三菱マテリアルの株価はなぜ上がる?銅・レアアース・資源循環を解説

三菱マテリアル(5711)の株価が注目される背景には、銅価格の上昇だけでなく、レアアース・タングステン・資源循環といった複数の成長材料があります。

さらに2026年8月6日に発表した2027年3月期第1四半期決算では、1Qとして過去最高益を記録し、通期業績予想も大幅に上方修正しました。従来は大幅減益予想が株価の重しとなり得る状況でしたが、業績面の前提は大きく改善しています。

この記事では、三菱マテリアルの株価が上がる理由について、最新決算、銅、レアアース、資源循環、タングステン、AI・半導体需要などの観点から整理します。

▼公式サイトはこちら

【楽天証券】最大20,700ポイントのチャンス!

目次

三菱マテリアルの株価が上がる理由

三菱マテリアルの株価上昇を考えるうえでは、「資源価格」「業績」「成長テーマ」の3つを分けて見ることが重要です。足元ではこれらが同時に追い風となっています。

主な上昇要因ポイント
最新決算1Q過去最高益、通期業績予想を大幅上方修正
銅価格上昇による鉱山収益・配当の増加、長期需要拡大
レアアース米ReElementへの出資、日米でリサイクル事業化を検討
資源循環E-Scrap処理量倍増、二次原料製錬への転換
タングステン価格上昇が業績を押し上げ、リサイクル能力も増強
AI・半導体半導体需要改善、データセンター向け銅製品の開拓
為替・金円安と金価格上昇が資源・製錬収益を押し上げ

なかでも2026年に入って重要度が増しているのが、レアアース・資源循環への事業展開と、8月に発表された大幅な業績上方修正です。単なるテーマ株としてではなく、実際の利益成長につながる材料が増えている点が注目されます。

最新決算の大幅上方修正が新たな株価上昇材料

2026年8月6日に発表された2027年3月期第1四半期決算は、業績面から三菱マテリアルを評価する前提を大きく変える内容でした。1Qとして過去最高益を記録したうえ、会社は通期予想を大幅に引き上げています。

1Qは過去最高益を記録

2027年3月期1Qは、タングステン・銅・金などの金属価格上昇、円安、自動車・半導体関連の需要改善を背景に大幅な増収増益となりました。

項目2027年3月期1Q前年同期増減
売上高5,970億円4,314億円+1,656億円
営業利益329億円▲26億円+356億円
経常利益519億円▲1億円+520億円
純利益512億円▲40億円+553億円

営業利益は赤字から329億円へ黒字転換し、売上高営業利益率も約5.5%まで改善しました。在庫評価影響を除いた営業利益も297億円となっており、増益のすべてが在庫評価によるものではありません。

経常利益では、投資先銅鉱山からの受取配当金が前年同期の24億円から125億円へ増加しました。銅価格上昇と円安が、鉱山権益を通じて利益に波及していることが確認できます。

営業利益予想を360億円から1,300億円へ大幅上方修正

決算と同時に、2027年3月期の通期業績予想も大幅に引き上げられました。従来計画では営業利益360億円と前期比で大きな減益が見込まれていましたが、新予想では1,300億円まで引き上げられています。

項目5月13日時点予想8月6日時点予想修正幅
売上高1兆9,900億円2兆4,000億円+4,100億円
営業利益360億円1,300億円+940億円
経常利益730億円1,800億円+1,070億円
純利益490億円1,400億円+910億円

営業利益予想は従来計画の約3.6倍、経常利益予想は約2.5倍です。会社は通期でも過去最高益を見込んでおり、従来の「今期は大幅減益」という弱材料は大きく後退しました。

予想ROEも6.8%から18.5%、ROICも6.7%から13.7%へ引き上げられています。市況変動の影響を受ける点には注意が必要ですが、資本効率の見通しまで大きく改善したことは、株価評価の見直しにつながり得る要素です。

上方修正は在庫評価益だけではない

資源価格が上昇すると、保有在庫の評価益によって利益が膨らむことがあります。そのため、資源株の上方修正を見る際には「一時的な在庫評価だけで増えたのか」を確認する必要があります。

今回の営業利益上方修正940億円に対し、在庫評価影響を除いた実力差は823億円です。経常利益でも、1,070億円の上方修正に対して在庫評価影響を除いた実力差は916億円となっています。

主な増益要因は、タングステン製品の販売価格上昇、銅価上昇・円安による鉱山配当の増加、1Q実績の上振れなどです。金属市況の恩恵は大きいものの、「在庫評価益だけの好決算」と捉えるのは適切ではありません。

