三井松島ホールディングスの2027年3月期の年間配当予想は130円です。内訳は中間配当65円、期末配当65円となっています。
前期の年間64円から66円の増配となり、年間配当は2倍を超える見通しです。会社は今後、年間130円を新たな基準とする累進配当を維持しながら、配当水準の向上を目指す方針を示しています。
ただし、2027年3月期の純利益予想には、上場株式の売却による一過性の利益も含まれています。
この記事では、最新の配当金や利回り、配当推移に加えて、年間130円の配当を維持できるのかを利益やキャッシュフローから検証します。

三井松島ホールディングスの配当金はいくら?

三井松島ホールディングスの2027年3月期の年間配当予想は130円です。
2026年7月22日に配当予想を修正し、従来の年間74円から130円へ56円増額しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 年間配当予想 | 130円 |
| 中間配当 | 65円 |
| 期末配当 | 65円 |
| 前回予想 | 74円 |
| 前期実績 | 64円 |
| 前期比 | 66円増配 |
| 予想EPS | 229.67円 |
| 予想配当性向 | 約56.6% |
| 権利確定月 | 9月・3月 |
前期の年間64円と比較すると、2027年3月期は66円の増配となる見通しです。
中間配当と期末配当がともに65円であるため、年間配当の半分ずつを年2回に分けて受け取る形になります。
年間130円は一時的な記念配当ではなく、今後の累進配当の新たな基準額とされています。
100株・500株・1,000株でもらえる配当金
年間配当が1株当たり130円の場合、保有株数ごとの配当金は次のとおりです。
| 保有株数 | 税引前 | 課税口座の税引後概算 | NISA |
|---|---|---|---|
| 100株 | 1万3,000円 | 約1万359円 | 1万3,000円 |
| 500株 | 6万5,000円 | 約5万1,795円 | 6万5,000円 |
| 1,000株 | 13万円 | 約10万3,591円 | 13万円 |
課税口座で国内上場株式の配当金を受け取る場合、原則として20.315%の税金が源泉徴収されます。
100株を保有する場合、税引前の配当金は1万3,000円ですが、課税口座での手取り額は約1万359円です。
一方、NISA口座で保有している株式の配当金は、一定の条件を満たせば非課税になります。
NISAで配当金を非課税にするには、証券会社の配当金受取方法を株式数比例配分方式に設定する必要があります。
銀行口座や郵便局で配当金を受け取る方式を選んでいる場合、NISA口座で保有していても課税される可能性があります。
配当金を比較する際は、税引前の金額と実際の手取り額を混同しないように注意が必要です。
配当金はいつもらえる?
三井松島ホールディングスの配当金は、年2回に分けて支払われます。
| 配当 | 株主確定日 | 支払時期の目安 |
|---|---|---|
| 中間配当 | 9月30日 | 12月頃 |
| 期末配当 | 3月31日 | 6月頃 |
中間配当を受け取るには、9月30日時点の株主名簿に記載されている必要があります。
期末配当を受け取るには、3月31日時点の株主名簿に記載されていることが条件です。
実際には、株主確定日に株式を購入しても配当の権利は得られません。配当を受け取るには、権利付き最終日までに株式を購入しておく必要があります。
権利付き最終日は休日や営業日の並びによって毎年変わるため、投資する年度の最新日程を確認する必要があります。
中間配当は例年12月頃、期末配当は例年6月頃に支払われます。
三井松島ホールディングスの配当利回り
三井松島ホールディングスの配当利回りは、株価によって変動します。
年間配当130円が変わらない場合、株価が下がるほど配当利回りは高くなり、株価が上がるほど配当利回りは低下します。
2026年7月23日終値では約6.66%
2026年7月23日の終値1,953円を基準にすると、予想配当利回りは約6.66%です。
計算式は次のとおりです。
7月23日は、大幅増配や業績予想の上方修正を受け、株価が1,953円のストップ高まで上昇しました。
株価が大きく上昇した後でも、予想配当利回りは6%台を維持しています。
