エアトリ(6191)の株主優待制度「エアトリ・プレミアム優待倶楽部」は、2025年3月31日を基準日とする優待を最後に廃止されています。2025年9月30日を基準日とする優待は実施されておらず、現在は100株、500株、1,000株など保有株数にかかわらず株主優待はありません。
会社は廃止理由について、株主に対する公平な利益還元のあり方を検討した結果と説明しています。従来制度は500株以上の株主だけが対象で、この点などについて株主から意見が寄せられていました。
この記事では、エアトリの株主優待が廃止された理由と、「復活の可能性があるのか?」について解説していきます。
※本記事は2026年9月10日時点の開示資料をもとに作成しています。
▼公式サイトはこちらエアトリの株主優待は廃止されている

現在、エアトリの株主優待制度はありません。会社公式の株主還元ページやFAQでも、2025年3月31日を基準日とする株主優待を最後に「エアトリ・プレミアム優待倶楽部」を廃止したことが明記されています。
2025年3月末の株主優待を最後に廃止
株主優待廃止の時系列は、優待の最終基準日と廃止発表日を分けて見ると分かりやすくなります。最後に優待が実施されたのは2025年3月31日基準分で、会社が制度廃止を発表したのは2025年8月21日です。そのため、2025年9月30日を基準日とする優待から実施されなくなりました。
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2025年3月31日 | 最後の株主優待の基準日 |
| 2025年8月21日 | 株主優待制度の廃止を発表 |
| 2025年9月30日 | この基準日の株主優待は実施せず |
| 2026年2月28日 | 未利用のプレミアム優待ポイント利用期限 |
| 2026年3月1日以降 | 未利用のプレミアム優待ポイントは失効 |
廃止発表日は2025年8月21日ですが、最後に優待が実施された基準日は2025年3月31日です。2025年9月30日基準分からは実施されていません。
現在は100株・500株・1,000株保有しても株主優待はない
エアトリの売買単位は100株ですが、旧株主優待制度は500株以上の株主を対象としていました。制度廃止後は保有株数による優待区分そのものがなくなっているため、現在は500株以上を保有しても優待ポイントは付与されません。
旧制度では500株で8,000ポイント、1,000株で18,000ポイントなどの優待がありましたが、2025年3月末分を最後に廃止されており、現在は適用されません。
| 現在の保有株数 | 株主優待 |
|---|---|
| 100株 | なし |
| 500株 | なし |
| 1,000株 | なし |
| 5,000株 | なし |
エアトリが株主優待を廃止した理由
会社が公表した株主優待廃止の理由は、株主に対する公平な利益還元のあり方を見直したことです。旧制度が500株以上の株主だけを対象としていた点について株主から意見が寄せられており、この制度設計も検討材料になっています。
株主への公平な利益還元を重視
エアトリは2016年から株主優待制度を実施してきました。制度の目的は、株主の日頃の支援に応えることに加え、エアトリグループのサービスへの理解を深めてもらい、株式の中長期的な投資魅力を高めることでした。
2025年8月の廃止発表では、更なる事業成長を進めるとともに、株主に対する「公平な利益還元のあり方」について慎重に検討した結果、株主優待制度を廃止すると説明しています。
株主優待は、保有株数や制度条件を満たす一部株主だけが恩恵を受ける仕組みです。配当は保有株数に応じて広く株主へ還元され、自社株買いは1株当たり利益や資本効率の改善につながるため、還元方法によって対象範囲や効果が異なります。エアトリは優待廃止後、配当と自社株買いを大幅に強化しています。
500株以上しか対象にならない制度への意見があった
旧制度では、毎年3月末と9月末の株主名簿に記録された株主のうち、500株以上を保有する人だけが株主優待の対象でした。売買単位は100株のため、100~499株を保有する株主は議決権を持つ株主であっても優待を受けられない制度でした。
会社は廃止発表で、現状500株以上の株主を対象とした制度となっていることなどについて、株主から意見を受けていたと説明しています。この点を含めて公平な利益還元を検討し、制度廃止を決定しました。
会社開示から確認できる廃止理由は、公平な利益還元のあり方と、500株以上に対象を限定していた制度を含む株主還元全体の見直しです。
優待廃止時から株主還元の拡充を示していた
2025年8月の廃止発表では、株主優待を終了する一方、今後も資本の効率的な活用や株主還元、持続的な企業価値向上に取り組む方針を示していました。その後の2026年には、自己株式取得と大幅な配当予想という形で株主還元策が具体化しています。
エアトリの過去の株主優待はどんな内容だった?
