蓄電池関連銘柄まとめ!本命株・注目企業をわかりやすく解説

「蓄電池関連銘柄が注目されているけれど、結局どの企業が本命なの?」

蓄電池関連株を調べると、電池メーカーだけでなく、蓄電所の運営会社や電力設備メーカーなど、さまざまな企業が出てきます。銘柄数が多いうえ、蓄電池との関わり方も異なるため、どの企業が本当に恩恵を受けるのか分かりにくいのが実情です。

蓄電池市場では、電池や蓄電システムを製造する企業だけでなく、蓄電所を開発・運営する企業、PCSやEMSを提供する企業、設備を建設するEPC企業にも収益機会があります。

本記事では、蓄電池関連の日本株を事業別に整理し、本命候補と各社の蓄電池事業との関連度をわかりやすく解説します。

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目次

蓄電池関連銘柄の本命・注目

蓄電池関連銘柄の本命・注目株

蓄電池関連銘柄の本命は、1社だけに絞れません。蓄電池を製造・販売する企業と、蓄電所を保有して電力市場で運用する企業では、事業内容や収益が発生する場所が異なるためです。

蓄電池事業の専業性が高い企業としてはパワーエックス(485A)、製造実績ではジーエス・ユアサ コーポレーション(6674)、長時間蓄電では住友電気工業(5802)が代表的です。

分類銘柄蓄電池事業での役割本命候補となる理由
蓄電池専業パワーエックス(485A)大型蓄電システムの製造・販売、蓄電所運営蓄電池事業の専業性が高く、製造から運用まで展開
電池メーカージーエス・ユアサ コーポレーション(6674)産業用・定置用蓄電池の製造長年の製造実績があり、大型蓄電システムにも対応
長時間蓄電住友電気工業(5802)レドックスフロー電池の製造長寿命で大容量の系統用蓄電池を展開
家庭用・V2Hニチコン(6996)家庭用蓄電池、V2H、産業用蓄電システム太陽光発電・EV・蓄電池を組み合わせた製品に強み
蓄電所運営レノバ(9519)系統用蓄電所の開発・保有・運営再生可能エネルギー事業の知見を蓄電所へ展開
PCS・周辺設備ダイヘン(6622)PCS、変圧器、EMS、蓄電システム蓄電所に必要な電力変換・受変電設備を一括提供
EPCテスホールディングス(5074)系統用蓄電所の設計・調達・建設蓄電所EPCを成長事業として拡大
EMS・運用デジタルグリッド(350A)蓄電池の充放電制御、電力市場取引設備の保有だけでなく、アグリゲーションまで展開

パワーエックス(485A)は、大型蓄電システムの開発・製造に加え、蓄電所の運営や電力市場でのアグリゲーションまで展開しています。蓄電池を中心に事業を構成している点で、テーマとの関連性が特に高い企業です。

ジーエス・ユアサ コーポレーション(6674)は、自動車用電池だけでなく、工場や公共施設、系統用設備に利用される大型蓄電システムを展開しています。蓄電池本体だけでなく、監視・制御を含めたシステムとして提供できる点が特徴です。

住友電気工業(5802)は、電解液を循環させて充放電するレドックスフロー電池を展開しています。長寿命・長時間放電に適した蓄電池であり、再生可能エネルギーの出力変動を調整する系統用設備との関連性が高い企業です。

蓄電所の開発・運営ではレノバ(9519)、PCSや変圧器などの周辺設備ではダイヘン(6622)、建設ではテスホールディングス(5074)、運用制御ではデジタルグリッド(350A)が直接的に関わっています。

蓄電池関連銘柄一覧

蓄電池関連企業の事業は、電池・蓄電システムの製造、蓄電所の開発・運営、PCS、EMS、EPCに分けられます。

表の関連度は、蓄電池そのものや蓄電所事業を直接展開している企業を「高」、複数ある事業の一部として関わる企業を「中」、関連事業が限定的な企業を「限定的」としています。

スクロールできます
銘柄分類主な関連事業関連度
パワーエックス(485A)蓄電システム大型蓄電システム、蓄電所運営、アグリゲーション
ジーエス・ユアサ コーポレーション(6674)電池メーカー産業用・定置用リチウムイオン電池
パナソニック ホールディングス(6752)電池メーカー車載用・家庭用・産業用蓄電池
NGK(旧:日本ガイシ、5333)電池メーカーNAS電池の既存案件、保守・サービス限定的
住友電気工業(5802)電池メーカーレドックスフロー電池、家庭用蓄電池
ニチコン(6996)蓄電システム家庭用蓄電池、V2H、産業用蓄電システム
シャープ(6753)蓄電システム家庭用クラウド蓄電池、HEMS
TDK(6762)電池メーカー小型全固体電池、次世代電池材料
村田製作所(6981)電池メーカー産業用・家庭用蓄電モジュール
FDK(6955)電池メーカーニッケル水素電池、産業用電池システム
オムロン(6645)蓄電システム家庭用蓄電池、V2H、パワーコンディショナー
レノバ(9519)蓄電所運営系統用蓄電所の開発・保有・運営
ウエストホールディングス(1407)蓄電所開発系統用蓄電所の開発・建設
グリーンエナジー&カンパニー(1436)蓄電所開発蓄電所の開発・販売・運営
電源開発(9513)蓄電所運営系統用蓄電所、電力需給調整
イーレックス(9517)蓄電所運営系統用蓄電所の開発・運営
リミックスポイント(3825)蓄電所開発系統用蓄電所の共同開発・運用
伊藤忠商事(8001)蓄電池・運営家庭用蓄電池、蓄電池ファンド、AI制御
三菱商事(8058)蓄電池・運営EV電池の再利用、蓄電所運営
三井物産(8031)電池・再利用電池パック、使用済み電池の定置用転用
豊田通商(8015)電池・EPC車載電池、太陽光・蓄電設備の建設
ダイヘン(6622)PCSPCS、変圧器、EMS、蓄電システム
明電舎(6508)PCS系統用PCS、受変電設備
富士電機(6504)PCS大容量PCS、蓄電池制御システム
三菱電機(6503)PCS・EMSPCS、蓄電池制御、電力需給管理
日立製作所(6501)PCS・EMS蓄電システム、PCS、制御システム
正興電機製作所(6653)PCS蓄電池用PCS、レドックスフロー電池
グリッド(5582)EMSAIによる充放電計画・電力需給予測
デジタルグリッド(350A)アグリゲーター電力市場取引、蓄電池制御、蓄電所保有
インフォメティス(281A)EMSAI電力データ分析、家庭用蓄電池制御
テスホールディングス(5074)EPC系統用蓄電所の設計・調達・建設
きんでん(1944)電気設備工事受変電設備、再エネ設備工事限定的
関電工(1942)電気設備工事太陽光・蓄電池の一体型設備
九電工(1959)EPC・開発系統用蓄電所の開発・建設
日揮ホールディングス(1963)EPC大型蓄電所の設計・調達・建設

蓄電池・蓄電システムメーカー

蓄電池・蓄電システムメーカー

蓄電池・蓄電システムメーカーは、電気を蓄える電池セル、電池モジュール、蓄電システムを製造・販売します。

家庭用、車載用、産業用、系統用では求められる容量や性能が異なります。系統用では大容量・長寿命・安全性、家庭用では太陽光発電やEVとの連携が重要になります。

パワーエックス(485A)

パワーエックス(485A)は、大型定置用蓄電システムを中心に事業を展開する企業です。電池モジュールや制御装置を組み合わせた大型製品を提供し、工場、商業施設、データセンター、系統用蓄電所などでの利用を想定しています。

蓄電池の販売だけでなく、蓄電所の開発・運営や電力市場でのアグリゲーションにも参入しています。製造・販売・運用を一体で展開しているため、蓄電池事業との関連度は非常に高いといえます。

ジーエス・ユアサ コーポレーション(6674)

ジーエス・ユアサ コーポレーション(6674)は、自動車用鉛蓄電池や産業用電池を展開する総合電池メーカーです。工場や公共施設の非常用電源、再生可能エネルギー設備、系統用蓄電所向けに大型リチウムイオン蓄電システムを提供しています。

