ソシオネクストの決算はいつ発表される?2027年3月期1Qの予想・注目点を解説

「ソシオネクストの次回決算はいつ?」「AIデータセンター向けSoCの拡大によって、好決算になりそう?」と気になっている人も多いのではないでしょうか。

ソシオネクストは、顧客ごとに最適化したカスタムSoCを設計・開発するファブレス半導体企業です。AIデータセンター、車載、産業機器など、成長市場向けの商談を獲得しています。

ソシオネクストの決算では、売上高だけでなく製品粗利率が重要です。設計・開発段階で計上されるNRE売上よりも、量産開始後に発生する製品売上が営業利益の主な源泉となります。

また、商談獲得残高は将来売上を示す参考指標ですが、確定した受注残ではありません。商談の中止、販売数量の変更、単価の見直しなどによって金額が変動します。

本記事では、ソシオネクストの次回決算日、会社予想、市場予想、前年の第1四半期決算、前回決算、毎回確認したい重要KPIを解説します。

信用需給・売買動向を確認するならYahoo!ファイナンスVIPがおすすめ

↓↓詳細はこちら↓↓

Yahoo!ファイナンスVIP倶楽部
目次

ソシオネクストの次回決算はいつ?

項目内容
決算2027年3月期第1四半期
発表日2026年7月29日(水)
発表時間未公表
参考前年1Q・直近本決算は15時30分
証券コード6526
決算期3月

ソシオネクストの次回決算は、2026年7月29日(水)に発表される予定です。

今回発表されるのは、2027年3月期第1四半期決算です。

発表日は公式IRカレンダーで公表されていますが、発表時間は現時点で明らかにされていません。

前年の第1四半期決算と直近の本決算は、いずれも15時30分に発表されました。

今回も取引終了後に発表される可能性がありますが、正式に公表されてはいないため注意が必要です。

決算発表後には、主に次の資料が公開される見込みです。

  • 決算短信
  • 決算説明資料
  • 製品売上とNRE売上の内訳
  • 用途別・地域別の売上動向
  • 商談獲得金額
  • 商談獲得残高
  • 研究開発費
  • キャッシュフロー

発表直後は、次の項目を確認しましょう。

  • 経常利益
  • 市場コンセンサスとの差
  • 製品売上
  • NRE売上
  • 営業利益率
  • 製品粗利率
  • 商談獲得金額
  • 商談獲得残高
  • 通期業績予想

特に、新規量産品の売上が増加し、製品粗利率の改善につながっているかが重要です。

ソシオネクストの次回決算予想

項目2027年3月期予想前期比
売上高2,150億円7.1%増
営業利益140億円13.3%増
経常利益140億円19.1%増
親会社帰属純利益100億円14.5%増
営業利益率6.5%0.4ポイント上昇
年間配当50円据え置き
想定為替レート1ドル130円前期実績150.8円

ソシオネクストは2027年3月期について、売上高2,150億円、営業利益140億円、経常利益140億円を予想しています。

親会社株主に帰属する純利益は100億円となる見通しです。

売上高は前期比7.1%増、営業利益は13.3%増となり、増収増益を計画しています。

成長を支える主な製品は次のとおりです。

  • 中国車載向け新規量産品
  • 北米車載向け新規製品
  • 北米データセンター向け新規製品
  • AI・ネットワーク向けSoC
  • 産業機器向けSoC

中国車載向け新規量産品は、前期第2四半期から量産を開始しており、今期は年間を通じて売上へ寄与する見込みです。
さらに、下期から北米車載・北米データセンター向け製品の量産開始を計画しています。

一方、製品粗利率は前期から若干悪化する見通しです。

売上高が増えても、量産初期コストや歩留まり、テストコストが増加すれば、営業利益の伸びは限定されます。

1Q経常利益は20億円を予想

項目金額
1Q市場予想20億円
前年1Q実績7億1,700万円
増加額12億8,300万円
予想増益率約179%

2027年3月期第1四半期の経常利益について、市場は20億円を予想しています。

前年同期実績は7億1,700万円だったため、12億8,300万円、率にして約179%の増益が期待されています。

ソシオネクストは第1四半期単独の会社予想を開示していません。

そのため、市場コンセンサスと前年同期実績が主な比較基準です。

ただし、前年1Qの利益水準が低かったため、増益率は大きく見えやすくなっています。

前年同期比で大幅増益となっても、市場予想の20億円を下回れば、期待未達と評価される可能性があります。

また、前期第4四半期の経常利益は約51億円まで回復しました。

第1四半期と第4四半期では売上計上時期や季節性が異なるため、単純比較はできませんが、直前四半期から回復基調が続いているかを確認する必要があります。

会社は、2027年3月期の売上高が上期より下期に大きくなると説明しています。

そのため、第1四半期の進捗率だけで通期未達と判断するのは適切ではありません。

次回決算では、次の項目を比較しましょう。

  • 前年1Q経常利益7億1,700万円
  • 1Q市場予想20億円
  • 前期4Q経常利益約51億円
  • 通期経常利益予想140億円

大幅増益だけでなく、市場予想を上回れるかが重要です。

市場コンセンサスは決算発表直前まで変動する可能性があるため、記事公開前に再確認する必要があります。

通期市場予想は会社計画を約42%上回る

項目金額
会社予想140億円
市場予想198億2,500万円
差額58億2,500万円
会社予想に対する差約41.6%上振れ

2027年3月期の経常利益について、会社は140億円を予想しています。

一方、市場コンセンサスは198億2,500万円です。

市場予想は会社予想を58億2,500万円、率にして約41.6%上回っています。

市場が会社計画以上の利益回復を期待する背景には、次の要因が考えられます。

  • 実勢為替レートが会社想定より円安
  • 中国車載向け製品の好調継続
  • 北米車載向け量産開始の前倒し
  • 北米データセンター向け量産開始
  • 製品粗利率の改善
  • 歩留まりやテストコストの改善
  • 研究開発費率の低下

