TDKの決算はいつ発表される?2027年3月期1Qの予想・注目点を解説

「TDKの次回決算はいつ?」「AIサーバーやHDD向け需要で好決算になりそう?」と気になっている人も多いのではないでしょうか。

TDKは2026年3月期に過去最高の売上高と利益を記録しました。ただし、2027年3月期はスマートフォン向け小型二次電池の販売数量減少を見込む一方、ニアラインHDDやAIサーバー向け製品の成長を想定しています。

本記事では、TDKの次回決算日、会社予想と市場予想、前年の第1四半期決算、決算で注目したいポイント、決算後の株価を左右する条件を解説します。

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目次

TDKの次回決算はいつ?

TDKの次回決算は、2026年7月31日(金)15時30分に発表される予定です。発表されるのは、2027年3月期第1四半期決算です。

項目内容
決算2027年3月期第1四半期
発表日2026年7月31日(金)
発表時間15時30分
決算説明会同日17時30分
証券コード6762
決算期3月
会計基準IFRS

TDKは決算発表後の17時30分から、機関投資家・証券アナリスト向けの決算説明会を予定しています。決算短信では全社業績を確認し、説明会資料ではセグメント別の販売動向や今後の見通しを確認すると理解しやすくなります。

発表直後は、売上高や営業利益だけでなく、エナジー応用製品と磁気応用製品の販売動向を優先して確認しましょう。TDKは製品ごとの需要環境が異なるため、全社の増収率だけでは業績の中身を判断しにくい企業です。

TDKの第1四半期決算予想と通期の市場予想

2026年7月24日時点では、2027年3月期第1四半期の税引前利益相当の市場予想は668億5,000万円です。前年同期の576億3,000万円から約16.0%の増益が見込まれています。

項目2027年3月期1Q市場予想前年1Q実績比較
税引前利益相当668億5,000万円576億3,000万円約16.0%増
通期会社予想に対する進捗率約22.3%約20.8%改善見込み

IFISではIFRS企業の税引前利益に相当する数値が「経常利益」として掲載されています。TDKの決算短信では経常利益を使用していないため、本記事では税引前利益相当として扱います。

市場予想どおりなら増益へ転じますが、通期会社予想に対する進捗率は25%を下回ります。四半期ごとの需要変動があるため単純な4分の1比較だけで判断できないものの、前年より進捗率が改善するかが最初の確認点です。

通期の市場予想は会社予想を上回る

TDKは2027年3月期に増収増益を計画していますが、2026年7月24日時点の市場コンセンサスは、主要な利益項目で会社予想を上回っています。

項目会社予想市場予想市場予想と会社予想の差
売上高2兆5,800億円2兆6,779億5,800万円979億5,800万円上振れ
営業利益2,950億円3,146億8,500万円196億8,500万円上振れ
営業利益率約11.4%約11.7%約0.3ポイント上振れ
税引前利益3,000億円3,240億円240億円上振れ
親会社帰属利益2,250億円2,356億円106億円上振れ

市場は会社計画を上回る業績を織り込んでいるため、会社予想に沿った順調な決算でも、株価の反応が限定的になる可能性があります。

特に税引前利益の市場予想は会社予想を8.0%上回ります。第1四半期で市場予想を上回るだけでなく、会社が通期予想を据え置く場合でも、説明会で上振れ余地を示せるかが重要です。

年間配当は40円へ増配予想

TDKは2027年3月期の年間配当を、前期の36円から40円へ増配する方針です。中間配当20円、期末配当20円を予定しています。

会社は配当性向35%を基本としています。通期利益が会社予想を上回れば追加還元への期待が高まる可能性はありますが、2027年3月期は設備投資の増加も計画しているため、利益だけでなくフリー・キャッシュ・フローも確認する必要があります。

前年の第1四半期決算は増収でも減益

2026年3月期第1四半期は、売上高が前年同期比3.3%増加した一方、営業利益は2.5%減少しました。スマートフォン向け二次電池が伸びても、自動車向け受動部品の減少と円高が利益を押し下げた決算です。

項目2026年3月期1Q前年同期比
売上高5,357億5,300万円3.3%増
営業利益564億1,900万円2.5%減
営業利益率10.5%0.7ポイント低下
税引前利益576億3,000万円17.2%減
親会社帰属利益414億6,200万円30.5%減

為替変動によって売上高は約376億円、営業利益は約71億円押し下げられました。税引前利益と最終利益の減益率が営業利益より大きいのは、前年同期に計上した為替差益などの反動も影響しています。

エナジー応用製品が全社利益を支えた

前年の第1四半期では、エナジー応用製品が売上高と利益の大部分を占めました。スマートフォン向け小型二次電池の販売増加が、他の事業の弱さを補っています。

セグメント売上高営業利益営業利益率
受動部品1,381億円64億円約4.6%
センサ応用製品464億円27億円約5.8%
磁気応用製品546億円63億円約11.5%
エナジー応用製品2,855億円554億円約19.4%
その他111億円25億円の赤字