電池本体に加え、監視装置や制御システムを組み合わせた設備として納入できます。長年蓄積してきた産業用電池の製造実績があり、大型蓄電池市場と直接関係する企業です。

パナソニック ホールディングス(6752)

パナソニック ホールディングス(6752)は、車載用リチウムイオン電池を中心に、家庭用・産業用の蓄電池や蓄電モジュールも展開しています。

住宅向けでは、太陽光発電、蓄電池、EVを連携させるエネルギー設備を提供しています。産業分野では、データセンターや通信設備などに利用されるバックアップ電源にも関わっています。

電池事業の規模は大きいものの、車載用電池の比重が高いため、系統用蓄電池専業の企業とは事業構成が異なります。

NGK(旧:日本ガイシ、5333)

NGK(旧:日本ガイシ、5333)は、ナトリウムと硫黄を利用した大容量のNAS電池を開発・製造してきた企業です。

NAS電池は長時間の充放電に対応し、再生可能エネルギーの出力調整や工場の電力管理などに利用されてきました。一方、同社は2025年10月にNAS電池の新規受注と製造・販売を終了する方針を発表しています。

現在は、既存案件への製品出荷や保守サービスが中心です。過去には蓄電池の代表的企業でしたが、新規事業としての直接的な関連性は低下しています。

住友電気工業(5802)

住友電気工業(5802)は、電解液を循環させて充放電するレドックスフロー電池を展開しています。

レドックスフロー電池は、充放電を繰り返しても性能が低下しにくく、発火リスクを抑えやすい構造です。長時間の充放電に対応できるため、太陽光発電や風力発電と組み合わせる系統用蓄電池として利用されています。

家庭用蓄電池やエネルギー管理システムも手掛けており、大型設備から家庭用まで蓄電関連製品を展開する企業です。

ニチコン(6996)

ニチコン(6996)は、家庭用蓄電システムやEVと住宅を接続するV2H機器を展開しています。

太陽光発電、蓄電池、EVの電池を一体的に制御するトライブリッド蓄電システムが主力製品の一つです。昼間に発電した電気を蓄え、夜間や停電時に利用できる設備を提供しています。

公共・産業用の蓄電システムにも対応しており、家庭用蓄電池とV2Hの両方に直接関係する企業です。

シャープ(6753)

シャープ(6753)は、住宅用太陽光発電と組み合わせるクラウド蓄電池システムを展開しています。

発電量、電力使用量、天気予報などをもとに、HEMSが蓄電池の充放電を自動制御します。太陽光発電でつくった電気の自家消費や、停電時の非常用電源として利用されます。

家庭用蓄電システムとの関連性が中心であり、系統用の大型蓄電所よりも住宅エネルギー分野に強い企業です。

TDK(6762)

TDK(6762)は、電子部品に加え、小型の全固体電池「CeraCharge」を展開しています。

全固体電池は、電解質に液体ではなく固体材料を利用する電池です。同社の製品はIoT機器、ウェアラブル端末、時計などの小型電子機器を主な用途としています。

新しい全固体電池材料の開発も進めていますが、現在の中心は小型機器向けであり、系統用大型蓄電池とは用途が異なります。

村田製作所(6981)

村田製作所(6981)は、小型電子機器向けの電池に加え、産業機器や住宅向けの蓄電池モジュールを展開しています。

リン酸鉄リチウムイオン電池を採用した「FORTELION」は、長寿命と安全性を特徴とし、バックアップ電源、産業設備、住宅用蓄電システムなどに利用されています。

蓄電池セル、モジュール、パワーコンディショナーなどを組み合わせた住宅用システムも提供しており、産業用・家庭用の両方に関係しています。

FDK(6955)

FDK(6955)は、ニッケル水素電池やリチウム電池、電池パック、蓄電システムを展開しています。

主な用途は、非常用電源、通信設備、鉄道、医療機器、産業機器などです。利用する機器に合わせて電池セルを組み合わせ、充放電制御や保護回路を含む電池システムとして提供しています。

産業機器のバックアップ電源との関連性が高い一方、大規模な系統用蓄電所が中心ではありません。

オムロン(6645)

オムロン(6645)は、家庭用蓄電池、太陽光発電用パワーコンディショナー、V2Hシステムを展開しています。

住宅の太陽光発電、定置用蓄電池、EVを一体的に制御するマルチ蓄電プラットフォームを提供しています。発電した電気を住宅で効率的に利用するための変換・制御部分を担います。

交換式EV電池を定置用蓄電池として活用する実証にも取り組んでおり、蓄電池そのものよりも電力変換・制御システムとの関係が深い企業です。

蓄電所を開発・運営する企業

蓄電所の開発・運営会社は、土地や系統接続枠を確保し、大型蓄電池を設置して電力市場で運用します。

電池を製造するのではなく、蓄電池を保有し、充放電によって収益を得る事業者です。電力の売買、需給調整、容量の提供などが主な事業になります。

レノバ(9519)

レノバ(9519)は、太陽光、風力、バイオマスなどの再生可能エネルギー発電所を開発・運営する企業です。

蓄電池事業にも参入しており、島根県安来市の系統用蓄電所を運転するほか、北海道や静岡県などで複数の蓄電所を開発しています。

蓄電池を製造する企業ではなく、蓄電所を開発・保有し、電力市場で運用する立場として直接関係しています。

ウエストホールディングス(1407)

ウエストホールディングス(1407)は、太陽光発電所の開発・建設・保守を中心に展開する企業です。

再生可能エネルギー事業で培った用地開発や電気設備工事のノウハウを活用し、系統用蓄電所の開発を進めています。

蓄電所の開発と建設の両方に関わる企業であり、蓄電池制御を手掛ける企業との協業も進めています。

グリーンエナジー&カンパニー(1436)

グリーンエナジー&カンパニー(1436)は、再生可能エネルギー設備の開発・販売・運営を手掛けています。

系統用蓄電所についても、用地開発、系統接続、設備建設、運営までをまとめた事業を展開しています。開発した蓄電所を投資家や事業会社へ販売するモデルにも対応しています。

蓄電所をパッケージ化して開発する事業者として、蓄電池市場に直接関係しています。

電源開発(9513)

電源開発(9513)は、水力、火力、風力などの発電所を保有する電力会社です。

再生可能エネルギーの導入拡大に合わせ、系統用蓄電所の開発や、企業が保有する蓄電池・発電設備を活用した需給調整事業を進めています。

既存の発電・電力取引事業を蓄電池へ広げている企業です。

イーレックス(9517)

イーレックス(9517)は、電力小売やバイオマス発電を展開する企業です。

系統用蓄電所を開発・運営し、卸電力市場や需給調整市場での取引を行います。

蓄電所の開発から市場運用までを手掛ける事業者として、蓄電池と直接関係しています。

リミックスポイント(3825)

リミックスポイント(3825)は、エネルギー事業や暗号資産関連事業を展開しています。

蓄電池事業では、他社と共同で系統用蓄電所の開発を進めています。土地の確保、設備の建設、系統接続、電力市場での運用までを事業化しています。

近年、系統用蓄電所の開発を積極的に拡大している企業です。

伊藤忠商事(8001)

伊藤忠商事(8001)は、家庭用蓄電池の販売、AIを利用した充放電制御、系統用蓄電所の開発・運営などを展開しています。

家庭向けでは、太陽光発電量や電力価格を予測し、蓄電池を自動制御するサービスを提供しています。系統用では、蓄電所に投資するファンドの組成や大型蓄電所の運営にも関わっています。

家庭用から系統用まで幅広く蓄電池事業を展開している商社です。

三菱商事(8058)

三菱商事(8058)は、電力事業や再生可能エネルギー事業に加え、EV用電池を定置用蓄電池として再利用する事業を進めています。

車載用途で使用した電池を、再生可能エネルギー設備や蓄電所で再利用する取り組みです。

電池の循環利用とエネルギー運用の両面で蓄電池に関係しています。

三井物産(8031)

三井物産(8031)は、電池メーカーや電池システム企業への出資、車両向け電池パックの供給、使用済み電池の再利用事業に関わっています。

車両用として使用した電池を回収し、定置用の蓄電システムとして再利用・再販売する事業を展開しています。

電池製造の専業企業ではなく、投資・流通・再利用の立場から関与する企業です。

豊田通商(8015)