会社の想定為替レートは1ドル130円です。

実勢レートが130円より円安で推移すれば、売上高や営業利益の上振れ要因となります。

ただし、市場が円安効果をすでに織り込んでいる場合、会社予想を達成しただけでは評価されない可能性があります。

次回決算では、次の項目を確認しましょう。

  • 会社予想
  • 市場コンセンサス
  • 実績為替レート
  • 製品粗利率
  • 新規量産品の売上
  • 通期業績予想の修正

好決算でも市場予想に届かなければ、株価が下落する可能性に注意が必要です。

上期より下期の売上拡大を計画

ソシオネクストは、2027年3月期の売上高が上期より下期に大きくなると見込んでいます。

上期は、中国車載向け新規量産品が引き続き売上を支える計画です。

下期からは、次の製品の量産開始を予定しています。

  • 北米車載向け製品
  • 北米データセンター向け製品

北米データセンター向けでは、生成AIやエージェンティックAIの普及によるAIサーバー・ネットワーク需要が期待されています。

ただし、商談を獲得していても、設計、検証、量産準備を経て製品売上へつながるまでには時間がかかります。

新規製品の量産開始が遅れれば、下期売上や通期利益が会社予想を下回る可能性があります。

次回決算では、次の項目を確認しましょう。

  • 中国車載向け販売数量
  • 北米車載向け量産開始時期
  • 北米データセンター向け量産開始時期
  • 顧客の需要見込み
  • 生産委託先の供給能力
  • 売上計上時期
  • 上期と下期の売上構成

第1四半期の進捗が低くても、量産開始時期が会社計画どおりであれば、通期計画を達成できる可能性があります。

一方、下期偏重が会社計画よりさらに強まっている場合は、量産遅延や需要下振れに注意が必要です。

製品売上とNRE売上の両方が増加する見込み

ソシオネクストの売上高は、主に製品売上とNRE売上に分かれます

製品売上は、開発したSoCが量産された後に発生する売上です。

NRE売上は、SoCの設計・開発段階で顧客から受け取る売上です。

2027年3月期は、製品売上とNRE売上の両方が増加する見込みです。

製品売上では、次の製品が成長を支える計画です。

  • 中国車載向け新規量産品
  • 北米車載向け新規製品
  • 北米データセンター向け新規製品

一方、中国通信機器向け製品の売上は減少する見込みです。

NRE売上は、データセンター・ネットワーク、オートモーティブ、インダストリアル分野などの開発案件によって増加する計画です。

ただし、NRE売上には研究開発費が対応します。

NRE売上が増えても、開発費が同時に増加すれば、営業利益への貢献は限定されます。

ソシオネクストが営業利益の主な源泉としているのは、量産開始後の製品売上です。

次回決算では、次の項目を確認しましょう。

  • 製品売上
  • NRE売上
  • 製品売上構成比
  • 製品粗利率
  • 研究開発費
  • 営業利益

売上高の増加が製品売上によるものか、NRE売上によるものかを分けて確認する必要があります。

年間配当は50円を予想

2027年3月期の年間配当は、1株あたり50円を予想しています。

内訳は次のとおりです。

  • 中間配当:25円
  • 期末配当:25円
  • 年間配当:50円

前期の年間配当も50円だったため、据え置き予想です。

前期は利益が大幅に減少した一方で配当を維持したため、配当性向は100.5%となりました
2027年3月期の予想配当性向は87.6%です。

利益回復によって配当性向は低下する見込みですが、依然として高い水準です。

次回決算では、次の項目を確認しましょう。

  • 年間配当予想
  • 親会社帰属純利益
  • 配当性向
  • 営業キャッシュフロー
  • 研究開発投資
  • 自己株買い
  • 増配余地

業績が市場予想を上回って回復すれば、増配や自己株買いへの期待が高まる可能性があります。

一方、営業キャッシュフローが低迷すれば、利益が回復しても株主還元を増やしにくい場合があります。

研究開発投資と株主還元のバランスを確認しましょう。

次回決算で注目したいポイント

次回決算で注目したいポイント

次回決算では、売上高や経常利益だけでなく、製品売上、製品粗利率、商談獲得残高、キャッシュフローを確認する必要があります。

特に、新規量産品の売上が増加しても、量産初期コストや歩留まり悪化によって利益が伸びない可能性があります。

注目点確認する内容
経常利益市場予想20億円を上回るか
製品売上新規量産品が売上を押し上げているか
NRE売上開発案件が順調に進んでいるか
営業利益率通期6.5%への進捗
製品粗利率前期からの悪化幅
中国車載新規量産品の需要
北米車載量産開始時期
北米データセンター下期量産予定の進捗
商談獲得金額大型案件を獲得できているか
商談獲得残高1兆5,100億円から増加するか
キャンセル商談中止・数量修正
歩留まり量産初期コストの改善
テストコスト製造コストを抑えられるか
研究開発費売上増加で費用を吸収できるか
為替1ドル130円前提との差
生産能力ファウンドリーの供給能力
棚卸資産在庫増加が続いていないか
キャッシュフロー営業CFが回復しているか
業績予想通期予想の維持・修正

製品売上が成長しているか

製品売上は、設計・開発したSoCが量産された後に発生します。

前期の製品売上は、前期比10.4%増の1,617億9,200万円となりました

2027年3月期も、新規量産品によって製品売上が増加する計画です。

主な増加要因は次のとおりです。

  • 中国車載向け新規量産品
  • 北米車載向け新規製品
  • 北米データセンター向け新規製品
  • 産業機器向け製品

一方、中国通信機器向け製品の売上は減少する見込みです。

決算では、次の項目を確認しましょう。

  • 製品売上高
  • 前年同期比
  • 製品別の販売数量
  • 平均販売単価
  • 用途別売上
  • 地域別売上
  • 為替を除いた成長率

円安が進めば、外貨建て売上の円換算額が増加します。

そのため、円換算ベースだけでなく、販売数量や為替を除いた成長率も確認する必要があります。

製品売上の増加が数量増加によるものか、為替や単価上昇によるものかを確認しましょう。

中国車載向け新規量産品が好調か

中国車載向け新規量産品は、前期第2四半期から量産を開始しました。

前期下期には、会社想定を上回る需要があったとされています。

2027年3月期は、年間を通じて売上へ寄与する見込みです。

確認したい項目は次のとおりです。

  • 販売数量
  • 顧客の需要見込み
  • 顧客在庫
  • 平均販売単価
  • 製品粗利率
  • 量産期間
  • 追加受注
  • 特定顧客への依存度

