チャットプラスのIPOや株価上昇をきっかけに、「チャットプラスは何の会社なのか」と気になった人も多いのではないでしょうか。
社名からチャットサービスを提供する会社とは想像できますが、具体的に何を販売し、どのように売上を得ているのかは分かりにくいかもしれません。
チャットプラスは、企業の問い合わせ対応を自動化・効率化するSaaS企業です。主力のチャットボット「ChatPlus」に加え、生成AIを活用した「AI AgentPlus」とFAQシステムの「FAQPlus」を展開しています。
本記事では、チャットプラスの事業内容や収益構造、企業としての強み、今後の成長を担うAI AgentPlusの役割を解説します。

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チャットプラスは何の会社?

チャットプラスは、企業の問い合わせ対応を効率化するチャットボット、AIエージェント、FAQシステムを開発・提供している会社です。
企業はチャットプラスのサービスをWebサイトや社内システムに導入することで、顧客や従業員からの質問に自動で回答できます。
電話やメールで担当者が対応していた問い合わせの一部を自動化できるため、業務負担の軽減、問い合わせコストの削減、顧客対応の迅速化につながります。
チャットプラスは、これらのサービスをインターネット経由で提供し、月額・年額の利用料金を受け取る継続課金型のSaaSモデルを採用しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | チャットプラス株式会社 |
| 証券コード | 598A |
| 上場市場 | 東証グロース |
| 設立 | 2016年8月 |
| 主な事業 | チャットボット・AIエージェント・FAQシステムの開発・提供 |
| 収益モデル | SaaSによる月額・年額課金 |
| 主なサービス | ChatPlus、AI AgentPlus、FAQPlus |
チャットプラスは、問い合わせへの回答を自動化するだけでなく、企業の営業活動や社内業務の効率化にもサービスの利用範囲を広げています。
ChatGPT Plusとは別のサービス
「ChatPlus」と「ChatGPT Plus」は名前が似ていますが、運営会社もサービスの用途も異なります。
ChatPlusは、チャットプラス株式会社が企業向けに提供するチャットボットサービスです。企業のWebサイトや社内ポータルに設置し、問い合わせへの自動回答や有人チャットに利用します。
一方、ChatGPT Plusは、OpenAIが提供するChatGPTの有料サブスクリプションプランです。
チャットプラスのAI AgentPlusでは、OpenAI APIを含む生成AIを活用していますが、ChatGPT Plusそのものを販売している会社ではありません。
チャットプラスの事業内容は3つ

チャットプラスは、主に以下の3つのサービスを提供しています。
| サービス | 主な役割 | 利用場面 |
|---|---|---|
| ChatPlus | チャットボット・有人チャット | 顧客対応、社内問い合わせ、Web接客 |
| AI AgentPlus | 生成AIを使った対話・提案・業務支援 | 高度な問い合わせ、個別提案、業務自動化 |
| FAQPlus | FAQページの作成・管理 | 自己解決支援、問い合わせ削減 |
ChatPlusで問い合わせ対応を自動化し、AI AgentPlusでより複雑な対話や提案に対応します。さらに、FAQPlusで企業内の回答データを整理し、利用者が自分で問題を解決できる環境を構築します。
3つのサービスを組み合わせることで、問い合わせ対応の入口から回答データの管理までを広く支援できる点が特徴です。
ChatPlusは問い合わせ対応を効率化するチャットボット
ChatPlusは、企業のWebサイトや社内ポータルなどに設置するチャットボットサービスです。
利用者が画面上のチャット欄に質問を入力すると、あらかじめ登録されたシナリオやQ&Aなどを基に回答します。
ChatPlusには、以下のような機能があります。
- シナリオに沿った自動回答
- AIを利用した質問への回答
- オペレーターによる有人チャット
- 問い合わせ履歴の保存・分析
- 顧客情報や外部システムとの連携
- FAQPlusとの連携
自動回答だけで問題を解決できない場合は、オペレーターによる有人対応へ切り替えることもできます。
顧客からの問い合わせ対応だけでなく、社員からの質問に答える社内ヘルプデスク、商品を案内するWeb接客、見込み客を獲得する営業支援などにも利用できます。
ChatPlusは単純に問い合わせ件数を減らすだけでなく、顧客対応と営業活動の両方を支援するサービスです。
AI AgentPlusは生成AIを使ったAIエージェント
AI AgentPlusは、生成AIを活用して利用者の質問や状況を判断し、回答や提案を行うAIエージェントサービスです。
従来型のチャットボットは、あらかじめ登録されたシナリオやQ&Aに沿って回答する仕組みが中心でした。そのため、想定されていない聞き方や複雑な質問には対応しにくい場合があります。
AI AgentPlusは生成AIを利用することで、質問の文脈や意図を判断し、登録された情報を基に自然な回答を生成します。
