米国では、2024年1月にビットコイン現物を裏付けとする上場商品が承認され、ブラックロックのIBITやフィデリティのFBTCなどが投資家の選択肢として定着しています。ビットコインを自分で保管せず、証券市場を通じて価格変動への投資機会を持てる点が大きな特徴です。
この記事では、ビットコインETFの仕組みや日本での購入可否、SBI証券・楽天証券などの取扱状況、ETFを買えない場合の代替手段、米国の主要ETF、NISA、ETFフロー、日本での解禁動向まで解説します。
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ビットコインETFとは?

ビットコインETFは、ビットコイン価格への連動を目指して取引所で売買される金融商品です。現物ビットコインを直接購入する場合と異なり、ウォレットや秘密鍵を自分で管理せず、証券市場の仕組みを通じてBTC価格へのエクスポージャーを持てます。
米国では一般に「現物ビットコインETF」と呼ばれていますが、法的にはコモディティ型ETPや信託として設計された商品が含まれ、通常の株式・債券ETFとまったく同じ制度ではありません。SECは2024年1月10日、複数のビットコイン現物型ETPの上場・取引を承認しました。
現物型ビットコインETFとは
現物型は、商品側が実際のビットコインを保有し、その価値への連動を目指す仕組みです。代表例としてiシェアーズ・ビットコイン・トラストETF(IBIT)、フィデリティ・ワイズ・オリジン・ビットコイン・ファンド(FBTC)などがあります。
投資家はETF・ETPの受益権や持分を売買するため、ビットコインを自分のウォレットへ送金することはできません。その代わり、秘密鍵の紛失や自己保管の手間を負わず、株式と似た操作で売買しやすい点が特徴です。
価格はBTC現物の価値に連動することを目指しますが、経費率、売買スプレッド、需給などによって完全に同じ値動きになるとは限りません。長期保有では、年率コストによる差も積み上がります。
先物型ビットコインETFとは
先物型は、ビットコインそのものではなく、CMEなどに上場するビットコイン先物を主な投資対象とする商品です。米国では現物型が承認される前から、ビットコイン先物ETFが取引されていました。
先物には満期があるため、保有を継続するには期近の契約を売って次の期限の契約へ乗り換える「ロール」が必要です。先の限月ほど価格が高いコンタンゴの局面ではロールコストが生じ、BTC現物よりリターンが低くなる場合があります。
現物BTCへの価格連動を重視する場合、仕組みは現物型の方が直感的です。一方、先物型には先物市場固有の需給やコストがあるため、商品名に「Bitcoin」と付いていても投資対象を確認する必要があります。
ビットコイン現物との違い
現物BTCと現物型ETF・ETPは、どちらもBTC価格の影響を強く受けますが、保有方法と取引の仕組みが異なります。 特に、24時間取引できるか、BTCを送金できるか、保管を誰が担うかが大きな違いです。
| 比較項目 | 現物ビットコイン | 現物型ETF・ETP |
|---|---|---|
| 購入場所 | 暗号資産交換業者など | 証券取引所 |
| 取引時間 | 原則24時間・365日 | 上場市場の取引時間 |
| 保管 | 自己管理または取引所等 | 商品側のカストディ体制 |
| BTCの送金 | 可能 | 不可 |
| 主なコスト | 売買手数料・スプレッド等 | 売買コスト・年率経費等 |
| 価格連動 | BTCそのもの | BTC価格への連動を目指す |
「BTCを保有して送金や自己保管もしたい」場合は現物、「証券口座の中で価格変動への投資機会を持ちたい」場合はETF・ETPというように、目的によって向き不向きが変わります。日本では現在、後者を国内証券会社から購入できない点にも注意が必要です。
ビットコインETFは日本で買える?
結論として、2026年8月21日時点では、日本の証券会社からビットコイン現物ETF・ETPを直接購入することはできません。 金融庁は、暗号資産ETFについて「国内における組成・販売が認められていない」と明示しています。
米国株や米国ETFを扱う証券会社であっても、海外で上場している商品をすべて販売できるわけではありません。暗号資産ETFは国内制度上の取扱い制約があるため、IBITやFBTCなども対象外です。
| 証券会社 | 現物BTC ETF | 代替サービス |
|---|---|---|
| SBI証券 | 購入不可 | SBI CFD/SBI VCトレード |
| 楽天証券 | 購入不可 | 楽天ウォレット |
| 松井証券 | 購入不可 | - |
| マネックス証券 | 購入不可 | マネックスビットコイン/Coincheck |
SBI証券でビットコインETFは買える?