中国ではEVや先進運転支援システム、車載情報機器などの半導体需要が増加しています。

一方、中国の車載市場は価格競争が激しく、完成車メーカーや部品メーカーの販売計画によって需要が変動します。

特定顧客への依存度が高い場合、顧客の生産計画変更によって売上が大きく減少する可能性があります。

前期下期の好調が一時的ではなく、今期も継続しているかを確認しましょう。

北米車載・データセンター向け量産が始まるか

ソシオネクストは、2027年3月期下期から北米車載・北米データセンター向け製品の量産開始を計画しています。

北米車載向けでは、自動車の電子化やソフトウェア化に伴うSoC需要が期待されます。

北米データセンター向けでは、次の市場が成長要因です。

  • 生成AI
  • エージェンティックAI
  • AIサーバー
  • ネットワーク機器
  • データ処理
  • 高速通信

量産開始までには、設計、検証、試作品の評価、生産準備などが必要です。

そのため、開発が順調でも、顧客の検証や生産委託先の都合によって量産開始が遅れる場合があります。

確認したい項目は次のとおりです。

  • 開発進捗
  • 量産開始時期
  • 売上計上開始時期
  • 顧客の需要計画
  • 生産委託先の製造能力
  • 販売数量
  • 製品粗利率

量産開始が遅れれば、下期売上や通期利益に影響します。

北米向け製品が会社計画どおり量産段階へ移行しているかを確認しましょう。

NRE売上が商談の開発進捗を示しているか

NRE売上は、SoCの設計・開発段階で顧客から受け取る売上です。

前期のNRE売上は、前期比6.6%減の383億2,500万円となりました。

2027年3月期は、開発案件の進捗や新規商談の獲得によって、NRE売上が増加する見込みです。

主な開発分野は次のとおりです。

  • データセンター・ネットワーク
  • オートモーティブ
  • インダストリアル
  • スマートデバイス
  • AI関連

NRE売上が増加していれば、複数の商談が設計・開発段階へ進んでいると判断できます。

そのため、NRE売上は将来の製品売上を予測する先行指標の一つです。

ただし、NRE売上の全額が営業利益になるわけではありません。

開発には次の費用が発生します。

  • エンジニア人件費
  • 外注費
  • EDAツール
  • 試作費
  • マスク費
  • 評価・検証費

決算では、NRE売上と研究開発費をセットで確認しましょう。

NRE売上の増加が将来の量産案件へつながっているかが重要です。

製品粗利率の悪化を止められるか

前期の製品売上原価率は68.6%となりました。

前々期の57.7%から10.9ポイント上昇しています。

売上原価率が上昇したため、製品粗利率は大幅に低下しました。

主な要因は次のとおりです。

  • 大規模プロジェクトの構成比上昇
  • 新規量産品の初期立ち上げコスト
  • 歩留まりの悪化
  • テストコストの増加
  • その他の製造コスト増加

2027年3月期も、製品粗利率は前期から若干悪化する見通しです。

製品売上が増加しても、粗利率が低下すれば、営業利益は十分に伸びません。

次回決算では、次の項目を確認しましょう。

  • 製品売上原価率
  • 製品粗利率
  • 製品別の採算
  • 新規量産品の構成比
  • 歩留まり
  • テストコスト
  • 営業利益率

売上高の増加ではなく、売上からどれだけ粗利益を残せたかが重要です。

歩留まりとテストコストが改善しているか

歩留まりは、製造した半導体のうち良品として出荷できる割合です。

量産初期は製造条件が十分に最適化されておらず、不良品が増えやすい傾向があります。

歩留まりが低下すると、同じ販売数量を確保するために、より多くのウエハーを投入する必要があります。

その結果、製品原価が上昇します。

また、先端SoCは回路規模が大きく、テスト工程も複雑です。

確認したい項目は次のとおりです。

  • 歩留まり
  • ウエハーコスト
  • テスト時間
  • テストコスト
  • パッケージ費用
  • 不良率
  • 原価改善の進捗

先端プロセス、大規模SoC、先端パッケージでは、製造やテストの難易度が高くなります。

ファウンドリーやテスト会社との連携によって、量産開始後に原価を改善できるかが重要です。

歩留まりとテストコストの改善が遅れれば、売上が伸びても利益予想に届かない可能性があります。

商談獲得金額が再び増加するか

前期の商談獲得金額は約3,100億円でした。

前々期の約3,600億円から減少しています。

一方、データセンター・ネットワーク分野を中心に、300億円以上の大型案件を5件獲得しました。
前期は商談獲得の端境期であり、一部案件の獲得時期が今期前半へずれたとされています。

