電線株が強いと言われても、実際になぜ上がっているのかは意外と見えにくいですよね。
「ただのテーマ株なのか、それとも業績につながる材料があるのか」を知りたい人は多いはずです。実際、足元ではフジクラが国内データセンター向け4000心光ファイバケーブルを製品化し、住友電工もデータセンタ用ケーブリングを展開、SWCCは中期経営計画で海外データセンター向け製品や送配電網需要を成長分野として示しています。
そこでこの記事では、電線株が上がる理由を3つに分けて整理しながら、その材料がどの銘柄に効きやすいのかまでわかりやすく見ていきます。
電線株が上がる理由を先に結論から整理
電線株が上がる理由を先に一言でまとめると、AIデータセンター、送配電網更新、海底ケーブル・再エネの3本柱です。
フジクラは生成AI拡大に伴うデータセンター需要への対応を事業説明で明示し、住友電工もデータセンタ用ケーブリングを展開しています。SWCCは高経年設備の更新や送配電網の増強を需要拡大要因として示し、古河電工は海底電力ケーブルや洋上風力向けの展開を打ち出しています。
各社の公式情報をもとに整理すると、上昇理由と関連しやすい銘柄は次のように分けて考えられます。
| 上昇理由 | 背景 | 関連しやすい銘柄 |
|---|---|---|
| 生成AIでデータセンター向け光配線需要が伸びている | 通信データ量・情報トラフィック量の増加、光ファイバの高密度化 | フジクラ、住友電工、SWCC |
| 送配電網の更新・増強で電力ケーブル需要が伸びている | 老朽設備更新、送配電網強靭化、施工性向上ニーズ | SWCC、古河電工、住友電工 |
| 再エネ・洋上風力・海底ケーブル需要も追い風 | 洋上風力、離島送電、海底線、基幹電力網整備 | 古河電工、住友電工 |
この3つのうち、今の相場で特にわかりやすいのはデータセンター向け需要です。
ただし、データセンターだけで説明すると古河電工やSWCCの強さが見えにくくなるので、送配電網更新や海底ケーブルまで含めて見ることが大切です。
電線株が上がる理由1:生成AIの普及でデータセンター需要が拡大している

今の電線株高を語るうえで、最もわかりやすい主役は生成AIとデータセンター需要です。
AI向けサーバーやクラウド基盤の増強が進むほど、サーバー間・ラック間・拠点間をつなぐ光ファイバや配線部材の需要が増えます。フジクラも住友電工も、公式にデータセンター向けの光配線ソリューションを打ち出しており、SWCCも海外データセンター向け製品の需要拡大を成長材料として示しています。
このテーマを理解するには、まず「データセンター需要が増えると、なぜ電線株に効くのか」を押さえるのが大切です。
ポイントは、AI関連の需要拡大によって光ファイバの本数が増えるだけでなく、高密度化・多心化・施工効率の高さまで求められるようになっていることです。だからこそ、単にケーブルを作っているだけでなく、配線技術や接続技術まで持つ会社が評価されやすくなります。
この流れを銘柄ベースで見ると、次のように整理しやすいです。
| 銘柄 | データセンター関連の強み | どんな見方ができるか |
|---|---|---|
| フジクラ | 高密度光ファイバケーブルSWR®/WTC®、多心光コネクタ、融着接続機 | AI・クラウド拡大の本命株として見やすい |
| 住友電工 | 光ファイバ、光コネクタ、DC向けケーブリングソリューション | 通信と電力の両方を持つ大型株として見やすい |
| SWCC | e-Ribbon®などデータセンター向け光ファイバ心線 | 中小型寄りの通信関連として比較しやすい |
データ通信量の増加で光ファイバの高密度化が進んでいる
データセンター需要の拡大は、単にサーバーが増えるという話ではありません。
