ルネサスエレクトロニクスの決算はいつ?2026年12月期2Qの予想・注目点を解説

「ルネサスの次回決算はいつ?」「車載半導体やAIデータセンター向け需要で好決算になりそう?」と気になっている人も多いのではないでしょうか。

2026年12月期1Qは、自動車向けと産業・インフラ・IoT向けがともに増収となり、Non-GAAP営業利益は前年同期比49.6%増加しました。

本記事では、次回決算日、会社予想、市場予想、前年2Q、前回決算、毎回確認したい重要KPIを解説します。

▼公式サイトはこちら

楽天証券

目次

ルネサスエレクトロニクスの次回決算はいつ?

項目内容
決算2026年12月期第2四半期
発表日2026年7月31日(金)
発表時間未公表
参考前年2Q・直近1Qは午前9時
証券コード6723
決算期12月
会計基準IFRS
会社予想Non-GAAPベース

ルネサスエレクトロニクスの次回決算は、**2026年7月31日(金)**に発表される予定です。

発表されるのは、2026年12月期第2四半期決算です。

発表時間は現時点で公表されていません。ただし、前年の第2四半期決算と直近の第1四半期決算は、いずれも午前9時に発表されました

過去の実績を踏まえると、今回も前場開始前に発表される可能性がありますが、正式な時刻は公表後に確認する必要があります。

決算発表後には、主に次の資料が公開される見込みです。

  • 決算短信
  • 決算説明会資料
  • 四半期業績データ集
  • Non-GAAP業績
  • 用途別売上
  • 在庫関連指標
  • 次四半期の会社予想

発表直後は、売上収益だけでなく、Non-GAAP売上総利益率と営業利益率を確認しましょう。

ルネサスの会社予想は、事業の継続的な収益力を示すNon-GAAPベースで公表されます。一方、決算短信ではIFRSに基づく会計利益も開示されます。

両者には買収に伴う無形資産償却、株式報酬、一過性損益などの違いがあるため、同じ利益として比較しないよう注意が必要です。

また、次回決算では3Qの売上レンジや利益率が新たに示される可能性があります。

タイミング事業の売却益がどの四半期からIFRS利益へ反映されるかも確認しましょう。

ルネサスエレクトロニクスの次回決算予想

項目2026年12月期2Q予想前年同期比1Q比
Non-GAAP売上収益3,805億~3,955億円
売上収益中央値3,880億円19.5%増4.2%増
売上総利益率57.0%0.2ポイント上昇2.2ポイント低下
営業利益率29.0%0.7ポイント上昇4.7ポイント低下
営業利益の概算約1,125億円約22%増約10%減
想定為替1ドル156円10円の円安横ばい
想定為替1ユーロ180円18円の円安3円の円高

ルネサスは2Q単独のNon-GAAP売上収益を、3,805億~3,955億円と予想しています。

予想レンジの中央値は3,880億円です。前年同期比では19.5%増、1Q比でも4.2%増となる見通しです。

一方、売上総利益率は1Qの59.2%から57.0%、営業利益率は33.7%から29.0%へ低下する計画です。

売上収益の中央値と営業利益率を掛け合わせると、2Q単独のNon-GAAP営業利益は約1,125億円となります。

前年同期からは増益となる一方、1Qの1,254億円からは約10%減少する計算です。

今回の決算では、増収率よりも利益率29.0%を上回れるかが重要になります。

2Q売上の市場予想は3,940億3,510万円

項目売上収益
会社予想下限3,805億円
会社予想中央値3,880億円
市場予想3,940億3,510万円
会社予想上限3,955億円
中央値との差約60億円上振れ
中央値に対する差約1.5%上振れ

2Q売上収益の市場予想は、3,940億3,510万円です。

会社予想の中央値3,880億円を約60億円、率にして約1.5%上回っています。

一方、会社予想の上限は3,955億円です。市場予想は会社レンジ内ではあるものの、上限に近い水準となっています。

つまり、売上収益が会社予想レンジ内に着地しても、中央値付近では市場期待を下回る可能性があります。

今回の売上評価は、次のように整理できます。

  • 3,880億円前後:会社計画には沿うが市場予想未達
  • 3,940億円前後:おおむね市場期待どおり
  • 3,955億円超:会社レンジと市場予想を上回る
  • 3,805億円未満:会社予想レンジ未達

ただし、売上高が市場予想を上回っても、低採算製品の構成比が上昇すれば利益率は低下します。

反対に、売上高が市場予想へ届かなくても、高採算製品の増加によって営業利益が上振れる可能性があります。

売上収益と営業利益率をセットで評価することが重要です。

市場コンセンサスは決算直前まで変動するため、記事公開時には最新値を再確認する必要があります。

また、利益コンセンサスを比較する際は、IFRSとNon-GAAPのどちらで算出されているかも確認しましょう。

上期売上は7,528億~7,678億円を予想

項目2026年12月期上期予想
Non-GAAP売上収益7,528億~7,678億円
売上収益中央値約7,603億円
売上総利益率58.1%
営業利益率31.3%
営業利益の概算約2,380億円
前年上期売上6,334億円
売上増減率18.9~21.2%増

1Q実績と2Q会社予想を合計すると、上期のNon-GAAP売上収益は7,528億~7,678億円となります。

中央値は約7,603億円です。

前年上期の6,334億円に対して、18.9~21.2%の増収を見込んでいます。

上期の売上総利益率は58.1%、営業利益率は31.3%となる計画です。

売上収益の中央値から計算した営業利益は、約2,380億円となります。

上期全体では高い利益率を維持する見込みですが、これは1Qの営業利益率33.7%が全体を押し上げているためです。

2Q単独の営業利益率は29.0%と、上期平均を下回ります。

上期実績を評価する際は、次の項目を確認しましょう。

  • 上期売上収益
  • 売上総利益率
  • 営業利益率
  • 1Qと2Qの利益率差
  • 製品構成
  • 営業費用
  • 為替効果

上期約20%増収という強さと、2Q単独の採算低下を分けて見る必要があります。

増収でも営業利益率は29%へ低下予想

ルネサスは2Qの営業利益率を29.0%と予想しています。

1Q実績の33.7%から、4.7ポイント低下する計画です。

売上収益は1Qから増加する一方、営業利益の概算値は約1,125億円となり、1Qの1,254億円から減少します。

利益率が低下する主な要因として、次の項目が考えられます。

  • 1Qに発生した一時的な費用減少の反動
  • 1Qから2Qへずれ込んだ営業費用
  • 製品構成の変化
  • 研究開発費の増加
  • 販売管理費の増加
  • 製造費用
  • 工場稼働率
  • 成長投資