豊田通商(8015)は、車載用電池の製造事業や電池材料のサプライチェーンに関わっています。

国内外で太陽光発電設備と蓄電池を組み合わせたプロジェクトにも参画し、設備の設計・調達・建設やエネルギー管理を行っています。

車載電池と再生可能エネルギー設備の両方から蓄電池市場に関係する企業です。

PCS・電力変換設備関連

PCSは、蓄電池に蓄えられる直流電力と、電力系統で使用される交流電力を相互に変換する装置です。

大型蓄電所には、PCSのほかに変圧器、受変電設備、監視装置、EMSが必要です。蓄電所の容量拡大に伴い、電力変換設備の規模も大きくなります。

ダイヘン(6622)

ダイヘン(6622)は、変圧器、受変電設備、PCS、EMSなどを展開する電力機器メーカーです。

系統用蓄電所向けには、蓄電池以外の設備をまとめたパッケージを提供しています。PCSで電力を変換し、変圧器で電圧を調整し、EMSで充放電を制御します。

大型蓄電所の電力変換・系統接続を担う代表的企業です。

明電舎(6508)

明電舎(6508)は、発電・変電設備や産業用電気機器を展開しています。

蓄電池向けPCSを長年提供しており、再生可能エネルギー設備、工場、マイクログリッド、系統用蓄電所などに納入しています。

蓄電池を電力系統へ接続するPCS分野との関連性が高い企業です。

富士電機(6504)

富士電機(6504)は、パワー半導体、インバーター、受変電設備、PCSなどを展開しています。

蓄電池向けには、大容量PCS、制御装置、受変電設備を組み合わせたシステムを提供しています。電力市場での取引や充放電計画を支援する運用システムにも対応しています。

電力変換機器と蓄電池制御の両方を提供できる企業です。

三菱電機(6503)

三菱電機(6503)は、発電・変電設備、PCS、電力需給管理システムなどを展開しています。

大型蓄電所では、蓄電池、PCS、受変電設備、EMSを統合し、設備全体を制御します。

個別機器だけでなく、大規模蓄電システム全体を統合できる企業です。

日立製作所(6501)

日立製作所(6501)は、電力インフラ、デジタル制御、PCSなどを組み合わせた蓄電システムを展開しています。

蓄電池の充放電制御、再生可能エネルギーとの連携、電力需給の調整などを一体化した設備を提供しています。

電力設備とデジタル制御を組み合わせるシステムインテグレーターとして蓄電池市場に関係しています。

正興電機製作所(6653)

正興電機製作所(6653)は、電力会社や公共施設向けの監視制御装置、受配電設備、PCSなどを展開しています。

系統用蓄電所向けPCSの提供に加え、レドックスフロー電池の共同開発や全固体電池モジュールの試作にも取り組んでいます。

PCSを主軸に、電池技術の開発にも関わる企業です。

EMS・AI制御・アグリゲーター関連

EMS・AI制御・アグリゲーター関連

EMSは、電力需要、発電量、市場価格などを予測し、蓄電池をいつ充電し、いつ放電するかを制御するシステムです。

アグリゲーターは、複数の蓄電池や発電設備をまとめて制御し、電力市場で取引します。蓄電池を設置するだけでなく、効率よく運用する役割を担います。

グリッド(5582)

グリッド(5582)は、AIを利用した電力需給予測や設備運用の最適化システムを提供しています。

系統用蓄電所向けには、電力需要、再生可能エネルギーの発電量、市場価格を予測し、蓄電池の充放電計画を作成するソフトウェアを展開しています。

電池やPCSを製造する企業ではなく、AIによって蓄電池の運用効率を高める企業です。

デジタルグリッド(350A)

デジタルグリッド(350A)は、電力取引プラットフォームや再生可能エネルギーの電力供給事業を展開しています。

系統用蓄電所では、市場価格の予測、入札、充放電指示、収益管理などを一括して行うアグリゲーションサービスを提供しています。自社で蓄電所を保有・運営する事業にも取り組んでいます。

蓄電池の所有と電力市場での運用の両方に関係する企業です。

インフォメティス(281A)

インフォメティス(281A)は、家庭や事業所の電力データをAIで分析するエネルギーテック企業です。

機器ごとの電力使用量を推定する技術を持ち、太陽光発電、家庭用蓄電池、V2H機器などのエネルギー設備を制御します。

系統用大型蓄電所よりも、家庭・小規模施設の蓄電池制御との関連性が高い企業です。

EPC・電気設備工事関連

EPC・電気設備工事関連

EPC企業は、蓄電所の設計、機器調達、建設を一括して請け負います。

蓄電所には、蓄電池、PCS、変圧器、受変電設備、監視装置など多くの設備が必要です。各機器を組み合わせ、実際に稼働する設備として完成させる役割を担います。

テスホールディングス(5074)

テスホールディングス(5074)は、工場や事業所向けの省エネルギー設備、再生可能エネルギー発電所のEPCを展開しています。

系統用蓄電所では、設計、蓄電池・PCSなどの調達、建設、試運転までを一括して請け負います。蓄電所の運営やEMSにも事業を広げています。

系統用蓄電所のEPCを成長分野として拡大している企業です。

きんでん(1944)

きんでん(1944)は、ビル、工場、発電所などの電気設備工事を手掛ける企業です。

太陽光発電所や受変電設備の設計・施工実績を持ち、大型蓄電所を建設する際に必要となる電気設備工事へ対応できます。

ただし、蓄電池専用の製品や蓄電所運営を主力としている企業ではありません。蓄電所の周辺工事を担う立場での関連性が中心です。

関電工(1942)

関電工(1942)は、送配電設備、受変電設備、建築設備、再生可能エネルギー設備などの工事を展開しています。

法人向けには、太陽光発電設備と蓄電池を組み合わせたエネルギー設備の設計・施工を提供しています。

企業向け太陽光・蓄電設備の一体施工に関係する企業です。

九電工(1959)

九電工(1959)は、電気設備工事や再生可能エネルギー発電所の開発・建設を展開しています。

蓄電池事業では、他社と共同で九州地域を中心に系統用蓄電所を開発しています。用地開発、設備建設、系統接続、運営などに関わります。

EPCだけでなく、蓄電所の事業主体としても参画する企業です。

日揮ホールディングス(1963)

日揮ホールディングス(1963)は、エネルギー・化学プラントなどの大型設備を建設する総合エンジニアリング企業です。

系統用蓄電所では、蓄電池、PCS、変圧器、監視制御装置などを組み合わせ、設備全体の設計・調達・建設を担当します。

大規模蓄電所を一括建設できるEPC企業として直接関係しています。

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蓄電池関連銘柄とは

蓄電池関連銘柄は、蓄電池を製造する企業だけで構成されているわけではありません。蓄電池の用途は、EV向け、家庭向け、工場・データセンター向け、電力系統向けに分かれており、必要となる容量や性能も異なります。

また、蓄電池を動かすPCS、充放電を管理するEMS、蓄電所を建設するEPC、電力市場で運用するアグリゲーターも蓄電池市場に関わっています。各社がどの用途に関わっているのかを分けて確認することが重要です。

車載用蓄電池

車載用蓄電池は、EV、プラグインハイブリッド車、ハイブリッド車などに搭載される蓄電池です。走行用モーターへ電力を供給するため、家庭用や産業用よりも高いエネルギー密度、耐久性、安全性が求められます。

日本の上場企業では、パナソニック ホールディングス(6752)やジーエス・ユアサ コーポレーション(6674)が車載用リチウムイオン電池を展開しています。

パナソニック ホールディングス(6752)は、北米を中心にEV用円筒形リチウムイオン電池を製造しています。蓄電池事業の規模は大きいものの、家庭用や系統用よりも、EV向け電池が業績へ与える影響が大きい企業です。

ジーエス・ユアサ コーポレーション(6674)は、ハイブリッド車やプラグインハイブリッド車向けのリチウムイオン電池を量産しています。BEV向けについても、本田技研工業との合弁会社を通じて開発を進めています。