生成AIやクラウドサービスの普及で通信データ量が増えると、限られたスペースや管路の中に、より多くの光ファイバを収める必要が出てきます。フジクラはまさにこの需要を背景に、国内データセンター向け最多心数とする4000心SWR®/WTC®を製品化しました。
つまり、データセンター需要が電線株に効くのは、単に「インターネット利用が増えるから」ではなく、
- 通信トラフィックが増える
- より多くの光ファイバが必要になる
- しかも省スペース・高密度・施工性が求められる
という流れがあるからです。この条件に対応できる企業ほど、電線株の中でも評価されやすくなります。
フジクラや住友電工はデータセンター向け光配線で恩恵を受けやすい
フジクラは事業紹介の中で、細径高密度型光ファイバケーブルSWR®/WTC®、多心光コネクタ、融着接続機、エンジニアリングを組み合わせた光配線ソリューションを提供し、生成AIの普及・拡大に伴い急成長するデータセンタの需要に応えると明記しています。ここまでストレートにデータセンター需要との関係を示しているため、フジクラは電線株の中でも非常にわかりやすい本命です。
住友電工も、データセンタ用ケーブリングソリューションのページで、データトラフィックの急拡大に伴ってデータセンターの重要性が高まっていること、そしてネットワークスイッチやサーバー間をつなぐためのケーブリング品質や作業効率性への要求が高まっていることを説明しています。光ファイバ・ケーブルや光コネクタなどの配線部材を含めて提供できる点は、住友電工の強みといえます。
この2社を比べると、ざっくり次のように見られます。公式の事業説明に沿って整理すると、フジクラはより光配線ソリューション色が強く、住友電工は通信と電力の両方を持つ総合力が特徴です。
| 銘柄 | 注目ポイント | 強みの見方 |
|---|---|---|
| フジクラ | 高密度・多心の光配線 | AIデータセンターの本命として見やすい |
| 住友電工 | 光配線+電力ケーブルの総合力 | 通信と電力の両面で見やすい |
SWCCもe-Ribbon®など通信分野で関連性がある
データセンター関連の電線株というと、フジクラや住友電工が先に思い浮かびやすいですが、SWCCも無関係ではありません。
SWCCは2025年9月にe-Ribbon®の増産投資を公表しており、このリボン状光ファイバ心線が主に海外のデータセンターで、データセンター間、フロア間、サーバールーム内の配線に使われていると説明しています。中期経営計画説明会資料でも、海外データセンター向けに需要が拡大しているe-Ribbon®を戦略製品として挙げています。
つまりSWCCは、フジクラや住友電工ほど「データセンター本命株」としてのイメージは強くないものの、通信分野の戦略製品を通じてAIデータセンター需要の恩恵を受けうる銘柄として整理できます。
そのため、電線株がなぜ上がるかを考えるときは、フジクラ・住友電工のような主力株だけでなく、SWCCのような周辺有力株にも物色が広がる余地があると見ておくとわかりやすいです。
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電線株が上がる理由2:送配電網の更新・増強が大きな追い風

電線株が上がる理由は、生成AIやデータセンター需要だけではありません。
もう一つの大きな柱が、送配電網の更新・増強という電力インフラの構造的需要です。SWCCは説明資料で、高経年設備の更新や送配電網の増強で需要が拡大していると明示していますし、古河電工も事業領域ページで、再エネ導入が進むなかで送電網の増強・高度化や施工現場の省力化・効率化に貢献すると説明しています。住友電工も、低圧から超高圧500kVまでの交流ケーブルをそろえ、布設・接続の工事体制まで持つと案内しています。
このテーマを整理すると、電線株への追い風は次のように分けて見やすいです。
