億円
経常利益非開示約9,987億円

2026年7月21日時点の市場コンセンサスは、売上高約7兆5,283億円、親会社帰属純利益約5,687億円です。

売上高と純利益の市場予想は、いずれも会社予想をやや上回っています。

ただし、会社予想と市場予想の差は大きくありません。

売上高の差は約283億円で、会社予想7兆5,000億円に対して約0.4%です。純利益の差も約87億円にとどまります。

そのため、現時点では会社予想が極端に保守的と評価されているわけではありません。

一方、会社計画どおりに進んでいても、市場コンセンサスを下回れば、決算発表後に株価が売られる可能性があります。

第1四半期単体の公開コンセンサスは限られるため、次回決算では次の数字を中心に評価します。

  • 前年同期の第1四半期実績
  • 通期会社予想に対する進捗率
  • セグメント別の営業利益
  • 一過性要因を除いた利益
  • 市場コンセンサスとの差

第1四半期では、通期予想の上方修正が発表されるかだけでなく、今後の上振れ余地を残せる進捗になっているかが重要です。

なお、市場コンセンサスはアナリスト予想の変更によって随時変動します。

年間配当は8.8円へ増配予想

ソフトバンクは2027年3月期の年間配当について、1株あたり8.8円を予想しています。

内訳は、中間配当4.4円、期末配当4.4円です。

前期の年間配当8.6円から0.2円の増配となり、予想配当性向は76.2%です。

ソフトバンクは新しい中期経営計画において、利益成長に合わせた継続的な増配を目指しています。

一方、配当性向は70%台後半と高い水準です。

純利益が計画を下回った場合や、AI関連の設備投資によってキャッシュフローが悪化した場合は、増配余力が小さくなる可能性があります。

次回決算では、次の点を確認する必要があります。

  • 純利益の進捗
  • プライマリー・フリー・キャッシュ・フロー
  • AI関連の設備投資額
  • 有利子負債
  • 配当予想の維持
  • 今後の増配方針

AI投資を拡大しながら、継続的な増配を実現できるかが今後の重要なポイントです。

次回決算で注目したいポイント

次回決算で注目したいポイント
注目点確認する内容
営業利益通期1兆1,000億円に対する進捗
一過性要因再測定益などを除いた利益成長
コンシューマ料金改定、モバイル売上、契約数
エンタープライズクラウド・AI、セキュリティー、法人モバイル
ファイナンスPayPayの決済取扱高と利益
メディア・ECアスクル障害からの回復、広告・コマース
AI成長投資その他セグメントの赤字と収益化
キャッシュフロープライマリーFCFと設備投資
財務有利子負債、レバレッジ
配当年間8.8円の維持・増配方針

ソフトバンクの決算では、全社の売上高や営業利益だけでなく、通信事業の安定性と成長事業の収益拡大を分けて確認する必要があります。

特に重要なのは、エンタープライズ、PayPay、AI関連事業が、コンシューマ事業に続く利益の柱へ成長しているかです。

一過性要因を除いて営業利益が伸びているか

前年の2026年3月期第1四半期は、表面上の営業利益が前年同期比で減少しました。

一方、企業結合や子会社の支配喪失に伴う利益などの一過性要因を除くと、営業利益は増加していました。

ソフトバンクの連結業績にはLINEヤフーやPayPayなど複数の子会社が含まれています。

企業結合や事業再編が行われた場合、次のような一過性利益が営業利益に含まれることがあります。

  • 子会社化に伴う再測定益
  • 子会社の支配喪失に伴う利益
  • 株式や事業の売却益
  • 組織再編に伴う税効果

これらは会計上の利益を押し上げますが、毎期繰り返し発生する本業の利益ではありません。

次回決算では、主に次の項目を確認しましょう。

  • 営業利益
  • 調整後EBITDA
  • 一過性要因を除いた営業利益
  • セグメント別営業利益
  • 一過性利益の具体的な内容

前年同期比で減益だったとしても、一過性要因を除いた利益が増加していれば、本業は成長している可能性があります。

反対に、表面上は増益でも、一過性利益を除くと減益になっている場合は注意が必要です。

一過性利益を除いた継続事業の成長を重視しましょう。

携帯料金の改定がコンシューマ事業に反映されるか

2027年3月期のコンシューマ事業の営業利益予想は、前期比1.7%増の5,600億円です。

会社は過年度の販売手数料の償却費や販促費の増加を見込む一方、通信料金の改定による増収で費用増加を吸収する計画です。

次回決算では、料金改定によってモバイルサービス売上が実際に増加したかを確認します。

主な確認項目は次のとおりです。

  • モバイルサービス売上
  • スマートフォン契約数
  • 解約率
  • 1契約あたりの売上
  • 新料金プランへの移行状況
  • 顧客獲得費用
  • 販売促進費
  • 端末販売による物販売上