TDK(6762)や村田製作所(6981)も電池関連企業として挙げられますが、現在の主力は小型電子機器、産業機器、バックアップ電源向けです。完成車に搭載する大型の走行用電池では、パナソニック ホールディングス(6752)やジーエス・ユアサ コーポレーション(6674)の方が直接的な関連性を持ちます。

車載用蓄電池の需要は、EVやハイブリッド車の販売台数に左右されます。電池価格の低下はEVの普及を後押しする一方、電池メーカーにとっては販売単価を押し下げる要因にもなります。各国のEV補助政策や自動車メーカーの生産計画も、車載用電池の販売量に影響します。

家庭用蓄電池

家庭用蓄電池は、住宅の太陽光発電でつくった電気や、電力会社から購入した電気を蓄え、必要な時間帯に使用する設備です。

昼間に太陽光発電で余った電気を蓄電池へ充電し、夜間に放電することで、自宅で使用する再生可能エネルギーの割合を高められます。停電時には、冷蔵庫、照明、通信機器などへ電力を供給するバックアップ電源としても利用されます。

家庭用蓄電池との関連性が高い企業としては、ニチコン(6996)、パナソニック ホールディングス(6752)、シャープ(6753)、オムロン(6645)などがあります。

ニチコン(6996)は、家庭用蓄電システムに加え、EVと住宅を双方向につなぐV2H機器を展開しています。太陽光発電、家庭用蓄電池、EVの電池を一体的に制御するトライブリッド蓄電システムが特徴です。

シャープ(6753)は、太陽光発電、蓄電池、HEMSを組み合わせたクラウド蓄電池システムを提供しています。発電量や電力使用量に応じて、AIが蓄電池の充放電を制御する仕組みです。

V2Hは、EVの電池に充電するだけでなく、EVに蓄えた電気を住宅へ供給できる設備です。EVそのものを大容量の蓄電池として利用できるため、家庭用蓄電池とEV充電設備の市場が重なる分野となっています。

産業用・データセンター向け蓄電池

産業用蓄電池は、工場、物流施設、病院、通信施設、データセンターなどに設置されます。家庭用よりも容量と出力が大きく、停電対策、電力品質の安定、ピーク電力の抑制などに利用されます。

データセンターでは、停電や瞬間的な電圧低下が発生すると、サーバーの停止やデータ損失につながる可能性があります。そのため、停電を検知した直後から電力を供給するUPSや蓄電システムが必要です。
また、電力使用量が多い時間帯に蓄電池から放電することで、電力需要のピークを抑えられます。再生可能エネルギーで発電した電気を蓄え、データセンターで利用する用途もあります。

パナソニック ホールディングス(6752)は、生成AI市場の拡大を背景に、データセンター向け蓄電システムの販売を伸ばした実績があります。車載用だけでなく、産業用・バックアップ電源向けの蓄電池事業も展開しています。

パワーエックス(485A)は、データセンター向けラック型蓄電システムを発表しています。サーバー用のバックアップ電源として機能するほか、電力系統の需給変動に対応する仕組みを備えています。

2026年6月に改訂された国の「蓄電池・電源産業戦略」では、AIデータセンター、医療、防災などで求められる高度な電源制御を成長分野として位置づけています。電池単体だけでなく、PCS、UPS、EMSを含めた電源システム全体の市場拡大が想定されています。

系統用蓄電池

系統用蓄電池は、発電所や住宅に設置する蓄電池とは異なり、電力会社の送配電網へ直接接続する大型蓄電設備です。

太陽光発電や風力発電は、天候によって発電量が変動します。発電量が電力需要を上回る時間帯に充電し、電力が不足する時間帯に放電することで、電力の需要と供給のバランスを調整します。

系統用蓄電所の収益源には、電力価格が安い時間帯に充電し、高い時間帯に売電する卸電力市場があります。

このほか、短時間で充放電して電力の周波数を安定させる需給調整市場や、将来必要となる供給力を確保する容量市場もあります。一定の条件を満たす大型蓄電所は、長期脱炭素電源オークションを通じて、長期間にわたり容量収入を得ることも可能です。

系統用蓄電池では、蓄電池メーカーだけでなく、蓄電所を保有する企業、PCSメーカー、EMS事業者、EPC企業、アグリゲーターまで収益機会が広がります。蓄電池関連銘柄の中でも、特にバリューチェーンが広い分野です。

蓄電池メーカーの本命候補

蓄電池メーカーの本命候補は、製造する電池の種類や用途によって異なります。

大型リチウムイオン蓄電池ではパワーエックス(485A)やジーエス・ユアサ コーポレーション(6674)、車載用ではパナソニック ホールディングス(6752)、長時間蓄電では住友電気工業(5802)が代表的です。

家庭用蓄電池とV2Hではニチコン(6996)が高い関連性を持ちます。

パワーエックス(485A)

パワーエックス(485A)は、大型蓄電システムの開発・製造・販売を主力とする企業です。

系統用蓄電所や太陽光発電所に設置する大型蓄電システム、産業施設向け蓄電池、蓄電池型超急速EV充電器などを展開しています。

蓄電池型の急速充電器は、内部の蓄電池へ電気をためてからEVへ供給する仕組みです。施設のピーク電力抑制や停電時の電源としても活用できます。

大型蓄電システムの販売だけでなく、蓄電所の開発・運営、アグリゲーション、EV充電サービス、データセンター向け蓄電システムまで展開しています。売上の大部分が蓄電池とその周辺サービスに関係しており、蓄電池テーマの純度が高い企業です。

製造能力については、岡山県玉野市の本社工場に大型蓄電システムの生産ラインを増設するほか、北海道苫小牧市にも新工場を開設する計画です。

受注も大型化しており、複数の系統用蓄電所案件を獲得しています。売上高も拡大し、営業損失は縮小していますが、黒字化の達成時期が今後の焦点となります。

ジーエス・ユアサ コーポレーション(6674)

ジーエス・ユアサ コーポレーション(6674)は、自動車用電池、産業用電池、定置用蓄電池を幅広く展開する総合電池メーカーです。

車載用では、鉛蓄電池、ハイブリッド車向けリチウムイオン電池、プラグインハイブリッド車向け電池を製造しています。

産業用では、通信設備、工場、鉄道、公共施設、データセンターなどへ非常用電源を供給しています。系統用では、大型リチウムイオン電池を用いたESSを展開しています。

同社は、蓄電池本体だけでなく、PCS、監視装置、制御システムを組み合わせた設備を提供できます。電池セルから大型蓄電システムまで一体で対応できることが特徴です。

国産定置用リチウムイオン電池の開発・量産投資も進めており、再生可能エネルギーの系統安定化、自家消費、ピークカット、災害対策などに利用する定置用電池の量産を計画しています。

パナソニック ホールディングス(6752)

パナソニック ホールディングス(6752)は、世界的な車載用リチウムイオン電池メーカーです。

北米を中心にEV用円筒形リチウムイオン電池を生産し、自動車メーカーへ供給しています。電池事業全体の規模は、日本の蓄電池関連企業の中でも大きい水準です。

家庭向けでは、太陽光発電、家庭用蓄電池、V2Hを組み合わせた住宅エネルギーシステムを展開しています。産業向けでは、生成AIサーバーを設置するデータセンター用の蓄電システムも手掛けています。

一方、電池事業の中心は車載用です。系統用蓄電池や蓄電所の運営を主力とする専業企業ではありません。蓄電池全般との関連性は高いものの、業績への影響はEV市場の方が大きい企業です。

NGK(旧:日本ガイシ、5333)

NGK(旧:日本ガイシ、5333)は、ナトリウムと硫黄を使用したNAS電池を展開してきた企業です。

NAS電池は、大容量の電気を長時間にわたり充放電できる蓄電池です。数時間単位で電力を蓄えられるため、再生可能エネルギーの余剰電力を長時間移動させる用途に適しています。

国内外の電力会社、工場、再生可能エネルギー設備へ導入され、世界的な納入実績を積み上げてきました。

ただし、NGK(5333)は2025年10月、NAS電池の製造・販売活動を終了し、新規受注を行わない方針を決定しました。

今後は、受注済み案件への納入や既存設備の保守・サービスが中心となります。NAS電池の世界的な導入実績は豊富ですが、新規の蓄電池製造事業との関連性は低下しています。

