マクドナルドとモスバーガー、数字面を徹底比較【店舗数、売上高等】

ハンバーガーチェーン店を利用する人はどのくらいいるでしょうか?

昔はたくさんお店がありましたが、今では減少し、見かけなくなったハンバーガーショップも増えてきています。

というのも、ハンバーガーが大流行していた時代は色々な企業が参入しましたが、時代とともに珍しいものではなくなった影響で顧客離れが続いていきました。

その中でもマクドナルドとモスバーガーは良く見かけますよね。

現在でも多くの店舗があるイメージですが、果たして経営は順調なのでしょうか。

今回は、この2社のビジネスモデルを紹介するとともに、数字面を比較して分析してみました。

目次

マクドナルド、モスバーガー徹底比較!

比較項目は次の通りです。

  • 店舗数の推移
  • 決算書の項目分析(売上高、利益等)

順番に比較していきましょう。

参考にしたのは、それぞれの会社の有価証券報告書です。

http://www.mcd-holdings.co.jp/ir/library_financial_report/

https://www.mos.co.jp/company/ir/library/valuable_securities/

決算期が違う(12月と3月)ので、同時期の比較ではありませんがご了承ください。

また、マクドナルドについては過去の投稿で個別に解説していますので、興味のある方はこちらもご参照ください。

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①店舗数

マクドナルドの店舗は全国で2019年12月期時点で2910店舗です。

直営店が886店舗、FC加盟店が2024店舗という内訳になっています。

店舗数の推移をグラフにするとこのような感じになります。

ここ5年間でそこまで変化はないですね。

注目したいポイントとしては、全体数に変化はありませんが、FC店舗を増やして直営店を閉店させているということですね。

FC店の割合が多くなると、利益率は出やすいです。店舗管理が不便になるのがデメリットではありますが、利益率重視で運営するという方針なのでしょう。

一方で、モスバーガーの店舗は直営店が313店舗、FC加盟店舗が1,073店舗で、合計で1,386店舗となっています。

マクドナルドと比べて、店舗数はおよそ半分程度となっています。

グラフで店舗数の推移について確認してみましょう。

若干右肩下がりであることから、店舗数はどんどんと少なくなっていることが分かります。

特にFC加盟店はここ5年間でおよそ50店舗ほど閉店しています。

直営店に関してはあまり差はありません。

マクドナルドとは逆の動きを見せていることが分かりますね。

②決算比較

日本マクドナルドの決算は以下の通りです。

(単位は百万円) 2015/12 2016/12 2017/12 2018/12 2019/12
売上高 189,473 226,646 253,640 272,257 281,763
営業利益 -23440 6,930 18,912 25,054 28,018
経常利益 -25898 6,614 19,718 25,644 27,487
当期純利益 -34951 5,366 24,024 21,939 16,885
純資産 108,853 110,214 129,690 146,226 159,295
総資産 178,868 180,499 196,254 210,737 221,696
自己資本比率(%) 60.8 60.9 66.1 69.4 71.9

マクドナルドはここ5年間で大きな成長を遂げていることがわかりますね。

飲食店では、規模拡大のために、売上のシェアを伸ばすことが大事です。

マクドナルドの売上に注目してみましょう。

ここ5年間で1,000億円ほど売上高が上昇しています。かなりの成長を見せていますね。

一方、モスバーガーの決算について見てみましょう。

  2015/3 2016/3 2017/3 2018/3 2019/3
売上高 66,310 71,113 70,929 71,387 66,264
経常利益 1,523 4,011 4,892 3,911 724
当期純利益 672 2,284 3,050 2,385 -907
純資産額 42,376 43,803 46,140 47,950 45,640
総資産額 55,301 57,665 61,589 61,834 60,588
自己資本利益率(%) 76.5 75.8 74.6 77.3 74.8

モスバーガーはマクドナルドと比べても4分の1程度の売上規模となっています。

年間の売上高は大体700億円程度です。2019年3月期は大きく売上が減少してしまい、最終的には赤字となってしまいました。

売上高の推移についてはこちらです。

現状維持を続けているということが分かります。

店舗数の推移と決算状況から分かること

では、具体的な分析に入ります。

まず、マクドナルドの店舗数はおおよそ変化がなかったのに対して、売上高は大きく増加しています。

つまり、1店舗当たりの売上高が大きく上昇しているということですね。

モスバーガーは店舗も徐々に縮小、売上高も微減と言ったところです。

モスバーガーは規模を縮小しているのに対して、マクドナルドは規模拡大に向かっています。

利益率という点にも着目しましょう。

マクドナルドの2019年12月期経常利益率は9.75%です。飲食店であればこのぐらいの水準であると言えるでしょう。

一方モスバーガーの経常利益率は1%です。同じような業種でも経常利益率にここまで差が出るのです。

ここについては、色々な要因が考えられます。

まず、1店舗当たりで叩き出せる売上が格段に違うということです。

また、マクドナルドは人件費削減や店舗コストの削減も積極的に行っており、利益率の改善に努めています。

マクドナルドとモスバーガーのビジネスモデルの違い

両者はビジネスモデルにも若干の違いがあります。

モスバーガーはマクドナルドを意識して、「差別化」を行ってきました。

そのため、商品の価格帯をあえて高額なものにすることで、満足度の高い商品を提供しています。

また、注文されてから商品を作るというのもハンバーガーチェーン店としては珍しいでしょう。

マクドナルドは、安くて早い、というのが特徴的です。

ですが、マクドナルドは、決して売上が出ないというわけではなく、安さで多くのお客さんをゲットし、客単価も上げようと商品の幅を増やしています。

両方メリットデメリットはあります。

ですが、マクドナルドがここまで成長を遂げてきたのはいくつか理由があります。

それは、変化を続けてきたからということが大きいでしょう。

ここ数年で店舗をリニューアルしました。外観は黒っぽく落ち着いている印象になっています。

店内も最先端のシステムを導入しています。これによりコストが抑えられるようになりました。

今後の状況はどうなる?

マクドナルドとモスバーガーの今後についてはどうなるのでしょうか。

マクドナルドは時代に合わせて戦略を少しずつ変えています。

最近では、サラリーマン層を取り入れるため、ディナーメニューを開発したりもしています。

また、「宅配」、「モバイルオーダー」など、新規事業に積極的です。

新型コロナウイルスの影響下でもある程度の売上は担保されるでしょう。

モスバーガーは基本的にテイストを変えていませんでした。

そのため、マクドナルドが低調期であった2000年代後半から2010年前半にかけては、満足度の高い商品を提供できていましたが、今では高価格帯のハンバーガーが難しくなってきているでしょう。

また、食中毒が発生したことによるブランドイメージも若干低下してしまったのが痛手になっています。

今後の景気によってはまた高価格帯のバーガーがヒットする可能性もありますが、それまで我慢するかは経営者の判断にもよるでしょう。

時代の流れ的にはあまり拡大はしないと予想されます。

今後の動きに注目ですね。

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