SBI証券では、IBITやFBTCを含む米国の主要ビットコイン現物ETF・ETPを購入できません。 SBI証券は暗号資産を投資対象とするETFについて、国内で取扱いが認められていないことを理由に「採用不可銘柄」としています。
採用不可の一覧には、IBIT、FBTC、GBTC、ARKB、BITB、HODL、EZBC、BTCOなどが含まれます。米国株口座を開設している場合でも、通常の米国ETFと同じようには発注できません。
SBI証券では現物ビットコインETF・ETPは購入できない一方、店頭CFD「SBI CFD」を通じて、ビットコインなどを原資産とする暗号資産CFDを取引できます。 CFDはETFの持分や現物BTCを保有する商品ではないため、区別が必要です。また、SBIグループのSBI VCトレードでは暗号資産現物を扱っています。
楽天証券でビットコインETFは買える?
楽天証券でも、IBITなどの現物ビットコインETF・ETPは現在取り扱っていません。 楽天証券の米国ETF関連資料でもIBITは取扱い対象外として示されています。
楽天グループには楽天ウォレットがあり、ビットコインなどの暗号資産を扱っています。ただし、楽天ウォレットでBTCを購入することと、楽天証券で米国上場の現物ETFを購入することは商品・口座・取引の仕組みが異なります。
「楽天グループでビットコインを扱っている=楽天証券でIBITを買える」という関係ではありません。証券口座でのETF投資を希望する場合は、国内販売が解禁されるかを確認する必要があります。
松井証券でビットコインETFは買える?
松井証券も米国株・米国ETFを幅広く取り扱っていますが、2026年8月12日更新の取扱銘柄一覧でもビットコイン現物ETF・ETPは取扱対象になっていません。 加えて、国内では暗号資産ETFの組成・販売自体が認められていないことが前提にあります。
米国ETFの取扱銘柄数が増えても、暗号資産ETFが自動的に追加されるわけではありません。将来制度が変わった場合には、国内で販売可能になった後、各証券会社が実際に取扱商品として採用するかを確認する必要があります。
マネックス証券でビットコインETFは買える?
マネックス証券でも、米国上場の現物ビットコインETF・ETPを直接購入することはできません。 マネックスグループはCoincheckを傘下に持ち、マネックス証券には暗号資産CFDの「マネックスビットコイン」もありますが、いずれも現物ビットコインETFとは別の商品・サービスです。
CFDは差金決済取引であり、ETFの持分を保有する取引ではありません。価格への連動手段が似て見えても、レバレッジ、取引コスト、税制、リスク管理の仕組みが異なるため、同じものとして扱わないことが重要です。
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日本でビットコインETFを買えない場合の代替手段
日本でビットコインETFを購入できない場合でも、ビットコイン価格への投資手段がなくなるわけではありません。現在利用しやすい代替手段は、現物ビットコイン、暗号資産CFD、ビットコイン関連株の3つです。
ETFに最も近い代替手段は目的によって異なります。BTC価格への直接的な連動を重視するなら現物ビットコイン、証券会社の口座で値動きを取りたいなら暗号資産CFD、NISAや株式口座を使いたいならビットコイン関連株が候補になります。ただし、CFDや関連株はETFと商品性が異なり、完全な代替ではありません。
| 代替手段 | BTCへの連動 | 現物保有 | 証券口座 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 現物ビットコイン | 高い | する | × | BTCそのものへ投資。24時間取引・送金が可能 |
| 暗号資産CFD | 高い | しない | ○の場合あり | 価格差へ投資。レバレッジや調整額などに注意 |
| ビットコイン関連株 | 間接的 | しない | ○ | BTCに加えて企業業績・資本政策・株式需給の影響を受ける |
BTC価格への連動を最優先するなら現物ビットコイン
ビットコインETFを検討する理由が「BTC価格そのものへ投資したい」ことであれば、現物ビットコインが最も直接的な代替手段です。企業業績や資本政策といった別要因が入らず、BTC価格の変動がそのまま資産価値へ反映されます。