銅価格の上昇が三菱マテリアルの追い風

三菱マテリアルは銅関連銘柄として注目されやすい企業ですが、銅価格上昇の恩恵は鉱山権益・製錬・伸銅品でそれぞれ異なります。特に株価上昇材料になりやすいのは、鉱山収益の増加と長期的な銅需要拡大です。

銅価格上昇で鉱山収益が増えやすい

三菱マテリアルは海外の銅鉱山へ投資しており、銅価格が上昇すると投資先鉱山の収益改善を通じて受取配当金や持分法利益が増えやすくなります。

2027年3月期1Qでは、銅価格が前年同期の432セント/ポンドから604セント/ポンドへ上昇し、円安も重なりました。その結果、受取配当金は24億円から125億円へ増加しています。通期予想でも、銅価上昇と円安を踏まえた鉱山配当見通しの更新が経常利益を61億円押し上げる想定です。

銅高は「製品価格が上がる」というだけでなく、保有する鉱山権益の価値と利益を通じて業績に反映される点が三菱マテリアルの特徴です。

AI・データセンター・EV・電力網の拡大で銅需要は長期的に増える見通し

銅は電線、送配電網、データセンター、EV、再生可能エネルギー設備など、電化が進むほど使用量が増える素材です。AIデータセンターの増設も、サーバーだけでなく電源設備や送配電インフラの増強を必要とするため、銅需要を支える要因になります。

IEAの「Global Critical Minerals Outlook 2026」では、銅需要は2040年までに約700万トン増加し、主要重要鉱物のなかで最大の数量増になると予測されています。発表済みプロジェクトを前提としても、2035年には約25%の供給不足が見込まれています。

短期の銅価格は景気や中国需要、ドル相場などで変動しますが、電力網・AI・EV・再エネを背景とした長期需要は三菱マテリアルの資源・リサイクル戦略を支える構造的な材料です。

「銅高=すべて利益増」ではなくTC/RC悪化には注意

一方、三菱マテリアルは銅鉱山会社だけではありません。銅精鉱から電気銅を生産する製錬事業も大きく、ここではTC/RCが収益を左右します。TC/RCは、鉱山会社から受け取った銅精鉱を製錬する際の加工賃にあたる収入です。

銅精鉱の供給不足と製錬能力の増加によってTC/RCは歴史的な低水準となっており、IEAも2026年の銅製錬ベンチマークフィーが0ドル/トンまで低下したと指摘しています。

三菱マテリアルの1QでもTC/RC悪化は21億円の減益要因でした。ただし会社は銅プレミアムの改定などで期初想定どおり吸収しており、足元では鉱山収益・価格上昇のプラスが上回っています。

レアアース関連銘柄として注目されている

2026年に三菱マテリアルの新たなテーマとなっているのがレアアースです。同社は米ReElement Technologiesへ出資し、レアアース・レアメタルのリサイクル分野で日米協業を開始しています。

米ReElement Technologiesへ出資

三菱マテリアルは2026年3月31日、米国インディアナ州のReElement Technologiesに出資し、レアアース・レアメタルリサイクル分野でMOUを締結しました。

ReElementは、レアアース分離精製工程で独自のクロマトグラフィー技術を持ちます。三菱マテリアルによると、使用済み磁石や電池などのスクラップに加え、天然鉱石や鉱山廃棄物からもレアアース・レアメタルを高純度99.5%以上、高収率95%以上で回収できる技術です。

三菱マテリアルが持つE-Scrap集荷力や前処理・金属回収技術と、ReElementの分離精製技術を組み合わせられる点が重要です。単なる出資先テーマではなく、既存の資源循環事業との接続が見込まれています。

米国と日本の両方で事業化を検討

米国では、ReElementが建設する商業施設を活用し、製品のオフテイクやトーリング、E-Scrapなどの原料調達で協業する計画です。北米で重要鉱物の域内サプライチェーンを構築する流れに参画する狙いがあります。

日本では共同でフィージビリティ・スタディを行い、将来的な共同事業化を検討します。公式発表ではJoint Venture(JV)の設立も想定されており、事業化が進めばレアアース関連のテーマ性だけでなく、実際の売上・利益への貢献が次の評価材料になります。