1Qは売上総利益率と営業利益率が会社予想を上回りました。

製品構成の改善や製造費用の減少、円安に加え、一部費用が2Qへずれ込んだことも利益率を押し上げた可能性があります。

2Qでは費用が正常化するため、売上高が増えても営業利益率は低下する見通しです。

ただし、高採算な車載製品やAIインフラ向け製品が想定以上に伸びれば、29.0%を上回る可能性があります。

次回決算では、次の項目を確認しましょう。

  • 売上総利益率57.0%との差
  • 営業利益率29.0%との差
  • 研究開発費
  • 販売管理費
  • 製造費用
  • 製品構成
  • 工場稼働率
  • 為替効果

増収だけでなく、費用増加を吸収して利益率29%を上回れるかが重要です。

通期市場予想は事業売却益を分けて評価

項目2026年12月期市場予想
売上高1兆5,537億3,000万円
営業利益3,822億2,000万円
税引前利益相当5,178億4,000万円
親会社帰属利益4,059億4,000万円

ルネサスは通期業績予想を開示していません。

そのため、通期の業績水準を確認する際は市場コンセンサスを使用します。

ただし、2026年12月期の税引前利益と親会社帰属利益には、タイミング事業の売却益が大きく影響する可能性があります。

ルネサスはタイミング事業の売却によって、約4,433億円の譲渡益を3Q累計決算で計上する予定です。

売却益は一度だけ発生する利益であり、車載半導体やAIインフラ向け製品の販売によって得た本業利益ではありません。

通期市場予想を評価する際は、次の項目を分けましょう。

  • 売上収益
  • Non-GAAP営業利益
  • Non-GAAP営業利益率
  • IFRS営業利益
  • タイミング事業売却益
  • 税引前利益
  • 親会社帰属利益

市場予想の税引前利益や純利益が大幅に増加していても、その多くが売却益による可能性があります。

一方、営業利益やNon-GAAP営業利益率は、継続事業の収益力を判断しやすい指標です。

市場コンセンサスの上昇を、本業の業績上方修正と混同しないことが重要です。

配当予想は未定

ルネサスの2026年12月期配当予想は、現時点で未定です。

2025年12月期の年間配当は28円でした。

ルネサスは中間配当を実施しておらず、期末に年間配当を支払う方針です。

今期の株主還元を左右する主な項目は次のとおりです。

  • タイミング事業の売却代金
  • 営業キャッシュフロー
  • 設備投資
  • Altiumへの成長投資
  • 有利子負債
  • 自己株買い
  • 期末配当
  • M&A

タイミング事業の売却によって多額の資金を得ても、その全額が配当や自己株買いに使われるとは限りません。

有利子負債の返済、研究開発、設備投資、ソフトウェア事業の成長投資などへ配分される可能性があります。

次回決算では、配当予想だけでなく、売却資金をどのように配分する方針かを確認しましょう。

ルネサスエレクトロニクスの次回決算で注目したいポイント

ルネサスエレクトロニクスの次回決算で注目したいポイント
注目点確認する内容
2Q売上市場予想3,940億円を上回るか
売上総利益率会社予想57.0%を上回るか
営業利益率会社予想29.0%を上回るか
自動車車載MCU・SoC需要
SDV・ADAS1台当たり半導体搭載額
中国EV販売・在庫・価格競争
産業FA・ロボット・設備投資
AIインフラデータセンター向け需要
パワー製品供給制約の解消
自社在庫DOIと仕掛品
チャネル在庫WOIとセルスルー
工場稼働率生産増と固定費
タイミング事業除外後の実質成長
売却益3Q累計での計上額
為替ドル156円・ユーロ180円との差
3Q予想売上レンジと利益率
配当期末配当と株主還元

次回決算では、売上高や利益の増減だけでなく、用途別需要、在庫、工場稼働率、一時損益を確認する必要があります。

特に、売上収益が会社予想レンジへ収まっただけでは、市場期待を満たせない可能性があります。

売上高が市場予想3,940億円を上回るか

2Q売上収益の会社予想中央値は3,880億円です。

一方、市場予想は3,940億3,510万円となり、会社中央値を約60億円上回っています。

市場予想は、会社予想上限3,955億円に近い水準です。

そのため、決算評価は次のように分かれる可能性があります。

  • 3,955億円超:会社上限と市場予想を上回る
  • 3,940億円前後:市場期待に沿う
  • 3,880億円前後:会社計画には沿うが市場予想未達
  • 3,805億円未満:会社予想レンジ未達