また、問い合わせに回答するだけでなく、以下のような役割も担います。
- 利用者の状況に合わせた提案
- 商品やサービスの案内
- 会話履歴の分析
- 回答できなかった質問の抽出
- 追加すべきQ&Aの提案
- 人間の担当者への引き継ぎ
AI AgentPlusには、共感を重視する担当者、商品を提案する営業担当、社内問い合わせに答える担当など、目的に応じた役割や性格を設定できます。
チャットプラスは、AI AgentPlusを問い合わせへの回答だけでなく、提案や業務支援まで行うサービスとして展開しています。
FAQPlusはFAQページを作成・管理するサービス
FAQPlusは、企業の「よくある質問」と回答を作成・管理するFAQシステムです。
企業のWebサイトにFAQページを用意すれば、利用者は電話やメールで問い合わせる前に、自分で疑問を解決できます。
FAQPlusでは、FAQを掲載するだけでなく、以下のような機能を利用できます。
- AIによるFAQ記事の作成
- 質問や回答の整理
- 重複したFAQの確認
- リンク切れの確認
- 検索状況や利用状況の分析
- ChatPlusとの回答データ連携
FAQPlusで作成した回答データは、ChatPlusやAI AgentPlusにも連携できます。
企業はFAQページとチャットボットで回答データを共有できるため、同じ内容を複数のシステムに登録する負担を減らせます。
また、ChatPlusを利用している企業がFAQPlusも契約すれば、チャットプラスにとっては1社当たりの売上増加につながります。
チャットプラスはどうやって稼いでいる?
チャットプラスの主な収益源は、ChatPlus、AI AgentPlus、FAQPlusの月額・年額利用料です。
| 収益源 | 内容 |
|---|---|
| 月額・年額利用料 | 3サービスの継続課金 |
| 上位プラン | AI機能などを備えた高単価プラン |
| 追加アカウント | 利用IDやサイトの追加 |
| オプション | 外部サービス連携など |
| クロスセル | ChatPlus利用企業へのFAQPlus追加提案 |
サービスを一度販売して終わるのではなく、契約が続く限り利用料金が発生します。
さらに、既存顧客を高単価プランへ移行させたり、別のサービスを追加提案したりすることで、顧客数と顧客単価の両方を伸ばす収益構造です。
月額・年額料金を受け取るSaaSモデル
SaaSとは、ソフトウェアをインターネット経由で提供するビジネスモデルです。
顧客企業は自社でシステムを購入するのではなく、ChatPlusなどを利用するための月額・年額料金を支払います。
売り切り型のソフトウェアでは、商品を販売した時点で大部分の売上が発生します。一方、継続課金型のSaaSでは、顧客が契約を続ける限り、利用料金が繰り返し発生します。
そのため、新規契約が増えると、既存顧客からの売上に新しい売上が積み上がります。
チャットプラスの2025年6月期は、ChatPlus、AI AgentPlus、FAQPlusの月額・年額収入が売上高の90%以上を占めました。
ストック型収益の割合が高いため、単発案件を中心とする企業よりも将来の売上を予測しやすく、業績が安定しやすい特徴があります。
AI AgentPlusへのアップセルで顧客単価を高める
チャットプラスは、通常のChatPlusを利用している企業に対して、より高機能なAI AgentPlusへの移行を提案できます。
このように、既存顧客を高単価の商品やプランへ移行させる販売方法をアップセルといいます。
AI AgentPlusでは、生成AIによる回答、会話履歴の分析、パーソナライズされた対応など、通常のチャットボットより高度な機能を利用できます。
既存顧客がAI AgentPlusへ移行すれば、顧客数が増えなくても、1アカウント当たりの売上であるARPAを高められます。
チャットプラスには、すでにChatPlusを利用している顧客基盤があります。そのため、まったく新しい顧客を探すだけでなく、既存顧客へAI機能を提案することで売上を拡大できます。
企業による生成AI活用が広がり、AI AgentPlusへの移行が進めば、顧客単価と継続課金収入の増加につながる可能性があります。
FAQPlusとのクロスセルで1社当たり売上を増やす
チャットプラスは、ChatPlusやAI AgentPlusを利用している企業に対して、FAQPlusを追加提案できます。
既存顧客に別の商品やサービスを販売する方法をクロスセルといいます。
例えば、ある企業がChatPlusだけを利用している場合、FAQPlusを追加契約すれば、一つの企業から得られる売上が増えます。
FAQPlusで作成した回答データはChatPlusやAI AgentPlusと連携できるため、複数のサービスを一緒に利用するメリットもあります。
新規顧客を獲得するには、広告費や営業活動などの費用が必要です。一方、すでに取引のある企業への追加提案では、既存の顧客関係や営業基盤を活用できます。
クロスセルが進めば、顧客獲得コストを抑えながら、1社当たりの売上を増やせます。
また、複数のサービスが企業の業務に組み込まれれば、サービスを乗り換える負担も大きくなるため、解約防止につながる可能性もあります。
AI AgentPlusとは?