エナジー応用製品の売上高は前年同期比8.6%増加しましたが、営業利益はほぼ横ばいでした。販売数量の増加が、そのまま利益成長へつながったわけではありません。

小型二次電池は全社業績への影響が大きいため、売上高だけでなく、製品構成、販売価格、原材料価格、操業度を確認する必要があります。

受動部品は自動車向け需要の弱さで減益

受動部品は売上高が前年同期比3.4%減少し、営業利益は54.1%減少しました。自動車市場向けを中心に販売が減少したことに加え、円高も利益を押し下げています。

営業利益率は約4.6%にとどまり、エナジー応用製品の約19.4%と大きな差がありました。次回決算では、自動車向けインダクティブデバイスやセラミックコンデンサの需要回復が、受動部品の利益率改善につながっているかが重要です。

磁気応用製品とセンサ応用製品は黒字化

磁気応用製品は前年同期の8億円から63億円へ大幅増益となりました。ニアラインHDD向け需要に加え、合理化や構造改革の効果が利益を押し上げています。

センサ応用製品も前年同期の7億円の赤字から27億円の黒字へ改善しました。両事業が継続的に利益を出せるようになれば、小型二次電池への利益依存を下げることができます。

TDKの次回決算で注目したいポイント

TDKの次回決算で注目したいポイント

次回決算では、市場予想との比較に加え、製品別の需要と利益率を確認します。最重要ポイントは、小型二次電池の減速をニアラインHDDとAIサーバー向け製品で補えるかです。

注目点確認する内容
1Q税引前利益市場予想668億5,000万円を上回るか
エナジー応用製品小型二次電池の販売数量、製品構成、利益率
磁気応用製品ニアラインHDD向けヘッド・サスペンション需要
受動部品自動車・AIサーバー向け販売と利益率
センサ応用製品磁気センサ減少をMEMSセンサで補えるか
全社営業利益率通期計画11.4%へ向けて改善しているか
為替ドル150円、ユーロ175円の会社前提との差
キャッシュフロー設備投資増加後も資金を確保できるか

小型二次電池の販売数量と利益率

TDKは2027年3月期のエナジー応用製品について、前期比3%減から横ばいの売上高を想定しています。スマートフォン全体の生産台数を前期比10%減と見込んでおり、ICT市場向け小型二次電池の販売数量減少が主な理由です。

一方、5Gスマートフォンの生産台数は3%増を想定しています。高機能機種の比率が上がれば、台数減少の一部を製品単価や搭載容量で補える可能性があります。

確認したい項目は次のとおりです。

  • 小型二次電池の販売数量
  • スマートフォンの機種構成
  • 販売価格と原材料価格
  • エナジー応用製品の営業利益率
  • 中型二次電池の売上拡大

売上高が横ばいでも利益率が改善していれば、製品構成や合理化の効果が出ていると判断できます。反対に、売上高と利益率がともに低下する場合は、全社利益への影響が大きくなる可能性があります。

ニアラインHDD向け製品が成長をけん引するか

TDKは2027年3月期の磁気応用製品について、前期比21%から24%の増収を想定しています。HDDヘッドとHDDサスペンションの販売増加が主な成長要因です。

会社はニアラインHDDの生産台数を前期比7%増、AIサーバーを21%増と見込んでいます。生成AIの普及によって保存するデータ量が増えれば、大容量ストレージに使用されるニアラインHDDの需要を押し上げる可能性があります。

ただし、HDD生産台数だけでなく、1台当たりのヘッド搭載数や顧客の在庫も重要です。先行発注による一時的な増加ではなく、最終需要に沿った販売増加かを確認しましょう。

AIサーバー向け受動部品が伸びるか

受動部品は、前期比5%から8%の増収が計画されています。自動車向けインダクティブデバイスに加え、AIサーバー向け各種製品の販売増加が見込まれています。

AIサーバーでは、高い消費電力に対応する電源部品、コンデンサ、インダクタなどが必要です。市場拡大が続けば、TDKの電子部品需要を支える可能性があります。

一方、前年の第1四半期は受動部品の営業利益率が約4.6%に低下しました。次回決算では売上回復だけでなく、営業利益率が改善しているかを確認する必要があります。

センサ事業はMEMS製品の成長を確認

センサ応用製品の通期売上高は、前期比横ばいから3%増が想定されています。ICT市場向け磁気センサの販売数量減少を、MEMSセンサの販売増加で補う計画です。

MEMSセンサには、モーションセンサやマイクロフォンなどがあります。スマートフォンやウェアラブル機器への搭載拡大が進めば増収要因となります。

磁気センサの減収幅、MEMS製品の量産立ち上がり、センサ事業全体の黒字定着をセットで確認しましょう。

営業利益率11.4%へ改善できるか

TDKは通期の営業利益率を前期の10.9%から11.4%へ改善する計画です。売上高の伸びを3.0%に見込む一方、営業利益は8.3%増を計画しているため、増収以上の利益成長が前提となっています。