通信料金の引き上げで1契約あたりの収入が増えても、解約率が上昇したり顧客獲得費用が増加したりすれば、利益への効果は小さくなります。

また、端末販売が増えると売上高は増加しやすい一方、通信サービスほど高い利益率を確保できない場合があります。

そのため、契約数や売上高だけでなく、コンシューマ事業の営業利益と採算性を確認することが重要です。

エンタープライズ事業の利益が約20%伸びるか

2027年3月期のエンタープライズ事業の営業利益は、前期比19.5%増の2,300億円を予想しています。

全社営業利益の伸び率が5.5%であるのに対して、エンタープライズ事業は約20%の増益を計画しており、今期の重要な成長事業です。

主な成長分野は次のとおりです。

  • 法人向けモバイル
  • クラウド
  • AIサービス
  • サイバーセキュリティー
  • データセンター
  • IoT
  • 法人向けDX・AX支援

ソフトバンクは、2026年3月期までに整備してきたAI計算基盤やAIデータセンターを、今後は収益化する段階へ移す方針です。

北海道苫小牧市と大阪府堺市のAIデータセンターを活用し、GPUクラウドやソブリンクラウド、AI関連サービスを法人顧客へ提供します。

中期経営計画では、2031年3月期までにエンタープライズ事業のクラウド・AI売上とセグメント利益を、2026年3月期比で倍増させる目標です。

次回決算では、次の点を確認しましょう。

  • 法人モバイルの契約拡大
  • ソリューション売上
  • クラウド・AI売上
  • AIデータセンターの稼働状況
  • GPUクラウドの顧客数と受注
  • セグメント営業利益率

売上が増加していても、設備費用や研究開発費が大きければ利益は伸びません。

売上拡大と利益率改善を両立できているかが重要です。

PayPayの成長が続くか

2027年3月期のファイナンス事業の営業利益は、前期比27.5%増の1,100億円を予想しています。

ファイナンス事業は、エンタープライズ事業と並んで全社の増益を牽引する計画です。

主に次のサービスが業績を構成しています。

  • PayPay
  • PayPayカード
  • PayPay銀行
  • PayPay証券
  • その他の金融サービス

次回決算では、PayPayの決済取扱高だけでなく、クレジットカード、銀行、証券を含めた金融グループ全体の成長を確認します。

主な確認項目は次のとおりです。

  • PayPayの連結決済取扱高
  • PayPayカードの取扱高
  • PayPay銀行の預金残高
  • PayPay銀行の融資残高
  • ファイナンス事業の営業利益
  • PayPayの連結EBITDA
  • 販売促進費
  • 米国上場後の費用と成長投資

PayPayは2026年3月に米国ナスダック市場へ上場しました。

米国預託株式の新規公開によるPayPayの差引手取概算額は946億円で、上場後もソフトバンクの連結子会社です。

上場によって成長資金を確保した一方、上場企業としての管理費用や成長投資が増加する可能性があります。

三井住友カードやOliveなど外部サービスとの連携も、今後の利用拡大につながる可能性があります。

次回決算では、決済取扱高の増加が実際の利益成長につながっているかを確認しましょう。

メディア・EC事業は回復するか

2027年3月期のメディア・EC事業の営業利益は、前期比9.8%増の2,640億円を予想しています。

前期はアスクルのシステム障害などが業績を押し下げました。
今期は障害影響からの回復に加えて、固定費削減やプロダクト力の強化による増益を見込んでいます。

次回決算で確認したい項目は次のとおりです。

  • アスクルの売上とシステム復旧状況
  • Yahoo! JAPANの広告売上
  • LINEの広告売上
  • Yahoo!ショッピングの取扱高
  • ZOZOの取扱高
  • 固定費削減
  • メディア・EC事業の営業利益率
  • AIエージェント「Agent i」の進捗

