パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(証券コード7532、以下「パン・パシフィック」)は、2025年10月1日を効力発生日として、普通株式1株を5株にする株式分割を実施しました。基準日は2025年9月30日で、分割前に100株を保有していた株主は、分割後500株を保有する形になっています。
株式分割では保有株数が5倍に増える一方、1株あたりの株価は理論上、その分だけ小さくなります。そのため株数や株価だけを見ると変化が大きく見えますが、分割そのものによって保有資産の価値が増えたり減ったりするわけではありません。あわせて株主優待制度も見直されており、分割前後で条件を正しく比較することが重要です。
この記事では、株式分割の基準日と実施日、保有株数や株価への影響、株主優待・配当金の変更点、そして過去の分割履歴まで、パン・パシフィックの株式分割について整理します。
※本記事は2026年9月14日時点の開示資料をもとに作成しています。
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パン・パシフィックは2025年10月1日に1→5の株式分割を実施

パン・パシフィックは2025年8月18日の取締役会で株式分割を決議し、2025年9月30日を基準日、10月1日を効力発生日として、普通株式1株を5株に分割しました。基準日の株主名簿に記載・記録された株主が保有する株式が、一律で5倍になっています。
株式分割の基準日は2025年9月30日
株式分割の基準日は2025年9月30日、効力発生日は2025年10月1日です。基準日に株主名簿へ記載・記録されている株主が、分割の対象になります。
| 項目 | 日付 |
|---|---|
| 株式分割の決議・発表 | 2025年8月18日 |
| 基準日公告 | 2025年9月12日 |
| 権利付き最終日 | 2025年9月26日 |
| 権利落ち日 | 2025年9月29日 |
| 基準日 | 2025年9月30日 |
| 効力発生日 | 2025年10月1日 |
権利付き最終日とは、株式分割によって増える株式を受け取る権利を得るために、株式を保有しておく必要がある最終売買日です。今回は基準日が9月30日だったため、受渡日を考慮した権利付き最終日は9月26日となり、翌9月29日からは株価・株数が分割後ベースで取引されています。
分割前100株は500株になった
1→5の株式分割なので、保有株数は一律で5倍になります。100株を保有していた場合は500株、300株なら1,500株、1,000株なら5,000株です。証券会社での特別な手続きは不要で、分割後の株数は自動的に口座へ反映されます。
| 分割前の保有株数 | 分割後の保有株数 |
|---|---|
| 100株 | 500株 |
| 200株 | 1,000株 |
| 300株 | 1,500株 |
| 500株 | 2,500株 |
| 1,000株 | 5,000株 |
会社全体の発行済株式数も、分割によって大きく増えました。2025年7月31日時点の発行済株式総数635,370,940株を前提とした会社資料では、分割により2,541,483,760株増加し、分割後は3,176,854,700株となる計算が示されています。すべての既存株主の株数が同じ比率で増えるため、株式分割そのものによって各株主の持分比率が変わることはありません。
パン・パシフィックはなぜ株式分割した?
会社が挙げている株式分割の目的は、最低投資金額の引き下げと、株式の流動性向上・投資家層の拡大の2点です。企業価値や事業内容が変わるわけではなく、より多くの個人投資家が参加しやすい環境を整えるための施策と位置づけられています。
最低投資金額を引き下げ、投資しやすくするため
パン・パシフィックは株式分割の目的として、投資単位あたりの金額を引き下げることを挙げています。日本株は通常100株単位で売買するため、1株5,000円なら100株の購入に約50万円が必要ですが、1→5の株式分割で1株あたりの理論価格が約1,000円になれば、100株の購入金額は約10万円まで下がります。
企業価値や事業内容が変わらなくても、1単元あたりの金額が高いと、個人投資家にとっては投資しにくくなります。株式分割によって最低投資金額を引き下げ、より少額から株式を保有できるようにすることが、今回の大きな狙いです。
株式の流動性向上と投資家層の拡大を狙った
会社はもう一つの目的として、株式の流動性向上と投資家層の拡大を挙げています。流動性とは、株式を売りたい人と買いたい人が多く、売買が成立しやすい状態のことです。最低投資金額が下がることで参加できる投資家が増えれば、売買の厚みが増すことが期待できます。
2025年6月期の決算説明資料では、株式流動性の向上と個人投資家を中心とした投資家層の拡大に加え、株価変動のボラティリティを抑えることで資本コストの低減を図る考えも示されました。株式分割と株主優待制度の拡充を同時に実施した点からも、個人株主を増やす施策として位置づけられていたことが分かります。
株式分割でパン・パシフィックの株価はどうなった?
