東京海上とバークシャーの提携を知り、「バフェット氏が東京海上に投資したのか」「どんな関係になったのか」と気になっている人も多いでしょう。
この記事では、出資の仕組みやバフェット氏との関係、提携の内容、東京海上の株価・業績への影響を整理します。
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バークシャー傘下が東京海上に約2,874億円を出資

出資の基本条件
東京海上は2026年3月23日、バークシャー・ハサウェイの完全子会社であるNICOとの戦略的パートナーシップと、NICOを割当先とする第三者割当による自己株式の処分を決議しました。払込は2026年4月13日に完了しています。
NICOが取得したのは東京海上の普通株式4,820万7,200株で、2025年12月31日時点の発行済株式総数19億3,400万株に対して2.49%に相当します。処分価格は1株5,962円、処分総額は2,874億1,132万6,400円です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提携発表日 | 2026年3月23日 |
| 直接の出資主体 | National Indemnity Company(NICO) |
| NICOの親会社 | Berkshire Hathaway Inc.(100%保有) |
| 取得株数 | 48,207,200株 |
| 発行済株式に対する比率 | 2.49%(2025年12月31日時点の発行済株式数基準) |
| 処分価格 | 1株5,962円 |
| 処分価格の総額 | 287,411,326,400円(約2,874億円) |
| 方法 | 東京海上の自己株式を第三者割当でNICOに処分 |
| 払込完了日 | 2026年4月13日 |
「第三者割当による自己株式の処分」とは
今回の方法は新株を発行したのではなく、東京海上がすでに保有していた自己株式をNICOへ割り当てるものです。自己株式が外部株主の保有に移ると、自己株式を除く株式数が増えるため、既存株主の持分比率やEPS(1株当たり利益)には希薄化圧力が生じます。東京海上はこの影響を抑えるため、同時に自己株式取得を決議しています。
バフェット本人が東京海上株を買ったわけではない
今回の取引を「ウォーレン・バフェット氏が個人で東京海上株を購入した」と捉えるのは正確ではありません。直接の割当先はNICOであり、NICOはBerkshire Hathaway Inc.の100%子会社です。
さらに、バークシャーでは2026年1月1日付でGreg Abel(グレッグ・アベル)氏がCEOに就任しています。2025年のBerkshire Hathaway年次報告書では、主要な資本配分・投資判断はAbel氏の責任とされています。バフェット氏は会長として在籍し、投資や資本配分を含む事項で経営陣が相談できる立場にありますが、今回の提携を「バフェット氏本人が選んだ投資」と断定できる一次情報は確認できません。
東京海上の提携発表でバークシャー側のコメントを出しているのは、保険事業担当Vice ChairmanのAjit Jain(アジット・ジェイン)氏です。「バフェット銘柄」という呼び方を使う場合も、バークシャー・ハサウェイグループによる戦略的出資という事実と区別して理解する必要があります。
東京海上とバークシャーの提携内容は3つ
今回の提携は、単にバークシャー側が東京海上株を保有するだけではありません。東京海上の開示では、①戦略的出資、②再保険分野での協働、③M&A等における戦略的提携の3本柱で構成されています。
| 提携の柱 | 主な内容 | 東京海上側の狙い |
|---|---|---|
| ① 戦略的出資 | NICOが当初2.49%を取得 | 資本関係を基盤に長期的な協働関係を構築 |
| ② 再保険 | NICOがWAQSを通じて東京海上グループの保険リスクの一部を引受 | 収益ボラティリティの抑制、長期・安定的な再保険キャパシティの確保 |
| ③ M&A等 | グローバルな戦略的投資機会で共同投資 | 東京海上のM&A実行力とバークシャー側の資本力を組み合わせ、選択肢を拡大 |
① NICOによる東京海上への戦略的出資
提携の基盤となるのがNICOによる2.49%の出資です。東京海上は、提携協議中のNICOが市場で大量の株式を取得することは困難であることなどから、自社が保有する自己株式を第三者割当で処分する方法を選びました。
第三者割当後にNICOが東京海上株を追加取得する場合は、主として市場での買付けが想定されています。一方、NICOは東京海上取締役会の事前承認なしに東京海上株を9.9%を超えて取得できないことにも合意しています。
