KDDI(9433)の株主優待について調べると、「廃止」や「改悪」という言葉を目にすることがあります。実際には優待そのものがなくなったわけではありませんが、旧制度と比べて条件が変わった部分があるのも事実です。
この記事では、何が終了して何が変わったのか、なぜ「改悪」と言われるのか、そして200株への変更が株式分割によるものなのかを、公式情報にもとづいて整理します。
※本記事は2026年9月10日時点の開示資料をもとに作成しています。
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KDDIの株主優待は廃止されていない

KDDIは2026年度も株主優待を実施しています。2026年3月31日時点で200株以上を1年以上継続保有する株主が対象で、1年以上5年未満なら2,000円相当、5年以上なら3,000円相当の優待を受けられます。
| 保有株式数 | 保有期間 | 2026年度の優待額 |
|---|---|---|
| 200株以上 | 1年以上5年未満 | 2,000円相当 |
| 200株以上 | 5年以上 | 3,000円相当 |
2026年度の優待は、Pontaポイント、ローソン・成城石井の商品セット、社会貢献活動団体への寄付から1つを選ぶ方式です。終了したのは株主優待制度そのものではなく、2024年度まで採用されていたカタログギフト型の優待です。
KDDIの株主優待はいつ・どう変わった?
KDDIは2024年1月16日に、2025年度から株主優待制度を変更すると発表しました。その後、2024年11月に1株を2株へ分割することを決定し、株式分割の効力発生日である2025年4月1日から優待の必要株数も100株以上から200株以上へ変更しています。
| 時期 | 変更内容 |
|---|---|
| 2024年1月16日 | 2025年度から株主優待制度を変更すると発表 |
| 2024年3月31日 | 従来のカタログギフト制度の最終基準日 |
| 2025年3月31日 | 新制度の初回基準日。100株以上・1年以上が対象 |
| 2025年4月1日 | 1株→2株の株式分割を実施。優待基準を200株以上へ変更 |
| 2026年3月31日 | 分割後の200株以上を基準に2026年度優待を実施 |
2025年度からカタログギフトが終了
2024年度までのKDDI株主優待は、保有株式数と保有期間に応じて全国のグルメ商品から1点を選べるカタログギフトでした。100~999株では5年未満3,000円相当、5年以上5,000円相当、1,000株以上では5年未満5,000円相当、5年以上1万円相当が贈呈されていました。
| 旧制度の保有株式数 | 5年未満 | 5年以上 |
|---|---|---|
| 100~999株 | 3,000円相当 | 5,000円相当 |
| 1,000株以上 | 5,000円相当 | 10,000円相当 |
このカタログギフトは2024年度をもって終了し、2025年度からはKDDI関連サービスの特典から選ぶ方式へ移行しました。2026年度はPontaポイントのほか、ローソン・成城石井の商品セットや寄付が選択肢になっています。
Pontaポイントなどから選ぶ制度へ変更
新制度では、株主の保有株数による優待額の段階をなくし、保有期間を中心に優待額を決める仕組みになりました。2025年度は100株以上、2026年度からは株式分割後の200株以上を保有し、1年以上継続して保有することが必要です。
KDDIが2024年1月に示した新制度では、Pontaポイントやau PAYマーケットなど自社関連サービスの利用につながる特典を例示していました。現在の2026年度制度では、Pontaポイントを中心に、ローソン・成城石井の商品セットなども選べる形になっています。
KDDIの株主優待はなぜ改悪と言われている?