LINEヤフーでは、企業結合に伴う再測定益などが計上されることもあります。

そのため、メディア・EC事業についても、一過性要因を除いた実質的な利益成長を確認する必要があります。

広告やECの売上が回復し、固定費削減とあわせて利益率が改善しているかが重要です。

AI投資による赤字を成長事業で吸収できるか

「その他・成長投資」の営業損失は、前期の626億円から2027年3月期は1,000億円へ拡大する予想です。

主な投資対象は次のとおりです。

  • AI計算基盤
  • 北海道苫小牧市のAIデータセンター
  • 大阪府堺市のAIデータセンター
  • GPUクラウド
  • ソブリンクラウド
  • 法人向けAIサービス
  • 次世代社会インフラの研究開発

ソフトバンクは2027年3月期から2029年3月期までの3年間で、AI関連を中心とする1兆円の戦略的投資枠を確保する方針です。

投資額が増加するだけでは、企業価値の向上につながるとは限りません。

次回決算では、投資によって具体的な事業成果が生まれているかを確認する必要があります。

主な確認項目は次のとおりです。

  • AI関連の設備投資額
  • 研究開発費
  • AIデータセンターの稼働率
  • GPUクラウドの契約数
  • AIサービスの受注高
  • AI関連売上
  • 商用サービスの開始時期
  • 収益化の見通し

成長投資による赤字が拡大しても、エンタープライズやファイナンスなどの成長事業がそれ以上に増益となれば、全社利益は拡大できます。

成長投資の金額だけでなく、売上・受注・顧客数の増加を確認しましょう。

キャッシュフローと配当を両立できるか

2026年3月期のプライマリー・フリー・キャッシュ・フローは6,336億円でした。

プライマリー・フリー・キャッシュ・フローは、LINEヤフーやPayPayなどを除いた調整後フリー・キャッシュ・フローに、AI計算基盤やAIデータセンターなどの長期性の成長投資を足し戻した指標です。

既存事業がどの程度の資金を生み出しているかを確認するために使われます。

次回決算では、主に次の項目を確認しましょう。

  • 営業キャッシュ・フロー
  • プライマリー・フリー・キャッシュ・フロー
  • 通信事業の設備投資
  • AI関連の成長投資
  • 有利子負債
  • 配当総額
  • 調整後ネットレバレッジ・レシオ
  • 現金及び現金同等物

ソフトバンクは今後3年間で、通信関連の設備投資に1兆5,000億円配当総額に1兆3,000億円を見込んでいます。これとは別に、AI関連を中心とする戦略的投資枠として1兆円を確保します。

高水準の配当を維持するためには、既存の通信事業や法人事業から安定したキャッシュを生み出し続ける必要があります。

有利子負債を大きく増やして配当と投資を維持する状態になれば、財務負担が重くなる可能性があります。

AIへの成長投資、財務健全性、年間8.8円の配当を両立できるかを確認しましょう。

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前年の第1四半期決算を確認

項目2026年3月期1Q前年同期比
売上高1兆6,586億円8.0%増
営業利益2,907億円4.3%減
税引前利益2,704億円1.3%減
親会社帰属純利益1,453億円10.6%減
一過性要因除く営業利益2,762億円6%増
一過性要因等除く純利益1,408億円1%増

前年の2026年3月期第1四半期決算では、売上高が前年同期比8.0%増の1兆6,586億円となりました。

コンシューマ、エンタープライズ、ディストリビューション、メディア・EC、ファイナンスのすべての報告セグメントで売上が増加しています。

一方、営業利益は4.3%減、親会社帰属純利益は10.6%減となりました。

ただし、前年と当期に発生した企業結合や子会社再編などの一過性要因を除くと、営業利益は6%増、純利益は1%増となっています。

そのため、表面上は減益でも、本業ベースでは増益を確保した決算と評価できます。

全セグメントで増収

セグメント売上高前年同期比
コンシューマ7,178億円5%増
エンタープライズ2,338億円8%増
ディストリビューション2,089億円25%増
メディア・EC4,069億円2%増
ファイナンス913億円23%増