| 背景 | 何が起きているか | 恩恵を受けやすい銘柄 |
|---|---|---|
| 老朽設備の更新 | 高経年の電力設備やケーブルの更新が必要 | SWCC、住友電工、古河電工 |
| 送配電網の増強 | 電力需要増加や系統強靭化で増設・更新が進む | SWCC、古河電工、住友電工 |
| 再エネ導入の拡大 | 再エネ接続のため送電網の高度化が必要 | 古河電工、住友電工、SWCC |
| 施工力の重要性上昇 | 省力化・工事対応力まで求められる | 古河電工、住友電工、SWCC |
老朽設備の更新で電力ケーブル需要が生まれている
送配電網関連でまず大きいのは、古くなった設備の更新需要です。
SWCCは2026年3月期第3四半期スモールミーティング資料で、高経年設備の更新や送配電網の増強で需要が拡大する一方、人手不足が課題になっていると説明しています。さらに、高経年の油絶縁型ケーブルの更新需要は2045年まで続くと整理しており、この分野が一時的な材料ではなく、比較的長いスパンの需要であることがわかります。
ここで重要なのは、単にケーブルを作れるだけではなく、更新工事に対応できるかまで見られていることです。SWCCは簡易施工タイプのケーブルや教育システムを打ち出しており、住友電工も布設・接続の工事体制を整えていると案内しています。老朽設備更新のテーマでは、製品力だけでなく、施工性や工事対応力も含めて評価されやすいと考えるとわかりやすいです。
再エネ導入で送電網の増強・高度化が必要になっている
再エネの導入が進むほど、発電所を増やすだけでは足りず、その電気を運ぶ送電網の整備が必要になります。
古河電工は、脱炭素社会に向けて再生可能エネルギー導入が進むなか、送電網の増強・高度化や施工現場の省力化・効率化に貢献すると説明しています。さらに、エネルギーインフラ事業では超高圧から中低圧までの電力ケーブル、関連機器、端末製品の製造・販売に加え、敷設を含むエンジニアリングまで一貫して提供しているとしています。
住友電工も、交流ケーブルで低圧から超高圧500kVまで対応し、直流ケーブルでも長距離大容量送電に対応する製品群を持っています。つまり、再エネ導入拡大で必要になるのは単純なケーブル増産だけではなく、高電圧・長距離・施工体制まで含めた総合対応力であり、この点が大手電線株の強みにつながっています。
古河電工やSWCCは電力インフラ色が強い
電線株の中でも、電力インフラ色が特に強いのは古河電工とSWCCです。
古河電工は送電網の増強・高度化、超高圧から中低圧までの電力ケーブル、敷設を含むエンジニアリング一体提供を事業の強みとして打ち出しています。一方のSWCCは、高経年設備更新や送配電網増強による需要拡大を正面から掲げており、電力インフラ市場での課題解決力を成長戦略として示しています。
もちろん住友電工も電力分野で大きな存在ですが、住友電工は通信と電力の両面を持つ総合型として見やすいのに対し、古河電工とSWCCは、より送配電網更新・高電圧・施工対応の文脈で整理しやすいです。電線株がなぜ上がるのかを考えるとき、AIデータセンターだけでなく、こうした電力インフラ需要が下支えしていると見ると、相場の背景がかなり理解しやすくなります。
電線株が上がる理由3:海底ケーブル・洋上風力・HVDCが成長テーマになっている

電線株の上昇理由を深掘りすると、もう一つ外せないのが海底ケーブル・洋上風力・HVDC(高圧直流送電)です。
この分野まで触れると、「電線株=データセンター」だけではないことが伝わります。古河電工は海底電力ケーブルを製品として展開し、洋上風力案件向けの納入実績も公表しています。さらに2025年にはHVDCケーブルの生産に係る設備投資を説明資料で示し、国内再エネ海底線や電力基幹系統強靭化を成長戦略に位置づけています。