ただし、配当利回りは購入時の株価によって決まるため、実際に投資する場合は最新株価で計算し直す必要があります。
増配発表前は約8.37%だった
増配発表前の2026年7月22日終値は1,553円でした。
この株価を基準に年間配当130円の利回りを計算すると、約8.37%になります。
130円÷1,553円×100=約8.37%
ニュース記事などで配当利回り8%台と紹介されているのは、増配発表前の株価を基準に計算しているためです。
翌日に株価が1,953円まで上昇したことで、予想配当利回りは約8.37%から約6.66%へ低下しました。
配当金が変わらなくても、株価が上昇すれば配当利回りは低下します。
過去の記事やニュースに掲載された利回りを確認する場合は、どの時点の株価を基準にしているかを確認することが重要です。
株価別の配当利回り
年間配当を130円として、株価ごとの予想配当利回りを計算すると次のようになります。
| 株価 | 配当利回り |
|---|---|
| 1,500円 | 約8.67% |
| 1,750円 | 約7.43% |
| 2,000円 | 6.50% |
| 2,250円 | 約5.78% |
| 2,500円 | 5.20% |
| 3,000円 | 約4.33% |
株価2,000円では利回り6.50%、2,500円では5.20%、3,000円では約4.33%です。
高配当株としての利回りを重視する場合、株価の上昇によってどの程度まで利回りが低下するかを確認する必要があります。
一方、利回りが高いからといって、必ずしも割安とは限りません。業績悪化や減配への懸念によって株価が下落し、結果として利回りが高く見える場合もあります。
配当利回りだけでなく、配当を支える利益やキャッシュフローも合わせて確認することが重要です。
三井松島ホールディングスの配当推移

三井松島ホールディングスの年間配当は、2024年3月期以降、増加が続いています。
株式分割を調整した配当推移は次のとおりです。
| 決算期 | 中間配当 | 期末配当 | 年間配当 | 前年比 |
|---|---|---|---|---|
| 2024年3月期 | 8円 | 12円 | 20円 | - |
| 2025年3月期 | 10円 | 16円 | 26円 | 6円増 |
| 2026年3月期 | 23円 | 41円 | 64円 | 38円増 |
| 2027年3月期予想 | 65円 | 65円 | 130円 | 66円増 |
※2025年10月1日に実施した1株から5株への株式分割を調整した数値。
年間配当は3年間で6.5倍
三井松島ホールディングスの年間配当は、2024年3月期の20円から、2027年3月期予想の130円まで増加しています。
3年間で年間配当は6.5倍になる見通しです。
2025年3月期は26円、2026年3月期は64円、2027年3月期は130円を予定しており、3期連続の増配となります。
かつての三井松島ホールディングスは、石炭価格の上昇による利益を背景に配当を増やしていました。
しかし、現在は石炭生産・販売事業から撤退し、生活消費財、産業用製品、金融その他の事業から利益を得る構造へ転換しています。
今後は、石炭価格ではなく、M&Aで取得したグループ会社の利益や上場株式投資の成果が配当を左右します。
年間130円が累進配当の新たな基準となるため、今後は130円を維持しながら追加増配できるかが注目されます。
2026年3月期は株式分割で見え方が複雑
三井松島ホールディングスは、2025年10月1日に1株を5株へ分割しました。
2026年3月期は、中間配当が株式分割前、期末配当が株式分割後に支払われたため、配当金の見え方が複雑になっています。
| 配当 | 実際の配当額 | 分割調整後 |
|---|---|---|
| 中間配当 | 115円 | 23円 |
| 期末配当 | 41円 | 41円 |
| 年間配当 | 分割前後が混在 | 64円 |
中間配当の115円を分割後の株数に換算すると、1株当たり23円です。
これに分割後の期末配当41円を加えると、分割調整後の年間配当は64円になります。
一方、分割前の株数を基準に換算すると、年間配当は320円です。
そのため、サイトによっては2026年3月期の年間配当が64円または320円と表示されています。
両者は基準となる株式数が異なるだけであり、実質的な配当額は同じです。