次回決算では、次の分野で新規商談を獲得できているかを確認しましょう。

  • AIデータセンター
  • ネットワーク
  • オートモーティブ
  • インダストリアル
  • フィジカルAI
  • スマートデバイス

商談獲得金額が増加すれば、中長期のNRE売上や製品売上の拡大につながります。

ただし、商談を獲得してから量産売上が発生するまでには数年かかる場合があります。

足元の業績だけでなく、数年先の売上を支える商談を獲得できているかを確認しましょう。

商談獲得残高1兆5,100億円を維持できるか

前期末の商談獲得残高は、約1兆5,100億円となりました。

前年度末の約1兆3,400億円から、約1,700億円増加しています。

会社は、商談獲得残高の約60%を今後4年間で売上計上する想定です。

商談獲得残高は、中長期の売上成長を示す参考指標です。

ただし、一般的な受注残高とは異なります。

将来の売上金額は、次の要因によって変動します。

  • 販売単価
  • 販売数量
  • 顧客の需要
  • 開発計画
  • 生産能力
  • 量産期間
  • 為替
  • 商談キャンセル

そのため、商談獲得残高1兆5,100億円をそのまま将来売上として計算するのは適切ではありません。

決算では、次の項目を確認しましょう。

  • 新規商談獲得金額
  • 売上計上額
  • 数量・単価の見直し
  • キャンセル
  • 商談獲得残高
  • 今後4年間の売上転換

残高の金額だけでなく、製品売上へ転換する確度と時期を見る必要があります。

商談キャンセルと数量修正に注意

FY2019からFY2025までに獲得した商談のうち、約15%が事後的に中止されたとされています

一方、販売単価の上昇や販売数量の増加によって、キャンセルの影響が一部相殺される場合があります。

商談獲得残高が減少する主な要因は次のとおりです。

  • 商談の中止
  • 顧客需要の減少
  • 製品開発計画の変更
  • 販売数量の減少
  • 量産開始の延期
  • 顧客の製品戦略変更

反対に、次の要因で残高が増える場合があります。

  • 販売数量の増加
  • 販売単価の上昇
  • 量産期間の延長
  • 追加機能の開発
  • 新規案件の獲得

次回決算では、商談獲得残高の増減内訳を確認しましょう。

新規商談で残高が増えたのか、既存案件の数量・単価変更で増えたのかによって評価が変わります。

研究開発費を売上増加で吸収できるか

前期の研究開発費は585億800万円となりました。

売上高に対する比率は約29%です。

ソシオネクストはカスタムSoCの設計・開発を事業の中心としているため、研究開発費が大きくなります。

主な開発分野は次のとおりです。

  • 2nm・1.4nmプロセス
  • Chiplet
  • 3D・5.5Dパッケージ
  • Co-Packaged Optics
  • AIデータセンター向けSoC
  • 車載SoC
  • ネットワークSoC

研究開発費は将来のNRE売上や製品売上につながる重要な投資です。

一方、売上高の伸びより研究開発費の増加が大きければ、営業利益率は低下します。

確認したい項目は次のとおりです。

  • 研究開発費
  • 売上高開発費比率
  • 新規商談獲得金額
  • NRE売上
  • 開発遅延
  • 外注費
  • エンジニア数

売上が増加すれば、研究開発費の固定的な負担を吸収しやすくなります。

研究開発費の増加が商談獲得や量産売上へつながっているかを確認しましょう。

為替前提1ドル130円との差を確認

前期の平均為替レートは1ドル150.8円でした。

2027年3月期の会社想定為替レートは1ドル130円です。

為替感応度は、ドル円が1円変動した場合、年間で次の影響があるとされています。

  • 売上高:約10億円
  • 営業利益:約2億5,000万円

実際の為替レートが会社想定より円安で推移すれば、売上高や営業利益の上振れ要因となります。

反対に、円高が進めば下振れ要因です。

決算では、次の項目を確認しましょう。

  • 実績為替レート
  • 会社想定との差
  • 為替による売上影響
  • 為替による利益影響
  • 為替を除いた売上成長
  • 為替を除いた利益成長

ただし、為替の影響は売上高だけではありません。

ウエハーやパッケージなどの製造コスト、棚卸資産、研究開発費の発生時期によって、四半期ごとの影響が変わります。

円安効果だけでなく、販売数量と粗利率が改善しているかを確認しましょう。

生産委託先の供給能力を確認

ソシオネクストは、自社工場を持たないファブレス企業です。

半導体の製造を外部のファウンドリーへ委託しています。
そのため、製品売上の拡大には生産委託先の供給能力が重要です。

確認したい項目は次のとおりです。

  • 先端プロセスの製造能力
  • ウエハー供給
  • 先端パッケージ能力
  • テスト能力
  • 製造リードタイム
  • 生産枠の確保
  • 量産開始時期

AIデータセンター向けなどの先端SoCでは、最先端プロセスや高度なパッケージ技術が必要です。

需要が強くても、ファウンドリーやパッケージ、テスト工程の能力が不足すれば、量産開始が遅れる可能性があります。

また、商談獲得残高の計算では、製造能力の制約が十分に反映されていない場合があります。

商談獲得残高に対応できる生産能力を確保できているかを確認しましょう。

棚卸資産と営業キャッシュフローを確認

前期の営業キャッシュフローは76億9,300万円のプラスでした。

前々期の318億6,600万円から、75%以上減少しています。

投資キャッシュフローは228億8,400万円の支出となり、フリーキャッシュフローは約151億9,100万円の赤字です。

主な数値は次のとおりです。

  • 営業キャッシュフロー:76億9,300万円
  • 投資キャッシュフロー:228億8,400万円の支出
  • フリーキャッシュフロー:約151億9,100万円の赤字
  • 現金残高:445億4,100万円
  • 棚卸資産:約140億円増加

棚卸資産の増加には、新規量産品の準備や販売拡大に備えた在庫が含まれる可能性があります。

量産売上へ順調に転換すれば、在庫増加は将来売上の準備と評価できます。

一方、顧客需要が減少した場合は、過剰在庫や評価損のリスクがあります。

決算では、次の項目を確認しましょう。

  • 棚卸資産
  • 売上債権
  • 営業キャッシュフロー
  • 投資キャッシュフロー
  • フリーキャッシュフロー
  • 現金残高
  • 製品売上への転換

売上と会計利益だけでなく、実際に現金を生み出せているかが重要です。

【PR】株の購入前は松井証券で信用残高を確認するのがおすすめ

株を購入する前には、信用買いが増えているのか、信用買いの整理が進んでいるのかを確認することも重要です。
信用買いが増えていると株価が上がりにくく、信用買いが整理されていると上値が軽くなりやすいからです。

