原油価格が大きく動く局面では、「原油そのものに投資したい」と考える投資家も増えます。原油先物を直接取引する方法もありますが、より身近なのが東京証券取引所に上場する原油ETFです。国内株と同じ証券口座から売買でき、先物専用口座を用意せずに原油価格への投資機会を持てます。
一方、原油ETFは「原油価格が10%上がれば、ETFも必ず10%上がる」という商品ではありません。多くの商品は原油の現物ではなく先物を使って運用するため、どの限月の先物を参照するか、先物を乗り換えるロールオーバー、為替、運用方式などによって値動きに差が生まれます。
この記事では、原油ETFの特徴から、おすすめの商品まで徹底比較します。
※本記事は2026年9月9日時点で確認できる各商品の開示資料をもとに作成しています。
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原油ETFとは?

原油ETFは、原油先物価格などに連動することを目指し、証券取引所に上場している金融商品です。ETFは「Exchange Traded Fund」の略で、日本語では上場投資信託と呼ばれます。
原油は株式のように企業の持分を買う資産ではなく、世界中で取引される商品(コモディティ)です。投資家が原油そのものを大量に保管するのは現実的ではないため、原油ETFの多くは原油先物や先物指数を利用して原油価格への投資機会を提供しています。
原油先物に投資して原油価格への連動を目指すETF
原油先物とは、「将来の決められた時期に、あらかじめ決めた価格で原油を売買する」契約です。世界の原油市場では、米国産原油の代表的な指標であるWTIや、北海産原油を基準とするブレントなどの先物が活発に取引されています。
国内の代表的な原油ETFは、WTI原油先物そのものや、複数のWTI原油先物を組み合わせた指数への連動を目指しています。したがって「原油ETF」と呼ばれていても、商品ごとに参照する先物や指数は同じではありません。
株式と同じように証券取引所で売買できる
原油ETFの大きな特徴は、東京証券取引所の取引時間中に株式と同じように売買できることです。証券会社の国内株式画面から商品名や銘柄コードを検索し、指値・成行などで注文できます。
原油先物を直接取引する場合は先物取引口座や証拠金管理が必要ですが、原油ETFなら国内株式の取引環境から売買できます。原油へ投資したいものの、先物取引は難しいと感じる投資家にとって利用しやすい方法です。
原油そのものを保有しているわけではない
金ETFには金地金を実際に保有するタイプがありますが、原油ETFでは原油をタンクに貯蔵して運用するわけではありません。原油の保管には大規模なタンクや輸送設備が必要で、現物を保有するコストも大きいためです。
そのため、原油ETFの値動きを理解するには「現在のWTI価格」だけでなく、原油先物の価格構造を見る必要があります。特に保有する先物を次の限月へ乗り換えるロールオーバーは、原油ETFの中長期的なリターンに影響します。
原油ETFのおすすめ3商品を比較
東証で原油への投資に利用できる代表的な3商品を比較すると、同じ「原油ETF」でも仕組みはかなり異なります。WTI原油価格連動型上場投信(1671)とNEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信(1699)は国内籍の先物型ETFですが、WisdomTree WTI 原油上場投資信託(1690)は外国籍で、OTCスワップを利用する商品です。
| 商品名 | 連動対象 | 公表コスト | 売買単位 | NISA | 籍・方式 |
|---|---|---|---|---|---|
| WTI原油価格連動型上場投信(1671) | WTI原油先物の直近限月の清算値を円換算した価格 | 信託報酬 年0.935% | 1口 | 対象 | 国内籍・先物型 |
| NEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信(1699) | NOMURA原油ロングインデックス(円換算) | 信託報酬 年0.55%/総経費率0.57% | 10口 | 対象 | 国内籍・先物型 |
| WisdomTree WTI 原油上場投資信託(1690) | Bloomberg WTI Crude Oil Multi-Tenor Excess Return Indexをトラックし、担保利息を加えて4W Total Return Index相当のリターンを目指す | MER 0.49%+年率スワップ料0.45%を公表 | 10口 | 対象外 | 外国籍・OTCスワップ型 |
※2026年9月時点。費用の開示方法は商品ごとに異なります。WisdomTree WTI 原油上場投資信託(1690)は東証資料で0.49%と表示されていますが、WisdomTreeは別途、年率0.45%のスワップ料も公表しています。そのため、0.49%だけを他の2商品と単純比較しない方が実態を把握しやすくなります。
原油ETFのおすすめ① WTI原油価格連動型上場投信(1671)
| 項目 | 基本情報 |
|---|---|
| 商品名 | WTI原油価格連動型上場投信(1671) |
| 運用会社 | シンプレクス・アセット・マネジメント |
| 連動対象 | WTI原油先物の直近限月の清算値を円換算した価格 |
| 信託報酬 | 年0.935% |
| 売買単位 | 1口 |
| NISA | 成長投資枠の対象 |
| 商品構造 | 国内籍・先物型ETF |
