パン・パシフィックの配当金はいくら?利回り・配当性向・増配推移を解説

パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(証券コード7532、以下「パン・パシフィック」)は、長期にわたって増配を続けている小売企業です。2027年6月期の年間配当予想は1株10円で、2026年6月期の9.5円から0.5円の増配が見込まれています。100株を保有する場合、年間配当金は税引前で1,000円です。

2026年6月期まで23期連続で増配しており、2027年6月期の会社予想どおり10円へ増配されれば24期連続増配となります。2026年9月11日終値726.1円を基準にすると、予想配当利回りは約1.38%です。利回りだけを見ると高配当株という水準ではありませんが、パン・パシフィックの配当を見るうえでは、現在の利回りだけでなく、長期間にわたる配当額・EPS・配当性向の変化を合わせて確認することが重要です。

実際、2017年6月期から2026年6月期までに、株式分割調整後の年間配当は1.3円から9.5円へ約7.3倍に増えました。同期間のEPSも10.46円から36.84円へ約3.5倍に拡大し、配当性向は12.4%から25.8%へ上昇しています。増配は、利益そのものの成長と、稼いだ利益を株主へ回す割合の引き上げの両方によって支えられてきました。

※本記事は2026年9月11日時点の開示資料をもとに作成しています。

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目次

パン・パシフィックの配当金はいくら?

パン・パシフィックの配当金まとめ

パン・パシフィックは、2027年6月期の1株当たり年間配当金を10円と予想しています。内訳は中間配当3.5円、期末配当6.5円です。2026年6月期は中間3円、期末6.5円の年間9.5円だったため、2027年6月期は中間配当を0.5円引き上げる計画です。

2027年6月期の親会社株主に帰属する当期純利益は1,105億円、1株当たり利益(EPS)は36.61円を会社が予想しています。利益は前期比0.4%増とほぼ横ばいですが、配当は9.5円から10円へ増える計画です。2027年6月期は利益成長だけでなく、配当性向を引き上げることで増配を続ける構図になります。

100株なら年間1,000円の配当金

保有株数2027年6月期の年間配当金(予想・税引前)
100株1,000円
300株3,000円
500株5,000円
1,000株10,000円

東京証券取引所の単元株数は100株なので、通常の単元株投資では100株保有時の年間1,000円が基本となります。表の金額は税引前です。課税口座では配当金に税金がかかるため、実際の受取額は税引前の金額より少なくなります。

配当は中間・期末の年2回

パン・パシフィックは中間配当と期末配当の年2回に分けて配当を実施しています。2027年6月期予想では中間3.5円、期末6.5円です。

パン・パシフィックの配当の権利確定日はいつ?

パン・パシフィックの配当基準日は、中間配当が12月31日、期末配当が6月30日です。配当を受け取るには、それぞれの権利付き最終日までに株式を保有する必要があります。

直近では、2026年12月末の中間配当に対する権利付き最終日は12月28日です。2027年6月期の中間配当は1株3.5円、期末配当は6.5円が予定されています。

配当基準日2027年6月期予想
中間配当12月31日3.5円
期末配当6月30日6.5円
年間-10円

パン・パシフィックの配当利回りはどれくらい?

2026年9月11日終値では予想配当利回り約1.38%

2026年9月11日の終値726.1円と、2027年6月期の年間配当予想10円を使って計算すると、予想配当利回りは約1.38%です。

配当利回りとは、株価に対して1年間に受け取れる配当金がどれくらいの割合になるかを示す指標です。同じ10円の配当でも、株価が1,000円なら利回り1.0%、800円なら1.25%、700円なら約1.43%になります。配当利回りが上昇した場合は、「配当が増えた」のか「株価が下がった」のかを分けて確認する必要があります。

現在の配当利回りより長期の増配実績が特徴

予想配当利回りは約1.38%ですが、パン・パシフィックの特徴は現在の利回りよりも長期にわたる増配実績にあります。2026年6月期まで23期連続で増配しており、2027年6月期も10円へ増配すれば24期連続となります。利益成長と株主還元の強化に伴って配当額を増やしてきた増配型の銘柄として見ると、配当方針を理解しやすくなります。