1→5の株式分割によって、パン・パシフィックの株価は理論上、分割前の約5分の1の水準に調整されました。株価だけを見ると大きく下がったように見えますが、保有株数も同時に5倍になっているため、理論上の資産価値は変わりません。
1株あたりの株価は理論上5分の1になる
1→5の株式分割では、1株あたりの株価は理論上5分の1に調整されます。例えば、分割前に1株5,000円で100株を保有していた場合、資産価値は50万円です。分割後は500株となり、理論価格が1株1,000円なら500株×1,000円=50万円と、計算上は同じ金額になります。
| 状態 | 株価の例 | 保有株数 | 理論上の資産価値 |
|---|---|---|---|
| 分割前 | 5,000円 | 100株 | 50万円 |
| 1→5分割後 | 1,000円 | 500株 | 50万円 |
株価が5分の1になったように見えても、それだけで株主の資産価値が5分の1になったわけではありません。株式分割は、1枚の大きな株式を複数の小さな単位に分けるイメージで捉えると分かりやすくなります。実際の株価は分割後も市場の売買によって動くため、理論価格と完全に同じ水準で推移するとは限りません。
分割前最後の終値5,045円は調整後1,009円に相当
分割前の権利付き最終日である2025年9月26日の終値は5,045円でした。1→5の株式分割を反映すると、5,045円÷5=1,009円に相当します。実際、株価データでも同日の分割調整後終値は1,009円と表示されています。
その後、9月29日は分割後ベースで984.1円、効力発生日の10月1日は953.6円で取引を終えています。この差は株式分割そのものによるものではなく、通常の市場取引による株価変動が含まれています。分割前後の株価を比較するときは、分割調整後の株価を使う必要があります。
株式分割で最低投資金額はどれくらい下がった?
株式分割によって、100株を購入するための必要資金はおよそ5分の1に下がりました。会社の価値そのものが下がったわけではなく、1単元を取得するための金額が小さくなった点がポイントです。
分割直前の株価ベースでは約50万円から約10万円へ
2025年9月26日の終値5,045円を使うと、分割前に100株を購入するために必要な金額は約50万4,500円でした。これを1→5の分割後価格1,009円に調整すると、100株の必要投資額は約10万900円です。
| 基準 | 1株あたり株価 | 100株の必要投資額 |
|---|---|---|
| 分割前(2025年9月26日終値) | 5,045円 | 504,500円 |
| 分割後換算 | 1,009円 | 100,900円 |
個人投資家にとっては、数十万円単位だった投資資金が10万円前後まで下がり、ポートフォリオへ組み入れやすくなりました。
株式分割でパン・パシフィックの株主優待はどう変わった?
パン・パシフィックは株式分割にあわせて、株主優待制度を保有株数に応じた3段階へ変更しました。分割前に100株を保有していた株主は分割後500株となるため、従来と同じ2,000ポイントの区分を維持しています。
2025年12月末の権利分から3段階の優待制度に変更
パン・パシフィックは2025年12月31日を基準日とする優待から、新制度を適用しています。2025年6月末の権利分までは100株以上の株主に一律2,000ポイントのmajicaポイントを進呈していましたが、分割後は保有株数に応じた3段階の制度に変わりました。
| 保有株数 | 1回あたりのmajicaポイント | 年間(年2回) |
|---|---|---|
| 100株以上300株未満 | 300ポイント | 600ポイント |
| 300株以上500株未満 | 1,000ポイント | 2,000ポイント |
| 500株以上 | 2,000ポイント | 4,000ポイント |
現在も6月末と12月末の年2回が基準日で、100株以上を保有する株主が対象です。2025年12月末権利分からは、PB商品との交換やイベントへの応募、株主限定IR Dayなどの体験型優待も新たに追加されています。
分割前100株の株主は500株となり2,000ポイントを維持
優待変更を考えるうえで重要なのは、分割前と分割後で同じ「100株」を直接比べないことです。分割前に100株を保有していた株主は、1→5の分割によって分割後500株になります。分割後500株以上の優待は1回2,000ポイントのため、分割前100株の株主は従来と同じ2,000ポイントの区分を維持しています。
| 分割前 | 分割後 | 1回あたりのmajicaポイント |
|---|---|---|
| 100株 | 500株 | 2,000ポイント→2,000ポイント |
分割後は100株以上300株未満に300ポイント、300株以上500株未満に1,000ポイントの区分が新設されました。最低保有株数は分割前と同じ100株ですが、株式分割によって100株の最低投資金額が約5分の1になったため、従来より少ない投資金額で株主優待を利用できるようになった点が制度変更の特徴です。
500株以上では体験型優待のデジタルスタンプが2倍
現行の体験型優待は100株以上の株主が対象です。株主サイトでは、買い物金額1,000円(税抜)ごとにデジタルスタンプを1個獲得でき、500株以上の株主にはスタンプが2個付与されます。スタンプはパン・パシフィックのPB商品との交換に利用できるほか、PB体感イベントやコスメイベント、株主限定IR Dayなどのメニューも用意されています。
分割前100株を保有していた株主は分割後500株となるため、従来の2,000ポイントを維持しています。一方、分割後は100株・300株の新しい区分が設けられ、最低投資金額の低下とあわせて、より少ない投資金額から株主優待を利用しやすくなりました。
株式分割でパン・パシフィックの配当金はどう変わった?