このテーマを整理するなら、次のように見るとわかりやすいです。
| テーマ | 何が追い風か | 注目しやすい銘柄 |
|---|---|---|
| 洋上風力 | 洋上で発電した電気を陸上へ送る必要がある | 古河電工 |
| 海底ケーブル | 離島送電・洋上風力・国際/広域連系で需要が生まれる | 古河電工、住友電工 |
| HVDC | 長距離・大容量送電、再エネ接続で重要性が高まる | 古河電工、住友電工 |
洋上風力の拡大で海底電力ケーブル需要が高まりやすい
洋上風力が広がるほど、海上でつくった電気を陸上や系統へ流すための海底電力ケーブルが必要になります。
古河電工は2023年に入善洋上風力発電所向け海底ケーブルの納入を公表し、2024年には石狩湾新港洋上風力発電事業向けに海底ケーブルシステムを納入したと発表しています。石狩湾案件では、商用洋上風力発電として国内最高電圧となる66kVの海底ケーブルシステムだったと説明しており、この分野での実績がかなりわかりやすいです。
つまり、洋上風力が増えると単に発電設備メーカーが恩恵を受けるだけでなく、その電気を運ぶ海底ケーブルを担う会社にも追い風が及びます。電線株の中でも、この点を説明しやすいのが古河電工です。
海底ケーブルは参入障壁が高く、強い会社が限られる
海底ケーブル分野は、一般的な電線よりも設計・製造・敷設・保守まで含めた総合力が求められやすい領域です。
古河電工は石狩湾案件や入善案件で、製品供給だけでなく布設施工やエンジニアリング技術支援まで担ったと説明しています。さらに2024年には、日本国内の洋上風力発電事業拡大を見据え、海底ケーブル予備品および補修台船のスタンバイサービスに関する基本合意も発表しており、保守運用面まで含めた体制づくりを進めています。
このことから、海底ケーブルは「線を作ればいい」市場ではなく、案件対応力そのものが競争力になる分野と考えやすいです。だからこそ、対応できる会社が限られ、実績のある企業に注目が集まりやすいと整理できます。
古河電工は海底電力ケーブルやHVDC投資で注目されやすい
古河電工がこのテーマで注目されやすいのは、海底電力ケーブルの実績だけでなく、HVDCを今後の成長ドライバーとして明示しているからです。
2025年10月の説明資料では、HVDCケーブルの生産に係る設備投資を公表し、国内外の大型直流送電プロジェクト獲得によって電力事業の更なる成長ドライバーにすると説明しています。そこでは、国内再エネ海底線、国内再エネ地中線、国内超高圧地中線、電力基幹系統強靭化、そして大規模化する洋上風力への貢献が整理されています。
住友電工もHVDC分野で存在感があり、公式サイトで直流陸上・海底ケーブルを案内し、2024年にはアイルランド―英国間の国際連系送電システム向けに約190kmのHVDCケーブルプロジェクトを完工したと公表しています。とはいえ、日本株の電線株記事で海底ケーブル・洋上風力・HVDCをまとめて説明するときは、国内案件や海底ケーブル供給・布設の実績、HVDC投資まで一連で語りやすい古河電工が特に取り上げやすい存在です。
ここまでをまとめると、電線株が上がる理由は次のように整理できます。
- 洋上風力の拡大で海底電力ケーブルの需要が高まりやすい
- 海底ケーブルは製造だけでなく敷設・保守まで含めた総合力が重要
- HVDCは長距離・大容量送電や再エネ接続で成長余地が大きい
- この文脈では古河電工が特に説明しやすく、住友電工も関連性を持つ
つまり、電線株はデータセンターや送配電網更新だけでなく、海底ケーブル・洋上風力・HVDCという中長期テーマでも見られているわけです。
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電線株はどの銘柄に注目が集まりやすい?