2026年3月期第1四半期の売上高は、前年同期比8.0%増の1兆6,586億円となりました。

すべての報告セグメントで増収となっており、通信だけでなく、法人向けサービスや金融事業も成長しています。

コンシューマ事業の売上高は、前年同期比5%増の7,178億円でした。

スマートフォンの累計契約数は3,195万件となり、前年同期から105万件増加しています。

契約数の拡大に加えて、端末販売や通信サービス売上の増加がコンシューマ事業の増収につながりました。

エンタープライズ事業の売上高は、前年同期比8%増の2,338億円です。

法人向けモバイルに加えて、クラウド、セキュリティー、IoT、デジタル化支援などのソリューション売上が成長しました。

ディストリビューション事業は、法人向けICT商材などの販売が伸び、売上高は25%増の2,089億円となっています。

ファイナンス事業も、PayPayを中心とする決済・金融サービスが拡大し、売上高は23%増の913億円となりました。

前年の第1四半期では、次の成長が確認されています。

  • スマートフォン契約数の増加
  • 法人向けソリューション売上の拡大
  • ICT商材の販売増加
  • PayPayの決済取扱高の拡大
  • メディア・EC事業の増収

次回決算でも、すべての報告セグメントで売上成長を維持できているかを確認する必要があります。

表面上は減益でも一過性要因を除くと増益

2026年3月期第1四半期の営業利益は、前年同期比4.3%減の2,907億円でした。

親会社帰属純利益も、10.6%減の1,453億円となっています。

表面上は営業減益・最終減益ですが、主な要因は前年に計上した一過性利益の反動です。

前年同期には、子会社の支配喪失に伴う利益が計上されていました。

一方、2026年3月期第1四半期には、LINE Bank Taiwanの子会社化に伴う再測定益が計上されています。

企業結合や子会社再編による利益が前年と当期の両方に含まれているため、営業利益の単純な前年同期比だけでは、本業の成長を正確に判断できません。

一過性要因を除いた営業利益は、前年同期比6%増の2,762億円でした。

一過性要因などを除いた親会社帰属純利益も、1%増の1,408億円となっています。

決算を評価する際は、次の数字を分けて確認することが重要です。

  • 会計上の営業利益
  • 一過性要因を除いた営業利益
  • 調整後EBITDA
  • セグメント別営業利益
  • 一過性要因などを除いた純利益

表面上の減益だけを見て、悪い決算と判断しないことが重要です。

次回決算でも再測定益や株式売却益などが発生した場合は、一過性要因を除いた利益を確認しましょう。

エンタープライズとファイナンスが増益を牽引

セグメント営業利益前年同期比
コンシューマ1,538億円2%減
エンタープライズ488億円18%増
ディストリビューション119億円55%増
メディア・EC707億円26%減
ファイナンス181億円137%増
その他・連結調整126億円の赤字赤字拡大

2026年3月期第1四半期は、エンタープライズ、ディストリビューション、ファイナンスの営業利益が増加しました。

特に高い成長率となったのが、エンタープライズ事業とファイナンス事業です。

エンタープライズ事業の営業利益は、前年同期比18%増の488億円となりました。

法人モバイルに加えて、クラウド、セキュリティー、IoTなどのソリューション売上が伸びたことで、利益も拡大しています。

ファイナンス事業の営業利益は、前年同期比137%増の181億円でした。

PayPayの連結決済取扱高は4兆5,000億円となり、前年同期から24%増加しています。

PayPayの利用拡大に加えて、PayPayカードやPayPay銀行などの金融サービスも利益成長に寄与しました。

ディストリビューション事業の営業利益も、前年同期比55%増の119億円となっています。

一方、コンシューマ事業の営業利益は2%減の1,538億円でした。

売上高は増加したものの、顧客獲得に向けた販売促進費や過年度の販売手数料に関する費用などが利益を押し下げています。

メディア・EC事業の営業利益は、表面上では26%減の707億円でした。

ただし、前年と当期の企業結合などに伴う一過性要因を除くと、営業利益は6%増加しています。

各セグメントの状況を整理すると、次のとおりです。

  • エンタープライズは法人向けソリューションで18%増益
  • ファイナンスはPayPayの成長で137%増益
  • ディストリビューションはICT商材の販売増加で55%増益
  • コンシューマは販売促進費などによって減益
  • メディア・ECは表面上は減益でも、一過性要因を除くと増益
  • その他・連結調整は成長投資によって赤字が拡大

次回決算では、エンタープライズとファイナンスが引き続き全社利益を牽引できるかが重要です。

前回の本決算はどうだった?