エアトリの株主優待制度は2016年に導入され、当初は100株以上の株主が対象でした。その後、2018年3月末基準分から対象が500株以上へ変更され、廃止時までこの基準が続きました。制度末期の「エアトリ・プレミアム優待倶楽部」では、500株以上の株主に保有株数に応じたプレミアム優待ポイントを年2回付与していました。
500株以上でプレミアム優待倶楽部ポイントがもらえた
優待対象は、毎年3月末日と9月末日現在の株主名簿に記録され、500株以上を保有する株主でした。1回だけの年次優待ではなく、3月と9月の年2回ポイントが付与される制度だったため、年間では各基準日のポイントを合計した額を受け取ることができました。
制度末期のプレミアム優待ポイントはエアトリポイントへの交換に利用でき、旅行代金の支払いに充てることができました。
保有株数別の株主優待ポイント
2018年3月末以降の制度における1回当たりの進呈ポイントは次の通りです。1年以上継続保有すると、初年度より10%多いポイントが付与されました。
| 保有株数 | 初年度(3月) | 初年度(9月) | 1年以上保有(各回) |
|---|---|---|---|
| 500~599株 | 8,000pt | 8,000pt | 8,800pt |
| 600~699株 | 11,000pt | 11,000pt | 12,100pt |
| 700~899株 | 13,000pt | 13,000pt | 14,300pt |
| 900~999株 | 16,000pt | 16,000pt | 17,600pt |
| 1,000~1,999株 | 18,000pt | 18,000pt | 19,800pt |
| 2,000~4,999株 | 20,000pt | 20,000pt | 22,000pt |
| 5,000株以上 | 25,000pt | 25,000pt | 27,500pt |
たとえば500株を初年度に保有した場合、3月に8,000ポイント、9月に8,000ポイントが付与され、年間では合計16,000ポイントでした。1年以上継続保有すると各回8,800ポイントとなり、年間では17,600ポイントです。
1,000株の場合は初年度に各回18,000ポイント、年間36,000ポイントでした。1年以上保有では各回19,800ポイント、年間39,600ポイントとなります。
5,000株以上では初年度に各回25,000ポイント、1年以上では各回27,500ポイントと、保有株数に応じてポイント数が大きくなる仕組みでした。
1年以上保有するとポイントが10%増額
長期保有優遇では、2年目以降の進呈ポイントが初年度の1.1倍に増加しました。短期的な権利取りだけでなく、中長期で株式を保有する株主にメリットを持たせる設計です。
500株では8,000ポイントから8,800ポイント、1,000株では18,000ポイントから19,800ポイントへ増えました。長期保有による増額は3月・9月の両方に適用されるため、年間の差額も2回分発生します。
株主優待ポイントは何に使えた?
エアトリの株主優待は、制度開始から廃止までの間に交換商品の内容が変化しています。以前は食品や家電など幅広い商品を選べましたが、制度末期はエアトリポイントへの交換が中心となっていました。
以前は食品・家電・ギフトなど500点以上から選べた
旧制度では、保有するプレミアム優待ポイントに応じて、専用サイトに掲載された食品、電化製品、ギフト、エアトリのオリジナル航空券など500点以上の商品から交換先を選べる時期がありました。
2020年には新型コロナウイルスの影響による経営環境を踏まえ、食品、電化製品、ギフトなどの一般商品を一時休止し、エアトリポイントやクーポンへの交換を中心とする形へ変更しました。制度末期の公式FAQでは、プレミアム優待ポイントはエアトリポイントのみとの交換と案内されています。
エアトリポイントは航空券・ホテルなどに使えた
株主優待ポイントから交換できるエアトリポイントは、総合旅行プラットフォーム「エアトリ」で利用できるポイントです。国内・海外航空券、国内・海外ホテル、航空券とホテルを組み合わせたエアトリプラスなどの購入に利用できました。
旅行を頻繁に利用する株主にとっては、商品を受け取るだけでなく、旅行代金に充当できる点が旧優待の特徴でした。
廃止された株主優待ポイントは今も使える?
株主優待制度の廃止後も、すでに付与されていたポイントには一定の利用期間が設けられていました。現在はプレミアム優待ポイントそのものの利用期限を過ぎていますが、期限内にエアトリポイントへ交換していた場合は扱いが異なります。
プレミアム優待ポイントは2026年2月28日で利用終了
会社は制度廃止時、未利用のプレミアム優待ポイントについて2026年2月28日まで利用できると案内しました。2026年3月1日以降、残っていたプレミアム優待ポイントはすべて失効しています。
現在は2026年9月のため、株主優待サイト上に未交換のプレミアム優待ポイントが残っていたとしても、新たに利用する期間は終了しています。
エアトリポイントへ交換済みなら交換日から3年間有効
廃止前にプレミアム優待ポイントをエアトリポイントへ交換していた場合、交換済みのエアトリポイントは交換日から3年間が有効期限です。
交換済みのエアトリポイントには、プレミアム優待ポイントとは別に交換日から3年間の有効期限が設定されています。交換済みポイントを保有している場合は、交換日を基準に有効期限を確認します。
エアトリの株主優待は復活する可能性はある?