電線株が上がる理由を見たあと、多くの人が次に気になるのは「じゃあ、どの銘柄を見ればいいのか」という点です。
実際には、同じ電線株でも強みはかなり違います。フジクラはデータセンター向けの高密度光配線でわかりやすく、住友電工は通信と電力の両面を持つ総合型、古河電工は送電網や海底ケーブル、SWCCは送配電網更新や接続材で整理しやすいです。
各社の公式資料をもとに見ると、注目されやすさの背景は次のように分けられます。
| 銘柄 | 注目されやすいテーマ | 強みの整理 | どういう見方がしやすいか |
|---|---|---|---|
| フジクラ | データセンター、光通信 | 高密度・多心の光ファイバケーブル、光配線ソリューション | AIデータセンターの本命株 |
| 住友電工 | データセンター、光通信、送配電 | 光配線と高電圧ケーブルの両方を持つ | 通信と電力を両方見たい大型株 |
| 古河電工 | 送電網、海底ケーブル、HVDC | 電力ケーブル、海底線、エンジニアリング | 電力インフラ色の強い本命株 |
| SWCC | 送配電網更新、接続材、DC関連 | SICONEX®、e-Ribbon®、施工性 | 送配電更新と周辺成長を狙う銘柄 |
この章では、単に知名度の高い順に並べるのではなく、何の理由で買われやすいのかを銘柄別に落とし込んで見ていきます。
「電線株がなぜ上がるか」を理解しても、その材料がどの会社に強く効くのかがわからないと使いにくいからです。
フジクラはデータセンター・光通信の本命株
フジクラは、電線株の中でもデータセンター・光通信テーマの本命株として整理しやすい銘柄です。
会社は2026年3月、国内データセンター向け最多心数とする4000心SWR®/WTC®を製品化したと発表しており、その背景として生成AIやクラウドサービスの普及拡大による通信データ量・トラフィック量の急増を挙げています。さらに事業紹介でも、細径高密度型光ファイバケーブルSWR®/WTC®、多心光コネクタ、融着接続機、エンジニアリングを組み合わせ、急成長するデータセンター需要に応えると明示しています。
つまりフジクラは、「電線株が上がる理由」のうち、特にAIデータセンター需要の拡大が最もわかりやすく効く銘柄です。
光ファイバ本数の増加だけでなく、高密度化、多心化、施工効率まで含めたソリューションを持つため、データセンター向け需要をストレートに説明しやすいのが強みです。
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住友電工は通信と電力の両面を持つ大型株
住友電工は、通信と電力の両面を持つ総合型の大型株として見やすいです。
データセンタ用ケーブリングソリューションのページでは、データトラフィックの急拡大に伴ってデータセンターの重要性が高まっていること、そして光ファイバ・ケーブルや光コネクタなど配線部材の製造技術を活かしてラインアップをそろえていることを説明しています。
一方で住友電工は、交流地中ケーブルのページで、世界最高電圧クラスの交流500kV基幹送電網から都市配電網、再生可能エネルギー送電線まで対応し、施工体制も持つと案内しています。
このため住友電工は、フジクラのような“データセンターど真ん中”というより、光通信の伸びも、電力インフラの伸びも両方見られる大型株として整理するとわかりやすいです。
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古河電工は送電網・海底ケーブル関連の本命株
古河電工は、電線株の中でも送電網・海底ケーブル・HVDCの本命株として整理しやすいです。
エネルギーインフラ事業のページでは、超高圧から中低圧までの電力ケーブル、関連機器、端末製品の製造・販売に加え、敷設を含むエンジニアリングまで一貫提供すると説明しています。また、再生可能エネルギー導入が進むなかで、送電網の増強・高度化や施工現場の省力化・効率化に貢献すると明示しています。
さらに古河電工は、海底電力ケーブルを製品として展開し、洋上風力案件向けの納入実績も公表しています。2024年の石狩湾新港洋上風力発電事業向けリリースでは、商用洋上風力発電として国内最高電圧となる66kVの海底ケーブルシステムを納入したと説明しています。加えて、2025年10月にはHVDCケーブルの生産に係る設備投資を決議したと公表しており、古河電工は電線株の中でも電力インフラの構造的需要を最も一連で語りやすい銘柄です。
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SWCCは送配電網更新と接続材で注目されやすい