過去の配当と比較する場合は、株式分割後の1株当たり配当に統一することが重要です。
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▼公式サイトはこちら三井松島ホールディングスの累進配当とは
累進配当とは、前年度の年間配当を原則として下回らないようにし、業績成長に応じて配当を維持または増額する方針です。
通常の配当方針では、業績に応じて増配と減配の両方が行われます。
累進配当では、一度引き上げた配当を新たな基準とするため、投資家にとって将来の配当額を予測しやすくなります。
原則として130円を維持または増配する方針
三井松島ホールディングスは、年間130円を新たな基準額として、累進配当を維持しながら配当水準の向上を目指す方針です。
つまり、今後は年間130円を原則として維持し、利益が成長すれば追加増配を目指します。
今回の66円増配は、単年度だけ支払われる特別配当ではなく、今後の配当方針の基準を引き上げるものです。
年間130円が今後の最低ラインとして意識されやすくなることは、高配当株としての評価を支える材料になります。
ただし、累進配当は会社が掲げる経営方針であり、将来の配当額を法的に保証するものではありません。
大幅な業績悪化や財務状況の変化が発生した場合には、配当方針が変更される可能性があります。
「累進配当だから絶対に減配しない」と考えるのではなく、配当を支える利益や現金の状況を継続的に確認する必要があります。
従来の2030年目標100円をすでに上回った
三井松島ホールディングスは、中期経営計画2030で、2030年3月期に年間配当100円以上を目指していました。
また、2030年3月期の配当性向については、40%程度を目安としていました。
しかし、2027年3月期の年間配当予想は130円となり、従来の2030年目標をすでに上回っています。
| 項目 | 中期経営計画 | 2027年3月期予想 |
|---|---|---|
| 年間配当 | 100円以上 | 130円 |
| 配当性向 | 40%程度 | 約56.6% |
配当額の目標は実質的に前倒しで達成した一方、予想配当性向は中期目標の40%程度を上回っています。
今後は年間130円を維持しながら、利益成長によって配当性向を40%程度まで引き下げられるかが重要です。
配当額の目標達成だけでなく、利益とのバランスを改善できるかが、中長期的な配当の持続性を左右します。
年間130円の配当は維持できる?
三井松島ホールディングスは年間130円を累進配当の新たな基準に設定しています。
ただし、配当を維持するには、毎期の利益とキャッシュフローから十分な原資を確保する必要があります。
130円配当の持続性を判断するには、配当性向、配当総額、一過性利益、M&A後の利益貢献を確認することが重要です。
最新予想の配当性向は約56.6%
2027年3月期の会社予想EPSは229.67円です。
年間配当130円を基準にすると、予想配当性向は次のようになります。
130円÷229.67円×100=約56.6%
配当性向とは、1年間に稼いだ利益のうち、どの程度を配当として支払うかを示す指標です。
予想配当性向56.6%は、利益の半分以上を配当へ回す水準です。
配当性向56%台は直ちに危険な水準とはいえませんが、利益が減少した場合の余裕は小さくなります。
配当性向40%にはEPS325円が必要
年間配当130円を中期経営計画の目安である配当性向40%で支払うには、EPS325円が必要です。
130円÷40%=EPS325円
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 最新予想EPS | 229.67円 |
| 配当性向40%に必要なEPS | 325円 |
| 必要なEPSの増加率 | 約41.5% |
EPS325円は、最新予想の229.67円を約41.5%上回る水準です。
年間130円の配当を維持しながら配当性向を40%まで引き下げるには、利益を大きく伸ばす必要があります。
一方、自社株買いや自己株式の消却によって発行済株式数が減少すれば、純利益が同じでもEPSは上昇します。
そのため、配当性向を下げる方法は次の2つです。
- 純利益を増やす
- 発行済株式数を減らす
三井松島ホールディングスは、2030年3月期に純利益100億円以上を目指しています。
