100均はなぜ儲かるの?安くても利益になる仕組みを解説

100円ショップって非常に便利ですよね。

100円という安さで様々なバリエーションの商品が売られており、ついついたくさん買ってしまいます。

しかし、100円で商品を販売しても利益は小さいですよね。どのように儲かっているのかが不明です。

今回は100均が儲かる理由、仕組みについて、解説していきたいと思います。

目次

100均が儲かる理由

100均が儲かる理由は、5つあります。

・商品利益率が高い
・人件費を抑えられる
・広告費がかからない
・大量仕入れで原価削減
・自社製造でコスト削減

利益率が高い

実は、100円ショップの利益率は商品によって大きく違うのです。

安いものでは原価10円程度のものから高いものだと100円以上の原価のものまで売っているのです。

当然、原価が100円以上の商品は売っただけで赤字になります。しかし、100均の売上総利益率(商品全体の利益率)は大体30%くらいになるようです。薄利多売の小売業で利益率が30%になるのはかなり高いと言えますが、なぜここまで高い利益率を維持できるのでしょうか?

その答えは、まとめ買いをするから、です。

100円ショップに来るお客さんは色々な便利グッズや商品をたくさん買っていきます。10個の商品を買ったら1,100円(税込)ですが、その中には原価が安いものも含まれているのです。そのためたとえ100円以上の原価の商品を買ったとしても安い原価の商品も含まれているため、全体の利益率は30%くらいになるというわけです。

100円以上の原価の商品というのは、お買い得商品で、お客さんを呼び込むための商品です。スーパーでいうところの特売ですね。100均では値下げができないかわりに商品の原価率で調整しているのです。

このお買い得商品をエサにして、利益率の高い商品も一緒に売っていくというのが、100均のメインの戦略となります。

人件費を抑えられる

次に、人件費があまりかからないというのも、100均が儲かりやすい秘密です。

100円ショップの店員さんのやる仕事というのは、スーパーに比べて難しくありません。レジ打ちや品出しが主な仕事内容で、2〜3人程度のアルバイトの方だけでもお店が回せるようになっています。スーパーなどに比べても人数もいらないですし仕事も単純です。

企業側としては、なるべく安く人を雇えば利益は上がります。そのため正社員をなるべく減らしてアルバイトを増やすことが人件費削減策になります。人件費の圧迫が大きい小売業においてはいかに人を少なくするか?や給料を減らせるかというのが非常に大事なので、100円ショップのような人件費があまりかからない業種は儲かりやすいのです。

広告費がかからない

100均が儲かっている秘密として、広告費がかからないというのがあります。

普通、お店に集客するためには広告を出す必要があります。

他の小売店ではテレビCMや新聞などの折込チラシなどで広告を出しています。これは、特売情報や新商品などの情報を宣伝することで、お店に来てもらうためです。

しかし、100円ショップでは広告を出す必要がありません。そもそも色々な商品を100円で売っているということが最大の広告なのです。
スーパーのように値下げをしないので特売情報はありませんし、商品の宣伝をする必要が全くないのです。

テレビCMやチラシなどを出すためには多額の広告費がかかります。広告費がかからないというのは利益率が高くなりやすい要因なので結果儲かりやすいということになります(お客さんが来ることが大前提ですが)。


また、最近ではSNSなどで一般の個人やメディアなどが100均の商品を紹介したりしていますよね。企業が自ら宣伝しなくても良い商品があればインフルエンサーが紹介してくれるような時代になっているので広告費を一切かけなくてもお客さんが集まるようになったのです。

大量仕入れで原価削減

100均では商品を大量に仕入れることで原価率を低くしています。

基本的には商品の仕入れは大量に行った方が安くなります。スーパーでもそうですが、同じ商品を何点もまとめ買いしたら安くなりますよね?それと全く同じです。売る側からしたら1つだけ買ってもらうよりも、たくさん買ってくれた方が利益になるので仕入先にもメリットはあります。

100均で売られている商品というのは大量に仕入れても問題ない商品です。お客さんもたくさん買ってくれますし食品のように劣化もしないのでたくさん仕入れることができます。これによって原価率を下げることに成功しているのです。

自社ブランドによる製造で利益率を上げる

大量仕入れもそうですが、自社ブランドで製造することで原価率は安くなります。人に作ってもらうよりも自分で作った方が安くなるということです。

100円ショップでは自社ブランドによる製造商品も多くなってきているため昔よりも質の高い商品を提供することができるようになったのです。
最近では小売店は製造元から仕入れるよりも自社ブランドで安い製品を作るというのが主流になってきました。ユニクロやニトリが代表例でSPAという業種に分類されます。

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100均でも同じように自社ブランドで製造することでコストダウンに成功しているというわけです。

100均の実際の利益率は?セリアを例に紹介

では、実際の利益率はどうなっているのでようか?

業界最大手のDAISO(大創産業)は非上場企業のため、利益率等は非公開となっています。そのため業界2番手であるセリアの決算について着目したいと思います。
セリアの詳しい決算については以下のリンクからどうぞ

https://www.seria-group.com/corporate/ir/settlement/

2020年3月期の売上高は1,704億円、売上総利益は737億円ということで売上総利益率(商品販売の利益率)は約43%となっています。

営業利益(売上から商品原価、人件費、広告費などの経費全てを引いた利益)は167億円で営業利益率は9.8%となっています。

1個100円の商品を販売した売上から原価や経費を引いても利益が10%近く残るというのはかなり利益率が高いですね。決算を見ても100円ショップが儲かりやすいというのは明白だと思います。

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