ETFとの大きな違いは、証券口座ではなく暗号資産交換業者などを利用する点です。現物BTCは原則24時間・365日取引でき、外部ウォレットへの送金や自己保管もできます。一方、秘密鍵や取引所の管理体制など、ETFでは投資家自身が負いにくい管理上の論点があります。
「証券口座で保有したい」という条件には合いませんが、IBITなどを検討していた目的が純粋なBTC価格への連動であれば、現在の日本では最もシンプルな選択肢です。
証券会社の口座でBTCの値動きを取りたいなら暗号資産CFD
証券会社の口座を利用しながらBTC価格の値動きへ投資したい場合は、暗号資産CFDが候補になります。SBI証券の「SBI CFD」やマネックス証券の「マネックスビットコイン」など、暗号資産を原資産とするCFDを提供するサービスがあります。
CFDは価格差を決済する取引であり、ビットコイン現物やETFの持分を保有する商品ではありません。レバレッジを利用できる一方、損失が大きくなる可能性があり、スプレッドや建玉にかかる調整額なども確認する必要があります。
そのため、証券口座でBTC価格へアクセスできる点はETFに近いものの、長期保有コストやリスク構造は異なります。現物ETFの完全な代替と考えず、特に長期保有ではコストとレバレッジ条件を確認することが重要です。
NISAや株式口座を使いたいならビットコイン関連株
NISAや通常の株式口座を使ってビットコインテーマへ投資したい場合は、BTCトレジャリー企業、暗号資産取引所、マイニング企業などのビットコイン関連株も選択肢になります。日本株や米国株として売買でき、銘柄によってはNISA成長投資枠の対象になる場合があります。
ただし、ビットコイン関連株はIBITのようにBTC価格への連動だけを目指す商品ではありません。株価はBTC価格に加えて、企業の売上・利益、資金調達、株式希薄化、負債、マイニングコスト、取引高、株式市場の需給などにも左右されます。
BTC上昇局面で現物以上の値動きになる銘柄がある一方、BTCが上昇しても企業固有の悪材料で株価が下落する可能性があります。NISAや株式口座を使える利便性と引き換えに、BTC以外のリスクを負う投資手段だと理解しておく必要があります。
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米国のビットコイン現物ETF・ETP一覧
日本では現在購入できませんが、米国市場でどのような商品が主流になっているかを知ることは、海外市場の動向を把握するうえでも、将来国内で取扱いが可能になった場合の比較軸を持つうえでも参考になります。米国では2024年1月に複数の現物ビットコインETPが一斉に承認され、その後も商品の追加や再編が進みました。
グレースケールの低コスト版であるBTCや、2026年4月に設定されたモルガン・スタンレー・ビットコイン・トラスト(MSBT)が加わる一方、Hashdex Bitcoin ETF(DEFI)は2026年8月17日を最終取引日として閉鎖・清算手続きに入りました。
以下は2026年8月21日時点で比較対象になりやすい主要商品です。年率コストはスポンサー報酬や経費率の名称が商品ごとに異なるため、実際の購入時には最新の公式資料を確認する必要があります。
| ティッカー | 商品名 | 運用・スポンサー | 年率コスト |
|---|---|---|---|
| IBIT | iShares Bitcoin Trust ETF | BlackRock | 0.25% |
| FBTC | Fidelity Wise Origin Bitcoin Fund | Fidelity | 0.25% |
| BITB | Bitwise Bitcoin ETF | Bitwise | 0.20% |
| ARKB | ARK 21Shares Bitcoin ETF | ARK / 21Shares | 0.21% |
| BTCO | Invesco Galaxy Bitcoin ETF | Invesco / Galaxy | 0.25% |
| EZBC | Franklin Bitcoin ETF | Franklin Templeton | 0.19% |
| BRRR | CoinShares Bitcoin ETF | CoinShares | 0.25% |
| HODL | VanEck Bitcoin ETF | VanEck | 0.20% |