一般的な信用残は週次で公表されるため、急落当日の信用需給をすぐに確認することはできません。
松井証券では、東証の売買内訳データをもとに算出した「信用残(当日推計)」と「信用倍率(当日推計)」を確認できます

信用買いが増えているのか信用返済による売りが出ているのかなど、株価変動の背景を考える際にも活用でき、需給の良いタイミングでの取引が可能です。

私も別の証券会社を利用していましたが、信用需給の分析用に活用するサブ口座として松井証券を使い始めて、今では気になる銘柄の需給を毎日確認しています。
トレードの勝率を少しでも上げたいという人はぜひ活用してみてはいかがでしょうか。

松井証券の公式サイトはこちらから

前年の第1四半期決算を確認

項目2026年3月期1Q前年同期比
売上高345億5,300万円34.5%減
製品売上258億7,900万円38.8%減
NRE売上84億5,800万円18.0%減
営業利益14億4,000万円86.0%減
経常利益7億1,700万円93.4%減
親会社帰属純利益4億6,100万円93.9%減
営業利益率約4.2%約15.2ポイント低下
為替レート1ドル144.6円11.3円の円高

2026年3月期第1四半期の売上高は、前年同期比34.5%減の345億5,300万円となりました。

製品売上は38.8%減の258億7,900万円、NRE売上も18.0%減の84億5,800万円です。

売上高の減少によって研究開発費や人件費などの固定費を吸収できず、営業利益は86.0%減の14億4,000万円まで落ち込みました。

経常利益は93.4%減の7億1,700万円、親会社株主に帰属する純利益も93.9%減の4億6,100万円です。

営業利益率は前年同期から約15.2ポイント低下し、約4.2%となりました。

前年1Qは、中国通信機器向け需要の減少や顧客の在庫調整に加え、円高も業績を押し下げました。

売上の減少によって固定費負担が急増し、各利益が大幅に悪化した決算です。

中国通信機器と在庫調整で製品売上が減少

2026年3月期第1四半期の製品売上は、前年同期比38.8%減の258億7,900万円となりました。

製品売上が減少した主な要因は次のとおりです。

  • 中国通信機器向け需要の減少
  • 産業機器向け需要の減少
  • 一部顧客による在庫調整
  • 円高による円換算売上の減少
  • 新規量産品の寄与前だったこと

ソシオネクストの製品売上は、顧客製品の量産状況によって大きく変動します。

通信機器や産業機器の需要が弱まった場合、顧客が半導体在庫を減らすため、ソシオネクストへの発注量も減少します。

また、前年1Qの為替レートは1ドル144.6円となり、前年同期から11.3円の円高でした。

海外売上の円換算額が減少したことも、売上高を押し下げています。

前年1Qの段階では、中国車載向け新規量産品の本格的な寄与が始まっていませんでした。

そのため、既存製品の減少を新規製品で補うことができず、製品売上が大幅に減少しています。

今回の決算では、中国車載向け新規量産品が反転要因となる可能性があります。

確認したい項目は次のとおりです。

  • 中国車載向け製品の販売数量
  • 顧客在庫
  • 中国通信機器向け売上
  • 産業機器向け売上
  • 平均販売単価
  • 為替を除いた製品売上の成長率

既存製品の減少を中国車載向け新規量産品で補えているかが重要です。

NRE売上も18%減少

前年1QのNRE売上は、前年同期比18.0%減の84億5,800万円となりました。

NRE売上は、顧客専用SoCの設計・開発段階で発生する売上です。

主な開発分野は次のとおりです。

  • データセンター・ネットワーク
  • オートモーティブ
  • インダストリアル
  • ハイエンドカメラ
  • スマートデバイス

NRE売上は、各案件の開発進捗に応じて計上されます。

そのため、顧客数や商談獲得金額が増えていても、設計や検証の工程によって四半期ごとの売上が変動します。

大型案件の開発工程が次の四半期へずれた場合、NRE売上が一時的に減少することもあります。

NRE売上を評価する際は、研究開発費とセットで確認する必要があります。

NRE売上が増えていても、対応する人件費、外注費、試作費、設計ツール費が増加すれば、営業利益への貢献は限定されます。

決算では、次の項目を確認しましょう。

  • NRE売上
  • 研究開発費
  • 開発案件数
  • 新規商談獲得金額
  • 開発の進捗状況
  • 量産開始予定時期

NRE売上が将来の製品売上へつながる開発案件から生まれているかが重要です。

円高と売上減少で利益が急減

前年1Qの営業利益は、前年同期比86.0%減の14億4,000万円となりました。

経常利益は93.4%減の7億1,700万円まで落ち込んでいます。

営業利益率も約4.2%となり、前年同期から約15.2ポイント低下しました。

利益が急減した主な要因は次のとおりです。

  • 製品売上の大幅減少
  • NRE売上の減少
  • 円高
  • 為替差損
  • 研究開発費
  • 人件費
  • その他の固定費

ソシオネクストは、先端SoCの設計・開発に多額の研究開発費を投じています。

研究開発費やエンジニア人件費は、売上が減少してもすぐには減りません。

そのため、売上高が大きく減少すると、固定費率が急上昇し、営業利益が売上以上に減少します。

また、海外取引や外貨建て資産に関連する為替差損によって、経常利益は営業利益以上に悪化しました。

決算では、次の項目を分けて確認しましょう。

  • 製品売上
  • NRE売上
  • 営業利益
  • 為替差損益
  • 経常利益
  • 研究開発費
  • 営業利益率

売上回復によって研究開発費などの固定費を吸収できているかが、利益回復の鍵となります。

前回の本決算はどうだった?