売上高を確認する際は、為替効果にも注意が必要です。

会社前提は1ドル156円、1ユーロ180円です。実際の為替が会社前提より円安であれば、円換算した売上を押し上げます。

そのため、売上高が市場予想を上回っていても、為替を除いた成長が弱い可能性があります。

公表売上と為替を除いた実質売上の両方を確認しましょう。

営業利益率29%を上回れるか

2QのNon-GAAP営業利益率は29.0%を予想しています。

1Q実績の33.7%からは4.7ポイント低下する計画です。

利益率へ影響する主な項目は次のとおりです。

  • 営業費用の期ずれ
  • 製品構成
  • 製造費用
  • 工場稼働率
  • 研究開発費
  • 販売管理費
  • 為替
  • 高採算製品

1Qでは営業費用の一部が2Qへずれ込んだ可能性があり、2Qは費用負担が増える見通しです。

一方、車載MCU・SoCやAIインフラ向け製品の構成比が高まれば、利益率の下落を抑えられる可能性があります。

市場は、会社予想の29.0%を上回る利益率を期待している可能性があります。

売上高が市場予想へ届いても、営業利益率が29%を大きく下回れば、決算は弱いと評価される可能性があります。

自動車向け売上が成長しているか

自動車向け事業では、次の製品を展開しています。

  • 車載MCU
  • 車載SoC
  • アナログ半導体
  • パワー半導体
  • センサー
  • 通信関連半導体

1Qの自動車向けNon-GAAP売上収益は、前年同期比10.6%増加しました。

自動車向け半導体需要は、完成車の生産台数だけでなく、1台当たりに搭載される半導体金額にも左右されます。

電動化や運転支援機能が進めば、完成車の生産台数が横ばいでも、車載半導体市場が成長する可能性があります。

一方、自動車メーカーや部品メーカーが在庫を多く抱えている場合は、完成車販売が堅調でも半導体発注が減少することがあります。

次回決算では、次の項目を確認しましょう。

  • 車載売上の前年同期比
  • 為替を除いた成長率
  • 車載MCU・SoC
  • 顧客在庫
  • 自動車生産台数
  • 1台当たり半導体搭載額
  • 地域別需要

SDV・ADAS向け需要が拡大しているか

SDVは、ソフトウェアによって車両機能を追加・更新する自動車です。

ADASは、衝突防止、車線維持、周辺監視などを支援するシステムを指します。

これらの機能には、高性能な車載コンピューティング半導体が必要です。

ルネサスの主な関連製品は次のとおりです。

  • R-Car
  • 車載MCU
  • 車載SoC
  • アナログ半導体
  • パワー半導体
  • 通信製品

SDVやADASの普及によって、1台の自動車へ搭載される半導体の数と金額が増加します。

ただし、デザインインを獲得しても、実際に量産売上が発生するまでには時間がかかります。

次回決算では、次の項目を確認しましょう。

  • 新規デザインイン
  • 受注残
  • 量産開始時期
  • R-Car売上
  • MCU・SoCの販売数量
  • 顧客車種
  • 1台当たり搭載額

将来案件の獲得と、当四半期の量産売上を分けて評価することが重要です。

中国EV市場の需要と在庫を見る

中国は世界最大級のEV市場です。

現地EVメーカーの販売拡大は、車載MCUやSoC、アナログ・パワー半導体の需要増加につながります。

一方、中国EV市場では価格競争が激しく、完成車メーカーがコスト削減を強く求めています。

主なリスクは次のとおりです。

  • EV価格競争
  • 半導体単価の引き下げ
  • 顧客在庫
  • 現地半導体メーカーとの競争
  • 特定顧客への依存
  • 輸出規制
  • 現地調達への移行

決算では出荷額だけでなく、顧客が実際に半導体を使用した数量を示すセルスルーも確認しましょう。

ルネサスから販売チャネルへの出荷が増えていても、最終顧客での使用が伸びていなければ、流通在庫が増加する可能性があります。

産業・インフラ・IoTの高成長が続くか

1Qの産業・インフラ・IoT向け売上収益は、前年同期比32.0%増加しました。

主な需要分野は次のとおりです。

  • 産業オートメーション
  • FA機器
  • ロボット
  • モータ制御
  • 電力インフラ
  • IoT機器
  • データセンター
  • 通信インフラ

製造業の自動化や人手不足への対応によって、モータ制御や産業用MCUの需要が拡大しています。

AIデータセンター向けでは、電源管理や高速通信、サーバー制御関連製品が成長要因です。

一方、産業機器は顧客の設備投資や景気動向の影響を受けやすい特徴があります。

1Qの大幅増収が、在庫積み増しや前年の低水準による反動ではないかを確認する必要があります。

AIインフラ向け製品が伸びているか

ルネサスは、AIインフラを成長分野の一つとしています。

AIデータセンターでは、GPUだけでなく、周辺の電源・通信・制御機能にも多数の半導体が必要です。

主な関連分野は次のとおりです。

  • 電源管理
  • サーバー電源
  • 高速インターフェース
  • ネットワーク
  • コンピューティング
  • センサー
  • タイミング・制御

AIサーバーの消費電力が増えるほど、高効率な電源管理製品の重要性が高まります。

一方、顧客が将来需要に備えて先行発注している場合、実際の最終需要以上に売上が増える可能性があります。

決算では、次の項目を確認しましょう。

  • AI Infra & Compute売上
  • 顧客の設備投資
  • データセンター向け出荷
  • チャネル在庫
  • 最終需要
  • リードタイム
  • 先行発注

パワー製品の供給制約が解消するか

1Qでは、一部のパワー製品に供給制約が発生しました。

需要があっても供給できなければ、販売機会を失う可能性があります。

供給へ影響する主な項目は次のとおりです。

  • 自社生産能力
  • 外部ファウンドリー
  • ウエハー供給
  • 原材料
  • パッケージ工程
  • テスト工程
  • GaN・SiC製品
  • Transphorm