| BTCW | WisdomTree Bitcoin Fund | WisdomTree | 0.25% |
| MSBT | Morgan Stanley Bitcoin Trust | Morgan Stanley | 0.14% |
| GBTC | Grayscale Bitcoin Trust ETF | Grayscale | 1.50% |
| BTC | Grayscale Bitcoin Mini Trust ETF | Grayscale | 0.15% |
コストだけを見るとMSBTやBTCが低い水準ですが、ETF・ETP選びでは資産規模、出来高、スプレッド、カストディ体制なども重要です。特に短期売買では、経費率の差よりも売買時の流動性やスプレッドの方が影響しやすい場合があります。
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ビットコインETFのおすすめは?主要商品を目的別に比較
ビットコインETF・ETPは、何を重視するかによって比較候補が変わります。 規模・流動性、年率コスト、運用会社、カストディ体制などを目的に応じて比較することが重要です。
| 商品 | 年率コスト | 規模・流動性の特徴 | 主なカストディ | 主な特徴 |
|---|---|---|---|---|
| IBIT | 0.25% | 最大級・売買活発 | Coinbase Custody | 規模と売買のしやすさ |
| FBTC | 0.25% | 大型・主要商品 | Fidelity Digital Assets | Fidelityの運用・保管体制 |
| MSBT | 0.14% | 2026年設定・実績短い | BNY/Coinbase Custody | 低コスト |
| BTC | 0.15% | GBTCより新しい | Coinbase Custody | Grayscaleの低コスト版 |
| GBTC | 1.50% | 大型・長い取引実績 | Coinbase Custody | 長い運用実績・高コスト |
主要商品だけでも、「規模・流動性を優先するか」「長期保有コストを優先するか」で候補は変わります。カストディ体制も商品ごとに異なるため、年率コストだけでなく保管先まで確認したいところです。
流動性・規模を重視するならIBITが比較の中心
iシェアーズ・ビットコイン・トラストETF(IBIT)は、規模と売買流動性を重視するときの代表的な比較対象です。ブラックロックの公式ページでは、2026年8月20日時点の純資産が約548億ドル、スポンサー報酬は年0.25%とされています。
ブラックロック公式では、30日平均出来高は約3,881万口、30日中央値のビッド・アスク・スプレッドは0.03%となっています(いずれも2026年8月19日時点)。大規模な資金が集まり、日々の売買も活発なため、売買のしやすさを重視する場合の比較対象になります。
一方、0.25%というコストは最安ではありません。長期保有でコスト差を重視する場合は、MSBTやBTC、EZBCなど低コストの商品と比較する必要があります。
運用会社の実績や暗号資産インフラを重視するならFBTC
フィデリティ・ワイズ・オリジン・ビットコイン・ファンド(FBTC)は、大手資産運用会社フィデリティが提供する代表的な現物ビットコイン商品です。年率コストは0.25%で、IBITと同水準です。
フィデリティは暗号資産分野のインフラを長年整備してきた企業で、ビットコイン関連商品の運用・保管体制まで含めて大手金融グループの実績を重視したい場合の比較対象になります。
IBITとFBTCはどちらも大型商品ですが、純資産規模や出来高には差があります。短期売買では流動性、長期保有ではコストと運用体制など、自分が重視する条件を分けて見ることが重要です。
経費率を重視するならMSBT・BTC・EZBCなどを比較
年率コストを重視すると、MSBTの0.14%、グレースケールのBTCの0.15%、EZBCの0.19%などが低い水準です。BITBとHODLも0.20%、ARKBは0.21%となっています。
MSBTは2026年4月に設定された比較的新しい商品で、低コストが大きな特徴です。ただし、新しい商品はIBITのような巨大商品と比べて取引実績や流動性の蓄積が少ない可能性があるため、経費率だけで判断するのは避けたいところです。