SWCCは、送配電網更新と接続材の需要拡大で注目されやすい銘柄です。
2025年5月のSICONEX®第2期増産投資のリリースでは、高度経済成長期に建設された変電設備の更新需要に加え、データセンターの増加や再生可能エネルギーの安定供給に向けた電力網整備などで送配電網の増強需要が拡大すると説明しています。さらに、SICONEX®の受注増加と増産投資が業績に大きく貢献したことも示しています。
加えてSWCCは、通信分野でもe-Ribbon®を戦略製品として位置づけています。2026年2月公表の中期経営計画では、世界規模での生成AI市場拡大を背景に、ビッグテックによるHSDC構築の急増でDC内・DC間の高密度配線にe-Ribbon®の採用が拡大中と説明しています。
そのためSWCCは、古河電工ほど海底ケーブル色は強くない一方、送配電網更新を主軸にしながら、データセンター関連の通信需要にも接点を持つ銘柄として見やすいです。
電線株の上昇が続くかを見るチェックポイント
電線株が上がる理由を理解したあとに大切なのは、その上昇が続くかどうかをどう見極めるかです。
ポイントは、データセンター向けの新製品や設備投資が続いているか、送配電網や再エネ案件の需要が継続しているか、そして株価だけが先行していないかの3点です。各社の公式資料でも、この3点を確認しやすい材料が出ています。
まず全体像をまとめると、チェックしたいのは次の項目です。
| チェックポイント | 何を見ればいいか | 確認しやすい銘柄例 |
|---|---|---|
| データセンター向け製品や設備投資 | 新製品、増産投資、光配線戦略 | フジクラ、住友電工、SWCC |
| 送配電網や再エネ案件の継続性 | 更新需要、SICONEX®増産、海底線案件、HVDC投資 | SWCC、古河電工、住友電工 |
| 業績の裏付け | 受注増、売上拡大、戦略製品の利益貢献 | 全体で確認したい |
データセンター向け製品や設備投資が続いているか
データセンター需要を材料に電線株を見るなら、実際に新製品や設備投資が継続しているかを確認したいです。
フジクラは2026年3月に国内データセンター向け4000心SWR®/WTC®を製品化し、同月には光ファイバ・SWR®/WTC®の生産能力増強投資方針も公表しています。これは、単なるテーマ人気ではなく、会社側が需要拡大を前提に供給体制を強化していると読める材料です。
SWCCも、2025年にe-Ribbon®の16心タイプ開発と増産投資を公表し、生成AIデータセンターや海外データセンター向けの高密度配線ニーズ拡大に対応するとしています。住友電工もデータセンタ用ケーブリングソリューションを継続的に展開しており、データセンター関連事業の成長戦略資料も公表しています。
つまり、データセンター関連の上昇が続くかを見るには、製品投入→増産→戦略明示の流れが続いているかを追うのが有効です。
送配電網や再エネ案件の需要が継続しているか
電力インフラ側の上昇が続くかを見るときは、送配電網更新や再エネ案件が一過性でないかを確認したいです。
SWCCは、変電設備の更新需要や送配電網強靭化の需要を底堅いと見ていること、全国の変電所更新需要を踏まえると旺盛な需要は今後も継続すると見込まれることをIR資料で説明しています。加えて、データセンターや再エネ普及に伴う送電・変電需要も発生していると述べています。
古河電工は、海底電力ケーブルの納入・布設実績に加え、2024年には洋上風力拡大を見据えた海底ケーブルの予備品・補修台船スタンバイサービスの事業開発で基本合意を公表しました。さらに2025年にはHVDCケーブル生産設備への投資を決議しています。
こうした材料が続いているなら、電線株の上昇理由は「テーマの思惑」だけでなく、インフラ投資・案件積み上がり・供給体制強化に裏付けられていると見やすくなります。
株価だけが先行せず、業績で裏付けられているか
最後に重要なのは、株価だけが先に走っていないかです。
電線株は、AIデータセンターや再エネのような人気テーマに乗りやすい一方で、本当に強い上昇かどうかは、受注や売上、設備投資回収の見通しなどで確認する必要があります。SWCCはSICONEX®の増産投資が2024年度売上の拡大と業績に貢献したと説明しており、フジクラや古河電工も製品化や設備投資の具体策を示しています。
見る順番としては、次の流れにすると整理しやすいです。
- まず、何の理由で買われているかを確認する
- 次に、その理由に対して会社が新製品・増産・投資で動いているかを見る