住友電気工業(5802)

住友電気工業(5802)は、レドックスフロー電池を開発・製造しています。

レドックスフロー電池は、タンクに貯蔵した電解液を循環させ、酸化還元反応によって充放電する蓄電池です。

電極や電解液の劣化が少なく、長期間にわたって繰り返し利用できます。また、発火性の材料を使用せず常温で運転するため、安全性と長寿命を重視する大型蓄電所に適した構造です。

電池の容量は電解液タンクの大きさ、出力はセルスタックの規模によって調整できます。大容量化や長時間放電との相性がよく、太陽光発電や風力発電の出力変動を吸収する系統用蓄電池として導入されています。

住友電気工業(5802)は、自動車用ワイヤーハーネス、電力ケーブル、情報通信など幅広い事業を展開しています。そのため、レドックスフロー電池は将来性のある事業ですが、現時点では全社売上の中心となる事業ではありません。

ニチコン(6996)

ニチコン(6996)は、家庭用蓄電システムとV2H機器を主力製品の一つとする企業です。

住宅向けのトライブリッド蓄電システムでは、太陽光発電、家庭用蓄電池、EVの電池を一つのシステムで制御します。

昼間は太陽光発電の電気を住宅で使用し、余った電気を家庭用蓄電池やEVへ充電します。夜間や曇天時には、家庭用蓄電池やEVから住宅へ電力を供給できます。

停電時にもEVや蓄電池から住宅全体へ電力を供給できる製品を展開しており、家庭用蓄電池とV2Hの両分野に直接関係しています。

公共施設、工場、事業所向けの蓄電システムも手掛けていますが、主な強みは住宅向けです。

蓄電所の開発・運営で注目される銘柄

蓄電所の開発・運営会社は、蓄電池を製造するのではなく、大型蓄電池を設置する土地や系統接続枠を確保し、設備を建設・保有します。

完成した蓄電所を電力市場で運用し、充放電や供給力の提供によって収益を得ます。電池メーカーとは異なる形で、蓄電池市場へ直接関係する企業です。

レノバ(9519)

レノバ(9519)は、太陽光、風力、バイオマスなどの再生可能エネルギー発電所を開発・運営する企業です。新たな成長分野として、系統用蓄電所の開発を拡大しています。

兵庫県姫路市の姫路蓄電所や、島根県の安来蓄電所などが運転を開始しています。

北海道や静岡県でも複数の大型蓄電所を開発しており、石狩、苫小牧、白老、森町、菊川などで案件を進めています。

収益源は、卸電力市場や需給調整市場での市場販売に加え、長期脱炭素電源オークション、電力購入者とのオフテイク契約などです。

蓄電所の保有・運営を将来の利益事業として明確に位置づけている点で、蓄電所運営との関連性が高い企業です。

ウエストホールディングス(1407)

ウエストホールディングス(1407)は、太陽光発電所の用地取得、設計、施工、保守で実績を持つ企業です。

蓄電所事業でも、用地の選定、系統接続手続き、設計、機器調達、建設、運転開始後の保守まで対応しています。太陽光発電所の開発で培った事業基盤を系統用蓄電所へ転用しています。

金融機関と連携した系統用蓄電所ファンドにも関わり、グループが蓄電所の開発、建設、保守を担当する事業モデルを展開しています。

蓄電所を自社で長期保有するだけでなく、開発した案件をファンドへ組み入れ、建設収入や保守収入につなげる事業モデルです。

グリッド(5582)とも協業しており、ウエストホールディングス(1407)が用地選定や設計・建設を担当し、グリッド(5582)がAIを用いた運用を担当します。

開発件数だけでなく、建設を完了して受電・運転を開始した案件や、ファンドへ組み入れられた案件が収益へ直結します。

PCS・EMS・EPCで注目される銘柄

大型蓄電所には、蓄電池本体だけでなく、直流と交流を変換するPCS、電圧を調整する変圧器、充放電を管理するEMSが必要です。

さらに、設備全体の設計、機器調達、建設を担うEPC企業や、電力市場での運用計画を作成するAI事業者も関わります。

ダイヘン(6622)

ダイヘン(6622)は、変圧器、受変電設備、PCS、EMSなどを展開する電力機器メーカーです。

系統用蓄電所向けには、蓄電池、PCS、連系設備、変圧器、EMSをまとめた蓄電池パッケージを提供しています。複数メーカーの設備を個別に組み合わせるのではなく、蓄電所に必要な主要設備を一括して供給できる企業です。

工場や事業所向けには、太陽光発電、蓄電池、EV充電器をEMSで制御する自家消費型システムも提供しています。

AIデータセンターや半導体工場の建設では、大容量の受変電設備や変圧器が必要となります。ダイヘン(6622)は、蓄電所向けだけでなく、電力消費量の大きい施設の電源インフラにも関係する企業です。

明電舎(6508)

明電舎(6508)は、発電設備、変電設備、受配電設備、PCS、UPS、EMSなどを展開しています。

蓄電池向けでは、蓄電池に蓄えられる直流電力と、電力系統で使用する交流電力を相互に変換するPCSを製造しています。

電力会社や公共施設向けの変電・配電設備を長年供給してきたため、PCSだけでなく、蓄電所を電力系統へ接続する周辺設備にも対応できます。

系統用蓄電池の電力変換部分と、電力系統の安定化を担う企業として、蓄電池市場との関連性が高い企業です。

テスホールディングス(5074)

テスホールディングス(5074)は、工場や物流施設向けの省エネルギー設備、太陽光発電所、系統用蓄電所などのEPCを展開しています。

系統用蓄電所では、事業計画の策定、設備設計、蓄電池やPCSの調達、建設、試運転を一括して担当します。

完成後のO&M、遠隔監視、充放電の運用管理にも対応しており、蓄電所の建設から運転開始後までを一貫して支援できる企業です。

また、既存のFIT太陽光発電所をFIPへ移行し、蓄電池を併設する事業にも対応しています。

テスホールディングス(5074)の蓄電池関連売上は、主にEPC工事の進行や完成に伴って計上されます。蓄電池を製造するのではなく、蓄電所を実際の設備として完成させる役割を担っています。

グリッド(5582)

グリッド(5582)は、AIを活用した社会インフラの運用最適化システムを開発する企業です。

蓄電池分野では、電力需要、再生可能エネルギーの発電量、卸電力市場の価格などを予測し、蓄電池の充放電計画を自動作成するシステムを展開しています。

系統用蓄電所は、単に充電と放電を繰り返せばよいわけではありません。電力市場価格、蓄電池の残量、劣化、需給調整市場への入札などを考慮しながら運用する必要があります。

グリッド(5582)のAIは、複数の予測シナリオをもとに、収益やCO2削減などの目的に合わせて充放電計画を最適化します。

ウエストホールディングス(1407)との協業では、ウエストホールディングス(1407)が蓄電所の開発・建設、グリッド(5582)がAIによる運用を担当します。

蓄電池やPCSを製造する企業ではなく、設置された蓄電池の運用価値を高めるソフトウェア企業です。

蓄電池関連銘柄が注目される理由

蓄電池市場の拡大は、EVの普及だけでなく、再生可能エネルギー、AIデータセンター、電力市場制度、国内製造支援など複数の要因によって進んでいます。

特に定置用・系統用蓄電池は、電池メーカーだけでなく、電力設備、建設、制御ソフト、電力運用へ需要が広がる点が特徴です。

再生可能エネルギーの導入が拡大する

太陽光発電や風力発電は、燃料を使用せずに電気をつくれる一方、天候によって発電量が変動します。

太陽光発電は昼間に発電が集中し、夜間は発電できません。風力発電も風の強さによって出力が変わります。

電力需要を上回る発電が発生した場合、送配電網の安定を保つために、再生可能エネルギーの発電を止める出力制御が行われることがあります。
余剰電力を蓄電池へ充電できれば、発電を止める量を減らし、需要が増える時間帯へ電気を移動できます。再生可能エネルギーの導入量が増えるほど、電力を調整する蓄電池の必要性も高まります。