長期保有では0.1%前後のコスト差も積み上がりますが、売買スプレッドが大きければ入口・出口のコストが増えます。経費率と流動性をセットで確認する方が実務的です。
GBTCは歴史と規模がある一方、経費率の高さに注意
グレースケール・ビットコイン・トラストETF(GBTC)は、ビットコイン投資商品として長い運用実績を持つ一方、年率1.50%のスポンサー報酬は主要な現物型商品の中で高い水準です。
2024年の現物ETP承認後は、より低コストの商品へ資金が移る動きもみられました。グレースケール自身も低コスト版のGrayscale Bitcoin Mini Trust ETF(BTC)を展開しており、BTCの年率コストは0.15%です。
同じ運用会社でも商品構造やコストが大きく異なるため、「グレースケールだから同じ」と考えず、ティッカーと経費率を確認する必要があります。
ビットコインETFを選ぶポイント
現物ビットコインETF・ETPはBTC価格への連動を目指す点では似ていますが、保有期間や売買頻度によって重視すべき指標は変わります。 長期投資では年率コスト、短期売買では流動性とスプレッドの重要度が高くなります。
経費率は長期保有ほど影響が大きい
経費率やスポンサー報酬は、商品を保有している間に継続して負担するコストです。例えば年0.15%と年0.25%では差は0.10ポイントですが、保有期間が長く、投資額が大きいほど累積差が広がります。
ただし、低コスト商品が必ず最も有利とは限りません。売買時のスプレッドや流動性が不利であれば、特に短期売買では年率コストの差を上回る負担が発生する可能性があります。
純資産総額(AUM)は商品の規模を見る指標
AUM(Assets Under Management)は運用資産残高を示し、商品にどれだけ資金が集まっているかを見る代表的な指標です。規模が大きい商品は、一般に取引参加者が多くなりやすく、運用継続性を判断する材料にもなります。
一方、AUMは資金流入だけでなくBTC価格の上昇でも増加します。資金が入っているのか、保有BTCの評価額が上がっただけなのかを見分けるには、AUMの増減とETFフローを分けて確認する必要があります。
出来高とスプレッドは売買のしやすさに直結する
出来高が多く、買値と売値の差であるビッド・アスク・スプレッドが狭い商品ほど、希望価格に近い水準で売買しやすい傾向があります。短期売買や大口注文では特に重要です。
日々の出来高だけでなく、平常時のスプレッドや市場急変時の広がり方も確認したいポイントです。BTCは24時間動くため、米国市場の寄り付き直後などに価格変動が大きくなることもあります。
カストディ体制を確認する
現物型商品は実際のビットコインを保有するため、誰がBTCを保管するかというカストディ体制が重要です。投資家自身が秘密鍵を持たない代わりに、商品側の保管・セキュリティ体制へ依存します。
複数のカストディ業者を利用する商品もあれば、特定の事業者への依存度が高い商品もあります。ハッキングや運用上の障害だけでなく、契約・事業継続性も含めて確認する必要があります。
BTC価格との連動誤差も見る
現物型はBTC価格への連動を目指しますが、経費率、現金保有、売買コスト、需給などにより基準価額とBTC価格の動きに差が生じる場合があります。
市場価格が基準価額を上回るプレミアム、下回るディスカウントが一時的に発生することもあります。特に市場が急変している局面では、ティッカーの値動きだけでなく基準価額との乖離も確認したいポイントです。
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ビットコインETFはNISAで買える?
2026年8月21日時点では、ビットコインETFをNISAで購入することはできません。 そもそも日本国内で暗号資産ETFの組成・販売が認められておらず、IBITなどを通常口座でも購入できないためです。
NISAの成長投資枠は年間240万円、非課税保有限度額のうち成長投資枠部分は1,200万円ですが、枠があることと個別商品が対象になることは別問題です。米国ETFであっても、国内証券会社が取り扱い、かつNISAの対象要件を満たす必要があります。
将来、暗号資産ETFの国内組成・販売が可能になったとしても、自動的にNISA対象になるとは限りません。 国内上場商品の設計、NISA対象商品の要件、証券会社の取扱いなどを改めて確認する必要があります。
ビットコインETFと現物BTCはどちらがいい?