供給制約が解消すれば、2Q以降の売上上振れ要因となります。

一方、外部委託費や原材料費が増加すれば、売上総利益率を押し下げる可能性があります。

販売数量と粗利益率をセットで確認しましょう。

自社在庫とチャネル在庫を確認

半導体企業の在庫は、自社在庫と販売チャネル在庫に分けて確認する必要があります。

自社在庫には、主に次の項目が含まれます。

  • 原材料
  • 仕掛品
  • 完成品
  • 製造途中のウエハー

自社在庫の回転期間を示す指標がDOIです。

一方、販売代理店などの流通在庫を示す指標としてWOIがあります。

確認したい項目は次のとおりです。

  • 自社在庫額
  • DOI
  • 仕掛品
  • 完成品
  • チャネル在庫
  • WOI
  • セルイン
  • セルスルー

データセンター向け需要に備えた在庫増加であれば、将来売上につながる可能性があります。

一方、最終需要が弱い中で在庫が増えていれば、値下げや生産調整のリスクがあります。

在庫額だけでなく、在庫回転期間と最終顧客への販売状況を確認しましょう。

工場稼働率と設備投資を見る

半導体メーカーは、工場稼働率によって利益率が大きく変化します。

ルネサスの生産設備には、次のウエハーサイズがあります。

  • 6インチ
  • 8インチ
  • 12インチ

工場稼働率が上昇すれば、減価償却費や人件費などの固定費を多くの製品で吸収できます。

一方、稼働率が低下すると、1製品当たりの固定費負担が増え、売上総利益率が低下します。

確認したい項目は次のとおりです。

  • 前工程稼働率
  • 生産数量
  • 工場別稼働率
  • 設備投資額
  • 生産能力
  • 外部委託比率
  • 減価償却費
  • 固定費吸収

需要増加へ対応するために生産を増やしているのか、在庫を積み上げるために稼働率を上げているのかを見分ける必要があります。

タイミング事業を除いた成長率を見る

ルネサスはタイミング事業を売却しているため、前年同期との単純比較が難しくなっています。

1QのNon-GAAP売上では、タイミング事業の1月分のみが含まれ、2月以降は除外されています。

前年実績には同事業の売上がより多く含まれているため、公表された前年同期比だけでは継続事業の実力を正確に判断できません。

決算では、次の項目を確認しましょう。

  • タイミング事業売上
  • 除外後の前年実績
  • 継続事業ベースの売上
  • 為替を除いた成長率
  • 事業売却による減収額
  • 自動車・産業事業の実質成長

事業売却によって売上が減っていても、既存事業が悪化しているとは限りません。

公表売上と事業売却影響を除いた実質成長を分けて評価しましょう。

約4,433億円の売却益は2Qに含まれない

タイミング事業の売却は、2026年7月1日に完了しました。

一方、2Qの会計期間は2026年4月1日から6月30日までです。

売却完了日は2Q末の翌日となるため、約4,433億円の譲渡益は2Q決算には含まれません。

会社は3Q累計決算で売却益を計上する予定です。

売却益が計上されると、IFRSの税引前利益や親会社帰属利益が大幅に増加する可能性があります。

ただし、売却益は一度だけ発生する利益です。

評価する際は、次のように分けましょう。

  • Non-GAAP営業利益
  • 継続事業の営業利益
  • タイミング事業の譲渡益
  • IFRS税引前利益
  • 親会社帰属利益
  • 売却に伴う税金・費用

Non-GAAPでは、事業売却益が一過性損益として除外される可能性があります。

IFRS利益の大幅増加を、本業の急成長と誤解しないことが重要です。

為替前提との差を見る

ルネサスの2Q想定為替レートは、1ドル156円、1ユーロ180円です。

為替感応度は、ドル円が1円変動した場合、四半期売上へ約18億円、営業利益へ約8億円の影響があるとされています。

ユーロ円では、1円の変動で四半期売上へ約2億円、営業利益へ約1億円の影響です。

通貨1円の円安による売上影響1円の円安による営業利益影響
ドル円約18億円増約8億円増
ユーロ円約2億円増約1億円増

実際の為替が会社前提より円安で推移すれば、売上と利益の上振れ要因になります。

反対に円高となれば、下振れ要因です。

ただし、為替による増収と販売数量の増加は分けて評価する必要があります。

決算では、次の項目を確認しましょう。

  • 実績ドル円
  • 実績ユーロ円
  • 会社前提との差
  • 為替による売上影響
  • 為替による利益影響
  • 為替を除いた売上成長
  • 為替を除いた利益成長

Altium・Renesas 365の成長投資を確認

ルネサスはAltiumを買収し、半導体と電子設計ソフトウェアを組み合わせた事業モデルを強化しています。

Renesas 365では、半導体の選定から回路設計、ソフトウェア開発までを支援する環境を提供する方針です。

期待される効果は次のとおりです。

  • 顧客の設計期間短縮
  • ルネサス製品の採用拡大
  • 半導体とソフトウェアのクロスセル
  • 継続的なソフトウェア収益
  • 顧客データの活用
  • デザインインの増加

一方、短期的には次の費用が発生します。

  • 研究開発費
  • 買収関連費用
  • 統合費用
  • 無形資産償却
  • 人件費
  • 販売促進費

売上やデザインインが増えていても、成長投資によって営業利益率が低下する可能性があります。

次回決算では、ソフトウェア売上、顧客数、クロスセル実績、費用負担を確認しましょう。

IFRSとNon-GAAPを混同しない

ルネサスの決算では、IFRSとNon-GAAPの2種類の業績が公表されます。

IFRSは会計基準に基づく正式な業績です。

Non-GAAPは、継続事業の実力を見やすくするため、一部の損益を調整した指標です。

主な調整項目は次のとおりです。

  • 買収に伴う無形資産償却
  • PPAによる影響
  • 株式報酬
  • 買収関連費用
  • 構造改革費用
  • 減損損失
  • 事業売却益
  • その他の一過性損益