ただし、純利益100億円を達成しても、発行済株式数によってEPSは変わります。利益目標と自社株買いの両方を確認する必要があります。
配当総額は概算約48億7,000万円
2027年3月期の純利益予想は86億円、EPSは229.67円です。
この数値から予想平均株式数を逆算すると、約3,745万株になります。
年間配当130円を支払う場合、配当総額は概算で次のようになります。
約3,745万株×130円=約48億7,000万円
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 年間配当総額の概算 | 約48億7,000万円 |
| 2026年3月期営業キャッシュフロー | 57億5,300万円 |
| 営業CFに対する配当総額の割合 | 約84.6% |
年間配当総額の概算は、2026年3月期の営業キャッシュフローの約84.6%に相当します。
年度や株式数が異なるため単純比較はできませんが、前期と同程度の営業キャッシュフローだった場合、配当だけで現金収入の大部分を使う計算です。
三井松島ホールディングスは、配当に加えて次の支出も必要です。
- 新規M&A
- 買収先への設備投資
- 既存子会社の成長投資
- 上場株式への投資
- 借入金の返済
- 自社株買い
年間130円の配当を維持しながら積極的なM&Aを続ける場合、手元資金だけでなく銀行借入を活用する可能性があります。
配当性向だけでなく、営業キャッシュフローと投資支出のバランスを確認することが重要です。
一過性の株式譲渡益が含まれる
2027年3月期の純利益予想は、71億円から86億円へ21.1%引き上げられました。
一方、営業利益予想は97億円から100億円への3.1%増にとどまっています。
| 項目 | 修正前 | 修正後 | 増加率 |
|---|---|---|---|
| 営業利益 | 97億円 | 100億円 | 3.1%増 |
| 純利益 | 71億円 | 86億円 | 21.1%増 |
純利益の増加率が営業利益を大きく上回っている理由の一つが、MM Investmentsによる株式譲渡益です。
株式譲渡益は保有している上場株式を売却した際に発生する利益であり、毎期同じ金額を計上できるとは限りません。
一度売却した株式から、翌期に同じ売却益を得ることはできません。新たな利益を得るには、別の保有株式を売却する必要があります。
株式相場が下落した場合には、売却益が減少したり、売却損が発生したりする可能性もあります。
配当金は利益剰余金から支払われるため、一過性利益でも配当原資に使うことは可能です。
しかし、一度配当を引き上げることと、毎年その配当を維持することは別問題です。
年間130円の持続性を判断するには、株式譲渡益を除いた純利益や営業利益を確認する必要があります。
山洋の買収は継続利益になる可能性
三井松島ホールディングスは、綿棒・綿球メーカーの山洋を子会社化する予定です。
山洋は一般用綿棒に加え、半導体、電子機器、光学製品の製造工程で使用される工業用綿棒「HUBY」を展開しています。
山洋の2026年2月期の業績は次のとおりです。
| 項目 | 2026年2月期実績 |
|---|---|
| 売上高 | 36億4,100万円 |
| 営業利益 | 3億9,300万円 |
| 純利益 | 4億600万円 |
株式譲渡益とは異なり、山洋の事業が安定して続けば、子会社化後も売上高と営業利益へ継続的に貢献する可能性があります。
半導体や電子機器向けの工業用綿棒が成長すれば、配当を支える新たな収益源になります。
ただし、山洋の利益がそのまま三井松島ホールディングスの利益に上乗せされるとは限りません。
買収後は、次の費用を考慮する必要があります。
- のれん償却費
- 銀行借入の支払利息
- 買収後の設備投資
- 経営統合に伴う費用
山洋が継続的な利益を生み出し、年間130円の配当を支えられるかは、連結開始後の決算で確認する必要があります。
三井松島の配当を支える3つの収益源
三井松島ホールディングスの年間130円配当を支える収益源は、既存グループ会社の営業利益、MM Investmentsによる株式投資、新規M&Aによる利益貢献の3つです。
ただし、すべての利益が毎期安定して得られるわけではありません。
| 収益源 | 主な利益 | 継続性 |
|---|---|---|
| 既存グループ会社 | 商品・サービスの販売による営業利益 | 比較的高い |