株主優待の復活可能性を見るうえでは、現在の株主還元策と今後の資本配分方針が重要です。エアトリは2028年9月期まで配当還元を強化し、2029年9月期からは成長投資へ資金配分を切り替える計画を示しています。
現時点で株主優待復活の発表はない
2026年9月10日時点で、エアトリは株主優待制度の復活を発表していません。会社公式の株主還元ページとFAQでも、2025年3月31日基準の優待を最後に制度を廃止したと案内しています。
少なくとも2028年9月期までは、配当を中心とした株主還元方針が明確に示されています。2029年9月期からは成長投資へ資金配分を切り替える計画のため、株主優待の復活可能性を見る場合は、その後に新たな株主還元方針が示されるかがポイントになります。
株主優待廃止後の株主還元は?160円配当予想など還元を強化
株主優待は廃止されましたが、その後の株主還元額は大きく拡大しています。2026年9月期の期末配当予想は160円で、前期2025年9月期の10円から150円増配となりました。
2026年9月期は10円から160円への増配を予想
2026年9月期の年間配当は期末一括160円を予定しています。エアトリは2018年9月期以降、長く年間10円配当を継続してきたため、今回の配当予想額は前期比16倍です。
2026年9月期の160円配当予想は、営業利益(減損等控除前)45.3億円に70%を掛けて算出する税引後営業利益(減損等控除前)約31.7億円の100%を配当として還元する方針に基づいて算出されています。
2028年まで総額100億円超を配当する方針
高い配当還元は2026年9月期だけではなく、2028年9月期までの3期間を対象としています。会社は2026年9月期から2028年9月期までを株主還元期間とし、3期間で総額100億円超を配当する計画です。
2027年9月期と2028年9月期の1株当たり配当額は、各期の営業利益(減損等控除前)を基準に、税引後相当額の100%を目安として設定する方針です。したがって、優待廃止後の株主還元を評価する際は、160円という2026年の配当予想だけでなく、翌期以降の利益と配当方針を継続して確認することが重要になります。
「エアトリの株主優待割引」は会社の株主優待とは別
エアトリの旅行サイトでは、航空会社の「株主優待割引」を利用した航空券も販売しています。この「株主優待割引」は、エアトリ(6191)が自社の株主へ提供していた株主優待制度とは別のものです。
株主でなくても航空会社の株主優待割引を利用できる
エアトリの国内航空券では、ANAなど航空会社の株主優待運賃を利用した商品を取り扱っています。エアトリが株主優待券と株主優待割引航空券をセットで販売する仕組みのため、利用者本人が航空会社やエアトリの株主である必要はありません。
「エアトリの株主優待は廃止された」というのは、エアトリ(6191)が株主へ提供していたプレミアム優待倶楽部のことです。旅行予約サイト上の「株主優待割引運賃」は別サービスとして取り扱われています。
▼公式サイトはこちらまとめ
エアトリの株主優待制度「エアトリ・プレミアム優待倶楽部」は、2025年3月31日を基準日とする優待を最後に廃止されています。2025年9月末分から優待は実施されておらず、現在は500株以上を保有しても優待ポイントは付与されません。
廃止理由として会社は、株主に対する公平な利益還元のあり方を検討した結果と説明しています。旧制度が500株以上の株主のみを対象としていたことなどについて株主から意見が寄せられていた点も、会社が開示した背景の一つです。
旧制度では500株で1回8,000ポイント、1,000株で18,000ポイントなど、3月・9月の年2回プレミアム優待ポイントが付与され、1年以上保有するとポイントが10%増額されました。未利用のプレミアム優待ポイントは2026年2月28日で利用期限を迎えていますが、期限内にエアトリポイントへ交換していた場合は交換日から3年間利用できます。
現時点で株主優待復活の発表はなく、現在は配当と自社株買いを中心に株主還元を強化しています。2026年9月期は1株160円への大幅増配を予定し、2028年9月期までの3期間で総額100億円超を配当する方針です。優待廃止後のエアトリを評価する際は、現在の配当方針と利益成長を合わせて確認することが重要になります。
出典
株式会社エアトリ「株主優待制度(エアトリ・プレミアム優待倶楽部)の廃止に関するお知らせ」(2025年8月21日)
https://www2.jpx.co.jp/disc/61910/140120250821545550.pdf
株式会社エアトリ「株主還元」
https://www.airtrip.co.jp/ir/stock/dividend
株式会社エアトリ「よくあるご質問」
https://www.airtrip.co.jp/ir/faq
エアトリ・プレミアム優待倶楽部「優待ポイントについて」
https://airtrip.premium-yutaiclub.jp/program
エアトリ・プレミアム優待倶楽部「よくあるご質問」
https://airtrip.premium-yutaiclub.jp/help
株式会社エアトリ「株主優待品の一部変更に関するお知らせ」(2020年9月15日)
https://www.airtrip.co.jp/news/5046
株式会社エアトリ「自己株式取得に係る事項の決定に関するお知らせ」(2026年5月15日)
https://www2.jpx.co.jp/disc/61910/140120260515538103.pdf
株式会社エアトリ「2026年9月期第3四半期 決算発表」(2026年8月14日)
https://www.airtrip.co.jp/news/90132
株探「エアトリ、今期最終を一転10%増益に上方修正、未定だった配当は150円増配」(2026年9月10日)
https://s.kabutan.jp/news/k202609100001
エアトリ 国内航空券「株主ではないですが株主優待割引は購入できますか」
コメント