過去にはWolfspeed関連損失によって、IFRSの最終損益が大幅な赤字となりました。

一方、Non-GAAPでは本業が黒字を維持していました。

本業の成長率や利益率を前年同期と比較する場合は、Non-GAAPを優先すると分かりやすくなります。

ただし、Non-GAAPで除外された損失も、実際には株主資本やキャッシュへ影響する場合があります。

そのため、決算は次の順番で確認しましょう。

  1. Non-GAAP売上収益
  2. Non-GAAP売上総利益率
  3. Non-GAAP営業利益率
  4. IFRS営業利益
  5. 調整項目
  6. 税引前利益
  7. 親会社帰属利益
  8. キャッシュフロー

事業の収益力はNon-GAAP、最終的な会計利益と株主への影響はIFRSで確認することが重要です。

【PR】少額から投資を始めたい方は、楽天ポイントが使えて1株から購入できる楽天証券がおすすめ

少額から投資を始めたい方は、楽天ポイントが使えて1株から購入できる楽天証券がおすすめ

「興味のある企業に投資してみたいけれど、いきなり大きな金額を投じるのは不安」と感じる方も多いのではないでしょうか。

通常、日本株は100株単位で取引するため、銘柄によっては購入にまとまった資金が必要です。

楽天証券の「かぶミニ®」なら、対象の国内株式を1株から購入できます。
さらに、普段の買い物や楽天グループのサービスで貯めた楽天ポイントを、国内株式の購入代金に利用できます

例えば、貯まった楽天ポイントに少額の現金を組み合わせて、気になる企業の株を1株ずつ買い増していくことも可能です。

まとまった資金を一度に用意する必要がないため、投資初心者でも無理のない金額から個別株投資を始められます。

すでに別の証券会社を利用している場合でも、楽天ポイントを活用して少額投資を行うためのサブ口座として使い分けられるので、この機会に口座開設を検討してみてはいかがでしょうか。

▼公式サイトはこちら

楽天証券

前回の第1四半期決算を確認

項目2026年12月期1Q前年同期比
売上収益3,802億9,300万円23.2%増
営業利益905億6,400万円320.7%増
税引前利益845億1,800万円215.7%増
親会社帰属利益681億4,900万円162.1%増
IFRS営業利益率23.8%16.8ポイント上昇

2026年12月期第1四半期は、IFRSベースで大幅な増収増益となりました。

売上収益は前年同期比23.2%増の3,802億9,300万円、営業利益は約4.2倍の905億6,400万円です。

税引前利益と親会社株主に帰属する四半期利益も大きく増加しました。

ただし、IFRS利益には無形資産償却や株式報酬などが含まれるため、本業の収益性を確認する際はNon-GAAP業績も確認する必要があります。

項目2026年12月期1Q前年同期比
売上収益3,723億円20.6%増
売上総利益率59.2%2.4ポイント上昇
営業利益1,254億円49.6%増
営業利益率33.7%6.5ポイント上昇
親会社帰属利益1,029億円増加

Non-GAAPベースでも、売上収益は20.6%増、営業利益は49.6%増となりました。

営業利益率は33.7%まで上昇しており、売上増加だけでなく製品構成や製造コストも改善した決算です。

車載・AI需要で増収増益

1Qの増収増益を牽引したのは、自動車向けと産業・インフラ・IoT向けです。

自動車向けでは、車載MCU、車載SoC、アナログ半導体などの販売が増加しました。

主な需要要因は次のとおりです。

  • 自動車生産台数の回復
  • SDVの普及
  • ADASの高度化
  • 車載コンピューティング
  • EV・ハイブリッド車
  • 1台当たり半導体搭載額の増加

自動車の電動化や高機能化が進むほど、1台に搭載される半導体の数量と金額が増加します。

産業・インフラ・IoT向けでは、AIデータセンターや産業オートメーション関連の需要が成長しました。

AIサーバーでは、GPUだけでなく、電源管理、高速インターフェース、ネットワーク制御などの半導体も必要です。

一方、需要増加を見越した在庫積み増しが含まれている場合は、後の四半期で調整が発生する可能性があります。

実際の最終需要と先行発注を分けて確認することが重要です。

利益率は会社予想を上回った

1QのNon-GAAP売上総利益率は59.2%、営業利益率は33.7%となりました。

いずれも会社が事前に示していた予想を上回っています。

利益率を押し上げた主な要因は次のとおりです。

  • 高採算製品の構成比上昇
  • 製造費用の低下
  • 工場稼働率の改善
  • 円安
  • 営業費用の減少
  • 売上増加による固定費吸収

売上総利益率の改善は、製品を販売した段階で得られる利益が増加したことを示します。

営業利益率も大幅に上昇しているため、販売管理費や研究開発費の増加を吸収できました。

ただし、1Qの営業費用減少には一時的な要因や、費用計上が2Qへずれ込んだ影響も含まれています。

2Q会社予想では営業利益率が29.0%へ低下するため、1Qの高い利益率をそのまま継続できるとは限りません。

自動車向け売上は10.6%増

1Qの自動車向けNon-GAAP売上収益は、前年同期比10.6%増加しました。

主な製品は次のとおりです。

  • 車載MCU
  • 車載SoC
  • アナログ半導体
  • パワー半導体
  • センサー
  • 通信関連製品

自動車向け需要を見る際は、完成車の販売台数だけで判断できません。

SDVやADASの普及によって、完成車市場が横ばいでも1台当たりの半導体搭載額が増える可能性があります。

一方、自動車メーカーや部品メーカーの在庫調整が続けば、完成車販売が堅調でも半導体の発注は減少します。

次回決算では、次の項目を確認しましょう。

  • 為替を除いた売上成長率
  • 顧客のセルスルー
  • チャネル在庫
  • 車載MCU・SoCの販売数量
  • 中国EV向け需要
  • 新規デザインイン
  • 量産開始時期

産業・インフラ・IoTは32.0%増

1Qの産業・インフラ・IoT向け売上収益は、前年同期比32.0%増加しました。

自動車向けを大きく上回る成長率です。

主な成長分野は次のとおりです。

  • AIデータセンター
  • サーバー電源
  • 高速インターフェース
  • 産業オートメーション
  • ロボット
  • モータ制御
  • 電力インフラ
  • IoT機器