この「9.9%」は、バークシャー側が9.9%まで買い増すことを約束した数字ではありません。東京海上の事前承認なしに超えてはいけない保有上限の条件です。9.9%までの取得予定や買い増しが確定しているわけではありません。
② WAQS再保険で長期・安定的なキャパシティを確保
再保険とは、保険会社が引き受けたリスクの一部を別の保険会社・再保険会社へ移転する仕組みです。巨大自然災害などが発生したときの損失集中を抑えるために使われます。
東京海上とNICOはWhole Account Quota Share(WAQS)再保険で協働します。東京海上の開示では、WAQSを「原則として特定の保険種目に限定せず、あらかじめ定義した対象ポートフォリオ全体について、保険料や保険金・損害調査費などを一定割合で再保険会社に出再する比例再保険」と説明しています。
東京海上側の狙いは、再保険市場の価格変動に左右されにくい長期・安定的な再保険基盤を強化し、自然災害リスクなどによる収益変動を抑えることです。さらに、再保険によって創出されたリスクキャパシティを、元受保険などの成長分野へ振り向ける考えを示しています。
東京海上は2026年5月の決算電話会議で、WAQSはすでに開始しているものの、再保険プログラム全体の最適化や新たなリスクテイクも行うため、2026年度利益への影響は限定的と説明しています。さらに、Berkshire Hathawayの2026年第2四半期Form 10-Qでは、このWAQSが2026年4月1日に開始したことが開示されています。NICOは2026年第2四半期に4億8,300万ドルのwritten premiumsを計上しており、WAQSが4月1日に開始したため上期累計も同額です。対象は10年間の期間に付保される損害保険リスクです。written premiumsは利益額ではありませんが、再保険分野の協働がすでに実行段階に入っていることを確認できます。
③ M&Aなどで共同投資
3つ目はM&Aなどのグローバルな戦略的投資機会での協働です。東京海上は、国内外の保険会社を買収しながら海外事業を拡大してきました。一方、バークシャー・ハサウェイグループは巨大な資本力を持ちます。
東京海上は公式資料で、自社のM&A実行力とNICOの資本力を組み合わせることにより、M&A実行時の選択肢や可能性が大きく広がると説明しています。2026年度上期IR説明会でも、この提携を「Aspiration 2035」に向けた成長戦略を加速させる材料として位置付けています。
現時点で、両社による具体的な共同M&A案件の成立は会社から公表されていません。将来の共同投資機会を広げる枠組みができた段階であり、具体的な案件の有無・条件は別途確認する必要があります。
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東京海上とバークシャーの提携はどこまで進んだ?
提携の進捗と希薄化対応の現在地
2026年8月26日時点では、提携は発表だけにとどまっていません。NICOへの第三者割当は4月13日に払込が完了し、WAQSは4月1日に開始しました。Berkshire Hathawayの2026年第2四半期Form 10-Qによると、NICOは東京海上とのWAQS契約から2026年第2四半期に4億8,300万ドルのwritten premiumsを計上しており、WAQSが4月1日に開始したため上期累計も同額です。再保険分野の協働は実行段階に入っています。一方、M&Aについては両社による具体的な共同案件の成立は会社から公表されていません。
| 項目 | 2026年8月26日時点の状況 |
|---|---|
| NICOの出資 | 4月13日に第三者割当の払込完了 |
| WAQS再保険 | 2026年4月1日に開始。2026年第2四半期のwritten premiumsは4億8,300万ドルで、WAQSが4月1日に開始したため上期累計も同額(Berkshire Hathaway Form 10-Q)。対象は10年間の期間に付保される損害保険リスク |
| 共同M&A | 具体的な成立案件は会社から未公表 |
| 希薄化相殺目的の自己株買い | 8月4日に2,874億円枠が終了。38,625,800株を取得 |
| 追加の希薄化相殺 | 会社は追加取得が必要になる見込みと説明。具体的な株数・時期は未公表 |
完全な希薄化相殺には追加の自己株式取得が必要
希薄化相殺目的の自己株式取得では、NICOへ処分した48,207,200株に対し、8月4日までの取得は38,625,800株でした。差は9,581,400株です。東京海上は5月時点で、株価上昇により同数を買い戻すには追加取得が必要になる見込みとし、その追加分は下期の株主還元の中で考慮すると説明しています。
なぜバークシャーは東京海上と提携した?