パン・パシフィックの配当金・EPS・配当性向の推移

パン・パシフィックの配当を見るうえで最も特徴的なのは、増配が一時的ではなく、長期間続いていることです。株式分割の影響を除くため、以下では過去の配当金とEPSを現在の株数ベースへ調整した数値で比較します。2027年6月期のみ会社予想です。

決算期年間配当(調整後)EPS(調整後)配当性向
2017年6月期1.30円10.46円12.4%
2018年6月期1.60円11.51円13.9%
2019年6月期2.00円14.87円13.4%
2020年6月期3.00円15.76円19.0%
2021年6月期3.20円16.95円18.9%
2022年6月期3.40円20.53円16.6%
2023年6月期4.00円22.19円18.0%
2024年6月期6.00円29.73円20.2%
2025年6月期7.00円30.32円23.1%
2026年6月期9.50円36.84円25.8%
2027年6月期予想10.00円36.61円約27.3%※

※2027年6月期の配当性向は、会社予想の年間配当10円÷予想EPS36.61円で算出した約27.3%。2017~2026年の実績値は株式分割を考慮した調整後数値です。

2017年から2026年までに配当は約7.3倍

2017年6月期の年間配当は現在の株数ベースで1.3円でしたが、2026年6月期には9.5円まで増えています。9年間で約7.3倍となり、年平均成長率(CAGR)にすると約24.7%です。2027年6月期予想の10円まで含めると、2017年6月期から10年間で約7.7倍となります。

2024年6月期にはグループ総売上高2兆円突破を記念した記念配当も実施されました。ただし、その翌2025年6月期も分割調整後7円へ増配し、2026年6月期には9.5円へ増えています。記念配当だけで配当額が一時的に跳ね上がったわけではなく、その後も通常の配当水準が切り上がっている点が特徴です。

EPSも約3.5倍に拡大

同じ2017年6月期から2026年6月期までを見ると、EPSは10.46円から36.84円へ約3.5倍に増えています。年平均では約15.0%の成長です。配当を長期間増やせた背景には、ドン・キホーテを中心とする国内事業の成長、UNY事業の収益改善、海外事業の拡大などによって、1株当たり利益そのものが増えてきたことがあります。

配当の増加率がEPSの増加率を上回っているのは、利益成長だけでなく配当性向も引き上げているためです。この点を確認すると、パン・パシフィックの連続増配がどのように作られてきたのかが分かりやすくなります。

パン・パシフィックの配当性向はどれくらい?

2026年6月期の配当性向は25.8%

2026年6月期の年間配当は9.5円、EPSは36.84円で、配当性向は25.8%でした。配当性向とは、会社が1年間に稼いだ最終利益のうち、どれくらいを配当金として株主へ還元したかを示す割合です。たとえばEPSが100円で配当が25円なら、配当性向は25%となります。

配当性向は高ければ必ず良いわけではありません。利益の大半を配当に回せば短期的な配当額は増えますが、店舗出店やM&A、システム投資など成長のために使える資金は減ります。反対に、配当性向が低ければ、利益成長に対して株主還元が十分でないこともあります。パン・パシフィックは成長投資を続けながら、配当性向を段階的に引き上げてきました。

配当性向は10年前の12~14%台から25%超へ上昇

2017年6月期の配当性向は12.4%、2018年6月期は13.9%、2019年6月期は13.4%でした。その後、2020年6月期に19.0%へ上昇し、2024年6月期に20%を超え、2025年6月期23.1%、2026年6月期25.8%まで上昇しています。

この推移を見ると、パン・パシフィックの増配は単に利益が増えた分だけ配当を増やしてきたわけではありません。利益のうち株主へ配分する割合そのものも約2倍へ引き上げています。2017年から2026年にかけて配当が約7.3倍になった背景を分解すると、EPSが約3.5倍へ伸びたことと、配当性向が12.4%から25.8%へ上昇したことの両方が効いています。

2027年6月期は配当性向約27.3%まで上がる見込み

2027年6月期の会社予想はEPS36.61円、年間配当10円です。単純計算した予想配当性向は約27.3%となります。2026年6月期の25.8%からさらに上昇する計算です。

2027年6月期は当期純利益が前期比0.4%増の1,105億円とほぼ横ばいで、EPSも36.84円から36.61円へわずかに低下する予想です。それでも0.5円増配する計画なので、2027年6月期の増配は利益成長よりも株主還元の強化による部分が大きいとみられます。

パン・パシフィックはなぜ増配を続けている?