第7次エネルギー基本計画では、再生可能エネルギーを主力電源として最大限導入する方針が示されています。蓄電池は、再生可能エネルギーの出力変動を補う調整力として位置づけられています。

再生可能エネルギーの拡大は、電池メーカーだけでなく、蓄電所運営、PCS、変圧器、EMS、EPCを手掛ける企業の事業機会にもつながります。

AIデータセンターの電力需要が増加する

生成AIの普及によって、高性能なGPUを大量に設置するAIデータセンターの建設が進んでいます。

AIサーバーは消費電力が大きく、安定した電力供給が必要です。短時間の停電や電圧低下でも、計算処理の停止やデータ損失につながる可能性があるため、UPSや蓄電池によるバックアップが欠かせません。

蓄電池は、停電対策だけでなく、データセンターの電力需要が最大になる時間帯に放電するピークカットにも利用できます。

データセンターへ直接電力を供給する蓄電池のほか、PCS、変圧器、受変電設備、EMS、冷却設備などにも需要が波及します。

パナソニック ホールディングス(6752)は、生成AI市場の拡大を背景に、データセンター向け蓄電システムの販売を伸ばしています。パワーエックス(485A)も、ラック型蓄電システムや蓄電池を組み込んだデータセンター向け製品を展開しています。

2026年6月の「蓄電池・電源産業戦略」でも、AIデータセンターは成長が見込まれる電源システム市場として位置づけられました。AIデータセンターの拡大は、蓄電池単体ではなく電源設備全体の需要増加につながります。

政府が蓄電池産業を支援している

政府は、蓄電池をエネルギー安全保障や脱炭素に必要な重要産業として支援しています。

2022年に策定された「蓄電池産業戦略」は、2026年6月に「蓄電池・電源産業戦略」へ改訂されました。
新しい戦略では、電池セルの製造能力だけでなく、PCS、制御システム、データセンター向け電源、医療・防災向け電源などを含めた電源システム全体の競争力強化が打ち出されています。

主な目標は次のとおりです。

目標内容
国内製造基盤2030年代半ばに年産150GWhを確立
海外売上日本企業の蓄電池関連売上を2025年から2035年に3倍へ拡大
全固体電池2030年頃に本格実用化
サプライチェーン重要資源や材料の国内外での確保
電源システムAIデータセンター、医療、防災などへ展開

国内で蓄電池工場を新設する企業や、生産能力を増強する企業には、設備投資への支援が行われています。

定置用・系統用蓄電池についても、設備導入補助金や長期脱炭素電源オークションを通じて、蓄電所の建設を後押ししています。

国の支援は、パワーエックス(485A)やジーエス・ユアサ コーポレーション(6674)などの電池メーカーに加え、蓄電所を建設・運営する企業にも広がっています。

複数の電力市場から収益を得られる

系統用蓄電所は、複数の電力市場や契約を組み合わせて収益を得ます。

卸電力市場では、電力価格が安い時間帯に充電し、高い時間帯に放電して価格差を得ます。

需給調整市場では、電力会社からの指示に応じて短時間で充放電し、電力の需要と供給や周波数を安定させます。

容量市場では、将来の電力不足に備えて供給力を確保していることに対して、容量収入を得ます。

長期脱炭素電源オークションは、蓄電池などの脱炭素電源へ長期的な収入の予見性を与える制度です。一定の条件を満たして落札した蓄電所は、原則20年間にわたって容量収入を得られます。

このほか、電力会社や需要家と長期契約を結び、一定の対価を受け取るオフテイク契約もあります。

一つの市場だけに依存せず、卸電力市場、需給調整市場、容量市場、長期契約を組み合わせることで、蓄電所ごとに異なる収益モデルを構築できます。

複数市場への入札や充放電計画を管理する必要があるため、デジタルグリッド(350A)やグリッド(5582)など、アグリゲーションやAI制御を担う企業の役割も大きくなっています。

蓄電池関連銘柄を選ぶポイント

蓄電池市場の拡大が、そのまますべての関連企業の業績拡大につながるわけではありません。

蓄電池関連銘柄には、蓄電池を主力とする企業だけでなく、総合電機メーカー、商社、電力会社、電気設備工事会社なども含まれています。

そのため、企業名や参入発表だけで判断せず、蓄電池事業が全社業績に与える影響や、案件が売上・利益へつながる段階まで進んでいるかを確認する必要があります。

蓄電池事業の売上比率

最初に確認したいのは、蓄電池関連事業が企業全体の売上高や利益に占める割合です。

同じ蓄電池関連銘柄でも、蓄電池を主力とする企業と、複数ある事業の一つとして展開する企業では、テーマとの連動性が異なります。

パワーエックス(485A)は、大型蓄電システム、蓄電所運営、EV急速充電など、事業の多くが蓄電池と直接関係しています。蓄電池市場の拡大が売上高へ反映されやすく、テーマ純度が高い企業です。

一方、パナソニック ホールディングス(6752)、住友電気工業(5802)、三菱電機(6503)などは、蓄電池関連事業を展開しているものの、全社では自動車部品、電子部品、電力設備、FAなど幅広い事業を抱えています。

蓄電池事業が成長しても、ほかの事業が減収・減益となれば、全社業績では成長が見えにくくなることがあります。

確認したい主な項目は次のとおりです。

確認項目主な内容
セグメント売上高蓄電池関連事業を含む部門の売上規模
セグメント利益売上増加が利益につながっているか
全社売上に占める割合蓄電池事業が全社業績を動かす規模か
売上成長率前年同期比や前期比で拡大しているか
事業別の受注高将来の売上につながる案件が増えているか
テーマ純度主力事業が蓄電池と直接関係しているか

企業によっては、蓄電池だけの売上高を公表していない場合があります。その場合は、関連する事業セグメントの売上高、受注内容、設備投資計画などから規模を確認します。

蓄電池という言葉が決算資料に登場するだけでなく、どの程度の売上・利益を生み出しているかが重要です。

案件がどの段階にあるか

蓄電池関連事業は、参入や提携を発表してから、実際に売上や利益が発生するまでに時間がかかることがあります。

特に系統用蓄電所では、用地の取得、系統接続の申請、補助金の採択、設備の建設、試運転など、複数の工程が必要です。

案件の進捗は、次の段階に分けて確認できます。

段階主な状況
発表蓄電池事業への参入や企業間の提携を公表
採択補助金や長期脱炭素電源オークションなどに採択
受注蓄電池、PCS、EPCなどの契約を締結
建設設備の製造や蓄電所の建設を開始
運転開始系統へ接続し、電力市場での運用を開始
利益貢献売上高や営業利益に一定の貢献が表れる

事業参入や基本合意の発表段階では、受注金額、設備容量、運転開始時期などが決まっていないこともあります。

補助金への採択も、事業実施を後押しする材料にはなりますが、採択された時点で売上が発生するわけではありません。

電池メーカーやPCSメーカーでは受注、EPC企業では工事の進捗、蓄電所運営会社では運転開始が、売上につながる重要な段階です。

蓄電所を長期保有する企業では、設備が完成して電力市場での運用を始めてから、継続的な収益が発生します。

発表された案件数ではなく、受注・建設・運転開始まで進んだ案件数を確認することで、事業の実態が分かりやすくなります。

受注高・受注残が増えているか

蓄電池、PCS、変圧器、EPCなどを提供する企業では、受注高と受注残が将来の売上を確認する指標になります。

受注高は一定期間に新たに獲得した契約の金額、受注残は契約済みでまだ売上として計上されていない金額です。

大型蓄電所では、契約を締結してから機器の製造や工事が完了するまで、数カ月から数年かかることがあります。そのため、受注残の増加が売上高の増加に先行する場合があります。

特に確認したいのは、次の企業です。

・蓄電池を製造する企業
・PCSや変圧器を製造する企業
・蓄電所のEPCを請け負う企業
・電気設備工事を担当する企業

ダイヘン(6622)や明電舎(6508)では、蓄電所に必要なPCSや電力設備の受注が将来の売上につながります。

テスホールディングス(5074)などのEPC企業では、蓄電所の工事を受注した後、工事の進捗に応じて売上が計上されます。

ただし、受注残が増えていても、原材料費や人件費が上昇すれば、利益率が低下する可能性があります。工事が長期化した場合には、売上計上の時期が後ろ倒しになることもあります。