制度変更には、従来より条件が厳しくなった部分があります。特に影響が大きいのは、優待額の縮小、最低1年以上という保有期間の追加、1,000株以上を保有する株主向けの上位区分廃止です。カタログギフトの終了は、金額だけでなく優待の使い方も変える変更になりました。
優待額が2,000円・3,000円へ縮小された
旧制度では100~999株を保有する株主でも、5年未満で3,000円相当、5年以上で5,000円相当のカタログギフトを受け取れました。新制度では、1年以上5年未満が2,000円相当、5年以上が3,000円相当です。
旧制度の100~999株区分と比べると、5年未満では1,000円、5年以上では2,000円、優待の額面が小さくなっています。保有株式数を増やしても優待額が上がらない仕組みに変わった点も大きな違いです。
1年以上の継続保有が必要になった
旧制度では「5年未満」の区分に1年未満の株主も含まれていたため、基準日の3月31日に100株以上を保有していれば、保有1年未満でもカタログギフトを受け取れました。新制度では最低1年以上の継続保有が必要です。
そのため、新たにKDDI株を購入した直後の株主は、200株を保有していても最初の基準日では優待対象にならない場合があります。優待目的で保有する場合は、株数だけでなく同一株主番号での継続保有期間も重要になりました。
1,000株以上の上位優待がなくなった
旧制度では1,000株以上の保有者に上位区分があり、5年未満で5,000円相当、5年以上では1万円相当のカタログギフトが用意されていました。新制度では保有株式数による上位区分がなく、基準株数以上であれば優待額は保有期間だけで決まります。
旧制度で1,000株以上を長期間保有していた株主ほど、制度変更による額面の縮小が大きくなっています。特に旧制度の「1,000株以上・5年以上」は1万円相当だったため、新制度の3,000円相当との差は7,000円です。
カタログギフトから自社関連サービス中心へ変わった
旧制度は全国のグルメ商品から選ぶカタログギフトだったため、KDDIの通信サービスや関連サービスを利用していない株主でも優待を使いやすい仕組みでした。新制度はPontaポイントなどKDDIグループとの接点がある特典を中心に設計されています。
2026年度はローソン・成城石井の商品セットも選べるため、ポイント利用に限定された制度ではありません。優待額だけでなく、カタログから商品を選ぶ方式がなくなり、選択肢の性質が変わったことも制度変更の一部です。
200株必要になったのは株式分割に伴う基準調整
2026年度から株主優待の必要株数は100株以上から200株以上へ変更されました。この変更は、2025年4月1日に実施された1株→2株の株式分割に伴うものです。
2025年4月に1株を2株へ株式分割
KDDIは2025年4月1日を効力発生日として普通株式1株を2株に分割しました。分割前に100株を保有していた株主は、分割後には200株を保有することになります。
KDDIは株式分割に合わせ、優待基準を「100株以上」から「200株以上」へ変更しました。2025年度の優待は分割前の2025年3月31日が基準日だったため100株以上、2026年度からは分割後の200株以上が条件です。
分割前100株と分割後200株は同じ持分
1株を2株に分割すると保有株数は2倍になりますが、分割直後の理論上の1株価値は半分になります。分割前100株と分割後200株は、会社全体に対する持分割合としては同じです。
そのため、100株から200株への変更だけを見て「優待取得に必要な持分が2倍になった」と考えるのは適切ではありません。制度変更による実質的な条件悪化は、優待額の縮小や1年以上の保有条件、上位区分の廃止と分けて見る必要があります。
Pontaポイントを選ぶと優待価値を最大1.5倍にできる
2026年度の株主優待でPontaポイントを選ぶと、受け取ったポイント数を上限に、au PAYマーケットの株主向け「お得なポイント交換所」でau PAYマーケット限定Pontaポイントへ1.5倍に増量できます。
| 保有期間 | 通常の優待 | 1.5倍交換後 |
|---|---|---|
| 1年以上5年未満 | 2,000ポイント相当 | 最大3,000ポイント相当 |
| 5年以上 | 3,000ポイント相当 | 最大4,500ポイント相当 |
1年以上5年未満なら旧制度の3,000円相当と同水準まで増やせる
旧制度の100~999株・5年未満は3,000円相当でした。新制度では1年以上5年未満が2,000ポイント相当ですが、1.5倍交換を利用すると最大3,000ポイント相当になります。額面上は旧制度の3,000円相当と同じ水準まで増やせます。
5年以上では新制度の3,000ポイントを最大4,500ポイント相当へ増やせますが、旧制度の100~999株・5年以上は5,000円相当だったため、最大1.5倍を使っても額面では500円下回ります。
1.5倍後はau PAYマーケット限定ポイント
1.5倍交換で受け取るのは通常のPontaポイントではなく、au PAYマーケット限定Pontaポイントです。2026年度は交換期限が9月30日、交換後のポイント利用期限は交換日から30日後とされています。
利用先と有効期限が限定されるため、旧カタログギフトの3,000円相当と、限定Pontaポイント3,000ポイント相当を完全に同じ価値として比較することはできません。au PAYマーケットを利用する株主ほど、1.5倍交換のメリットを生かしやすくなります。
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株主ごとに見るとどれくらい条件が変わった?