項目2026年3月期前期比
売上高7兆387億円7.6%増
調整後EBITDA1兆8,196億円増加
営業利益1兆426億円5.4%増
親会社帰属純利益5,508億円4.7%増
プライマリーFCF6,336億円303億円増
年間配当8.6円据え置き

ソフトバンクの2026年3月期決算は、売上高が前期比7.6%増の7兆387億円、営業利益が5.4%増の1兆426億円となりました。

親会社帰属純利益は4.7%増の5,508億円です。

売上高と親会社帰属純利益はいずれも過去最高となり、通信、法人、金融など複数の事業が成長した決算でした。

売上高と純利益は過去最高

2026年3月期の売上高は、前期比7.6%増の7兆387億円となり、過去最高を更新しました。

親会社帰属純利益も、4.7%増の5,508億円となり、過去最高です。

営業利益は5.4%増の1兆426億円となりました。

コンシューマ、エンタープライズ、ディストリビューション、メディア・EC、ファイナンスのすべての報告セグメントで増収を達成しています。

増益となった主な事業は、次のとおりです。

  • コンシューマ
  • エンタープライズ
  • ディストリビューション
  • ファイナンス

エンタープライズでは法人向けクラウドやセキュリティー、ファイナンスではPayPayを中心とするサービスが成長しました。

前中期経営計画で掲げていた目標も上回って達成しています。

また、2026年3月期までの3期連続で、期初に公表した純利益予想を上回りました。

全体としては好決算ですが、営業利益や純利益には企業結合に伴う再測定益や税効果などの一過性要因も含まれています。

そのため、過去最高益という結果だけでなく、一過性要因を除いた利益成長も確認する必要があります。

エンタープライズとPayPayが成長

2026年3月期のエンタープライズ事業の営業利益は1,924億円となりました。

法人モバイルに加えて、クラウド、セキュリティー、IoT、データセンターなどのソリューション事業が成長しています。

企業によるDXや生成AIの導入が進むなか、通信回線だけでなく、クラウドやセキュリティーを組み合わせたサービスの需要が拡大しました。

ファイナンス事業の営業利益は863億円です。

主な成長要因は次のとおりです。

  • PayPayの決済取扱高の増加
  • PayPayカードの利用拡大
  • PayPay銀行の預金・融資拡大
  • 金融サービス間の連携強化
  • PayPayグループの収益性改善

一方、メディア・EC事業はアスクルのシステム障害などが影響し、営業減益となりました。

ソフトバンクは国内通信会社として安定した利益を確保しながら、法人向けサービスと金融事業を成長させています。

通信以外の成長事業が全社利益を支える構造へ変化しているかが、今後の決算でも重要なポイントです。

AI投資を拡大しながら増配を目指す

ソフトバンクは2027年3月期から、新たな中期経営計画を開始しました。

2031年3月期の目標は、次のとおりです。

項目2031年3月期目標
売上高9兆円
営業利益1兆7,000億円
親会社帰属純利益7,000億円

中長期的には、国内通信の安定収益に加えて、法人、金融、メディア・EC、AI関連事業を成長させる方針です。

2027年3月期から2029年3月期までの3年間では、AI関連を中心とする戦略的投資枠として1兆円を確保します。

主な投資対象は次のとおりです。

  • AI計算基盤
  • AIデータセンター
  • GPUクラウド
  • ソブリンクラウド
  • 法人向けAIサービス
  • 次世代社会インフラ
  • AI関連の研究開発

成長投資によって短期的な費用や有利子負債が増加する可能性がありますが、会社は利益成長に合わせた継続的な増配も目指しています。

AI投資と増配を両立するためには、通信や法人、金融事業から安定したキャッシュを生み出すことが必要です。

今後は、次の点を確認しましょう。

  • AI関連投資から売上が発生しているか
  • GPUクラウドやAIサービスの顧客数
  • AIデータセンターの稼働状況
  • 成長投資後もキャッシュフローを確保できているか
  • 有利子負債やレバレッジが悪化していないか
  • 利益成長に合わせて増配できているか