株式分割によって株数が5倍になったため、1株あたり配当金は分割後の株数に合わせて調整されています。分割前後の配当額をそのまま比較すると減配したように見えますが、同じ株数基準に直すと増配が続いています。
1株あたり配当金は分割後の株数に合わせて調整される
パン・パシフィックの2025年6月期の年間配当は、分割前の実際の金額で1株35円でした。2025年10月の1→5株式分割を反映すると、分割後ベースでは年間7円に相当します。会社も2026年8月の配当資料で、2025年6月期の年間配当を分割調整後7円として比較しています。
| 決算期 | 実際/予想の年間配当 | 分割後ベースでの見方 |
|---|---|---|
| 2025年6月期 | 35円(分割前) | 7.0円相当 |
| 2026年6月期 | 9.5円 | 9.5円 |
| 2027年6月期予想 | 10.0円 | 10.0円 |
同じ株数基準で見ると、7円→9.5円→10円予想と増配が続いています。1株あたりの表示額が小さくなった主因は株式分割で株数が増えたためで、2026年6月期はむしろ23期連続増配となりました。「35円から9.5円へ減った」と単純に見るのは不正確です。
分割前100株を持っていた場合の年間配当も増えている
分割前100株を基準に考えると、2025年6月期は35円×100株=年間3,500円でした。分割後は500株となるため、2026年6月期の年間9.5円では9.5円×500株=4,750円です。
| 決算期 | 保有株数の例 | 1株配当 | 年間配当総額 |
|---|---|---|---|
| 2025年6月期 | 100株(分割前) | 35円 | 3,500円 |
| 2026年6月期 | 500株(分割後) | 9.5円 | 4,750円 |
| 2027年6月期予想 | 500株(分割後) | 10円 | 5,000円 |
株式分割によって株数が増えた分も含めて見ると、既存株主が受け取る配当総額は増えています。
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パン・パシフィックにとって、今回が初めての株式分割ではありません。1999年以降、今回を含めて計6回の株式分割を実施しています。
1999年以降に6回の株式分割を実施
公式の株式分割履歴によると、1996年12月の株式店頭登録後、1999年、2003年、2006年、2015年、2019年、2025年の計6回にわたって株式分割を実施しています。
| 実施時期 | 分割比率 |
|---|---|
| 1999年8月 | 1→2 |
| 2003年8月 | 1→2 |
| 2006年7月 | 1→3 |
| 2015年7月 | 1→2 |
| 2019年9月 | 1→4 |
| 2025年10月 | 1→5 |
6回の分割をすべて掛け合わせると株数は480倍
各分割比率を単純に掛け合わせると、2×2×3×2×4×5=480です。1999年8月の最初の株式分割より前から1株を保有し、その後すべての分割をまたいで保有し続けたと仮定すると、現在は480株に増えている計算になります。
これは株式分割だけによる株数の変化を示したもので、480倍の投資利益が得られたという意味ではありません。分割のたびに1株あたり株価も調整されるため、株数の増加と企業価値・株価上昇は分けて考える必要があります。ただ、長期的に株価が上昇して投資単位が高くなるたびに分割を繰り返してきたことは、パン・パシフィックの株式の歴史を理解するうえで特徴的です。
株式分割で変わったこと・変わらないこと
株式分割によって株数・1株あたり株価・最低投資金額・株主優待の区分は変わりましたが、企業価値や既存株主の持株比率は基本的に変わっていません。
変わったのは株数・1株あたり価格・最低投資金額など
| 項目 | 1→5分割による変化 |
|---|---|
| 保有株数 | 5倍になる |
| 1株あたり株価 | 理論上おおむね5分の1 |
| 100株の最低投資金額 | 理論上おおむね5分の1 |
| 1株あたり配当 | 分割後株数に合わせて調整 |
| 株主優待 | 100株・300株・500株の3段階へ変更 |
特に個人投資家にとって大きいのは、100株を購入するための必要資金が大幅に下がったことです。株主優待の最低保有株数は分割前と同じ100株ですが、分割によって1単元の投資金額が約5分の1になり、従来より少ない資金で優待対象になれるようになりました。株式分割と優待制度の変更がセットで、投資の入り口を広げる形になっています。
株式分割だけでは企業価値や保有資産の理論価値は変わらない
一方、株式分割を行っただけで会社の売上高や利益、保有資産、事業価値が増えるわけではありません。既存株主の持株比率も、全株主の株数が同じ比率で増えるため基本的には変わりません。
分割後に株価が上昇するケースはありますが、それは最低投資金額の低下による投資家層の拡大、業績、需給、市場環境など複数の要因が影響した結果です。「株式分割をしたから企業価値が5倍になる」という仕組みではありません。
パン・パシフィックの株式分割に関するよくある質問
株式分割はいつ行われた?