旧制度と現行制度は、2025年4月の株式分割を挟んで必要株数の表記が変わっています。旧制度の100株は分割後200株相当、旧制度の1,000株は分割後2,000株相当に当たるため、株数をそのまま横並びにせず持分をそろえて比較する必要があります。
| 旧制度の保有状況(分割前) | 分割後の相当株数 | 旧制度 | 現行制度 | Ponta1.5倍 |
|---|---|---|---|---|
| 100~999株・1年未満 | 200~1,998株相当 | 3,000円 | 対象外 | 対象外 |
| 1,000株以上・1年未満 | 2,000株以上相当 | 5,000円 | 対象外 | 対象外 |
| 100~999株・1年以上5年未満 | 200~1,998株相当 | 3,000円 | 2,000円 | 最大3,000P |
| 100~999株・5年以上 | 200~1,998株相当 | 5,000円 | 3,000円 | 最大4,500P |
| 1,000株以上・1年以上5年未満 | 2,000株以上相当 | 5,000円 | 2,000円 | 最大3,000P |
| 1,000株以上・5年以上 | 2,000株以上相当 | 10,000円 | 3,000円 | 最大4,500P |
旧制度では保有株数にかかわらず1年未満でも優待を受けられましたが、新制度では最低1年以上の継続保有が必要になりました。特に旧1,000株以上の株主は、1年未満でも5,000円相当を受け取れていたため、変更による影響が大きくなっています。1年以上5年未満の小口株主はPontaポイントの1.5倍交換を使えば額面上は旧制度と同水準まで戻せますが、長期保有者や旧1,000株以上の株主は優待額の縮小幅が大きくなっています。
KDDIが株主優待を変更した理由
中長期で保有する株主を増やすため
KDDIは制度変更の理由として、より多くの株主に中長期的にKDDI株を保有してもらうことを挙げています。新制度で1年以上の継続保有を必須にしたことは、この目的と直接つながっています。
短期間だけ保有して基準日を通過する株主ではなく、継続的に株式を保有する株主へ優待を付与する制度へ移した形です。5年以上の株主には3,000円相当と、1年以上5年未満より高い優待額を設定しています。
KDDIグループのサービス利用を促すため
KDDIはもう一つの目的として、関連サービスの利用を通じてKDDIグループの事業への理解を深めてもらうことを挙げています。カタログギフトからPontaポイントなどへ変更した背景には、この考え方があります。
2026年度の優待にはPontaポイントのほか、ローソンや成城石井の商品セットも含まれています。KDDIは通信だけでなく、金融・決済・小売などの関連事業を展開しており、株主優待もグループとの接点を作る内容へ変化しています。
旧制度からの保有期間は新制度にも引き継がれる
2025年度から1年以上の継続保有が必須となりましたが、それ以前の保有期間がリセットされたわけではありません。KDDIは制度変更時に、旧制度での保有期間を新制度へ引き継ぐとしています。
そのため、旧制度から継続してKDDI株を保有していた株主は、それまでの保有期間を含めて1年以上・5年以上の判定を受けます。長期保有期間は、同一株主番号で株主名簿に継続して記載されている期間を基準に判定されます。
2026年度では、2025年3月末以前から同一株主番号で継続して記載されている場合に1年以上、2021年3月末以前から継続して記載されている場合に5年以上と判定されます。制度変更前からの保有実績も、この判定に引き継がれます。
KDDIの株主優待は今後廃止される?
2026年9月10日時点で、KDDIは株主優待制度の廃止予定を公表していません。2026年度も200株以上・1年以上の継続保有を条件に株主優待を実施しており、会社は中長期的な株式保有の促進と、KDDIグループ事業への理解を深めてもらうことを制度の目的として掲げています。
2024年に発表されたのも株主優待の廃止ではなく、2025年度からの制度変更です。現時点では、カタログギフトからPontaポイントやローソン・成城石井の商品セットなどへ内容を変えながら、株主優待制度自体は継続しています。
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KDDIの株主優待の廃止・改悪まとめ
KDDIの株主優待制度は廃止されていません。2024年度までのカタログギフトが終了し、2025年度からPontaポイントなどKDDI関連サービスを中心とした制度へ変更されました。
変更によって、優待額の縮小、1年以上の継続保有条件の追加、1,000株以上の上位優待区分の廃止が行われています。なお、制度変更前からの保有期間は新制度にも引き継がれます。2026年度から100株ではなく200株が必要になったのは、1株→2株の株式分割に伴う基準調整です。
Pontaポイントを選ぶ場合はau PAYマーケット限定ポイントへ最大1.5倍に増量でき、1年以上5年未満なら最大3,000ポイント相当、5年以上なら最大4,500ポイント相当まで優待価値を高められます。利用先と有効期限を踏まえ、自分の保有期間や使い方に合うかを確認することが重要です。
出典
KDDI株式会社「株主優待制度|個人投資家の皆さまへ」
https://www.kddi.com/corporate/ir/individual/stockholder
KDDI株式会社「2025年度からの株主優待制度変更に関するお知らせ」
https://news.kddi.com/kddi/corporate/ir-news/2024/01/16/7184.html
KDDI株式会社「株式分割の実施および株式分割に伴う定款の一部変更ならびに株主優待制度の一部変更に関するお知らせ」
https://news.kddi.com/kddi/corporate/ir-news/2024/11/01/7544.html
KDDI株式会社「有価証券報告書 2024年3月期」
https://www.kddi.com/extlib/files/corporate/ir/library/yuka_shoken/pdf/yuho_2024_4q.pdf
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