バークシャー側が東京海上と提携した理由について、会社の一次資料では、両社の企業文化・価値観の共通点と、それぞれの強みの補完関係が説明されています。
企業文化・価値観の共通点
東京海上は、バークシャー・ハサウェイが重視する「分権型の経営モデル」「誠実性」「財務の強靭性」「資本規律」といった企業文化・価値観が自社と非常に共通すると説明しています。
東京海上とNICO・バークシャーの強みの補完関係
東京海上はそのうえで、NICOの強固な財務基盤と保険・再保険の引受経験、東京海上のグローバル保険プラットフォーム、保険引受力、資本健全性、M&A実行力を組み合わせる狙いを示しています。
| 東京海上側の主な強み | NICO・バークシャー側の主な強み |
|---|---|
| グローバルな元受保険プラットフォーム | 強固な財務基盤 |
| 保険引受力・リスク選択力 | 保険・再保険分野の豊富な引受経験 |
| 過去の戦略的買収で培ったM&A実行力 | 大規模な資本力 |
| 国内外に分散した保険事業基盤 | 長期志向の資本配分・投資文化 |
したがって、提携の意味は「有名投資家が東京海上を評価した」という一点だけではありません。東京海上にとっては、再保険の安定性とM&A時の資本面の柔軟性を高めること、NICO側にとっては、東京海上が保有する分散されたグローバル保険リスクへ継続的にアクセスできることが会社資料で示されています。
バフェットと東京海上にはどんな関係がある?
ウォーレン・バフェット氏は長年Berkshire Hathawayを率い、日本では5大商社への投資でも知られています。そのため今回の東京海上への出資も「バフェットが東京海上を買った」と表現されることがありますが、2026年時点の経営体制と出資主体を分けて見る必要があります。
経営体制と出資主体の事実関係
| 確認ポイント | 事実 |
|---|---|
| Berkshire HathawayのCEO | Greg Abel氏(2026年1月1日就任) |
| Warren Buffett氏 | 会長として在籍。CEOではない |
| 主要な資本配分・投資判断 | Berkshireの2025年年次報告書ではAbel氏の責任と記載 |
| 東京海上への直接の出資主体 | National Indemnity Company |
| 東京海上の発表でコメントしたBerkshire側幹部 | Ajit Jain氏(保険事業担当Vice Chairman) |
バフェット氏個人ではなく、Berkshireグループとしての提携
Berkshireの年次報告書では、バフェット氏は会長として週5日オフィスに出ており、保険引受や事業運営、株式投資を含む資本配分について相談可能な立場にあるとされています。一方で、主要な資本配分・投資判断の責任はAbel氏に移っています。
バフェット氏本人が東京海上への投資を決めたことは確認できません。2026年時点で確認できるのは、Berkshire Hathawayグループと東京海上が戦略的パートナーシップを結んだという事実です。
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5大商社への投資とは何が違う?
Berkshire Hathawayは日本の三菱商事、伊藤忠商事、三井物産、丸紅、住友商事の5大商社株を長期保有しています。2025年末時点のBerkshire年次報告書では、各社の保有比率はおおむね9.7~10.8%で、日本への投資を米国の主要保有株と同様に長期的な価値創造機会として位置付けています。
東京海上への出資は、株式を長期保有するだけの枠組みではない点が大きな違いです。東京海上とNICOの契約には、資本関係に加えてWAQS再保険とM&A等の共同投資が組み込まれています。
| 比較項目 | 5大商社への投資 | 東京海上との提携 |
|---|---|---|
| 基本的な性格 | 長期的な株式投資 | 資本関係を基盤とする戦略的パートナーシップ |
| NICOの東京海上株の当初保有比率 | - | 2.49% |
| 特徴 | 株式保有による長期価値創造 | 保険ビジネスの協働と共同投資まで含む |
バークシャーは東京海上株をさらに買い増す?
追加取得の可能性を残す契約になっていますが、買い増しが決定しているわけではありません。東京海上は、第三者割当後にNICOが追加取得する場合、主として市場での買付けが想定されると説明しています。
一方、NICOは東京海上取締役会の事前承認なしに東京海上株を9.9%を超えて取得できません。この条項から分かるのは「9.9%超には事前承認が必要」ということまでであり、「9.9%まで必ず買う」という意味ではありません。
また、9.9%未満であっても追加取得の時期・株数・価格は会社から確定事項として公表されていません。保有比率を確認する際は、その後の大量保有報告書や東京海上・Berkshire側の開示を確認する必要があります。
約2,874億円の第三者割当で既存株主は希薄化する?