南鳥島のレアアース採掘企業ではない

三菱マテリアルをレアアース関連銘柄として見る際には、「南鳥島などでレアアースを採掘する会社」という理解は適切ではありません。

現時点で公式に確認できる具体的な取り組みは、使用済み磁石やスクラップなどからレアアース・レアメタルを回収し、分離・精製するリサイクル側の事業です。むしろ、鉱山開発に依存せず都市鉱山や二次原料から重要鉱物を回収することが、三菱マテリアルの資源循環戦略と一致しています。

資源循環ビジネスが中長期の成長材料

三菱マテリアルは2026~2028年度の中期経営戦略で、「資源循環ビジネスで未来を創る企業へ」を基本方針に掲げています。これは環境対応だけではなく、収益構造そのものを変えるための事業戦略です。

E-Scrap処理量を2035年度までに倍増する方針

E-Scrapとは、廃電子基板など金属を含む電子スクラップです。三菱マテリアルはE-Scrapを集荷・処理し、銅・金・銀などを回収しています。会社は世界トップクラスのE-Scrap集荷・処理能力と技術力を強みとして挙げています。

中期戦略では、銅精鉱処理量を2025年度比60~70%まで減らす方向で検討する一方、E-Scrapの集荷・処理量を2035年度までに倍増する目標を掲げています。

日本での処理能力増強だけでなく、欧州では二次原料製錬所の新設を検討し、米国でもExurbanプロジェクトを進めるなど、海外まで含めた資源循環ループの構築を目指しています。

「都市鉱山」を活用できることが強み

使用済み家電、電子機器、自動車、超硬工具などには、銅・金・銀・レアメタルなど多くの資源が残っています。これらを回収し再利用する考え方は「都市鉱山」と呼ばれます。

三菱マテリアルは、家電リサイクル、E-Scrap集荷、製錬、伸銅品、超硬製品まで幅広いバリューチェーンを持つため、回収した資源を再び製品へ戻す循環を自社グループ内で構築しやすい企業です。

銅やレアアースの供給制約が強まるほど、一次資源だけでなく二次資源を確保できる企業の価値は高まりやすくなります。

製錬事業の弱点を資源循環で補う狙い

資源循環への転換が重要なのは、成長市場を取り込むためだけではありません。銅精鉱のTC/RC悪化によって、従来型の銅製錬は原料を処理するだけでは十分なマージンを確保しにくくなっています。

三菱マテリアルは「銅精鉱を大量に処理するモデル」から、E-Scrapなど付加価値の高い二次原料を増やすモデルへ収益構造を転換しようとしています。

資源循環はESGのイメージだけで評価するのではなく、製錬事業の採算改善、原料調達の多様化、重要鉱物の供給安定化を同時に狙う経営戦略として見る必要があります。

タングステン価格上昇も大きな株価材料

最新決算を踏まえると、タングステンは銅と並んで現在の三菱マテリアルの業績を左右する重要材料です。価格上昇が足元の大幅増益をけん引する一方、会社はリサイクル能力の増強も進めています。

タングステン高が大幅増益をけん引

会社は2027年3月期のAPT価格前提を855ドル/MTUから3,017ドル/MTUへ大幅に引き上げました。APTはタングステンの中間原料で、タングステン市況を見る代表的な指標の一つです。

通期業績予想の修正では、タングステン製品の販売価格上昇だけで営業利益を1,595億円押し上げる一方、原料価格上昇が848億円のマイナス要因になると見込んでいます。差し引きでもタングステン価格の上昇影響は大きく、製錬・資源循環セグメントの上方修正をけん引しています。

これまで三菱マテリアルを「銅関連株」として見ていた場合でも、2026年はタングステン価格と供給環境も株価を見るうえで重要になっています。

タングステンリサイクル能力も拡大

タングステンは超硬工具、電子部品、防衛・航空宇宙など幅広い分野で使われる一方、一次原料の産出地域が偏っています。IEAも2026年の重要鉱物見通しで、タングステンを供給脆弱性の高い戦略鉱物の一つに挙げています。

三菱マテリアルは2024年度にH.C.Starckを買収し、世界最大のスクラップ処理能力を獲得しました。中期戦略では同社のリサイクル量を1.5倍へ拡大する設備投資や、米国内でのリサイクル拠点新設を検討しています。