AI AgentPlusは、独自開発のChatPlus AIと、OpenAI API、Claude、Geminiなどの生成AIを組み合わせたAIエージェントサービスです。
従来型のチャットボットが登録済みの質問やシナリオへの回答を中心としていたのに対し、AI AgentPlusは利用者の質問の意図や状況を判断し、より柔軟な対応を行います。
| 比較項目 | 従来型チャットボット | AI AgentPlus |
|---|---|---|
| 回答方法 | 登録したシナリオやQ&A | 生成AIが質問の意図を判断 |
| 対応範囲 | 定型的な質問が中心 | 複雑な質問や状況別対応 |
| 利用者理解 | 限定的 | 属性や履歴を踏まえて対応 |
| 主な役割 | 問い合わせへの回答 | 回答、提案、分析、業務支援 |
| 運用改善 | 担当者が分析 | AIが会話を分析して改善提案 |
単に生成AIを接続するだけでなく、企業が回答範囲や対応方法を管理しながら運用できるように設計されている点が特徴です。
役割や性格を設定できる
AI AgentPlusでは、AIエージェントに役割や性格を設定できます。
例えば、顧客の不安に寄り添うサポート担当、商品を提案する営業担当、社内制度について回答する人事担当など、利用目的に応じて応対方法を変えられます。
同じ質問であっても、設定された役割によって、回答の内容や伝え方を調整できます。
主な設定例は以下の通りです。
- 共感を重視するカスタマーサポート
- 商品を提案する営業担当
- 社内規則に答える管理部門
- 技術的な質問に答える専門担当
- 受付後に適切な担当へ案内する窓口
複数のエージェントを設定し、それぞれに異なる役割や専門性を持たせることもできます。
一つのAIがすべての質問へ同じように回答するのではなく、問い合わせ内容に応じて適切なエージェントへ引き継ぐことで、より専門性の高い対応が可能になります。
利用者に合わせて回答や提案を変える
AI AgentPlusは、利用者の属性や行動データを基に、回答や提案を変えることができます。
判断に利用できる情報としては、以下が挙げられます。
- 会員ランク
- 購入履歴
- 閲覧しているページ
- 過去の問い合わせ内容
- 契約している商品やプラン
- 企業が定めた顧客ごとの対応方針
例えば、初めてWebサイトを訪れた人と、すでに商品を購入している会員では、必要な案内が異なります。
AI AgentPlusが利用者の状況を理解できれば、すべての人に同じ回答を表示するのではなく、一人ひとりに合わせた案内や提案が可能になります。
ただし、AIがすべてを独自に判断するのではなく、AIが対応方針を提案し、人間が最終判断を行う形でも利用できます。
問い合わせへの一律回答から、利用者ごとに対応を変えるパーソナライズ型の顧客対応へ移行できる点が特徴です。
誤回答を抑えながら有人対応へ切り替えられる
生成AIを顧客対応に利用する場合、事実と異なる回答を生成するハルシネーションが課題になります。
AI AgentPlusでは、AIへ回答を任せきりにするのではなく、企業側が回答内容を管理するための機能を用意しています。
主な機能は以下の通りです。
- 回答するカテゴリや範囲の限定
- 社内用語や略語の辞書登録
- 表記ゆれへの対応
- 回答に使用した根拠の明示
- ハルシネーションの抑制
- 有人チャットへの切り替え
AIだけでは対応が難しい問い合わせや、契約・個人情報など慎重な判断が必要な問い合わせは、人間の担当者へ引き継げます。
生成AIの柔軟性を活用しながら、回答範囲や根拠を管理し、必要に応じて有人対応へ切り替えられる点が、企業利用では重要です。
AI AgentPlusは、回答精度と業務効率の両立を目指すサービスといえます。
AI AgentPlusが成長戦略で重要な理由
AI AgentPlusは、チャットプラスの中長期的な成長を考えるうえで重要なサービスです。
従来のChatPlusより高度なAI機能を提供するため、既存顧客を高単価プランへ移行させやすく、顧客単価の上昇につながる可能性があります。
また、サービスの利用範囲も、問い合わせへの自動回答だけに限られません。
- 顧客に合わせた商品提案
- 営業活動の支援
- 問い合わせ内容の分析
- 改善すべきFAQの提案
- 社内業務の自動化
- 外部システムと連携した業務実行