| MM Investments | 受取配当金・株式売却益 | 市場環境による |
| 新規M&A | 買収先の売上高・営業利益 | 買収後の業績による |
継続的な配当を支えるには、毎期得られる営業利益を増やすことが重要です。
既存グループ会社の営業利益
三井松島ホールディングスは、生活消費財、産業用製品、金融その他の3事業を展開しています。
主なグループ会社は、ストローを製造する日本ストロー、シュレッダーを扱う明光商会、産業用チェーンを製造するゼクサスチェンや杉山チエンなどです。
既存グループ会社が商品やサービスを販売して得る営業利益は、株式売却益と比べて継続性が高い収益です。
特に、ストロー、レジロール、架線金具、産業用チェーンなどは、特定の業界で継続的に使用されます。
販売数量や価格、生産性が安定していれば、毎期の営業利益と営業キャッシュフローを生み出し、配当原資を支えることができます。
一方、原材料価格の上昇、為替変動、設備投資需要の減少などによって、グループ会社の利益が悪化する可能性もあります。
今後の配当を判断する際は、連結全体の純利益だけでなく、各事業の営業利益が継続的に増えているかを確認することが重要です。
MM Investmentsの配当・株式売却益
MM Investmentsは、割安と判断した上場株式へ投資しています。
上場株式投資から得られる主な利益は、次の2つです。
- 投資先企業から受け取る配当金
- 保有株式を売却した際の株式売却益
受取配当金は、投資先企業が配当を継続すれば毎期得られる可能性があります。
一方、株式売却益は、株式を売却した年度にだけ計上される利益です。
保有株式の価格が上昇すれば大きな売却益を得られる可能性がありますが、株式市場が下落した場合には売却益が減少したり、売却損が発生したりすることもあります。
そのため、MM Investmentsの利益を確認する際は、次の項目を分けて見る必要があります。
- 受取配当金
- 株式売却益・売却損
- 保有株式の評価損益
- 投資資金に対する運用成績
- TOPIXとの比較
株式売却益は配当原資になり得ますが、毎期同じ金額を見込める利益ではありません。
年間130円の配当を維持するには、単年度の売却益だけに依存せず、受取配当金や既存事業の利益を積み上げる必要があります。
新規M&Aによる利益貢献
三井松島ホールディングスは、ニッチな市場で安定した利益を生み出す企業をM&Aで取得しています。
買収した企業が継続的に利益を計上すれば、グループ全体の売上高や営業利益が増え、配当余力の拡大につながります。
綿棒・綿球メーカーの山洋も、子会社化後は新たな利益源になる可能性があります。
山洋は工業用綿棒「HUBY」を展開しており、半導体、電子機器、光学製品などの製造工程で使用されています。
株式売却益と異なり、山洋の商品が継続的に販売されれば、毎期の売上高と営業利益へ貢献します。
ただし、M&Aで得られる利益は、買収先の現在の営業利益と同額になるとは限りません。
買収後は、次の費用やリスクも考慮する必要があります。
- のれん償却費
- 銀行借入の支払利息
- 設備投資
- 経営統合費用
- 買収先の業績悪化
- のれんの減損損失
新規M&Aが配当を支えるには、買収額を上回る利益とキャッシュフローを長期間生み出す必要があります。
配当維持のために確認したいポイント
三井松島ホールディングスの年間130円配当が続くかを判断するには、配当性向だけでなく、利益の中身や実際の現金の動きを確認する必要があります。
| 確認項目 | 見るべき理由 |
|---|---|
| 株式譲渡益を除く純利益 | 一過性利益への依存度を確認 |
| 営業利益 | 本業の配当余力を確認 |
| 営業キャッシュフロー | 実際の現金創出力を確認 |
| 年間配当総額 | 現金流出額を確認 |
| 現金及び現金同等物 | 配当・M&Aの余力を確認 |
| 有利子負債 | 借入への依存度を確認 |
| 山洋の連結利益 | 新たな継続利益を確認 |
| MM Investmentsの運用成績 | 投資利益の再現性を確認 |
| 自社株買い・消却 | 1株当たり配当の負担を確認 |
| 予想配当性向 | 利益に対する配当負担を確認 |
特に重要なのは、株式譲渡益を除いた利益と営業キャッシュフローです。
純利益が増加していても、その大部分が一過性の株式売却益であれば、翌期に同じ利益を得られるとは限りません。