- 最後に、売上や利益への反映が見えているかを確認する
この順番で見ると、「単にテーマ性が強いだけの銘柄」と「実際に事業面の追い風を受けている銘柄」を分けやすくなります。電線株の上昇が続くかを考えるときも、この3段階で確認するのが実務的です。
電線株で注意したいリスク
電線株は、生成AI向けデータセンター需要、送配電網の更新、海底ケーブル・再エネといった追い風がある一方で、テーマ株として買われやすいぶん、見落としやすいリスクもあります。
特にこのテーマは対象範囲が広く、みんかぶの「電線」テーマでも20銘柄が並んでいるように、純粋な電線メーカーから周辺株まで混ざりやすいのが特徴です。だからこそ、上昇理由だけでなく、どこに注意すべきかもあわせて見ておきたいです。
まずは、電線株を見るときに意識したい注意点を先に整理すると、次の3つです。
| 注意したい点 | どういうリスクか | 見るときのコツ |
|---|---|---|
| テーマ先行の過熱 | 人気が先に走ると株価が業績以上に動きやすい | 製品化・増産・受注の裏付けを見る |
| 原材料・市況の影響 | 銅や石油化学由来原料の価格変動を受けやすい | 価格転嫁や利益率の推移を確認する |
| 関連範囲の広さ | 本命株と周辺株が混ざりやすい | 何関連なのかを分けて考える |
テーマ株として過熱すると株価が先に動きやすい
電線株は、AIデータセンターや再エネのようなわかりやすいテーマに乗りやすいため、実際の業績より先に株価が動く局面があります。
たとえばフジクラは2026年3月に国内データセンター向け4000心SWR®/WTC®を製品化し、SWCCもSICONEX®の増産投資やe-Ribbon®の増産投資を進めています。こうした材料はたしかに事業面の裏付けになりますが、相場では「今後伸びそう」という期待が先に織り込まれることもあります。
そのため、電線株を見るときは、単に「人気テーマだから強い」と考えるのではなく、
- 新製品や増産投資が出ているか
- 受注や売上への寄与が見え始めているか
- 期待だけでなく中計や説明資料でも継続性が示されているか
といった点まで確認したいです。
特にSWCCはSICONEX®の第一期増産投資の結果、2024年度売上高が2023年度比150%になり業績に大きく貢献したと説明しており、こうした実績ベースの裏付けがあるかどうかは重要です。
銅価格や原材料、市況の影響も受ける
電線株はテーマ性だけでなく、原材料価格の影響を受けやすい業種でもあります。
電線には主に銅やアルミニウムといった金属線が使われますし、SWCCのリスク情報でも、主要原料の銅価格変動やポリエチレンなど石油化学製品の価格変動を主要リスクとして挙げています。
実際、SWCCの決算説明資料では、銅価格変動影響や材料・物流費の上昇が利益要因として明示されており、販売価格見直しや原価低減で吸収を進めていることも示されています。つまり、電線株は「テーマに乗れば自動的に利益が伸びる」わけではなく、銅価格や原材料コストをどこまで価格転嫁できるかも重要です。
この点は、特に短期で見るときに意識したいです。テーマの追い風があっても、原材料高や市況変動が利益率を圧迫することはあるので、株価だけでなく決算資料の利益増減要因も見ておくと理解しやすくなります。
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関連銘柄は範囲が広く、何関連なのかを見極める必要がある
電線株で特に注意したいのは、「関連銘柄」と言っても意味がかなり違うことです。
例えば、みんかぶの「電線」テーマには20銘柄が掲載されており、電力用電線、通信用電線、光ファイバー、自動車用ワイヤハーネスなど幅広い説明が付いています。このことからも、電線株というテーマはかなり裾野が広く、本命株と周辺株が混同されやすいことがわかります。
だからこそ、関連銘柄や一覧を見るときは、少なくとも次の3つに分けて考えたいです。
- データセンター・光通信関連
フジクラ、住友電工、SWCCなど - 送配電網・電力インフラ関連
古河電工、住友電工、SWCCなど - 周辺・波及関連
商社、流通、ケーブル周辺、テーマの一部だけ関係する銘柄
この整理をしないまま「電線関連だから」で広く見てしまうと、本命株を探したいのか、出遅れ候補を探したいのかが曖昧になりやすいです。電線株はテーマ性が強いぶん、何関連なのかを一段深く確認することが大切です。
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電線株はなぜ今上がっている?