2025年10月1日に1株を5株へ分割しました。基準日は2025年9月30日です。
100株持っていたら何株になった?
分割前100株は分割後500株になりました。1→5分割なので、保有株数はすべて5倍です。
株価が5分の1になったのは暴落?
株式分割による価格調整であれば暴落ではありません。1→5分割では株数が5倍になるため、1株あたりの理論価格は約5分の1になります。分割前100株×5,000円と、分割後500株×1,000円はいずれも50万円で、理論上の資産価値は同じです。
分割前100株の株主優待は減った?
分割前100株は分割後500株となるため、1回2,000ポイントの区分を維持しています。分割後に新しく100株を取得した場合は1回300ポイントです。分割前100株と分割後100株は同じ持分ではないため、直接比較しないことが重要です。
株式分割で配当金は減った?
1株あたりの表示額は分割比率に合わせて小さくなりますが、それだけで減配を意味しません。2025年6月期の35円は分割後換算で7円に相当し、2026年6月期は9.5円、2027年6月期は10円を予想しているため、同じ株数基準では増配が続いています。
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まとめ
パン・パシフィックは2025年9月30日を基準日として、2025年10月1日に普通株式1株を5株へ分割しました。分割前100株は分割後500株となり、1株あたり株価は理論上約5分の1に調整されます。2025年9月26日の終値5,045円を分割後ベースに直すと1,009円で、100株の最低投資金額は約50万4,500円から約10万900円へ下がる計算です。
株主優待は2025年12月末の権利分から、100株300ポイント、300株1,000ポイント、500株以上2,000ポイントの3段階に変更されました。分割前100株を持っていた株主は分割後500株となるため、従来の2,000ポイント区分を維持しています。最低保有株数は従来と同じ100株ですが、株式分割で100株の最低投資金額が約5分の1になったため、従来より少ない投資金額で株主優待の対象になれるようになったことが大きな変化です。
配当金も分割後の株数を基準に見る必要があります。2025年6月期の実際の35円は分割後換算で7円に相当し、2026年6月期は9.5円、2027年6月期は10円予想です。公式履歴では1999年以降に計6回の株式分割を行っており、すべての分割比率を掛け合わせると株数は480倍になります。今回の分割は、投資単位を引き下げて個人投資家が参加しやすくし、優待制度の拡充とあわせて株主層を広げる施策として位置づけられます。
出典
PPIH「株式分割及び株式分割に伴う定款の一部変更ならびに株主優待制度の変更に関するお知らせ」
https://ppih.co.jp/news/pdf/250818_3.pdf
PPIH「株式分割に関する基準日設定公告」
https://ppih.co.jp/ir/koukoku/20250912_ppih_koukoku.pdf
PPIH「2025年6月期 本決算連結業績説明資料」
https://ppih.co.jp/ir/library/earnings/pdf/PPIH_FY2025_Q4_Presentation_J.pdf
PPIH「株式状況」
https://ppih.co.jp/ir/stock/stockdata
PPIH「配当・株主優待情報」
https://ppih.co.jp/ir/stock/dividend
PPIH「個人投資家の皆さまへ」
https://ppih.co.jp/ir/individual
PPIH「2026年6月期剰余金の配当(増配)及び2027年6月期配当予想に関するお知らせ」
https://ppih.co.jp/news/pdf/260818.pdf
みんかぶ「パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(7532)時系列の株価推移」
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