利益成長が長期増配の土台になっている

増配を続けるためには、配当性向を引き上げるだけでは限界があります。パン・パシフィックでは利益規模そのものが拡大してきたことが長期増配の土台になっています。親会社株主に帰属する当期純利益は2021年6月期537億円、2022年6月期619億円、2023年6月期662億円、2024年6月期887億円、2025年6月期905億円、2026年6月期1,101億円へ増加しました。

2021年6月期から2026年6月期までの5年間で当期純利益は約2.05倍となり、年平均成長率は約15.4%です。利益成長が続いたことで、増配を実施しながら出店やM&Aなどの成長投資にも資金を振り向ける余地が生まれてきました。

累進的配当政策を基本としている

パン・パシフィックは株主還元について「累進的配当政策」を基本としています。累進配当とは、原則として配当金を減らさず、維持または増額していくことを重視する考え方です。会社はこれまで配当性向25%を意識しながら、長期的には配当性向の引き上げも視野に入れ、成長投資と株主還元の両立を進める方針を示しています。

実績を見ると、会社が掲げてきた「配当性向25%を意識」という水準は2026年6月期に25.8%まで上昇しており、2027年6月期予想では約27.3%となります。方針だけでなく、実際の数字でも還元比率が段階的に高まっていることが確認できます。

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株式分割でパン・パシフィックの配当金は減った?

2025年10月に1株を5株へ株式分割

パン・パシフィックは2025年10月1日付で、普通株式1株を5株にする株式分割を実施しました。株式分割では会社全体の価値や株主が保有する経済的価値が直ちに変わるわけではありませんが、1株当たりの株価や配当金は株式数に合わせて小さくなります。

2025年6月期35円は分割後換算で7円

2025年6月期の実際の年間配当は1株35円でした。一方、2026年6月期の年間配当は9.5円です。数字だけを見ると35円から9.5円へ大幅に減配したように見えますが、比較する株数の基準が異なります。

2025年6月期の35円を1対5の株式分割後の株数に換算すると7円です。同じ株数基準で比較すると、2025年6月期7円→2026年6月期9.5円→2027年6月期予想10円となり、実質的には増配が続いています。過去の配当推移を確認するときは、株式分割調整後の数字を使うことが重要です。

パン・パシフィックの配当金は今後も増える?

2027年6月期も24期連続増配を目指す

2026年6月期まで23期連続増配を達成しており、2027年6月期も年間10円へ増配する予想です。この予想が実現すれば24期連続増配となります。日本企業の中でも長期にわたり増配を続けている企業の一つであり、配当政策の継続性はパン・パシフィックを評価するうえで重要な材料です。

利益が横ばいでも還元率を引き上げて増配する計画

2027年6月期は純利益1,105億円、前期比0.4%増と利益成長が大きくない一方、年間配当は9.5円から10円へ増える計画です。予想配当性向は約27.3%まで上昇するため、今後の配当を見る際は「利益がどれだけ増えるか」だけでなく、「会社が利益の何%を株主へ戻す方針なのか」も重要になります。

今後の増配余力を見るポイント

今後の配当の持続性や増配余力を見る場合は、次の指標を合わせて確認すると分かりやすくなります。

  • EPSが継続して増えているか。配当の原資となる1株当たり利益が増えれば、配当性向を無理に上げなくても増配しやすくなります。
  • 配当性向がどこまで上昇するか。2026年6月期25.8%、2027年6月期予想約27.3%と還元比率は上昇しています。
  • 営業キャッシュフローと成長投資のバランス。新規出店、Olympicの改革、M&Aなどで資金需要が大きくなれば、配当との資金配分が重要になります。
  • 自社株買いを含む株主還元方針。総還元性向は配当だけでなく自社株買いも含むため、配当性向とは別に確認する必要があります。

パン・パシフィックは長期的に総還元性向40%を目指す

パン・パシフィックは2026年8月、2035年6月期までの10年間で株主還元に6,000億円を充て、長期的に総還元性向40%を目指す方針を示しました。総還元性向は、配当金だけでなく自社株買いも含めた株主還元額を利益と比較する指標です。そのため、総還元性向40%は「配当性向を40%まで引き上げる」という意味ではありません。2027年6月期中には自社株式の取得も予定されており、今後の株主還元は増配と自社株買いの両方で進むとみられます。

パン・パシフィックの配当に関するよくある質問

100株で配当金はいくら?