現物BTCとETF・ETPの違いは、単なる保管方法だけではなく、どの使い方を重視するかに表れます。24時間取引や送金・自己保管を重視するなら現物BTC、証券口座での一元管理や秘密鍵管理を避けたい場合はETF・ETPが比較対象になります。
| 重視すること | 現物BTC | ETF・ETP |
|---|---|---|
| 24時間取引 | ◎ | △ |
| 自己保管・送金 | ◎ | × |
| 証券口座で一元管理 | × | ◎ |
| 秘密鍵管理を避けたい | △ | ◎ |
| 年率の保有コスト | ○ | △ |
現物BTCは、24時間取引したい人や、自分で保管・送金できる資産として持ちたい人に向きます。 一方、取引所やウォレットの管理を自分で行う必要があり、秘密鍵の管理方法にも注意が必要です。
ETF・ETPは、株式や一般ETFと同じ証券口座で資産をまとめて管理したい人に向きます。 ただし、日本では2026年8月21日時点で購入できません。制度解禁後も、税制、NISA対象の有無、各証券会社の取扱商品を確認する必要があります。
ビットコインETFのメリット
ビットコインETF・ETPの主なメリットは、暗号資産の自己保管をせず、証券市場の仕組みからBTC価格への投資機会を持てることです。特に既存の証券口座で資産管理したい投資家にとって分かりやすい仕組みです。
ウォレットや秘密鍵を自分で管理する必要がない
現物BTCを自己保管する場合、秘密鍵やシードフレーズの管理が必要です。紛失すると資産へアクセスできなくなる可能性がありますが、ETF・ETPでは投資家自身が秘密鍵を管理する必要はありません。
その代わり、保管リスクがなくなるのではなく、商品側のカストディ業者や運用体制へ移ります。自己管理の負担を減らせる一方、保管先の安全性を確認することが重要です。
証券口座で株式やETFと一緒に管理できる
海外で取引可能な投資家にとっては、株式・債券・一般ETFと同じ証券口座で保有できるため、ポートフォリオ全体の残高や損益をまとめて管理しやすい点がメリットです。
リバランスも証券市場の注文で行えるため、暗号資産取引所へ資金を移す手間を減らせます。機関投資家やアドバイザーが既存の運用枠組みに組み込みやすい理由の一つでもあります。
規制された上場商品の形でBTC価格へアクセスできる
米国の現物ビットコインETPは、SECが上場・取引を承認した取引所商品として売買されます。基準価額、保有資産、商品資料などの開示を確認しながら取引できる点は、現物BTCを直接保有する場合との違いです。
ただし、SECが上場を認めたことはBTC自体の安全性や将来リターンを保証するものではありません。価格変動リスクは引き続き大きく、上場商品固有のリスクもあります。
機関投資家が参加しやすい
現物型ETPは、カストディや会計・運用上の手続きを商品側に集約できるため、現物暗号資産を直接持ちにくい投資家がBTC価格へのエクスポージャーを持つ手段になります。
ETF・ETPへの新規設定や純流入は、商品が保有するBTCの増加につながる場合があります。設定には現金方式と現物方式があるため、流入額と同額がそのまま市場買いになるとは限りません。それでも、現物型ETF・ETPの需要はビットコイン市場の需給を見るうえで重要な要素です。
ビットコインETFのデメリット・リスク
ETF・ETPにすればビットコイン特有のリスクがなくなるわけではありません。BTC価格の大幅変動に加え、取引時間、年率コスト、カストディ、商品閉鎖など上場商品固有のリスクも確認する必要があります。
ビットコインを直接保有できない
ETF・ETPの投資家が保有するのは商品持分であり、BTCそのものではありません。自分のウォレットへ引き出したり、送金・決済に使ったりすることはできません。
ビットコインを長期的な自己保管資産として持ちたい場合と、価格変動への投資手段として持ちたい場合では目的が異なります。
年率コストが継続的にかかる
現物型商品にはスポンサー報酬や経費率が設定されており、保有を続ける限りコストが差し引かれます。BTC価格が同じでも、長期では経費率分だけ現物とのパフォーマンス差が広がる要因になります。