WTI原油価格連動型上場投信(1671)は、シンプレクス・アセット・マネジメントが運用する原油ETFです。NYMEXで取引されるWTI原油先物の直近限月の清算値を円換算した価格を対象指数としており、原油ETFの中でも仕組みをイメージしやすい商品です。
WTI原油先物への連動を目指す代表的な原油ETF
WTIは「West Texas Intermediate」の略で、米国だけでなく世界の原油価格を見る際に広く使われる代表的な指標です。WTI原油価格連動型上場投信(1671)は、このWTI原油先物の値動きを円ベースで捉えることを目指しています。
ただし、対象指数が直近限月だからといって、ファンドが常に直近限月だけを保有するわけではありません。運用会社は信託財産を守るため、さらに先の複数限月へ分散する場合があると説明しています。このため、極端な相場環境ではWTIの直近限月とETFの基準価額に差が生じることがあります。
1口から購入できる
WTI原油価格連動型上場投信(1671)の売買単位は1口です。原油ETFに少額から触れてみたい場合でも、10口単位の商品より購入金額を調整しやすいのが特徴です。
NISA成長投資枠でも購入できる
WTI原油価格連動型上場投信(1671)はNISAの成長投資枠の対象です。課税口座だけでなくNISA口座でも保有できます。原油ETFをNISAで購入したい場合は候補になります。
WTI原油価格連動型上場投信(1671)が向いている人
対象指数が「WTI原油先物の直近限月」と明確で、1口単位で売買できるため、商品設計の分かりやすさや購入金額の調整しやすさを重視する人に選びやすいETFです。
一方、信託報酬は年0.935%で、次に紹介するNEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信(1699)の年0.55%より高く設定されています。保有期間が長くなるほど、こうした運用コストの差も確認しておきたいポイントです。
原油ETFのおすすめ② NEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信(1699)
| 項目 | 基本情報 |
|---|---|
| 商品名 | NEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信(1699) |
| 運用会社 | 野村アセットマネジメント |
| 連動対象 | NOMURA原油ロングインデックス(円換算) |
| 信託報酬 | 年0.55%(総経費率0.57%) |
| 売買単位 | 10口 |
| NISA | 成長投資枠の対象 |
| 商品構造 | 国内籍・先物型ETF |
NEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信(1699)は、野村アセットマネジメントが運用する原油ETFです。NOMURA原油ロングインデックスを円換算した指数への連動を目指します。
NOMURA原油ロングインデックスとは?
NOMURA原油ロングインデックスは、流動性の高い原油先物を使って原油価格の値動きを捉える指数です。現在のルールでは、1つの先物限月に集中せず、複数のWTI原油先物へ分散する設計になっています。
3つの先物限月へ分散する仕組み
2020年11月のルール変更後は、第2・第3・第4限月、または第3・第4・第5限月という3つの先物限月へほぼ等分に分散します。満期が近い先物だけに集中しないため、期近の原油先物が特殊な需給で急変した場合の影響を抑えやすい設計です。
反対に、直近限月だけが急騰する局面では、複数限月へ分散している分だけ値上がりが小さくなることがあります。「WTIが上がったのにETFの上昇率が違う」と感じる場合は、こうした限月構成の違いが理由になることがあります。
WTI原油価格連動型上場投信(1671)より信託報酬が低い
NEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信(1699)の信託報酬は年0.55%、2026年9月時点で公表されている総経費率は年0.57%です。WTI原油価格連動型上場投信(1671)の信託報酬年0.935%と比べると、表面上の運用コストは低くなっています。
NISA成長投資枠の対象でもあるため、「NISAで原油ETFを買いたい」「国内籍ETFの中でコストも重視したい」という場合に比較しやすい商品です。
NEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信(1699)が向いている人
NISA、運用コスト、複数限月への分散をバランス良く見たい人に向いています。2026年9月9日時点の純資産総額は約192.5億円で、売買単位は10口です。
原油ETFのおすすめ③ WisdomTree WTI 原油上場投資信託(1690)
| 項目 | 基本情報 |
|---|---|
| 商品名 | WisdomTree WTI 原油上場投資信託(1690) |
| 管理会社 | WisdomTree Management Jersey Limited |
| 連動対象 | WTI Multi-Tenor指数+担保利息(Excess Return Indexをトラックし4W Total Return Index相当を再現) |
| 公表コスト | MER 0.49%+年率スワップ料0.45% |
| 売買単位 | 10口 |
| NISA | 成長投資枠の対象外 |
| 商品構造 | 外国籍・OTCスワップ型 |