主な背景は、AIデータセンター需要、送配電網の更新・増強、海底ケーブル・再エネ関連需要の3つです。
フジクラは国内データセンター向け4000心光ファイバケーブルを製品化し、住友電工はデータセンタ用ケーブリングを展開、SWCCは送配電網更新とデータセンター増加を需要拡大要因として示し、古河電工は海底電力ケーブルやHVDC投資を打ち出しています。
電線株の本命はどれ?
本命株として見られやすいのは、フジクラ、住友電工、古河電工、SWCCです。
ただし、どれが本命かは見るテーマで変わります。データセンター・光通信を重視するならフジクラや住友電工、送配電網・海底ケーブル・電力インフラを重視するなら古河電工やSWCCが整理しやすいです。
データセンター関連の電線株はどれ?
まず見やすいのは、フジクラと住友電工です。
フジクラは生成AIやクラウド拡大を背景に国内データセンター向け4000心SWR®/WTC®を製品化し、住友電工はデータセンタ用ケーブリングソリューションを展開しています。SWCCもe-Ribbon®の増産投資を通じて、旺盛なデータセンター需要への対応を示しています。
海底ケーブル関連の電線株はどれ?
海底ケーブル関連としてまず連想しやすいのは、古河電工です。
古河電工は石狩湾新港洋上風力発電事業向けに海底ケーブルシステムを納入し、洋上風力拡大を見据えた海底ケーブル予備品・補修台船のスタンバイサービス事業開発も進めています。住友電工も高電圧ケーブル分野でAC/DCの長距離送電実績を持っており、HVDC関連で存在感があります。
電線株の上昇はまだ続く?
続くかどうかを見るには、製品化・増産・設備投資・中計の継続性を確認したいです。
フジクラの光ファイバ製品化、SWCCのSICONEX®やe-Ribbon®の増産投資、古河電工のHVDC投資などを見ると、足元の上昇には事業面の裏付けがあります。一方で、テーマ株として期待が先行しやすく、銅価格など原材料要因の影響も受けるため、株価だけでなく業績面の確認は欠かせません。
まとめ
電線株高の主因は、AIデータセンター需要、送配電網の更新・増強、海底ケーブル・再エネの3つです。フジクラと住友電工は光通信・データセンター寄り、古河電工とSWCCは送電網・電力インフラ寄りとして整理しやすく、同じ電線株でも強みの方向はかなり違います。
一方で、電線株はテーマ株として過熱しやすく、銅や石油化学由来原料などの価格変動も受けやすい業種です。さらに関連銘柄の範囲が広いため、本命株なのか、周辺株なのか、何関連なのかを分けて見ることが大切です。
結局のところ、電線株の上昇を判断するときは、
「なぜ上がっているのか」だけでなく、「その理由が製品化・増産・設備投資・中計で裏付けられているか」
まで確認するのが実務的です。
▼出典
【電線】が株式テーマの銘柄一覧|みんかぶ
4000心SWR®/WTC® ラインナップの製品化|株式会社フジクラ
事業内容|企業情報|株式会社フジクラ|株式会社フジクラ
データセンタ用ケーブリングソリューション|住友電工
事業セグメント紹介|住友電工
交流地中ケーブル|住友電工
直流ケーブル|住友電工
エネルギーインフラ|事業領域|企業情報|古河電気工業
エネルギーインフラ|製品情報|古河電気工業
海底電力ケーブル|古河電気工業
入善洋上風力発電所向け海底ケーブルを納入|古河電気工業
石狩湾新港洋上風力発電事業(本年1月商業運転開始)へ海底ケーブルシステムを納入|古河電気工業
HVDCケーブルの生産に係る設備投資について|古河電気工業
電力接続製品SICONEX®(サイコネックス)第ニ期増産投資について|SWCC株式会社
リボン状光ファイバ心線『e-Ribbon®』増産投資について ~旺盛なデータセンター需要の増大に応える生産能力増強~|SWCC株式会社
中期経営計画説明会|SWCC株式会社
リスク情報|経営方針・体制|IR情報|SWCC株式会社

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