GBTCの1.50%とMSBTの0.14%では差が大きいため、長期保有を考える場合は商品ごとのコストを必ず確認したいところです。
BTCは24時間動くがETFは市場が閉まる
ビットコインは週末を含めて24時間取引されますが、ETF・ETPは上場市場の取引時間に限られます。米国市場の休場中にBTCが大きく動くと、次の取引開始時に価格がギャップを空ける可能性があります。
相場急変時にすぐ売買できるとは限らないため、24時間取引できる現物BTCとはリスク管理の方法が異なります。
カストディや商品構造のリスクがある
自己保管をしない代わりに、ETF・ETPはカストディ業者やスポンサー、取引所など複数のインフラへ依存します。保管障害、サイバー攻撃、契約上の問題、運用上のトラブルが発生する可能性はゼロではありません。
また、米国の現物ビットコイン商品は一般的な1940年投資会社法登録ETFとは異なる構造を持つものがあります。通常の株式ETFと同じ投資家保護の枠組みだと決めつけず、商品資料を確認することが重要です。
小規模商品は閉鎖・清算される可能性もある
ETF・ETPは上場していれば永久に存続するとは限りません。Hashdex Bitcoin ETF(DEFI)は2026年8月17日を最終取引日として閉鎖・清算に入りました。
商品が閉鎖される場合、投資家は売却や清算分配への対応が必要になります。AUMが小さい商品では、コストの低さだけでなく運用継続性も確認する必要があります。
BTC価格との乖離が生じる可能性がある
現物型でも基準価額と市場価格が完全に一致するわけではありません。市場急変時にはスプレッドが広がったり、プレミアム・ディスカウントが発生したりすることがあります。
先物型ではさらにロールコストや先物カーブの影響を受けます。「ビットコインETFならBTCと同じリターンになる」と考えず、商品構造による差を織り込むことが必要です。
ビットコインETFフローとは?
ETFフローは、ETF・ETPへどれだけ資金が流入したか、または流出したかを示す指標です。現物ビットコインETFが大きな規模に成長したことで、BTC市場の需給や投資家心理を確認する材料として注目されています。
純流入・純流出で資金の方向を見る
新たな資金流入が償還による流出を上回れば「純流入」、流出が上回れば「純流出」です。純流入が続く局面では、現物型商品のBTC取得需要につながる可能性があります。
一方、純流出が続けば商品側の保有BTCが減少する方向へ働く場合があります。ただし、資金フローとBTC価格は常に同じ方向へ動くわけではありません。
AUMとETFフローは違う
AUMは商品が保有する資産の時価総額で、ETFフローは資金の出入りです。BTC価格が上昇すれば、新規資金が入っていなくてもAUMは増えます。
「ETFの資産規模が増えた=同額の買い資金が入った」とは限りません。機関投資家などの新規需要を見る場合は、AUMではなく日々の純流入・純流出を確認する必要があります。
現物ETFへの資金流入はBTC需給を見る材料になる
現物型ETF・ETPへの純流入や新規設定は、商品が保有するBTCの増加につながります。 SECは2025年7月に暗号資産ETPの現物設定・現物解約(in-kind)を認めており、設定方法には現金だけでなく現物BTCの拠出もあります。そのため、純流入額と同額のBTCがその日に市場で買われるとは限りませんが、ETF需要は現物BTCの需給を考えるうえで重要な要素です。
米国ETFのフローはFarside Investorsなどが日次で集計しており、IBIT、FBTC、ARKB、BITBなど主要商品の資金出入りを一覧で確認できます。日中は一部商品の数値が未反映の場合もあるため、確定状況を確認する必要があります。
ETFフローだけでBTC価格を予想しない
ETFフローは重要な需給指標ですが、単独でBTC価格の方向を決めるものではありません。 米金利、ドル、先物・オプション市場、企業によるBTC売買、マクロ環境なども価格へ影響します。
純流入が強くても価格が上がらない場合は、他の売り圧力が吸収している可能性があります。フローの絶対額だけでなく、BTC価格と出来高の反応を合わせて見ると市場の状態を把握しやすくなります。
ビットコインETFの日本解禁はいつ?