2027年6月期の会社予想では1株10円なので、100株保有時の年間配当金は税引前1,000円です。

配当利回りは何%?

2026年9月11日終値726.1円を基準にすると、2027年6月期予想配当10円に対する配当利回りは約1.38%です。株価は変動するため、配当利回りも株価に応じて変わります。

配当性向は何%?

2026年6月期の実績配当性向は25.8%です。2027年6月期は予想EPS36.61円と年間配当10円から計算すると約27.3%となります。

何期連続で増配している?

2026年6月期まで23期連続増配です。2027年6月期の年間10円予想が実現すれば24期連続増配となります。

株式分割で減配した?

減配ではありません。2025年6月期の実際の年間配当35円は、2025年10月の1対5株式分割後の株数に換算すると7円です。同じ株数基準では7円→9.5円→10円予想と増配が続いています。

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まとめ

パン・パシフィックの2027年6月期の年間配当予想は1株10円で、100株なら年間1,000円です。2026年9月11日終値726.1円を基準にした予想配当利回りは約1.38%で、現在の利回りだけを見れば高配当株という水準ではありません。

一方、配当の長期推移を見ると特徴がはっきりします。株式分割調整後の年間配当は2017年6月期1.3円から2026年6月期9.5円へ約7.3倍に増え、2027年6月期は10円を予想しています。同期間にEPSは10.46円から36.84円へ増え、配当性向も12.4%から25.8%へ上昇しました。利益成長と還元率の引き上げを組み合わせて増配してきたことが、パン・パシフィックの配当の大きな特徴です。

2027年6月期は利益がほぼ横ばいの予想でも増配を計画しており、配当性向は約27.3%まで上昇する見込みです。今後はEPSの成長に加え、配当性向や自社株買いを含む資本配分が、連続増配をどこまで伸ばせるかを見る重要なポイントになります。

出典

パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス「株主・投資家情報」

https://ppih.co.jp/ir

パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス「株式メモ」

https://ppih.co.jp/ir/stock/overview

パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス「2026年6月期剰余金の配当(増配)及び2027年6月期配当予想に関するお知らせ」

https://ppih.co.jp/news/pdf/260818.pdf

パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス「連結業績予想」

https://ppih.co.jp/ir/highlight/forecast

パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス「連結財務指標」

https://ppih.co.jp/ir/highlight/guide

パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス「PPIH Report 2025」

https://ppih.co.jp/ir/pdf/ar_2025_25.pdf

パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス「2025年6月期 本決算連結業績説明資料」

https://ppih.co.jp/ir/library/earnings/pdf/PPIH_FY2025_Q4_Presentation_J.pdf

パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス「2023年6月期 第2四半期決算連結業績説明資料」

https://ppih.co.jp/ir/library/earnings/pdf/PPIH_FY2023_Q2_Presentation_J.pdf

Yahoo!ファイナンス「パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス 配当情報」

https://finance.yahoo.co.jp/quote/7532.T/dividend

Yahoo!ファイナンス「パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス 株価」

https://finance.yahoo.co.jp/quote/7532.T

株探「パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス 株価時系列データ」

https://s.kabutan.jp/stocks/7532/historical_prices/daily

Yahoo!ファイナンス「パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス、2035年6月期までの10年間で株主還元6,000億円・総還元性向40%を目指す方針」

https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/14799cf8f668f16f9d3ec0651314f1eb742cecf7

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この記事を書いた人

投資歴7年。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、証券外務員資格取得。2019年に100万円から投資スタート。2022年に1000万円→2025に年5000万円突破。
YouTubeでは株式投資・企業決算を中心とした解説動画を200本以上公開(チャンネル登録者数5000人)。日本株を中心に、企業決算や業績、株価材料を分析しています。

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