項目2026年3月期前期比
売上高2,008億3,400万円6.5%増
製品売上1,617億9,200万円10.4%増
NRE売上383億2,500万円6.6%減
営業利益123億5,400万円50.6%減
経常利益117億5,600万円53.2%減
親会社帰属純利益87億3,300万円55.4%減
営業利益率6.2%7.1ポイント低下
営業キャッシュフロー76億9,300万円75.9%減
フリーキャッシュフロー151億9,100万円の赤字赤字転落
自己資本比率79.4%1.1ポイント低下
年間配当50円据え置き

ソシオネクストの2026年3月期決算は、売上高が前期比6.5%増の2,008億3,400万円となりました。

製品売上は10.4%増の1,617億9,200万円です。

一方、NRE売上は6.6%減の383億2,500万円となりました。

売上高と製品売上は増加しましたが、営業利益は50.6%減の123億5,400万円、経常利益は53.2%減の117億5,600万円です。
親会社株主に帰属する純利益も55.4%減の87億3,300万円となりました。

営業利益率は前期の13%台から6.2%へ低下しています。

前期は、製品売上の増加を利益とキャッシュフローの成長につなげられなかった決算です。

製品売上は増加でも利益は半減

2026年3月期の製品売上は、前期比10.4%増の1,617億9,200万円となりました。

売上増加を支えた主な要因は次のとおりです。

  • 中国車載向け新規量産品
  • 産業機器向け売上の回復
  • 一部既存製品の販売増加
  • 円安による円換算売上の増加

特に、中国車載向け新規量産品は前期第2四半期から量産を開始し、下期の製品売上を押し上げました。

一方、製品粗利益は減少しています。

製品売上が増加したにもかかわらず利益が減少した背景には、製品売上原価率の上昇があります。

主な要因は次のとおりです。

  • 新規量産品の初期立ち上げコスト
  • 大規模プロジェクトの構成比上昇
  • 歩留まりの悪化
  • テストコストの増加
  • その他製造コストの増加

営業利益は前期比50.6%減となり、売上増加だけでは利益を確保できないことが示されました。

次回決算では、製品売上高だけでなく、次の項目を確認しましょう。

  • 製品売上原価率
  • 製品粗利率
  • 営業利益率
  • 歩留まり
  • テストコスト
  • 新規量産品の採算

量産売上の金額ではなく、どれだけ粗利益を生み出せているかが重要です。

4Qは売上・利益が回復

2026年3月期第4四半期の売上高は、前年同期比35.6%増の約587億円となりました。

営業利益は18.7%増の約52億円です。

前四半期比でも売上高と営業利益が増加し、前年1Qから続いた低迷から回復しています。

第4四半期の営業利益率は約8.8%でした。

前年第4四半期の約10.0%には届いていませんが、通期営業利益率6.2%を上回っています。

回復を支えた主な要因は次のとおりです。

  • 中国車載向け新規量産品
  • 製品売上の増加
  • 産業機器向け売上の回復
  • 売上増加による固定費吸収
  • 円安

今回の第1四半期決算では、第4四半期に始まった回復が続いているかを確認する必要があります。

確認したい項目は次のとおりです。

  • 売上高
  • 製品売上
  • 営業利益
  • 営業利益率
  • 中国車載向け需要
  • 製品粗利率

前年1Qの利益水準が低いため、前年同期比では大幅増益となりやすい状況です。

そのため、前年同期比だけでなく、前期4Qから収益性が改善しているかも確認しましょう。

製品粗利率の悪化が最大の課題

ソシオネクストの前期決算で最大の課題となったのが、製品粗利率の悪化です。

製品売上は増加しましたが、売上原価率の上昇によって製品粗利益は減少しました。

主な要因は次のとおりです。

  • 大規模プロジェクトの構成比上昇
  • 新規量産品の初期コスト
  • 歩留まり
  • テストコスト
  • 製造費用
  • 原価改善の遅れ

大規模プロジェクトは売上高が大きい一方、プロジェクトごとの価格や製造条件によって利益率が異なります。

また、新規製品は量産開始直後に不良率が高くなったり、テスト工程が長くなったりする場合があります。

販売数量が増加しても、1個あたりの粗利益が低ければ、全社利益は十分に伸びません。

会社は2027年3月期についても、製品粗利率が前期から若干悪化すると見込んでいます。

そのため、売上高や販売数量が会社予想を上回っても、利益が市場期待に届かない可能性があります。

売上成長よりも、製品粗利率の悪化をどこで止められるかが重要です。

商談獲得残高は1兆5,100億円へ増加

前期末の商談獲得残高は、約1兆5,100億円となりました。

前年度末の約1兆3,400億円から、約1,700億円増加しています。

前期中の主な増減は次のとおりです。

  • 新規商談獲得:約3,100億円
  • 売上計上:約1,650億円
  • 数量・単価の見直し
  • 商談キャンセル
  • その他の変更

商談獲得残高は、将来の製品売上を示す先行指標です。

会社は残高の約60%を今後4年間で売上計上する想定です。

ただし、商談獲得残高は一般的な確定受注残とは異なります。

販売数量、単価、量産期間、顧客の開発計画などによって金額が変動します。

商談が中止される可能性もあります。

決算では、次の項目を確認しましょう。

  • 新規商談獲得金額
  • 商談獲得残高
  • 売上計上額
  • 数量・単価の修正
  • 商談キャンセル
  • 量産開始時期

残高の増加が将来の製品売上へ確実につながるかを確認する必要があります。

キャッシュフローは大幅に悪化

2026年3月期の営業キャッシュフローは、76億9,300万円のプラスとなりました。

前期の318億6,600万円から75.9%減少しています。

投資キャッシュフローは228億8,400万円の支出です。

営業キャッシュフローから投資キャッシュフローを差し引いたフリーキャッシュフローは、151億9,100万円の赤字となりました。

主な数値は次のとおりです。

項目2026年3月期
営業キャッシュフロー76億9,300万円
投資キャッシュフロー228億8,400万円の支出
フリーキャッシュフロー151億9,100万円の赤字
現金残高445億4,100万円