受注高の増加に加え、受注した案件の採算性や完成時期も確認する必要があります。

製造能力と設備投資を確認する

蓄電池市場が拡大しても、製品を供給するための生産能力が不足していれば、受注を売上へつなげられません。

電池メーカーでは、工場の生産能力、増設計画、新工場の完成時期などが成長を左右します。

確認したい主な項目は次のとおりです。

確認項目主な内容
生産能力年間で製造できる電池容量や製品台数
稼働率現在の生産設備がどの程度動いているか
新工場の完成時期生産能力が実際に増える時期
量産開始時期試作ではなく売上につながる時期
設備投資額工場建設や生産ラインに投じる金額
補助金国や自治体から受ける支援額
減価償却費工場稼働後に発生する費用負担

新工場を建設すると、生産能力を拡大できる一方、工場が本格稼働するまでは建設費や人件費が先行します。

稼働開始後も、受注量が少なく稼働率が上がらなければ、減価償却費などの固定費が利益を圧迫します。

反対に、受注が生産能力を上回る場合には、納期の長期化や機会損失につながる可能性があります。

補助金を活用した設備投資では、企業が負担する金額を抑えられます。ただし、補助金の認定を受けた時点で収益性が確定するわけではありません。

生産能力の拡大と受注の増加が同じ時期に進んでいるかが重要です。

収益モデルを確認する

蓄電池関連企業は、事業内容によって売上が発生する方法が異なります。

電池やPCSを販売する企業は、設備を納入した時点で売上を計上します。EPC企業は、蓄電所の建設工事の進捗や完成に応じて売上を計上します。

蓄電所を開発する企業の中にも、完成した設備を売却する企業と、自社で長期保有する企業があります。

収益モデル主な事業内容収益が発生する時期
機器販売電池、PCS、変圧器、EMSなどを販売製品の納入時
EPC蓄電所の設計・調達・建設工事の進捗時や完成時
開発・売却開発した蓄電所を投資家やファンドへ売却設備や事業権の売却時
長期保有蓄電所を保有して運営運転開始後
市場運用電力市場で充放電や供給力を提供市場取引の実施後
O&M蓄電所の保守・点検・監視契約期間中
アグリゲーション複数の設備をまとめて電力市場で運用運用開始後
ソフトウェアAIによる価格予測や充放電制御導入時や利用期間中