利用範囲が広がれば、チャットプラスは従来のチャットボット市場だけでなく、より大きなAIエージェント市場を対象にできます。
さらに、すでにChatPlusを利用している企業へAI AgentPlusを提案できるため、既存顧客基盤を活用した成長が可能です。
AI AgentPlusへの移行が進めば、顧客単価の上昇だけでなく、継続課金収入を示すARRの拡大も期待できます。
一方、AIエージェントとしての期待が実際の成長につながるには、契約数、売上高、顧客単価が増える必要があります。
チャットプラスの今後を確認する際は、AI AgentPlusが期待だけでなく業績へどの程度貢献しているかが重要になります。
チャットプラスの強み

チャットプラスは、チャットボットを提供するだけでなく、導入前の提案から運用開始後の改善まで一貫して支援しています。
顧客との接点から得た要望を開発へ反映する体制や、企業規模に合わせた幅広い機能・価格帯が主な強みです。
| 強み | 内容 |
|---|---|
| 開発スピード | 顧客の要望を機能改善へ反映 |
| 豊富な機能 | 長年の運用で機能とノウハウを蓄積 |
| 幅広い価格帯 | 中小企業から大企業まで対応 |
| 導入支援 | 導入前から導入後までサポート |
| 豊富な実績 | 多様な業界・企業で利用 |
| ストック収益 | 継続課金による安定した売上 |
| 高い収益性 | SaaSと効率的な運用による高利益率 |
チャットプラスは、サービスの機能だけでなく、販売、導入支援、開発、運用改善をつなげることで、顧客の継続利用を促しています。
顧客の要望を素早く機能へ反映できる
チャットプラスは、サービスの導入前から運用開始後まで顧客を支援しています。
導入前には、問い合わせ対応の課題や利用目的を確認し、企業に合ったサービスやプランを提案します。導入後も利用状況を確認し、設定や運用方法の改善を支援します。
顧客と継続的に接することで、以下のような情報を把握できます。
- 現在の機能では対応できない業務
- 利用者から寄せられる要望
- 設定や操作で分かりにくい部分
- 新たに必要となった外部サービス連携
- AI回答の精度を高めるための課題
こうした情報を開発チームと共有し、機能改善や新機能の追加へつなげています。
開発側だけで製品の方向性を決めるのではなく、実際にサービスを利用している企業の意見を取り入れることで、顧客が必要とする機能を増やしやすくなります。
特に生成AIの分野は技術変化が速く、新しいAIモデルや利用方法が次々と登場しています。
顧客の要望を早期に把握し、サービスへ反映できる開発体制は、AI技術の変化に対応するうえでも重要な強みです。
機能と価格帯が幅広い
チャットプラスは、シナリオ型チャットボット、有人チャット、生成AIを活用したAIエージェントまで幅広く提供しています。
問い合わせ内容がある程度決まっている企業は、シナリオ型の自動回答を利用できます。複雑な相談や個別対応が必要な場合は、オペレーターによる有人チャットへ切り替えられます。
さらに、AI AgentPlusを利用すれば、生成AIによる自然な回答や利用者に合わせた提案にも対応できます。
主な利用場面は以下の通りです。
- Webサイトの問い合わせ対応
- 商品やサービスの案内
- 見込み客の獲得
- 社内ヘルプデスク
- カスタマーサポート
- コンタクトセンターの業務効率化
- FAQページとの連携
- AIによる営業・業務支援
小規模なWebサイトから、大量の問い合わせを受ける大企業やコンタクトセンターまで、企業の規模や用途に応じた導入が可能です。
また、機能や利用規模に合わせた複数のプランを用意しているため、まずは限られた範囲で導入し、利用拡大に合わせて上位プランへ移行することもできます。
有人対応からAIエージェントまで一つの企業が提供していることは、顧客が事業規模や課題の変化に合わせてサービスを選びやすい要因です。
幅広い業界への導入実績がある
チャットプラスのサービスは、特定の業種だけを対象としたものではありません。
顧客や社員から問い合わせを受ける企業であれば、業種を問わず利用できるため、幅広い企業へ販売できます。
主な導入業界としては、以下が挙げられます。
- メーカー
- 小売・EC
- IT・情報通信
- 食品・製薬
- 教育
- 不動産・建設
- 運輸・物流
- 金融
- 自治体・官公庁