投資額の大きさだけでなく、投資回収と財務健全性を確認することが重要です。

ソフトバンク(9434)の決算で確認したい指標

ソフトバンクの決算では、営業利益や純利益だけでなく、一過性要因、通信事業のKPI、法人・金融事業の成長、キャッシュフローを確認する必要があります。

また、ソフトバンク株式会社とソフトバンクグループは別会社であり、業績を左右する材料も異なります。

ソフトバンク(9434)とソフトバンクグループ(9984)を混同しない

「ソフトバンク」という名称を持つ上場企業には、ソフトバンク株式会社とソフトバンクグループがあります。

会社証券コード主な事業
ソフトバンク株式会社9434国内通信、法人DX、PayPay、LINEヤフー
ソフトバンクグループ9984Arm、AI投資、ビジョン・ファンド

証券コード9434のソフトバンク株式会社は、国内の携帯通信や法人向けサービスを中心とする事業会社です。

主な事業は次のとおりです。

  • ソフトバンク、ワイモバイル、LINEMO
  • 法人向け通信・クラウド・セキュリティー
  • PayPayなどの金融サービス
  • LINEヤフーの広告・EC事業
  • AI計算基盤やAIデータセンター

一方、証券コード9984のソフトバンクグループは、Armやビジョン・ファンドなどへの投資を行う持株会社です。

両社では、決算発表日、業績、株価を動かす材料が異なります。

Armや投資損益を確認したい場合は9984、携帯通信、PayPay、LINEヤフーを確認したい場合は9434の決算を見る必要があります。

一過性要因を除いた利益を見る

ソフトバンクの営業利益には、株式売却益や企業結合に伴う再測定益などが含まれる場合があります。

一過性利益は会計上の利益を押し上げますが、毎期継続して発生する本業の収益ではありません。

決算では、次の項目を確認しましょう。

  • 営業利益
  • 調整後EBITDA
  • 一過性要因を除いた営業利益
  • セグメント別営業利益
  • 一過性要因などを除いた純利益
  • 前年同期に計上された一過性利益

当期に一過性利益がなくても、前年同期に大きな利益が計上されていれば、表面上は減益になることがあります。

反対に、当期に再測定益や株式売却益が発生すれば、本業が伸びていなくても増益に見える可能性があります。

営業利益の増減だけで判断せず、継続事業の利益が成長しているかを確認することが重要です。

通信の安定収益が維持されているか

コンシューマ事業は、ソフトバンク全体の最大の利益源です。

法人や金融、AI事業が成長していても、通信事業の利益が大きく減少すれば、全社業績を押し下げる可能性があります。

通信事業では、主に次の指標を確認します。

  • モバイルサービス売上
  • スマートフォン契約数
  • 解約率
  • 1契約あたりの売上
  • 新料金プランの利用状況
  • 顧客獲得費用
  • 販売促進費
  • ブロードバンド契約数
  • コンシューマ事業の営業利益

契約数が増加していても、料金単価が下がったり販売促進費が増えたりすれば、利益は伸びない可能性があります。

一方、料金改定によって1契約あたりの売上が増えても、解約率が上昇すれば、中長期的な顧客基盤が弱くなる可能性があります。

契約数、解約率、売上単価、営業利益を組み合わせて確認しましょう。

法人・金融・AIが次の成長柱になっているか

ソフトバンクは、国内通信に続く成長事業として、エンタープライズ、ファイナンス、メディア・EC、AI関連事業を強化しています。

エンタープライズ事業では、次の項目を確認します。

  • 法人モバイル契約数
  • ソリューション売上
  • クラウド・AI売上
  • セキュリティー売上
  • データセンター売上
  • セグメント営業利益

ファイナンス事業では、次の項目が重要です。

  • PayPayの決済取扱高
  • PayPayの連結EBITDA
  • PayPayカードの取扱高
  • PayPay銀行の預金残高
  • PayPay銀行の融資残高
  • ファイナンス事業の営業利益