2030年度までに欧州・米国・アジア・日本でタングステンのリサイクル原料比率100%を目指しており、価格上昇だけではない中長期の成長戦略があります。

AI・半導体需要の回復も業績を支える

三菱マテリアルは資源価格だけで業績が決まる会社ではありません。伸銅品・高機能製品・超硬製品では、AI、半導体、自動車など最終需要の回復も利益を左右します。

AI関連を中心に半導体需要が改善

2027年3月期1Qでは、会社は半導体関連について「AI関連需要を中心に堅調」と説明しており、伸銅品・高機能製品の需要環境が改善しました。自動車関連についても東南アジアを中心に堅調で、日本でも改善傾向がみられています。

セグメント別の経常利益では、伸銅品が前年同期▲6億円から58億円、高機能製品が4億円から34億円、超硬製品が31億円から85億円へ改善しています。

データセンター向け高付加価値銅製品を新分野として開拓

中期戦略では、伸銅品事業で付加価値の高い銅合金を開発するとともに、データセンター向けなどの新分野を開拓する方針です。高機能製品でも半導体やxEV向け製品を成長分野と位置付けています。

AI・データセンターは「電力網の銅需要」を増やすだけでなく、三菱マテリアル自身の高機能製品や伸銅品の需要拡大にもつながる可能性があります。

円安・金価格上昇も利益を押し上げる

三菱マテリアルの資源・製錬事業では、ドル円や金価格も利益を大きく動かします。2027年3月期1Qは円安と金価格上昇が増益要因となりました。

円安で海外鉱山収益の円換算額が増加

1Qのドル円は前年同期の145円/ドルから159円/ドルへ円安となりました。海外鉱山から受け取る配当や外貨建ての収益は、円安になると円換算額が増えやすくなります。

会社は通期のドル円前提も150円から158円へ見直しており、銅価上昇と円安を合わせて鉱山配当や持分法利益の増加を見込んでいます。

金価格上昇はE-Scrap・製錬事業にもプラス

1Qの金価格は前年同期の3,280ドル/オンスから4,516ドル/オンスへ上昇しました。三菱マテリアルはE-Scrapや製錬工程から金・銀などの貴金属を回収しているため、金価格上昇は収益を押し上げる要因になります。

銅だけに注目すると業績変動を捉えきれず、銅・金・タングステン・為替をセットで確認することが重要です。

【PR】少額から投資を始めたい方は、楽天ポイントが使えて1株から購入できる楽天証券がおすすめ

少額から投資を始めたい方は、楽天ポイントが使えて1株から購入できる楽天証券がおすすめ

「興味のある企業に投資してみたいけれど、いきなり大きな金額を投じるのは不安」と感じる方も多いのではないでしょうか。

通常、日本株は100株単位で取引するため、銘柄によっては購入にまとまった資金が必要です。

楽天証券の「かぶミニ®」なら、対象の国内株式を1株から購入できます。
さらに、普段の買い物や楽天グループのサービスで貯めた楽天ポイントを、国内株式の購入代金に利用できます

例えば、貯まった楽天ポイントに少額の現金を組み合わせて、気になる企業の株を1株ずつ買い増していくことも可能です。

まとまった資金を一度に用意する必要がないため、投資初心者でも無理のない金額から個別株投資を始められます。

すでに別の証券会社を利用している場合でも、楽天ポイントを活用して少額投資を行うためのサブ口座として使い分けられるので、この機会に口座開設を検討してみてはいかがでしょうか。

▼公式サイトはこちら

【楽天証券】最大20,700ポイントのチャンス!

三菱マテリアルの株価上昇が続くための条件

足元では上昇材料が多い一方、株価が中長期で評価を高めるには、市況による一時的な利益増だけでなく、資源循環への転換が継続的な収益成長につながることが重要です。

上方修正後の業績を実際に達成できるか

営業利益1,300億円、経常利益1,800億円という新予想は従来計画を大きく上回ります。2Q以降もタングステン、銅、鉱山配当、伸銅品・高機能製品の改善が続き、上方修正後の計画に沿って利益を積み上げられるかが重要です。

銅・タングステン価格が高値圏を維持できるか

今回の大幅増益には金属価格上昇の寄与が大きいため、銅・タングステン・金の市況が反転すれば業績予想にも影響します。特にタングステンは今期の利益変動幅が大きく、価格と原料調達環境を継続的に確認したい項目です。

レアアース事業が「期待」から「利益」へ進めるか

ReElementとの協業は将来性の高いテーマですが、日本でのFS、JV設立、商業化、売上・利益貢献という段階を踏む必要があります。具体的な設備投資や顧客獲得が進めば、テーマ性から実績へ評価が移りやすくなります。