小売やECでは、商品や配送に関する問い合わせ対応に利用できます。メーカーでは、製品サポートや社内問い合わせの効率化に活用できます。
教育機関では入学や講座に関する案内、不動産会社では物件や契約に関する質問への回答など、業界ごとに利用目的は異なります。
自治体や官公庁でも、制度や手続きに関する問い合わせを自動化できれば、職員の負担軽減や住民サービスの向上につながります。
幅広い業界で利用できるため、一つの業種で需要が落ち込んだ場合でも、ほかの業種へ販売を拡大できます。
特定業界への依存度を抑えながら顧客基盤を広げられることは、安定した成長につながる可能性があります。
ストック型収益と高い利益率
チャットプラスは、顧客から月額・年額料金を受け取る継続課金型のビジネスを展開しています。
2025年6月期は、売上高の90%以上をストック型収益が占めました。
| 指標 | 2025年6月期 |
|---|---|
| ストック型収益比率 | 90%以上 |
| ARR | 10億7,000万円 |
| 月次解約率 | 全体平均1.8% |
| 粗利率 | 74.2% |
| 営業利益率 | 36.2% |
ストック型収益では、新規契約が既存顧客からの売上に積み上がります。
ただし、新しい顧客を獲得しても、既存顧客の解約が多ければ契約数や売上は増えません。そのため、継続課金型の事業では解約率が重要です。
チャットプラスの月次解約率は、2025年6月期に全体平均で1.8%でした。
解約率を低い水準に維持できれば、新規契約の多くを顧客数の純増につなげやすくなります。顧客数が積み上がることで、ARRや将来の売上も拡大しやすくなります。
また、チャットプラスの2025年6月期の粗利率は74.2%、営業利益率は36.2%でした。
ソフトウェアをインターネット経由で提供するSaaSは、契約数が増えても、売上と同じ割合で原価が増えるとは限りません。
そのため、サービスの利用企業が増えると、売上の増加を利益の拡大につなげやすい特徴があります。
ストック型収益と低い解約率による売上の安定性に加え、高い利益率を確保していることが、チャットプラスの事業面での強みです。
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▼公式サイトはこちら導入件数2万4,000件超とアカウント数2,328件の違い
チャットプラスの公式情報では、累計導入件数2万4,000件超という数字と、2025年6月末時点のアカウント数2,328件という数字が公表されています。
数字に大きな差がありますが、両者は同じ基準で集計されたものではありません。
| 指標 | 数値 | 意味 |
|---|---|---|
| 累計導入件数 | 2万4,000件超 | これまでサービスを導入した累計実績 |
| アカウント数 | 2,328件 | 2025年6月末時点のサービス別契約数 |
累計導入件数は、サービス開始以降にチャットプラスを導入した実績を積み上げた数字です。
現在も契約している企業だけでなく、過去に利用した企業やサイトなども含まれる可能性があるため、特定時点の契約数とは異なります。
一方、アカウント数は、2025年6月末時点で契約されているサービスごとのアカウントを集計したものです。
例えば、同じ企業がChatPlusとFAQPlusの両方を利用している場合、それぞれのサービスで1アカウントとして数えられます。
そのため、アカウント数は必ずしも契約企業数と一致しません。
| 利用状況 | アカウント数の考え方 |
|---|---|
| 1社がChatPlusのみを利用 | 1アカウント |
| 1社がChatPlusとFAQPlusを利用 | 2アカウント |
| 1社が3サービスを利用 | 3アカウント |
累計導入件数2万4,000件超とアカウント数2,328件を単純に比較し、「導入企業の大部分が解約した」と判断するのは適切ではありません。
集計期間や集計単位が異なるためです。
チャットプラスの契約状況や成長を分析する際は、アカウント数だけでなく、以下の指標を組み合わせて確認する必要があります。
- アカウント数の前年同期比
- ARRの成長率
- 月次解約率
- 1アカウント当たり売上
- AI AgentPlusの契約数
- 複数サービスを利用する顧客の割合
特に、アカウント数・ARR・解約率が同時に改善しているかを見ることで、顧客基盤と継続課金収入の成長を判断しやすくなります。