2026年8月21日時点で、日本のビットコインETF上場・販売開始日は確定していません。 ただし、以前よりも制度化へ向けた道筋は具体的になっており、税制と金融規制の両面で準備が進んでいます。
現在は国内で暗号資産ETFを組成・販売できない
金融庁は2025年10月のQ&Aで、国内では暗号資産ETFの組成・販売が認められていないと明示しています。この状態が変わらない限り、国内証券会社がIBITなどを一般投資家へ販売することもできません。
したがって、海外市場で商品の選択肢が増えても、日本の投資家が国内証券口座から直接買えるようになる時期は、国内制度の整備に左右されます。
2026年度税制改正で暗号資産ETFへの道筋が示された
金融庁の2026年度税制改正資料では、日本でも暗号資産ETFの組成を可能にするための検討が明記されました。暗号資産ETF等について、投資信託及び投資法人に関する法律(投信法)の施行令改正を前提に、分離課税の対象とする方向が示されています。
資料では、暗号資産ETFは「現在は組成不可(政令改正必要)」と整理されたうえで、政令改正によって組成可能にする方向が示されています。税制面だけでなく、商品を組成できる法的な枠組みを整えることがポイントです。
2026年の金融商品取引法改正はETFの即時解禁とは別
2026年7月15日には「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律」が成立し、7月23日に公布されました。改正では、暗号資産の取引業、投資運用・投資助言、不公正取引などを金融商品として規制する方向が具体化しています。
ただし、この法改正だけで国内ビットコインETFが直ちに上場・販売可能になるわけではありません。ETF組成には投信法施行令などの整備が別途必要で、商品設計、カストディ、開示、販売ルール、税制などを組み合わせて制度を整える必要があります。
解禁後も各証券会社の取扱い開始時期は別
国内で暗号資産ETFを組成・販売できるようになっても、すべての証券会社が同じ日にすべての商品を取り扱うとは限りません。 各社は商品審査、システム対応、投資家への情報提供などを行ったうえで取扱銘柄を決定します。
確認したいポイントは、投信法施行令などの改正時期、国内ETFの上場申請・承認、海外ETFの国内販売可否、税制の施行日、NISA対象の有無です。解禁時期を断定するより、これらの制度変更を順に確認する方が確実です。
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まとめ
米国ではIBITやFBTCをはじめとするビットコイン現物ETF・ETPが普及していますが、2026年8月21日時点では日本国内で暗号資産ETFの組成・販売は認められておらず、SBI証券や楽天証券などから直接購入することはできません。
米国の商品を比較する場合は、経費率だけでなくAUM、出来高、スプレッド、カストディ体制を確認することが重要です。ETFフローは現物市場の需給を見る材料になりますが、BTC価格を単独で決める指標ではありません。
日本では暗号資産ETFの組成を可能にするための税制・制度整備が具体化しています。ただし、国内上場や販売開始日はまだ確定していないため、投信法施行令などの改正と各証券会社の取扱い方針を確認していく必要があります。
出典
衆議院「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案 審議経過」
SEC「Spot Bitcoin ETP Approval Order」
iShares「iShares Bitcoin Trust ETF(IBIT)」
Fidelity「Fidelity Wise Origin Bitcoin Fund(FBTC)」
Bitwise「Bitwise Bitcoin ETF(BITB)」
21Shares「ARK 21Shares Bitcoin ETF(ARKB)」
Morgan Stanley「Morgan Stanley Bitcoin Trust(MSBT)」
Grayscale「Grayscale Bitcoin Mini Trust ETF(BTC) Fact Sheet」
VanEck「VanEck Bitcoin ETF(HODL)」
Franklin Templeton「Franklin Bitcoin ETF(EZBC)」
Invesco「Invesco Galaxy Bitcoin ETF(BTCO)」
CoinShares「CoinShares Bitcoin ETF(BRRR)」
WisdomTree「WisdomTree Bitcoin Fund(BTCW)」
Farside Investors「Bitcoin ETF Flow」
Hashdex「Hashdex Announces Closure of Hashdex Bitcoin ETF」
SBI証券「暗号資産(仮想通貨)の取扱いがあるか教えてください」
SBI証券「暗号資産等に対応した店頭CFDサービス(SBI CFD)提供のお知らせ」
SEC「SEC Permits In-Kind Creations and Redemptions for Crypto ETPs」
Fidelity「Crypto Funds(FBTCのカストディ情報)」
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