E-Scrap・タングステンの設備投資が収益化するか

中期戦略では資源循環分野へ重点的に成長投資を行います。E-Scrap処理量倍増やタングステンリサイクル能力増強が処理量・利益率・ROICの改善につながれば、中長期の企業価値向上を裏付ける材料になります。

三菱マテリアルの株価が下がる可能性がある要因

上昇要因が多くても、金属市況への依存、TC/RC、在庫効果、資金調達による希薄化などは株価の上値を抑える可能性があります。強気材料と同時に確認しておきたいポイントです。

金属価格が下落すると業績も下振れしやすい

今回の通期予想は、銅、タングステン、金、為替の前提を引き上げたことが大幅上方修正につながっています。逆に金属価格の急落や円高が進めば、鉱山配当、製品価格、在庫評価、為替差益などが逆方向に働く可能性があります。

タングステンの低価格在庫効果は4Q以降に縮小する見通し

会社は、タングステン価格高騰前に仕入れた低価格在庫の払出効果について、第4四半期以降は縮小すると想定しています。現在の高い利益率がそのまま恒常化するわけではありません。

株価が上昇した場合ほど、「今の利益のうち何割が継続可能なのか」を見極めることが重要になります。

TC/RC悪化は銅製錬の構造的な逆風

銅鉱山側の供給が限られるなかで製錬能力が増え、TC/RCは歴史的な低水準にあります。三菱マテリアルは銅プレミアム改定や共同購買、E-Scrap比率の引き上げで対応していますが、資源循環への転換が遅れれば製錬事業の採算改善も遅れる可能性があります。

CBによる潜在的な希薄化にも注意

三菱マテリアルは2026年7月、2030年満期と2032年満期の転換社債型新株予約権付社債(CB)を合計700億円発行しました。資金は資源循環ビジネスを中核とした成長投資に充てる計画です。

転換制限条項や現金決済条項を組み合わせ、会社は希薄化を抑制する設計としています。一方、将来的に株式へ転換される可能性がある以上、潜在株式数の増加は需給面で意識される可能性があります。

CBは「成長投資の資金を確保できる」というプラス面と、「潜在的な希薄化」というマイナス面の両方を持つ材料です。

▼公式サイトはこちら

【楽天証券】最大20,700ポイントのチャンス!

まとめ

三菱マテリアルの株価が上がる理由は、銅価格上昇だけではありません。最新決算の大幅上方修正、タングステン、レアアース、E-Scrapを中心とした資源循環、AI・半導体需要など複数の材料が重なっています。

特に2026年8月の決算では、1Qとして過去最高益を記録し、営業利益予想を360億円から1,300億円へ引き上げました。これまで業績面の弱材料だった大幅減益予想が後退し、資源価格や成長テーマだけでなく利益成長からも評価できる余地が広がっています。

中長期では、銅・重要鉱物の供給制約を背景に、E-Scrap処理量倍増、タングステンリサイクル率100%、ReElementとのレアアース事業化などが実際の収益へつながるかが焦点です。一方で、金属価格の反落、TC/RC悪化、タングステンの在庫効果縮小、CBによる潜在的な希薄化は確認しておきたいリスクです。

出典

三菱マテリアル「2027年3月期 第1四半期決算補足説明資料」

https://ir.mmc.co.jp/ja/ir/main/0/teaserItems1/0/linkList/02/link/J_20260806_1Q_2.pdf

三菱マテリアル「2027年3月期 第1四半期決算短信」

https://ir.mmc.co.jp/ja/ir/main/0/teaserItems1/0/linkList/04/link/J_20260806_1Q.pdf

三菱マテリアル「中期経営戦略(2026~2028年度)」

https://ir.mmc.co.jp/ja/ir/policy/strategy.html

三菱マテリアル「ReElement Technologies Corp.の株式取得、および日米協業の覚書締結に関するお知らせ」

https://www.mmc.co.jp/corporate/ja/news/press/2026/26-0331a.html

三菱マテリアル「2030年満期・2032年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債の発行について」

https://ir.mmc.co.jp/ja/ir/news/auto_20260708589498/pdfFile.pdf

IEA「Global Critical Minerals Outlook 2026 – Outlook」

https://www.iea.org/reports/global-critical-minerals-outlook-2026/outlook

IEA「Global Critical Minerals Outlook 2026 – Executive summary」

https://www.iea.org/reports/global-critical-minerals-outlook-2026/executive-summary

IEA「Electricity 2026 – Demand」

https://www.iea.org/reports/electricity-2026/demand

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

目次