生成AI向け投資の拡大によって、データセンター関連製品の需要が増加しました。

製造業の自動化や人手不足も、産業用MCUやモータ制御製品の需要を支えています。

一方、産業機器市場は企業の設備投資に左右されやすく、景気減速時には需要が急速に弱まる可能性があります。

1Qの大幅増収が、最終需要による持続的な成長か、在庫積み増しによる一時的な増加かを確認しましょう。

在庫は増加でも回転期間は改善

1Qでは、需要増加へ対応するため自社在庫が増加しました。

半導体製造では、ウエハー投入から完成までに時間がかかるため、需要回復を見越して仕掛品を増やす場合があります。

自社在庫を見る際は、金額だけでなくDOIを確認する必要があります。

DOIは、自社が保有する在庫が何日分の売上に相当するかを示す指標です。

一方、販売代理店などが保有するチャネル在庫は、WOIで確認します。

主な確認項目は次のとおりです。

  • 原材料
  • 仕掛品
  • 完成品
  • 自社在庫額
  • DOI
  • チャネル在庫
  • WOI
  • セルスルー

1Qは在庫額が増加した一方、売上も拡大したことで回転期間は改善しました。

自動車向けではセルスルーが会社想定を上回り、データセンター向けでは今後の需要へ備えて在庫を積み増したと考えられます。

ただし、最終需要が想定を下回れば、積み増した在庫が過剰となるリスクがあります。

タイミング事業除外後でも会社予想を上回った

1QのNon-GAAP業績では、売却対象となったタイミング事業の扱いに注意が必要です。

1Qには同事業の1月分が含まれていますが、2月以降はNon-GAAP業績から除外されています。

それでも売上収益と利益率は会社予想を上回りました。

つまり、タイミング事業の売上が減少した影響を、自動車、産業、AIインフラなどの継続事業が補ったことになります。

業績を評価する際は、次の項目を分けましょう。

  • タイミング事業を含む公表値
  • 同事業を除いた売上
  • 為替影響
  • 継続事業の売上成長
  • 継続事業の利益率

売却事業の減収を、既存事業の業績悪化と混同しないことが重要です。

前年の第2四半期決算を確認

項目2025年12月期2Q
Non-GAAP売上収益3,246億円
売上総利益率56.8%
営業利益919億円
営業利益率28.3%
親会社帰属利益778億円

2025年12月期第2四半期は、Non-GAAPベースでは営業利益919億円、営業利益率28.3%となりました。

一方、IFRSではWolfspeed関連損失の影響により、税引前損失1,960億5,700万円、親会社株主に帰属する四半期損失2,013億4,800万円を計上しています。

本業は黒字でしたが、一時的な損失によって会計上の最終損益は大幅な赤字となりました。

本業は黒字でもIFRS最終損益は赤字

前年2Qは、Non-GAAP営業利益が919億円となり、本業では黒字を確保しました。

営業利益率も28.3%と高い水準です。

一方、IFRSでは大幅な最終赤字となりました。

両者の方向が異なった理由は、Non-GAAPで除外される一時損益がIFRSには含まれるためです。

Non-GAAPでは、主に次の項目が調整されます。

  • 買収関連の無形資産償却
  • PPA
  • 株式報酬
  • 構造改革費用
  • 減損損失
  • 投資関連損失
  • その他の一過性損益

本業の販売や製造活動が黒字でも、大規模な減損や投資損失が発生すれば、IFRS最終損益は赤字になります。

Wolfspeed関連損失が利益を押し下げた

前年2Qでは、Wolfspeed関連の損失がIFRS業績を大きく押し下げました。

ルネサスはWolfspeedとの長期供給契約に関連する前払金や投資について、回収可能性を見直し、損失を計上しています。

この損失は、当四半期の車載MCUや産業向け半導体の販売不振によって発生したものではありません。

ただし、会計上の一時損失であっても、過去に支出した資金の価値が減少したことを意味します。

確認する際は、次の項目を分けましょう。

  • 本業のNon-GAAP営業利益
  • Wolfspeed関連損失
  • IFRS営業利益
  • 税引前利益
  • 親会社帰属利益
  • キャッシュへの影響

一時損失だから無視するのではなく、本業評価とは分離して財務への影響を確認することが重要です。

前年との比較はNon-GAAPを優先する

今回の2Qと前年2Qを比較する場合は、Non-GAAP業績を優先すると本業の変化を把握しやすくなります。

前年2QのNon-GAAP実績は、売上収益3,246億円、営業利益919億円、営業利益率28.3%でした。

今回の会社予想中央値は売上収益3,880億円、営業利益率29.0%です。

売上収益は約19.5%増加し、営業利益率も0.7ポイント改善する計画となります。

一方、IFRS利益を比較すると、前年のWolfspeed関連損失の反動によって、実際の本業改善以上に増益率が大きく見える可能性があります。

前年同期比較では、次の順番で確認しましょう。

  1. Non-GAAP売上収益
  2. Non-GAAP売上総利益率
  3. Non-GAAP営業利益
  4. Non-GAAP営業利益率
  5. IFRS利益
  6. 一時損益

今回2Qは利益率改善を見込む

今回の2Q会社予想では、Non-GAAP売上総利益率57.0%、営業利益率29.0%を見込んでいます。

前年2Qの売上総利益率56.8%、営業利益率28.3%を上回る計画です。

改善を支える主な要因は次のとおりです。

  • 車載半導体需要
  • AIインフラ関連需要
  • 製品構成の改善
  • 工場稼働率
  • 円安
  • 固定費吸収

一方、1Qと比べると売上総利益率は2.2ポイント、営業利益率は4.7ポイント低下する予想です。

前年同期比では改善でも、前四半期比では悪化する点に注意が必要です。

前年同期比較と前四半期比較の両方から利益率を評価しましょう。

前回の本決算はどうだった?