チャットプラスの競合企業・サービス
チャットボットやAIエージェントの市場には、チャットプラス以外にも多くの企業が参入しています。
顧客対応を自動化するチャットボット専業企業だけでなく、大手IT企業、CRM企業、コンタクトセンター向けシステム企業も生成AI機能を強化しています。
そのため、今後の成長を判断する際は、チャットプラスのサービスだけでなく、競争環境の変化も確認する必要があります。
チャットボット・AIエージェント市場には競合が多い
チャットプラスの主な競合としては、以下のような企業・サービスが挙げられます。
| 競合企業・サービス | 主な特徴 |
|---|---|
| PKSHA ChatAgent | AIを活用した問い合わせ対応・コンタクトセンター支援 |
| KARAKURI chatbot | カスタマーサポート向けAIチャットボット |
| 大手IT企業 | 生成AI、クラウド、業務システムと組み合わせて提供 |
| CRM企業 | 顧客データとAIチャット機能を連携 |
| コンタクトセンター企業 | 電話・メール・チャットを一体化 |
| 生成AIスタートアップ | 新しいAIモデルを使ったサービスを開発 |
PKSHA ChatAgentやKARAKURI chatbotは、国内の問い合わせ対応やカスタマーサポート分野で展開するサービスです。
また、大手IT企業は、クラウド、顧客管理システム、業務ソフトウェアなどと生成AIを組み合わせて提供できます。
既存の業務システムにAIチャット機能が標準搭載されるようになれば、企業が独立したチャットボットサービスを契約する必要性が低下する可能性もあります。
一方、新規参入する生成AIスタートアップは、最新のAI技術を利用して、低価格または高性能なサービスを提供する可能性があります。
チャットプラスは、既存のチャットボット企業だけでなく、大手IT企業や新しい生成AI企業とも競争する必要があると考えられます。
チャットプラスの差別化ポイント
競合が多い市場で成長するためには、ほかのサービスと異なる価値を提供する必要があります。
チャットプラスが強みとして掲げている主な差別化ポイントは以下の通りです。
- 低価格帯から大企業向けまで対応
- 有人チャットとAIの両方を提供
- ChatPlus・AI AgentPlus・FAQPlusを連携
- 幅広い業界への導入実績
- 顧客の要望を反映する開発体制
- 導入前から運用後までの支援
- 多数の機能を一つのサービスで提供
チャットプラスは、有人チャット、シナリオ型チャットボット、生成AIを利用したAIエージェントを一つの企業で提供しています。
企業は、最初から高度なAIエージェントを導入するだけでなく、有人チャットや簡単な自動回答から利用を始めることもできます。
利用規模や課題の変化に合わせて、ChatPlusからAI AgentPlusへ移行したり、FAQPlusを追加したりできる点が特徴です。
また、導入前の提案だけでなく、設定、運用開始、導入後の改善まで支援しています。
AIチャットボットは、導入するだけで問い合わせを自動化できるとは限りません。回答データの整備や運用後の改善が必要になるため、サポート体制もサービスを選ぶ要素になります。
チャットプラスが競合より優れていると一概に断定することはできませんが、機能、価格帯、導入支援の幅広さによって、さまざまな企業へ提案できる点が差別化要因です。
チャットプラスの将来性
チャットプラスの将来性を考えるうえでは、企業による問い合わせ対応の自動化と、生成AIを活用したAIエージェント市場の拡大が重要です。
従来のチャットボットは、定型的な質問への回答が中心でした。
今後は、利用者の状況を理解し、商品提案や業務処理まで行うAIエージェントへ利用範囲が広がる可能性があります。
チャットボットからAIエージェントへ市場が広がる
従来型のチャットボットは、あらかじめ登録したシナリオやQ&Aに沿って回答する仕組みが中心です。
問い合わせ内容が想定された範囲に収まっていれば効率的に回答できますが、複雑な質問や曖昧な表現には対応しにくい場合があります。
生成AIを利用したAIエージェントでは、質問の文脈や利用者の状況を判断し、より柔軟な対応が可能になります。
今後、利用範囲が以下のように広がる可能性があります。
- 複雑な問い合わせへの回答
- 利用者ごとの商品提案