希薄化が生じる仕組みと東京海上の対応
今回の第三者割当では東京海上が保有していた自己株式をNICOへ処分するため、自己株式を除く株式数が増えます。そのため、既存株主の持分比率やEPS(1株当たり利益)には希薄化圧力が生じます。東京海上はこの影響を抑制する目的で、第三者割当と同時に自己株式取得を決議しました。
第三者割当による差引手取概算額は約2,874億円で、東京海上はこの資金を2026年4月~9月に実施する自己株式取得へ充当すると明記しています。この2,874億円を直接M&Aの買収資金へ充てる計画ではありません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 第三者割当の差引手取概算額 | 287,400,326,400円(約2,874億円) |
| 公表された直接の資金使途 | 希薄化影響を抑制するための自己株式取得 |
| 自己株式取得の当初上限 | 2,874億円 |
| 当初の取得期間 | 2026年4月~9月 |
希薄化相殺の自己株式取得は当初上限だけでは終わらなかった
2,874億円を上限とする希薄化相殺目的の自己株式取得は、2026年8月4日までに終了しました。累計取得株数は38,625,800株、取得総額は287,399,432,800円です。NICOへ処分した48,207,200株と比べると9,581,400株少なく、この2,874億円枠だけでは同数の買い戻しには届きませんでした。東京海上は2026年5月時点で、株価上昇により完全な希薄化相殺には追加の自己株式取得が必要になる見込みと説明しており、その追加分は下期の株主還元の中で考慮するとしています。2026年8月26日時点では、追加分の具体的な取得株数や実施時期は公表されていません。
年間4,000億円の通常の自己株式取得とは別枠
なお、2026年度に年間4,000億円を実施する方針とした通常の自己株式取得は、2,874億円の希薄化相殺目的の自己株式取得とは別枠です。東京海上は2026年5月の決算電話会議で、株価上昇によって必要となる追加の希薄化相殺分についても、年間4,000億円とは別枠で下期の株主還元において考慮すると説明しています。
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バークシャーとの提携で東京海上の株価はどう動いた?
東京海上が戦略的パートナーシップを公表したのは2026年3月23日15時45分で、東京証券取引所の通常取引終了後でした。同日の終値は発表前の値であり、提携発表への現物市場の反応は翌24日から表れています。
翌3月24日は東京海上株がストップ高水準で買い気配となり、最終的にストップ高となりました。ロイターは、NICOによる2.49%出資や再保険・M&Aでの戦略提携が好感されたと報じています。株価反応は確認できますが、「バフェットのお墨付きだけが上昇原因」といった単一要因で断定することはできません。
株価に影響し得る材料としては、長期投資家グループとの資本関係、追加取得の可能性、再保険によるリスク管理、共同M&Aによる成長機会、希薄化相殺の自己株式取得など複数の要素があります。
バークシャーとの提携は東京海上の業績にどんな影響がある?
短期的な利益への影響は限定的
東京海上は、提携による短期的な利益寄与は限定的と説明しています。3月23日の発表時点では2026年3月期業績への影響を軽微とし、5月の決算電話会議では、WAQSはすでに開始しているものの、再保険プログラム全体の最適化や新たなリスクテイクも行うため、2026年度利益への影響は限定的と説明しました。
中長期で確認したいポイント
中長期では、①再保険を通じた収益変動の抑制、②創出したリスクキャパシティを成長分野へ再配分できるか、③共同M&Aが具体化するか、④資本政策の柔軟性がEPS・ROE向上につながるかが確認ポイントになります。
| 時間軸 | 確認したいポイント |
|---|---|
| 短期 | WAQSの開始状況、再保険プログラムの変更、株主還元・希薄化相殺の進捗 |
| 中期 | 創出したキャパシティをどの成長分野へ振り向けるか、M&A共同投資の具体化 |
| 長期 | 提携がEPS・ROE・企業価値の成長に継続的につながるか |
東京海上とバークシャーの提携で今後注目したいポイント
提携の評価は、出資発表時の株価上昇だけでなく、実際の事業・財務成果で確認する必要があります。今後は次の項目が重要です。
- NICOによる東京海上株の追加取得の有無と保有比率
- WAQS再保険の拡大・再保険プログラム全体への効果
- 再保険で創出したリスクキャパシティの具体的な活用先
- Berkshireグループとの共同M&A・戦略投資案件の具体化
- 希薄化を完全に相殺するための追加自己株式取得の方針・実施状況
- 通常の自己株式取得・配当を含む資本政策
- 提携後のEPS・ROE・International事業利益の推移
東京海上は2026年度上期IR資料で、今回の提携を「Aspiration 2035」に向けたブースターと位置付けています。ただし、提携の企業価値への効果は将来のM&Aやリスクテイクの成果によって変わるため、会社計画と実績を継続的に比較する必要があります。
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東京海上とバークシャーについてよくある質問
バフェットは東京海上株を買った?
ウォーレン・バフェット氏個人が東京海上株を買ったわけではありません。直接の出資主体は、Berkshire Hathaway Inc.の100%子会社であるNational Indemnity Companyです。2026年からBerkshireのCEOはGreg Abel氏で、主要な資本配分・投資判断はAbel氏の責任とされています。
バークシャーは東京海上を何株持っている?