営業利益や営業キャッシュフローが安定して増えていれば、本業から配当原資を確保できていると評価しやすくなります。
また、三井松島ホールディングスは、配当だけでなくM&Aや設備投資にも資金を使います。
現金及び現金同等物が減少し、有利子負債が増え続ける場合には、配当と成長投資の両立が難しくなる可能性があります。
自社株買いや自己株式の消却によって発行済株式数が減れば、同じ配当総額でも1株当たり配当を維持しやすくなります。
利益、キャッシュフロー、負債、発行済株式数を合わせて確認することが、配当の持続性を判断するポイントです。

三井松島ホールディングスが減配する可能性
三井松島ホールディングスは、年間130円を基準とする累進配当方針を示しています。
しかし、累進配当は将来の配当額を法的に保証する制度ではありません。
大幅な業績悪化や財務状況の変化が発生した場合には、配当方針が変更される可能性があります。
累進配当でも減配が保証されないわけではない
累進配当は、前年度の年間配当を原則として下回らないようにする経営方針です。
業績が安定している間は、年間130円を維持または増額することが期待されます。
一方、巨額の損失や資金繰りの悪化が発生した場合まで、配当を維持する義務があるわけではありません。
配当を維持するために借入金を増やしたり、手元資金を大幅に減らしたりすれば、将来の成長投資が難しくなる可能性もあります。
累進配当は減配の可能性を抑える方針であり、減配を完全に否定するものではありません。
株式売却益がなくなると純利益が反動減する
2027年3月期の純利益予想には、MM Investmentsによる株式譲渡益が含まれています。
株式売却益は、保有株式を売却した年度に計上される一過性の利益です。
翌期に新たな株式売却益がなければ、純利益が反動減となる可能性があります。
純利益が減少しても年間130円の配当を維持する場合、配当性向は上昇します。
例えば、EPSが200円まで低下した場合、年間130円の配当性向は65%です。
| EPS | 年間130円の配当性向 |
|---|---|
| 229.67円 | 約56.6% |
| 200円 | 65.0% |
| 150円 | 約86.7% |
| 130円 | 100% |
利益が減るほど、配当を維持する負担は大きくなります。
M&Aと配当で資金需要が大きくなる
三井松島ホールディングスは、新規M&A、既存子会社への設備投資、上場株式投資を成長戦略としています。
積極的な投資と年間130円の配当を同時に続けるには、多額の現金が必要です。
営業キャッシュフローだけで資金を賄えない場合には、手元資金の取り崩しや銀行借入を利用する可能性があります。
借入金が増えれば支払利息も増加し、将来の利益やキャッシュフローを圧迫します。
配当とM&Aのどちらにも十分な資金を振り向けられるかが、今後の財務面での重要なポイントです。
上場株式投資で損失が発生する可能性がある
MM Investmentsによる株式投資は、株価上昇時には売却益を得られる一方、相場下落時には損失が発生する可能性があります。
保有株式の価格が下落すると、評価損や売却損が純利益を押し下げることがあります。
株式投資の規模が大きくなるほど、三井松島ホールディングスの業績は株式市場の影響を受けやすくなります。
株式投資による利益を配当原資として重視する場合には、単年度の利益だけでなく、複数年の運用成績を確認する必要があります。
買収先の業績悪化やのれん減損
買収した企業の業績が計画を下回った場合には、グループ全体の営業利益が減少する可能性があります。
さらに、買収時に計上したのれんの価値を維持できないと判断された場合には、減損損失が発生します。
のれんの減損は現金の直接流出を伴わない場合がありますが、純利益や純資産を大きく押し下げます。
買収先の売上高、営業利益、利益率が計画どおり推移しているかを確認することが重要です。
有利子負債と支払利息の増加
M&A資金を銀行借入で調達すると、有利子負債と支払利息が増加します。
金利が上昇すれば、新規借入や借り換えに必要な資金調達コストも高くなります。
既存事業が安定していても、支払利息が増えれば税引前利益や純利益が減少し、配当余力が低下する可能性があります。
年間130円の配当を評価する際は、配当額だけでなく有利子負債と支払利息の推移にも注意が必要です。
配当金と株主優待を合わせるとお得?