営業キャッシュフローが悪化した主な要因は次のとおりです。

  • 棚卸資産の増加
  • 売上債権の増加
  • 利益の減少
  • 量産準備に伴う運転資金
  • 研究開発関連の支出

投資キャッシュフローには、研究開発や無形資産に関連する支出が含まれます。

棚卸資産が量産売上へ転換すれば、営業キャッシュフローが改善する可能性があります。

一方、顧客需要が減少した場合は、在庫が長期化し、評価損が発生するリスクがあります。

次回決算では、次の項目を確認しましょう。

  • 棚卸資産
  • 売上債権
  • 営業キャッシュフロー
  • 投資キャッシュフロー
  • フリーキャッシュフロー
  • 現金残高
  • 製品売上

会計上の利益だけでなく、量産売上から現金を生み出せているかが重要です。

ソシオネクストの決算で確認したい指標

ソシオネクストの決算では、売上高や経常利益だけではなく、製品売上、NRE売上、製品粗利率、商談獲得残高、研究開発費、キャッシュフローを確認する必要があります。

商談獲得から量産売上までには時間がかかるため、短期業績と中長期の先行指標を分けて評価しましょう。

製品売上とNRE売上を分ける

ソシオネクストの売上高は、主に次の3つに分かれます。

  • 製品売上
  • NRE売上
  • その他売上

製品売上は、開発したSoCが量産された後に発生します。

NRE売上は、SoCの設計・開発段階で発生する売上です。

決算では、次の項目を確認しましょう。

  • 製品売上
  • NRE売上
  • その他売上
  • 売上構成比
  • 製品売上の成長率
  • NRE売上の成長率
  • 研究開発費
  • 営業利益への貢献

NRE売上の増加は、新しい開発案件が進んでいることを示します。

一方、営業利益の主な源泉は量産後の製品売上です。

NRE売上が増えていても、研究開発費が同じように増加していれば、利益への貢献は限定されます。

製品売上とNRE売上のどちらが全社成長を支えているかを確認しましょう。

新規量産品の立ち上がりを見る

新規量産品は、将来の製品売上を拡大する重要な要素です。

確認したい項目は次のとおりです。

  • 量産開始時期
  • 売上計上開始時期
  • 販売数量
  • 平均販売単価
  • 顧客需要
  • 初期立ち上げコスト
  • 歩留まり
  • 原価改善

量産開始直後は、不良率やテストコストが高くなりやすく、販売数量が増えても利益が伸びない場合があります。

量産が安定すれば、歩留まりが改善し、製品1個あたりの原価が下がる可能性があります。

決算では、量産開始の有無だけでなく、新規製品が利益を生み出す段階へ進んでいるかを確認しましょう。

商談獲得金額と残高を見る

商談獲得金額は、一定期間に新たに獲得した商談の将来売上見込みです。

商談獲得残高は、過去に獲得した商談のうち、まだ売上計上されていない金額を示します。

確認したい項目は次のとおりです。

  • 商談獲得金額
  • 商談獲得残高
  • 新規案件
  • 売上計上額
  • 数量・単価の見直し
  • 商談キャンセル
  • 今後4年間の売上転換

商談獲得残高が増加していれば、中長期の製品売上拡大が期待できます。

一方、商談は顧客の製品開発計画によって中止・延期される可能性があります。

残高が増えていても、量産開始時期が遠ければ、短期業績への寄与は限定的です。

残高の大きさと、売上へ転換する時期・確度を分けて確認しましょう。

用途別・地域別の成長を見る

ソシオネクストは、幅広い用途向けにカスタムSoCを提供しています。

主な用途は次のとおりです。

  • オートモーティブ
  • データセンター・ネットワーク
  • インダストリアル
  • スマートデバイス

主な地域は次のとおりです。

  • 米国
  • 中国
  • 日本
  • 欧州
  • その他アジア

オートモーティブでは、EV、先進運転支援システム、車載情報機器などの需要が影響します。

データセンター・ネットワークでは、生成AI、AIサーバー、高速通信が成長要因です。

インダストリアルでは、工場自動化、ロボット、監視機器などの需要が影響します。

決算では、特定用途や特定地域への依存が高すぎないかを確認しましょう。

中国車載に続く新しい売上の柱が育っているかが重要です。

製品粗利率と製造コストを見る

製品粗利率は、ソシオネクストの利益成長を判断するうえで最も重要な指標の一つです。

確認したい項目は次のとおりです。

  • 製品売上原価率
  • 製品粗利率
  • 歩留まり
  • テストコスト
  • 製品構成
  • 大規模プロジェクト
  • 量産初期コスト

大規模プロジェクトの売上が増えても、利益率が低ければ全社営業利益は伸びません。

新規量産品についても、初期立ち上げコストが長期化すれば、売上増加を利益へつなげられません。

販売数量の増加と粗利率の改善を両立できているかを確認しましょう。

研究開発費と開発効率を見る

ソシオネクストは、先端SoCの設計・開発に多額の研究開発費を投じています。

確認したい項目は次のとおりです。

  • 研究開発費
  • 売上高開発費比率
  • 新規商談獲得金額
  • 開発進捗
  • 開発遅延
  • 外注費
  • エンジニア数

研究開発費が増加しても、新規商談や量産売上が拡大すれば、中長期的にはプラスとなります。

一方、開発案件の遅延やキャンセルが増えれば、投じた費用を回収できない可能性があります。

研究開発費を評価する際は、NRE売上や商談獲得金額、将来の量産計画と組み合わせて確認しましょう。

為替前提との差を見る

海外取引が多いため、ドル円はソシオネクストの売上高と利益へ影響します。

確認したい項目は次のとおりです。

  • 実績ドル円レート
  • 会社想定為替レート
  • 為替感応度
  • 円安効果
  • 円高リスク
  • 為替を除いた売上成長
  • 為替を除いた利益成長