- 購入履歴に応じたサポート
- 外部システムからの情報取得
- 予約や申請などの業務実行
- 問い合わせ内容の分析
- 社内業務や従業員支援
問い合わせへの回答だけでなく、提案や業務実行まで対応できれば、チャットボットを導入する企業の目的も広がります。
顧客対応部門だけでなく、営業、人事、総務、情報システムなどの社内業務にも利用できるため、対象となる市場が拡大します。
チャットプラスにとっては、チャットボット企業からAIエージェント企業へ事業領域を広げられるかが、今後の成長を左右するポイントです。
顧客数と顧客単価の両方を伸ばす
チャットプラスが売上を伸ばす方法は、新しい顧客を増やすだけではありません。
既存顧客に上位プランや別サービスを販売することで、1社当たりの売上を高められます。
主な成長方法は以下の通りです。
| 成長方法 | 内容 |
|---|---|
| 新規顧客の獲得 | ChatPlusなどを新しい企業へ販売 |
| アップセル | AI AgentPlusなどの上位プランへ移行 |
| クロスセル | FAQPlusなどの別サービスを追加販売 |
| アカウント追加 | 利用サイトや部署を拡大 |
| 解約率の低位維持 | 既存顧客からの売上を守る |
| ARRの拡大 | 継続課金収入を積み上げる |
新規顧客を獲得すればアカウント数が増加します。既存顧客がAI AgentPlusへ移行すれば、顧客数が増えなくても顧客単価を高められます。
さらに、FAQPlusを追加販売したり、一つの企業内で利用する部署やサイトを増やしたりすれば、1社当たりのアカウント数も増加します。
ただし、新規契約が増えても、既存顧客の解約が多ければ売上は積み上がりません。
そのため、顧客数の拡大、顧客単価の向上、解約率の低位維持を同時に進める必要があります。
新規契約・アップセル・クロスセルの3方向からARRを伸ばせるかが、チャットプラスの成長を確認するうえで重要です。
AI AgentPlusの契約拡大が重要
AI AgentPlusは、チャットプラスの将来性を考えるうえで重要なサービスです。
AIエージェント市場への期待が高まっても、実際の契約や売上につながらなければ、企業の成長には結び付きません。
今後、特に確認したい項目は以下の通りです。
- AI AgentPlusの契約数
- ChatPlusから上位プランへの移行状況
- AI AgentPlusのARR
- AI AgentPlusの月次解約率
- 大企業や官公庁への導入
- 1契約当たりの売上
- 売上高全体に占めるAI事業の割合
- 粗利率や営業利益への影響
既存のChatPlus利用企業がAI AgentPlusへ移行すれば、チャットプラスは新規顧客の獲得費用を抑えながら、顧客単価を高められます。
また、大企業への導入が進めば、利用部署やアカウント数が多くなり、1件の契約がARRへ与える影響も大きくなる可能性があります。
一方、AI AgentPlusの契約が増えても、生成AIの利用料や開発費が大きく増えれば、利益成長につながらない場合があります。
AIへの期待だけでなく、契約数・ARR・利益への貢献を確認することが重要です。
チャットプラスの事業で注意したいリスク
チャットプラスには、ストック型収益、高い利益率、AI AgentPlusによる成長余地があります。
一方で、AIチャットボットやAIエージェントの市場は競争が激しく、技術の変化も速いため、事業上のリスクにも注意が必要です。
主なリスクは以下の通りです。
- AIチャットボット市場の競争激化
- 大手IT企業との開発力・資金力の差
- AI技術の急速な変化
- 外部の生成AIモデルへの依存
- API利用料やサーバー費用の増加
- AIによる誤回答
- 顧客情報や機密情報の漏えい
- 新規顧客獲得の鈍化
- 月次解約率の上昇
- 主力事業への売上集中
- 高い利益率を維持できない可能性
生成AIの市場には、資金力や人材を持つ大手IT企業が参入しています。
大手企業が既存のクラウドサービスや業務システムにAIエージェント機能を組み込めば、単独のチャットボットサービスとの競争が激しくなる可能性があります。
また、AI技術は変化が速く、新しいモデルやサービスが短期間で登場します。開発が遅れれば、回答精度や機能面で競合に差を付けられる可能性があります。