三井松島ホールディングスは、配当金に加えて株主優待制度も設けています。
1株以上を保有すると、9月末にHANABISHIのオーダー製品20%OFF券を受け取れます。
3月末に500株以上を保有すると、次の優待が追加されます。
- レストラン券3,000円分を2枚
- オーダースーツ商品優待券1万円分を1枚
- オーダーシャツ商品優待券2,000円分を1枚
- プレミアムペットフード1商品
500株保有時の年間配当は、税引前で6万5,000円です。
金額が明示された優待の固定額部分は1万8,000円なので、配当と合わせると次のようになります。
| 内容 | 金額 |
|---|---|
| 年間配当 | 6万5,000円 |
| 優待の固定額部分 | 1万8,000円 |
| 合計 | 8万3,000円 |
これにプレミアムペットフードとHANABISHI20%OFF券の価値が加わります。
ただし、レストラン券や商品優待券には対象店舗、対象商品、有効期限などの利用条件があります。
HANABISHIを利用しない場合や、対象レストランが近くにない場合には、額面どおりの価値を得られない可能性があります。
配当金は現金として受け取れますが、株主優待は実際に使い切れるかによって価値が変わります。
まとめ|年間130円だが持続性は利益とキャッシュフローで確認
三井松島ホールディングスの2027年3月期の年間配当予想は130円です。
内訳は中間配当65円、期末配当65円で、2026年7月23日終値1,953円を基準とした予想配当利回りは約6.66%です。
100株保有した場合の年間配当は、税引前で1万3,000円となります。
会社は年間130円を新たな基準とする累進配当方針を示していますが、最新予想の配当性向は約56.6%です。
また、純利益予想には一過性の株式譲渡益が含まれています。
年間130円の配当が続くかを判断するには、営業利益、営業キャッシュフロー、MM Investmentsの運用成績、M&A後の利益貢献を確認する必要があります。
高い配当利回りだけで判断せず、配当を支える継続利益と財務余力を合わせて評価することが重要です。
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出典
2027年3月期業績予想の上方修正及び配当予想の修正(増配)に関するお知らせ|三井松島ホールディングス株式会社
https://www.mitsui-matsushima.co.jp/wp/wp-content/uploads/2026/07/52c2e82b9bf1e9c355076333d55e6f24.pdf
中期経営計画策定に関するお知らせ|三井松島ホールディングス株式会社
https://www.mitsui-matsushima.co.jp/wp/wp-content/uploads/2026/05/e104ef6df88535ee564967caeb3b7647.pdf
2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)|三井松島ホールディングス株式会社
https://www.mitsui-matsushima.co.jp/wp/wp-content/uploads/2026/05/433f7d22c9b3fcff113ad9e35f4c4e0f.pdf
2026年3月期 決算説明資料|三井松島ホールディングス株式会社
https://www.mitsui-matsushima.co.jp/wp/wp-content/uploads/2026/05/49e27cb5a323ce1a5b97449113f15842.pdf
剰余金の配当(中間配当)および配当予想の修正(増配)に関するお知らせ|三井松島ホールディングス株式会社
https://www.mitsui-matsushima.co.jp/wp/wp-content/uploads/2025/11/f5669eba9b714a79cb0415a0da1430cc.pdf
株式分割に関する基準日設定公告|三井松島ホールディングス株式会社
https://www.mitsui-matsushima.co.jp/wp/wp-content/uploads/koukoku/kabushikibunkatsu_250912.pdf?v2=
株式会社山洋の株式取得(子会社化)に関するお知らせ|三井松島ホールディングス株式会社
https://www.mitsui-matsushima.co.jp/wp/wp-content/uploads/2026/07/c4b9af59862fd2ff45faf864f8fd327c.pdf
自己株式の取得状況および取得終了に関するお知らせ|三井松島ホールディングス株式会社
https://www.mitsui-matsushima.co.jp/wp/wp-content/uploads/2026/06/227733d05c97c80f247ecee5788cafb4.pdf
配当について|三井松島ホールディングス株式会社
https://www.mitsui-matsushima.co.jp/ir/dividend/
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