円安が進めば、外貨建て売上の円換算額は増加します。

一方、ウエハーやパッケージなどの仕入れコストも外貨の影響を受けます。

そのため、円安が売上高を押し上げても、営業利益への効果が同じ割合になるとは限りません。

為替による上振れと、本業の数量・利益率改善を分けて評価しましょう。

棚卸資産とキャッシュフローを見る

新規量産品の準備が進むと、棚卸資産が増加する場合があります。

決算では、次の項目を確認しましょう。

  • 棚卸資産
  • 売上債権
  • 営業キャッシュフロー
  • 投資キャッシュフロー
  • フリーキャッシュフロー
  • 現金残高
  • 量産売上への転換

棚卸資産が増加していても、近い将来に製品売上へ転換する在庫であれば、成長準備と評価できます。

一方、顧客需要が減少し、在庫が長期間残る場合は、過剰在庫や評価損のリスクがあります。

売上高と営業利益が増えていても、営業キャッシュフローが悪化している場合は、売上債権や在庫の増加に注意が必要です。

株主還元と成長投資を見る

ソシオネクストは、配当を実施しながら研究開発や無形資産へ投資しています。

決算では、次の項目を確認しましょう。

  • 年間配当
  • 配当性向
  • 自己株買い
  • 研究開発投資
  • 無形資産投資
  • ROE
  • 現金残高

前期の配当性向は100%を超えました。

利益や営業キャッシュフローが回復しなければ、現在の配当を長期的に維持する負担が大きくなる可能性があります。

一方、業績が市場予想を上回って回復すれば、増配や自己株買いの余地が生まれます。

株主還元だけでなく、将来の量産売上を生み出す成長投資とのバランスを確認しましょう。

【PR】株の購入前は松井証券で信用残高を確認するのがおすすめ

株を購入する前には、信用買いが増えているのか、信用買いの整理が進んでいるのかを確認することも重要です。
信用買いが増えていると株価が上がりにくく、信用買いが整理されていると上値が軽くなりやすいからです。

一般的な信用残は週次で公表されるため、急落当日の信用需給をすぐに確認することはできません。
松井証券では、東証の売買内訳データをもとに算出した「信用残(当日推計)」と「信用倍率(当日推計)」を確認できます

信用買いが増えているのか信用返済による売りが出ているのかなど、株価変動の背景を考える際にも活用でき、需給の良いタイミングでの取引が可能です。

私も別の証券会社を利用していましたが、信用需給の分析用に活用するサブ口座として松井証券を使い始めて、今では気になる銘柄の需給を毎日確認しています。
トレードの勝率を少しでも上げたいという人はぜひ活用してみてはいかがでしょうか。

松井証券の公式サイトはこちらから

まとめ

ソシオネクストの次回決算は、2026年7月29日(水)に発表される予定です。

発表時間は現時点で公表されていません。前年の第1四半期決算と直近の本決算は、いずれも15時30分に発表されました。

2027年3月期は売上高2,150億円、営業利益・経常利益ともに140億円を予想しています。

第1四半期の経常利益市場予想は20億円です。

前年同期の7億1,700万円から、約179%の増益が期待されています。

ただし、前年同期の利益水準が低いため、大幅増益となるだけでは十分ではありません。

通期経常利益の市場予想は198億2,500万円となり、会社予想140億円を約41.6%上回っています。

次回決算で確認したいポイントは次のとおりです。

  • 経常利益が市場予想20億円を上回るか
  • 中国車載向け新規量産品が通年寄与しているか
  • 北米車載向け製品の量産開始時期
  • 北米データセンター向け製品の量産開始時期
  • 製品売上が増加しているか
  • NRE売上が将来の量産案件へつながっているか
  • 製品粗利率の悪化を止められるか
  • 歩留まりとテストコストが改善しているか
  • 商談獲得金額が増加しているか
  • 商談獲得残高1兆5,100億円を維持できるか
  • 商談キャンセルや数量修正が増えていないか
  • 研究開発費を売上増加で吸収できているか
  • 1ドル130円の為替前提との差
  • ファウンドリーの供給能力
  • 棚卸資産が製品売上へ転換しているか
  • 営業キャッシュフローが回復しているか
  • 通期業績予想の維持・修正

ソシオネクストでは、製品売上が営業利益の主な源泉です。

NRE売上や商談獲得残高が増えていても、量産開始後の製品粗利率が低ければ、利益とキャッシュフローは増えません。

前期は製品売上が10.4%増加した一方、営業利益は50.6%減少しました。

そのため、次回決算では、売上成長ではなく、量産売上の採算とキャッシュ創出力が回復しているかが最も重要です。

好決算でも市場予想を下回った場合や、製品粗利率・営業キャッシュフローが改善しなかった場合には、株価が下落する可能性があります。

製品売上、NRE売上、商談獲得残高、製品粗利率、研究開発費、為替、キャッシュフローを総合的に確認しましょう。

出典

IRカレンダー|ソシオネクスト
https://www.socionext.com/jp/ir/calendar.html

2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)|ソシオネクスト
https://www.socionext.com/jp/ir/pdf/sn_ir20260428_03j.pdf

2025年度通期 決算概要と成長戦略|ソシオネクスト
https://www.socionext.com/jp/ir/pdf/sn_ir20260428_04j.pdf

2026年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)|ソシオネクスト
https://www.socionext.com/jp/ir/pdf/sn_ir20250731_02j.pdf

2025年度 第1四半期 決算概要|ソシオネクスト
https://www.socionext.com/jp/ir/pdf/sn_ir20250731_03j.pdf

2025年度 第3四半期決算説明会 QA要旨|ソシオネクスト
https://www.socionext.com/jp/ir/pdf/sn_ir20260210_01j.pdf

IRライブラリ|ソシオネクスト
https://www.socionext.com/jp/ir/library/

株式基本情報|ソシオネクスト
https://www.socionext.com/jp/ir/stock/stock_info.html

ソシオネクスト(6526)業績進ちょくと決算スケジュール|IFIS株予報
https://kabuyoho.ifis.co.jp/index.php?action=tp1&bcode=6526&sa=report

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

目次