チャットプラスは、OpenAI、Claude、Geminiなどの外部AIを組み合わせて利用しています。
複数のAIを利用できることは強みですが、外部企業の料金改定、利用条件の変更、障害などの影響を受ける可能性があります。
AI AgentPlusの利用が増えると、API利用料、サーバー費用、研究開発費、人件費も増えると考えられます。
売上高が伸びてもコストの増加が上回れば、粗利率や営業利益率が低下する可能性があります。
生成AIによる誤回答や情報漏えいも重要なリスクです。
企業の顧客対応や社内問い合わせで誤った回答をした場合、利用企業の信用低下や損失につながる可能性があります。機密情報や個人情報を扱う場合は、セキュリティ対策も必要です。
事業の安定性を見るうえでは、解約率にも注意が必要です。
競合サービスへの乗り換えや顧客企業のコスト削減によって解約が増えれば、新規顧客を獲得してもARRを積み上げにくくなります。
チャットプラスの成長性を判断する際は、売上の拡大だけでなく、解約率と利益率を維持できているかを確認する必要があります。
まとめ
チャットプラスは、企業の問い合わせ対応を自動化・効率化するSaaS企業です。
主力サービスとして、チャットボット・有人チャットのChatPlus、生成AIを活用したAI AgentPlus、FAQページを作成・管理するFAQPlusを展開しています。
売上の中心は、月額・年額料金を受け取る継続課金型の収益です。2025年6月期は、売上高の90%以上をストック型収益が占めました。
チャットプラスの主な強みは、以下の通りです。
- 顧客の要望を機能へ反映する開発体制
- 有人チャットからAIエージェントまで対応する機能
- 中小企業から大企業まで対応できる価格帯
- 幅広い業界への導入実績
- 導入前から運用後までの支援
- 継続課金による安定した売上
- SaaSモデルによる高い利益率
今後の成長では、新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客をAI AgentPlusへ移行させるアップセルと、FAQPlusを追加販売するクロスセルが重要です。
AI AgentPlusの契約が増えれば、顧客単価とARRの拡大が期待できます。
一方で、AIエージェント市場では、大手IT企業や生成AIスタートアップとの競争が激しくなる可能性があります。外部AIの利用料、開発費、サーバー費用が増えれば、現在の高い利益率が低下することも考えられます。
チャットプラスの将来性を確認する際は、AI AgentPlusの契約数、ARR、解約率、利益率の推移に注目する必要があります。
出典
チャットプラス「3分でわかるチャットプラス」
https://chatplus.jp/ir/individual/
チャットプラス「会社概要」
https://chatplus.jp/corporate/about/
チャットプラス「よくあるご質問」
https://chatplus.jp/ir/faq/
チャットプラス「Chat Plus」
https://chatplus.jp/service/chatplus/
チャットプラス「AI Agent Plus(AIエージェントプラス)」
https://chatplus.jp/service/aiagentplus/
チャットプラス「FAQ Plus」
https://chatplus.jp/service/faqplus/
チャットプラス「サービス一覧」
https://chatplus.jp/service/
日本取引所グループ「新規上場会社概要 チャットプラス株式会社」
https://www.jpx.co.jp/listing/stocks/new/t13vrt000001faux-att/07ChatPlus-Outline.pdf
日本取引所グループ「新規上場申請のための有価証券報告書 チャットプラス株式会社」
https://www.jpx.co.jp/listing/stocks/new/t13vrt000001faux-att/07ChatPlus-1s.pdf
日本取引所グループ「アナリストレポート チャットプラス株式会社」
https://www.jpx.co.jp/listing/ir-clips/analyst-report/01.html
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