メディア・EC事業では、Yahoo! JAPANやLINEの広告売上、Yahoo!ショッピングやZOZOの取扱高を確認します。

AI関連では、AIデータセンターやGPUクラウドへの投資が、実際の受注や売上につながっているかが重要です。

成長事業の売上が増えていても、研究開発費や設備投資がさらに大きく増加すれば、全社利益を押し下げる可能性があります。

法人・金融・AI事業の利益が、成長投資による費用を上回っているかを確認しましょう。

キャッシュフローで配当を維持できるか

ソフトバンクは高い配当性向を維持しながら、通信設備やAI関連へ大規模な投資を行っています。

そのため、会計上の純利益だけでなく、実際の資金創出力を確認する必要があります。

主な確認項目は次のとおりです。

  • 営業キャッシュ・フロー
  • プライマリー・フリー・キャッシュ・フロー
  • 通信関連の設備投資
  • AI関連の成長投資
  • 有利子負債
  • 調整後ネットレバレッジ・レシオ
  • 配当性向
  • 年間配当
  • 配当総額

プライマリー・フリー・キャッシュ・フローは、既存事業がどの程度の資金を生み出しているかを確認するための指標です。

純利益が増加していても、設備投資やAI投資によって現金が大きく減少すれば、増配余力は小さくなる可能性があります。

反対に、通信や法人事業から安定したキャッシュを確保できていれば、成長投資を続けながら配当を維持しやすくなります。

投資後も安定したキャッシュを確保できているかを確認しましょう。

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まとめ

ソフトバンク(9434)の次回決算は、2026年8月4日(火)に発表される予定です。

決算短信は午後3時30分、決算説明会は午後4時から予定されています。

今回発表されるのは、2027年3月期第1四半期決算です。

2027年3月期の会社予想は、売上高7兆5,000億円、営業利益1兆1,000億円、親会社帰属純利益5,600億円となっています。

すべての報告セグメントで増益を計画しており、特にエンタープライズとファイナンスが全社の成長を牽引する見通しです。

一方、市場予想は会社予想をやや上回っています。

次回決算で注目したいポイントは、次のとおりです。

  • 通期営業利益1兆1,000億円に対する進捗
  • 一過性要因を除いた営業利益
  • 携帯料金改定によるモバイル売上の増加
  • スマートフォン契約数と解約率
  • エンタープライズ事業のクラウド・AI売上
  • PayPayの決済取扱高と利益成長
  • メディア・EC事業の回復
  • AI関連投資による赤字と収益化
  • プライマリー・フリー・キャッシュ・フロー
  • 年間8.8円の配当予想

前年の第1四半期は、表面上では営業減益・最終減益でしたが、一過性要因を除く営業利益は6%増加しました。

次回も前年同期比だけで判断せず、一過性要因を除いた利益とセグメント別の成長を確認することが重要です。

通信料金の改定によってコンシューマ事業の利益を維持しながら、エンタープライズとPayPayが成長を続けられるかが注目されます。

さらに、AI投資を拡大しながら、安定したキャッシュフローと年間8.8円の配当を両立できるかも確認しましょう。

出典

2027年3月期 第1四半期 決算説明会の模様をオンライン配信|ソフトバンク
https://www.softbank.jp/corp/news/info/2026/20260702_01/

IRカレンダー|ソフトバンク
https://www.softbank.jp/corp/ir/news/calendar/

業績予想|ソフトバンク
https://www.softbank.jp/corp/ir/financials/forecast/

株主還元・配当|ソフトバンク
https://www.softbank.jp/corp/ir/stock/performance/

2026年3月期 決算説明会 要旨|ソフトバンク
https://www.softbank.jp/corp/ir/documents/presentations/fy2025/q4_earnings_summary/

2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)|ソフトバンク
https://www.softbank.jp/corp/set/data/ir/documents/financial_reports/fy2025/pdf/sbkk_financial_report_20260511.pdf

2026年3月期 第1四半期 決算短信〔IFRS〕(連結)|ソフトバンク
https://www.softbank.jp/corp/set/data/ir/documents/financial_reports/fy2025/pdf/sbkk_financial_report_20250805.pdf

2026年3月期 第1四半期 決算説明資料|ソフトバンク
https://www.softbank.jp/corp/set/data/ir/documents/presentations/fy2025/results/pdf/sbkk_earnings_presentation_20250805.pdf

ソフトバンク(9434)アナリスト予想・コンセンサス|みんかぶ
https://minkabu.jp/stock/9434/analyst_consensus

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