蓄電所を売却する企業は、売却時にまとまった売上を計上できますが、案件の完成時期によって業績が変動しやすくなります。

長期保有する企業は、運転開始後に継続収入を得られる一方、建設費を回収するまでに時間がかかります。

AI制御やアグリゲーションを提供する企業は、大型設備を自社で製造する必要がなく、ソフトウェアや運用手数料を収益源にできます。

同じ蓄電池市場に関わる企業でも、機器販売型、工事型、保有・運営型では売上と利益が発生する時期が大きく異なります。

株価に期待が織り込まれていないか

蓄電池は、再生可能エネルギー、AIデータセンター、EV、電力不足など複数の成長テーマと結びついています。

そのため、事業の売上や利益がまだ小さい段階でも、将来への期待によって株価が上昇することがあります。

株価水準を確認する代表的な指標には、PERとPBRがあります。

PERは、株価が1株当たり利益の何倍まで買われているかを示します。PBRは、株価が1株当たり純資産の何倍かを示す指標です。

ただし、赤字企業ではPERを計算できません。設備投資が大きい企業や上場直後の成長企業では、現在の利益だけでは評価しにくい場合もあります。

その場合は、次の項目も確認します。

・時価総額
・売上高と時価総額の関係
・上場後の株価上昇率
・将来の売上高・利益計画
・信用買い残
・公募増資や第三者割当増資
・新株予約権の発行状況

蓄電池工場や蓄電所の建設には多額の資金が必要です。自己資金や借入金だけで賄えない場合には、公募増資や新株予約権によって資金を調達することがあります。

新株が発行されると、1株当たり利益や既存株主の持分が希薄化する可能性があります。

また、信用買い残が多い銘柄では、株価が下落した際に損失確定の売りが増え、下落が大きくなることがあります。

将来の成長性だけでなく、現在の時価総額がどの程度の成長を前提としているかを確認する必要があります。

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蓄電池関連株へ投資するリスク

蓄電池市場は拡大が期待されている一方、価格競争、設備投資、制度変更など複数のリスクがあります。

市場全体が成長しても、すべての企業が利益を伸ばせるとは限りません。事業規模の拡大と収益性の向上が同時に進むかが重要です。

中国メーカーとの価格競争

リチウムイオン電池の市場では、中国メーカーが大きな生産能力を持っています。

大量生産によるコスト競争力を背景に、中国製の電池セルや蓄電システムが低価格で供給されると、日本メーカーの販売価格や利益率に影響する可能性があります。

蓄電所を開発する企業にとっては、設備価格の低下によって建設費を抑えられる利点があります。一方、電池を製造する企業にとっては、価格競争の激化につながります。

日本企業には、安全性、長寿命、保守体制、システム全体の制御など、価格以外での差別化が求められます。

電池セル価格が下落する可能性

電池セル価格の下落は、蓄電所の建設費を抑え、市場拡大を後押しします。

一方、電池メーカーにとっては、販売数量が増えても販売単価の下落によって売上高や利益率が伸びにくくなる可能性があります。

蓄電池市場の成長を見る際には、出荷量だけでなく、平均販売価格や利益率も確認する必要があります。

電池価格の下落は、蓄電所事業者には追い風、電池メーカーには価格競争要因となる場合があります。

原材料価格が変動する

リチウムイオン電池には、リチウム、ニッケル、コバルト、黒鉛などの材料が使用されます。

原材料価格が上昇すると、電池の製造コストが増加します。販売価格へ転嫁できなければ、電池メーカーの利益率が低下する可能性があります。

為替相場も調達コストに影響します。海外から原材料や電池セルを輸入する企業では、円安がコスト増加につながります。

反対に、原材料価格が急落した場合には、保有在庫の評価損が発生することもあります。

発火や安全性の問題

リチウムイオン電池は、損傷、過充電、製造不良などによって異常発熱し、発火する可能性があります。

大型蓄電所では大量の電池セルを設置するため、火災が発生した場合の影響も大きくなります。

安全性を確保するためには、温度管理、充放電制御、異常検知、消火設備、電池セル間の延焼防止などが必要です。

事故や製品不具合が発生した場合には、製品回収、交換費用、損害賠償、設備停止などが業績へ影響する可能性があります。

電池の性能だけでなく、安全設計や保守体制も競争力の一部となります。

巨額設備投資が資金負担になる

蓄電池工場や大型蓄電所の建設には、多額の資金が必要です。

工場を新設した後に需要が想定を下回ると、生産設備の稼働率が上がらず、減価償却費や人件費が利益を圧迫します。

蓄電所運営会社では、運転開始前から土地取得費、設備費、建設費、系統接続費などが発生します。

借入金で設備投資を行った場合には、元本の返済や利息の支払いも必要です。

設備投資額が大きい企業では、営業キャッシュフローだけでなく、フリーキャッシュフローや有利子負債の推移も重要になります。

金利上昇で蓄電所の採算が悪化する

大型蓄電所は、借入金やプロジェクトファイナンスを利用して建設されることがあります。

金利が上昇すると、借入金の利息負担が増え、蓄電所の投資回収期間が長くなります。

将来得られる電力市場収入をもとに採算を計算しているため、金利の前提が変わると、開発予定だった案件が延期・中止される可能性もあります。

特に蓄電所を自社で長期保有する企業は、電力市場の収入だけでなく資金調達コストの影響を受けます。

系統接続や工事が遅延する

系統用蓄電所を運転するには、送配電網へ接続する必要があります。

接続を申請しても、周辺の送配電設備に空き容量がない場合や、追加工事が必要な場合には、運転開始まで時間がかかります。

蓄電池やPCSの納入遅延、建設人員の不足、資材価格の上昇、許認可手続きなどによって、工事が遅れることもあります。

運転開始が遅れると、電力市場での収益発生も後ろ倒しになります。EPC企業では、工事の売上計上時期がずれる可能性があります。

系統接続を申請した案件数と、実際に建設・運転開始した案件数は分けて確認する必要があります。

補助金や制度に依存している

蓄電池工場や系統用蓄電所の建設には、国や自治体の補助金が利用されることがあります。

補助金によって設備投資の負担を抑えられる一方、補助制度の縮小や要件変更によって、計画していた事業の採算が変わる可能性があります。

長期脱炭素電源オークション、容量市場、需給調整市場などの制度も、蓄電所の収益性に影響します。

市場ルール、入札要件、取引価格などが変更されれば、当初想定していた収益を得られない場合があります。

電力市場価格が変動する

蓄電所の収益は、電力価格が安い時間帯に充電し、高い時間帯に放電する価格差によって変動します。

電力価格の時間帯別の差が小さくなると、売買によって得られる利益も減少します。

需給調整市場でも、参加する蓄電所が増えると競争が激しくなり、取引価格が低下する可能性があります。

一方、価格変動が大きい地域や時間帯では、蓄電池を柔軟に運用することで収益機会が増えます。

蓄電所の容量だけでなく、どの市場でどのように運用するかが収益を左右します。

事業参入の発表だけでは売上につながらない

蓄電池市場の成長を背景に、新規参入や企業間の提携を発表する企業が増えています。

ただし、業務提携や基本合意を発表しただけでは、受注や売上が確定していない場合があります。

用地の取得、系統接続、資金調達、補助金、設備調達などが進まず、計画が延期・中止される可能性もあります。

発表内容を見る際には、設備容量、受注金額、建設開始時期、運転開始時期、企業ごとの役割が明記されているかを確認します。

テーマ期待が業績に先行する

蓄電池関連株は、政府の支援策、大型受注、AIデータセンター、電力不足などのニュースをきっかけに株価が大きく上昇することがあります。

しかし、蓄電池事業の売上がまだ小さい段階では、株価上昇に利益成長が追いつかない可能性があります。

特に小型株や上場直後の企業は、流通する株式数が少なく、短期間で株価が大きく変動することがあります。

期待されていた受注や黒字化が遅れた場合には、割高感が意識され、株価が大きく下落する可能性もあります。

事業の将来性と、現在の業績・株価水準は分けて確認することが重要です。

まとめ

蓄電池関連銘柄には、電池や蓄電システムを製造する企業だけでなく、蓄電所を開発・運営する企業、PCSや変圧器を提供する企業、AIで充放電を制御する企業、設備を建設するEPC企業も含まれます。

そのため、本命候補は一つの企業に絞れません。

パワーエックス(485A)は、大型蓄電システムの製造から蓄電所運営、EV急速充電まで展開しており、蓄電池事業のテーマ純度が高い企業です。

ジーエス・ユアサ コーポレーション(6674)は、車載用・産業用・定置用電池を幅広く展開し、長年の製造実績と国内の生産基盤を持っています。

住友電気工業(5802)は、安全性、長寿命、長時間放電に強みを持つレドックスフロー電池を展開しており、系統用蓄電池との関連性が高い企業です。

NGK(旧:日本ガイシ、5333)は、NAS電池で世界的な導入実績を持つ長時間蓄電の代表的企業でした。ただし、2025年10月にNAS電池の製造・販売活動を終了し、新規受注を行わない方針を決定しています。今後は受注済み案件への対応や既存設備の保守が中心となるため、現在の本命候補としては住友電気工業(5802)などと分けて考える必要があります。

家庭用蓄電池やV2Hではニチコン(6996)、蓄電所運営ではレノバ(9519)、PCSではダイヘン(6622)や明電舎(6508)、EPCではテスホールディングス(5074)、AI制御ではグリッド(5582)などが関係しています。

企業を比較する際には、参入や補助金採択の発表だけでなく、受注、建設、運転開始、売上計上、利益貢献まで進んでいるかを確認することが重要です。

蓄電池市場が拡大しても、価格競争や巨額設備投資によって利益が伸びない場合があります。各社が蓄電池事業のどの部分を担い、どのような収益モデルを構築しているのかを分けて確認する必要があります。

出典

・「蓄電池産業戦略」を「蓄電池・電源産業戦略」に改訂しました|経済産業省
https://www.meti.go.jp/press/2026/06/20260602001/20260602001.html

・第7次エネルギー基本計画|資源エネルギー庁
https://www.enecho.meti.go.jp/category/others/basic_plan/pdf/20250218_01.pdf

・再エネの安定化に役立つ「電力系統用蓄電池」|資源エネルギー庁
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/keitoyochikudenchi.html

・令和7年度「再生可能エネルギー導入拡大・系統用蓄電池等電力貯蔵システム導入支援事業費補助金」|資源エネルギー庁
https://www.enecho.meti.go.jp/appli/public_offer/2025/0415_01.html

・容量市場 長期脱炭素電源オークション約定結果(応札年度:2025年度)|電力広域的運営推進機関
https://www.occto.or.jp/news/012080.html

・IR情報|パワーエックス
https://power-x.jp/investors

・経営成績|パワーエックス
https://power-x.jp/investors/performance

・北海道苫小牧市に新工場の開設を決定|パワーエックス
https://power-x.jp/newsroom/2026-03-23-1

・本社工場に大型蓄電システムの製造ラインを増設|パワーエックス
https://power-x.jp/ja/intl/newsroom/2026-03-23-2

・国産定置用リチウムイオン電池の開発・量産に向けた「蓄電池に係る供給確保計画」が経済産業省より認定|GSユアサ
https://newsroom.gs-yuasa.com/news-release/376

・GSユアサとSustechが共同で系統用蓄電所の事業開発を開始|GSユアサ
https://newsroom.gs-yuasa.com/news-release/371

・Fiscal 2025 Second Quarter Financial Results|パナソニック ホールディングス
https://holdings.panasonic/global/corporate/investors/pdf/2024_2q/2q_financial_results_e.pdf

・NAS電池(販売終了)|NGK
https://www.ngk.co.jp/product/nas.html

・レドックスフロー電池|住友電気工業
https://sumitomoelectric.com/jp/products/redox/

・経産省の系統用蓄電池補助事業にレドックスフロー電池導入プロジェクト3件が採択決定|住友電気工業
https://sumitomoelectric.com/jp/press/2026/02/prs015

・V2H・V2Lシステム|ニチコン
https://www.nichicon.co.jp/products/v2h/

・トライブリッド蓄電システム|ニチコン
https://www.nichicon.co.jp/products/ess/system03.html

・蓄電池システム|シャープ
https://www.sharp.co.jp/sunvista/battery/

・エネルギー密度100倍の全固体電池の材料開発に成功|TDK
https://www.tdk.com/ja/news_center/press/20240617_01.html

・All-in-One蓄電池システム|村田製作所
https://solution.murata.com/ja-jp/products/ess_residential/

・蓄電事業|レノバ
https://www.renovainc.com/business/storage-battery/

・発電所・蓄電所一覧|レノバ
https://www.renovainc.com/business/power_plant/

・系統用蓄電所|ウエストグループ
https://www.west-gr.co.jp/service/renewable/energy_storage/

・系統用蓄電所250カ所・総容量2.4GWhへの機器供給契約締結|ダイヘン
https://www.daihen.co.jp/newinfo_2026/news_260427.html

・系統用蓄電池システム向けパワーコンディショナ|明電舎
https://www.meidensha.co.jp/products/energy/prod_11/prod_11_03/

・系統用電池システム向けPCS「LP500シリーズ」の新機種を販売開始|明電舎
https://www.meidensha.co.jp/news/news_03/news_03_01/1261012_10499.html

・系統用蓄電池|テス・エンジニアリング
https://www.tess-eng.co.jp/service/grid-storage

・AIを活用した蓄電池制御最適化「ReNom Charge」開発開始のお知らせ|グリッド
https://gridpredict.jp/news/20231102

・ウエストグループとグリッド、AIを活用した系統用蓄電池事業で協業|グリッド
https://gridpredict.jp/news/20240819

・蓄電池アグリゲーションサービス|デジタルグリッド
https://www.digitalgrid.com/dgp-battery/

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