利益率を左右する主な項目は次のとおりです。

  • 合理化とコストダウン
  • 構造改革の効果
  • 製品構成と操業度
  • 販売費・一般管理費
  • 研究開発費
  • 為替変動
  • 一時費用

2027年3月期は研究開発費2,400億円、固定資産の取得3,700億円を計画しています。将来の成長に必要な投資ですが、短期的には費用とキャッシュフローの負担になります。

為替前提とフリー・キャッシュ・フロー

TDKの通期想定為替レートは、1ドル150円、1ユーロ175円です。海外売上高比率が高いため、実勢レートとの差によって円換算の売上高と利益が変動します。

会社は2027年3月期のフリー・キャッシュ・フローを600億円と予想しており、前期の1,299億円から約53.8%減少する見通しです。設備投資を増やすため、利益が増えても手元資金の増加は限定される計画となっています。

決算では、営業キャッシュ・フロー、設備投資、在庫、売上債権を確認しましょう。設備投資の増加が受注や将来売上につながる内容かも重要です。

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TDKの決算後の株価はどうなる?

決算後の株価は、前年同期比だけでなく、市場予想との差と通期予想の上振れ余地で決まりやすくなります。市場の通期予想が会社予想を上回っているため、会社計画どおりという理由だけで高評価になるとは限りません。

株価の上昇要因になり得る決算

市場予想超過と複数事業の利益率改善がそろえば、決算が買い材料として評価される可能性があります。

  • 税引前利益が市場予想668億5,000万円を上回る
  • エナジー応用製品の利益率が改善する
  • ニアラインHDD向け販売が会社想定を上回る
  • 受動部品の売上高と利益率が回復する
  • 全社営業利益率が11%台へ上昇する
  • 通期予想を上方修正する、または上振れ余地を示す

特に小型二次電池への依存を下げながら、磁気応用製品や受動部品の利益を伸ばせれば、成長の質が改善したと評価されやすくなります。

株価が下落する可能性がある決算

市場予想未達に加えて主力製品の利益率が低下すれば、決算後に売りが強まる可能性があります。

  • 税引前利益が市場予想を下回る
  • 小型二次電池の販売数量と利益率が想定以上に低下する
  • ニアラインHDD需要が先行発注の反動で減速する
  • 受動部品の低収益が続く
  • 研究開発費や設備投資の増加を利益で吸収できない
  • 通期予想を据え置いても、説明内容が市場期待に届かない

好決算でも事前の期待が高ければ、材料出尽くしで下落する場合があります。決算数値と同時に、翌四半期の需要見通しや市場コンセンサスの修正方向を確認しましょう。

TDKの決算で毎回確認したい重要指標

TDKの決算は、セグメント別利益率とキャッシュ創出力を同じ順番で追うと変化を把握しやすくなります。

  1. 売上高・営業利益・税引前利益
  2. 営業利益率
  3. エナジー応用製品の売上高と営業利益率
  4. ニアラインHDD向けヘッド・サスペンション販売
  5. 受動部品の自動車・AIサーバー向け需要
  6. センサ応用製品の黒字定着
  7. 為替レートと為替影響
  8. 在庫と売上債権
  9. 設備投資と研究開発費
  10. フリー・キャッシュ・フロー

売上高が伸びていても、特定製品への依存や在庫増加が大きい場合は注意が必要です。複数セグメントの利益率とキャッシュ創出力が改善しているかまで確認しましょう。

まとめ

TDKの2027年3月期第1四半期決算は、2026年7月31日(金)15時30分に発表される予定です。市場では税引前利益668億5,000万円が予想されており、前年同期から約16.0%の増益が見込まれています。

最大の注目点は、小型二次電池の減速をニアラインHDDとAIサーバー向け製品で補い、全社の利益率を改善できるかです。市場の通期予想は会社予想を上回っているため、決算数値だけでなく上振れ余地まで確認しましょう。

出典

TDK株式会社「IRカレンダー」
https://www.tdk.com/ja/ir/ir_events/calendar/index.html

TDK株式会社「2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)」
https://www.tdk.com/system/files/2026042800_0mqf56xw_ja.pdf

TDK株式会社「2026年3月期 通期 決算説明会資料」
https://www.tdk.com/system/files/20264q_0mqf56xw_ja.pdf

TDK株式会社「2026年3月期 第1四半期 決算短信〔IFRS〕(連結)」
https://www.tdk.com/system/files/2025080100_fmmy8ym2_ja.pdf

TDK株式会社「2026年3月期 第1四半期 決算説明会資料」
https://www.tdk.com/system/files/2026_1q00_fmmy8ym2_ja.pdf

IFIS株予報「6762 TDK 業績進ちょくと決算スケジュール」
https://kabuyoho.ifis.co.jp/index.php?action=tp1&bcode=6762&sa=report

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