項目2025年12月期Non-GAAP
売上収益1兆3,185億円
売上総利益率57.6%
営業利益3,869億円
営業利益率29.3%
親会社帰属利益3,293億円
EBITDA4,641億円

2025年12月期は、Non-GAAPベースで売上収益1兆3,185億円、営業利益3,869億円となりました。

営業利益率は29.3%を維持しています。

一方、IFRSでは売上収益1兆3,212億円、営業利益2,012億円、親会社株主に帰属する当期損失517億円となりました。

Wolfspeed関連で2,376億円の損失を計上したことが、最終赤字の主な原因です。

Non-GAAPでは高い営業利益率を維持

2025年12月期のNon-GAAP営業利益率は29.3%でした。

半導体市況や自動車・産業分野の在庫調整が続く中でも、30%近い営業利益率を確保しています。

高い利益率を支える主な要因は次のとおりです。

  • 車載MCU・SoC
  • アナログ・パワー製品
  • 高採算製品の構成
  • 生産効率
  • 工場稼働率
  • 円安
  • 買収事業とのクロスセル

一方、売上総利益率は製品構成、工場稼働率、為替によって変動します。

営業利益率29%台を継続できるかが、本業の収益力を判断する基準になります。

IFRSでは6年ぶりの最終赤字

IFRSベースでは、親会社株主に帰属する当期損失が517億円となりました。

最終赤字となった主な要因は、Wolfspeed関連損失です。

本業の営業活動が赤字だったわけではありませんが、過去の投資や契約に関連する損失が会計利益を大きく押し下げました。

IFRS赤字を見る際は、次の項目を確認しましょう。

  • IFRS営業利益
  • 金融損益
  • 減損損失
  • 投資関連損失
  • 税引前利益
  • 親会社帰属利益
  • キャッシュフロー

Wolfspeed関連損失は一時要因

Wolfspeed関連損失は、通常の製品販売によって毎期発生する費用ではありません。

そのため、翌期以降に同規模の損失が再び発生しなければ、IFRS最終利益は大幅に回復する可能性があります。

ただし、一時要因であっても、企業の投資判断やリスク管理を評価する材料になります。

損失の再発可能性、追加支出、契約見直しなどを確認する必要があります。

また、前年の一時損失がなくなることで増益率が大きく見えるため、前年同期比だけで本業が急回復したと判断しないよう注意しましょう。

タイミング事業売却で事業構成が変化

ルネサスはタイミング事業を売却したことで、今後の売上構成が変化します。

タイミング事業は、通信、データセンター、産業機器などで使用される製品を扱っていました。

売却後は同事業の売上が連結業績から減少する一方、多額の売却代金と譲渡益を得る予定です。

決算では、次の項目を確認しましょう。

  • 売却事業の売上高
  • 売却事業の利益
  • 継続事業の成長率
  • 譲渡益
  • 売却代金
  • 税金・関連費用
  • 売却資金の使途

事業売却によって売上高が減少しても、低採算事業の売却であれば全社利益率が改善する場合があります。

本業の利益成長と一時損益を分ける

ルネサスの決算では、事業売却益、減損損失、買収関連償却などが利益へ大きく影響します。

そのため、最終利益の増減だけでは本業の状況を判断できません。

本業の成長を見る際は、次の指標を優先します。

  • Non-GAAP売上収益
  • 売上総利益率
  • Non-GAAP営業利益
  • Non-GAAP営業利益率
  • 用途別売上
  • 在庫
  • 工場稼働率

最終的な企業価値や株主資本への影響を見る際は、IFRS利益とキャッシュフローも確認します。

本業の収益力と一時損益を分けたうえで、両方を無視せず評価することが重要です。

ルネサスの決算で毎回確認したい指標

IFRSとNon-GAAPを分ける

ルネサスは、IFRSとNon-GAAPの両方で業績を公表します。

Non-GAAPでは、買収に伴う無形資産償却、株式報酬、一過性損益などを調整しています。

本業の成長率や利益率を比較する場合はNon-GAAP、最終的な会計利益や株主資本への影響を見る場合はIFRSを確認しましょう。

売上予想レンジと市場予想を比較する

ルネサスは四半期売上を一定のレンジで予想します。

決算では、次の水準を比較します。

  • 会社予想下限
  • 会社予想中央値
  • 会社予想上限
  • 市場コンセンサス
  • 実績

実績が会社レンジ内でも、市場予想を下回れば株価が下落する可能性があります。

会社計画達成と市場期待達成を分けて評価しましょう。

売上総利益率と営業利益率を見る

売上高が増加しても、利益率が低下すれば利益は伸びません。

確認したい項目は次のとおりです。

  • 売上総利益率
  • 営業利益率
  • 製品構成
  • 製造費用
  • 工場稼働率
  • 研究開発費
  • 販売管理費
  • 為替

売上総利益率は製品の採算、営業利益率は研究開発費や販管費を含めた全体の収益性を示します。

自動車と産業・インフラ・IoTを分ける

ルネサスの主な事業区分は、自動車向けと産業・インフラ・IoT向けです。

自動車向けは、完成車生産、SDV、ADAS、EVの影響を受けます。

産業・インフラ・IoT向けは、FA、ロボット、データセンター、通信設備などの影響を受けます。

両事業は需要サイクルが異なるため、全社売上だけでなく用途別売上を確認しましょう。

車載MCU・SoCの需要を見る

車載MCUとSoCは、ルネサスの競争力を確認する重要な製品です。

確認したい項目は次のとおりです。

  • 車載MCU売上
  • R-Car
  • 車載SoC
  • デザインイン
  • 量産開始時期
  • ADAS
  • SDV
  • 1台当たり半導体搭載額