第三者割当でNICOが取得したことを確認できるのは48,207,200株で、当初の保有比率は2.49%です。その後の追加取得について、具体的な株数は会社から公表されていません。そのため、2026年8月26日時点の正確な保有株数は公開情報だけでは確定できません。
東京海上は2026年10月1日に1株を15株へ分割する予定です。10月1日の15分割まで保有株数に変動がなければ、分割後の株数は単純計算で15倍になりますが、持株比率そのものは株式分割だけでは変わりません。
バークシャーの出資額はいくら?
処分価格の総額は287,411,326,400円で、約2,874億円です。1株当たり処分価格は5,962円でした。
バークシャーは東京海上を9.9%まで買う?
9.9%までの買い増しが決まっているわけではありません。NICOが東京海上取締役会の事前承認なしに9.9%を超えて取得できないという契約条件です。追加取得の可能性はありますが、具体的な株数や時期は確定していません。
バークシャーは東京海上を買収する?
今回の当初出資比率は2.49%で、少数株主としての戦略的出資です。9.9%超の取得には東京海上取締役会の事前承認が必要です。またNICOはVoting Agreementの有効期間中、保有する東京海上株について、東京海上取締役会の推奨に従って議決権を行使するか、東京海上の求めに応じて委任状を交付することに合意しています。こうした契約条件が公表されていますが、現時点で東京海上を買収する計画は発表されていません。公表されているのは、NICOによる少数株主としての戦略的出資です。
5大商社への投資と同じ?
同じではありません。5大商社はBerkshireの長期株式投資として保有されていますが、東京海上では株式出資に加え、WAQS再保険とM&A等の協働を戦略的パートナーシップの柱として契約しています。
まとめ
2026年3月、Berkshire HathawayグループのNational Indemnity Companyは、東京海上ホールディングスの自己株式4,820万7,200株を約2,874億円で取得しました。当初の保有比率は2.49%です。
ただし、これはウォーレン・バフェット氏個人による投資ではありません。2026年時点のBerkshire CEOはGreg Abel氏で、直接の出資主体は再保険中核会社のNICOです。今回の提携は、株式保有だけでなく「戦略的出資・再保険・M&A等」の3本柱で構成されています。
また、9.9%は買い増し予定ではなく、東京海上の事前承認なしに超えて取得できない契約上の条件です。第三者割当で得た約2,874億円の直接の使途も、M&Aではなく希薄化影響を抑えるための自己株式取得とされています。短期的な利益寄与は会社自身も限定的としており、今後はWAQSで創出したキャパシティの活用や共同M&AがEPS・ROEの成長に結び付くかが焦点になります。
出典
・東京海上ホールディングス「Berkshire Hathawayグループとの戦略的パートナーシップについて(戦略的提携及び第三者割当による自己株式の処分に関するお知らせ)」:https://ssl4.eir-parts.net/doc/8766/tdnet/2779098/00.pdf
・東京海上ホールディングス「2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」:https://www.tokiomarinehd.com/ir/event/presentation/2025/gi58a8000000246z-att/4Q_FY2025_Summary_Report_j.pdf
・東京海上ホールディングス「2025年度決算電話会議 質疑応答要旨」:https://www.tokiomarinehd.com/ir/event/presentation/2025/qa_04.html
・東京海上ホールディングス「2025年度決算電話会議スクリプト」:https://www.tokiomarinehd.com/ir/event/presentation/2025/gi58a8000000246z-att/4Q_FY2025_Conference_Call_Script.pdf
・東京海上ホールディングス「2026年度上期IR説明会 東京海上グループの経営戦略」:https://www.tokiomarinehd.com/ir/event/presentation/2026/gi58a80000001rnt-att/IR_conference_FY2026_j.pdf
・Berkshire Hathaway Inc.「2025 Annual Report」:https://berkshirehathaway.com/2025ar/2025ar.pdf
・Berkshire Hathaway Inc.「Form 10-Q(Quarter ended June 30, 2026)」:https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1067983/000119312526341032/brka-20260630.htm
・東京海上ホールディングス「自己株式の取得状況および取得終了に関するお知らせ(2026年3月23日開催の取締役会決議分)」:https://www.release.tdnet.info/inbs/140120260803507347.pdf
・Reuters「バークシャー子会社が東京海上に出資、再保険分野やM&Aで提携」:https://jp.reuters.com/markets/global-markets/O2JLHVU3MVJWJBLEEVCJGTLOCI-2026-03-23/
・東京海上ホールディングス「ニュースリリース」:https://www.tokiomarinehd.com/newsroom/release/
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