デザインインを獲得しても、量産開始まで数年かかる場合があります。

将来案件と現在の量産売上を分けて確認しましょう。

AIインフラ・データセンター需要を見る

AIデータセンター向けでは、次の製品需要を確認します。

  • 電源管理
  • 高速インターフェース
  • サーバー電源
  • ネットワーク
  • コンピューティング
  • センサー
  • 制御製品

生成AI投資が続いていても、顧客の先行発注や在庫積み増しが含まれている場合があります。

最終需要、セルスルー、チャネル在庫をセットで確認しましょう。

自社在庫とDOIを見る

自社在庫には、原材料、仕掛品、完成品が含まれます。

DOIは、保有在庫が何日分の売上に相当するかを示す指標です。

在庫額が増えていても、売上がそれ以上に増えてDOIが低下していれば、在庫効率は改善しています。

一方、在庫とDOIがともに上昇している場合は、需要減速や過剰在庫に注意が必要です。

チャネル在庫とWOIを見る

WOIは、販売代理店などが保有する在庫が何週間分の販売に相当するかを示します。

確認したい項目は次のとおりです。

  • チャネル在庫額
  • WOI
  • セルイン
  • セルスルー
  • 自動車向け在庫
  • 産業向け在庫

ルネサスから代理店への出荷が増えても、最終顧客への販売が増えていなければ、チャネル在庫が積み上がります。

工場稼働率と設備投資を見る

工場稼働率が上昇すると、固定費を多くの製品で吸収できるため利益率が改善します。

確認したい項目は次のとおりです。

  • 6インチ工場
  • 8インチ工場
  • 12インチ工場
  • 前工程稼働率
  • 生産数量
  • 設備投資
  • 外部委託
  • 減価償却費

一方、需要が弱い中で生産を増やせば、在庫増加につながる可能性があります。

為替前提と感応度を見る

ルネサスは海外売上比率が高く、為替の影響を受けます。

確認したい通貨は次のとおりです。

  • ドル円
  • ユーロ円
  • その他アジア通貨

会社前提と実勢為替レートを比較し、為替による増収増益と販売数量による成長を分けましょう。

買収関連償却とPPAを見る

過去の企業買収によって計上した無形資産は、一定期間にわたって償却されます。

PPAや無形資産償却は、IFRS営業利益を押し下げます。

確認したい項目は次のとおりです。

  • 無形資産償却
  • PPA
  • 買収関連費用
  • のれん
  • 減損
  • Altium関連費用

Non-GAAPで除外されていても、IFRS利益には影響するため確認が必要です。

事業売却・減損などの一時損益を見る

ルネサスでは、事業売却益や投資関連損失によってIFRS利益が大きく変動します。

主な確認項目は次のとおりです。

  • タイミング事業売却益
  • 減損損失
  • 投資関連損失
  • 構造改革費用
  • 訴訟・補償費用
  • 税金

一時損益を除いた本業利益と、実際の株主資本への影響を分けて評価しましょう。

キャッシュフローと有利子負債を見る

利益が増加しても、キャッシュフローが弱ければ財務改善にはつながりません。

確認したい項目は次のとおりです。

  • 営業キャッシュフロー
  • 投資キャッシュフロー
  • フリーキャッシュフロー
  • 設備投資
  • M&A
  • 有利子負債
  • ネット有利子負債
  • 売却代金

タイミング事業の売却資金を、負債返済、成長投資、株主還元へどのように配分するかも重要です。

配当と株主還元を見る

株主還元では、次の項目を確認しましょう。

  • 年間配当
  • 配当性向
  • 自己株買い
  • 取得株数
  • タイミング事業の売却代金
  • フリーキャッシュフロー
  • 有利子負債
  • 成長投資

一時的な売却益が発生しても、継続的な利益やキャッシュフローが伴わなければ、増配を続けるのは難しくなります。

▼公式サイトはこちら

楽天証券

まとめ

ルネサスの次回決算は、2026年7月31日に発表される予定です。発表時間は未公表ですが、前年2Qと直近1Qは午前9時でした。

2Q売上の会社予想中央値は3,880億円、市場予想は約3,940億円です。営業利益率は1Qの33.7%から29.0%へ低下する計画となっています。

注目点は、自動車・AIインフラ需要、在庫、工場稼働率、利益率です。タイミング事業の約4,433億円の売却益は2Qには含まれず、3Q累計で計上される予定です。

本業はNon-GAAP、一時損益を含む最終的な業績はIFRSで確認しましょう。

出典

投資家の皆様へ(IR情報)|ルネサス エレクトロニクス
https://www.renesas.com/ja/about/investor-relations

IR資料:2026|ルネサス エレクトロニクス
https://www.renesas.com/ja/about/investor-relations/event/presentation

2026年12月期 第1四半期決算説明資料|ルネサス エレクトロニクス
https://www.renesas.com/document/ppt/2026-1q-presentation-material

2026年12月期 第1四半期決算短信|ルネサス エレクトロニクス
https://www.renesas.com/document/rep/earnings-report-1st-quarter-ended-march-31-2026

2026年12月期 第1四半期決算説明会 要旨・主な質疑応答|ルネサス エレクトロニクス
https://www.renesas.com/document/ppt/2026-1q-presentation-minutes-and-qa

2025年12月期 第2四半期決算概要|ルネサス エレクトロニクス
https://www.renesas.com/ja/about/newsroom/renesas-reports-financial-results-second-quarter-ended-june-30-2025

2025年12月期 第2四半期決算説明資料|ルネサス エレクトロニクス
https://www.renesas.com/document/ppt/2025-2q-presentation-material

2025年12月期 決算概要|ルネサス エレクトロニクス
https://www.renesas.com/ja/about/newsroom/renesas-reports-financial-results-year-ended-december-31-2025

2025年12月期 通期決算説明資料|ルネサス エレクトロニクス
https://www.renesas.com/document/ppt/2025-full-year-presentation-material

当社連結子会社による事業譲渡完了に関するお知らせ|ルネサス エレクトロニクス
https://www.renesas.com/ja/about/newsroom/update-notice-regarding-completion-business-transfer-consolidated-subsidiary

配当情報|ルネサス エレクトロニクス
https://www.renesas.com/ja/about/investor-relations/stock/dividend

ルネサス エレクトロニクス(6723)業績進ちょくと決算スケジュール|IFIS株予報
https://kabuyoho.ifis.co.jp/index.php?bcode=6723&sa=report

ルネサスエレクトロニクス(6723)決算・予想|moomoo証券
https://www.moomoo.com/ja/stock/6723-JP/earnings

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

目次