WisdomTree WTI 原油上場投資信託(1690)は、東証では外国籍ETFとして上場している原油商品です。WisdomTreeの最新資料では、Bloomberg WTI Crude Oil Multi-Tenor Excess Return Indexをトラックし、担保資産から得られる利息収益を加えることで、Bloomberg WTI Crude Oil Multi-Tenor 4W Total Return Index(BCLMT4T)相当のリターンを再現する設計とされています。
国内籍のWTI原油価格連動型上場投信(1671)やNEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信(1699)とは運用構造が異なります。
複数のWTI原油先物を参照するトータルリターン指数に連動する
WisdomTreeの最新資料では、Bloomberg WTI Crude Oil Multi-Tenor Excess Return Indexの値動きに連動し、担保資産から得られる利息収益を加えることで、Bloomberg WTI Crude Oil Multi-Tenor 4W Total Return Index(BCLMT4T)相当のリターンを再現する設計とされています。
この指数は、期近より先にある3つのWTI原油先物をほぼ均等に組み合わせ、毎月ウェイトを調整します。JPXがExcess Return Indexを対象指標として掲載している一方、WisdomTreeがTotal Return Indexを掲げているのは、先物部分のリターンに担保利息を加えてトータルリターンを目指す商品構造によるものです。
外国籍・OTCスワップ型という違い
WisdomTree WTI 原油上場投資信託(1690)は、原油先物を直接ファンド内で保有する国内籍ETFとは仕組みが異なり、OTCスワップを利用する合成型の商品です。OTCスワップとは、金融機関などの相手方と「対象指数の値動きを受け取る」契約を結び、指数への連動を目指す仕組みです。
国内の証券口座から売買する際は原油ETFとして扱えますが、WTI原油価格連動型上場投信(1671)やNEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信(1699)と中身が同じ投資信託ではないことは理解しておきたいところです。
先物をファンド内で直接保有する1671・1699と異なり、1690ではスワップ相手方の信用リスクも商品構造の一部になります。一方、WisdomTreeは本商品を担保付きの仕組みとしており、スワップ相手方の支払い義務をカバーする担保を日々時価評価し、分別管理しています。1690を比較する際は、コストだけでなく、この合成型の商品構造まで含めて見る必要があります。
0.49%だけで「最安」と判断しない
東証の資料では信託報酬に相当する数値として0.49%が掲載されています。しかしWisdomTreeの公式ページでは、管理費用(MER)0.49%に加え、年率0.45%のスワップ料も公表されています。
そのため、0.49%という数字だけを見て「3商品で最もコストが安い」と結論づけるのは適切ではありません。国内籍ETFと費用の開示方法や商品構造が異なるため、コスト比較ではスワップ料を含む仕組みまで確認する必要があります。
WisdomTree WTI 原油上場投資信託(1690)が向いている人
複数限月を使う指数への連動や外国籍・スワップ型という構造を理解したうえで選びたいという上級者向けの候補です。NISA成長投資枠は対象外なので、NISAで原油ETFを購入したい場合はWTI原油価格連動型上場投信(1671)かNEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信(1699)を選ぶことになります。
3つの原油ETFは結局どれがおすすめ?
3商品はどれも原油への投資に使えますが、同じ設計ではありません。選ぶ際は「何を重視するか」を先に決めると比較しやすくなります。
対象指数の分かりやすさと1口単位を重視するならWTI原油価格連動型上場投信(1671)
WTI原油価格連動型上場投信(1671)は、WTI原油先物の直近限月を対象指数としているため、何への連動を目指す商品なのかを理解しやすいのが特徴です。売買単位も1口なので、投資金額を細かく調整できます。
NISAとコストのバランスを重視するならNEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信(1699)
NEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信(1699)は、NISA成長投資枠の対象で、信託報酬は年0.55%です。複数の先物限月へ分散するため、直近限月だけの特殊な値動きの影響を抑えながら原油価格への投資を行う設計です。
3商品の中で迷う初心者にとっては、国内籍・NISA対象・公表コストの分かりやすさという点で比較しやすい商品です。
複数限月・スワップ型の商品構造を選ぶならWisdomTree WTI 原油上場投資信託(1690)
WisdomTree WTI 原油上場投資信託(1690)は、Bloomberg WTI Crude Oil Multi-Tenor Excess Return Indexの値動きに連動し、担保利息を加えてBloomberg WTI Crude Oil Multi-Tenor 4W Total Return Index相当のリターンを目指す、OTCスワップを使う外国籍商品です。先物の値動きだけでなく担保資産の利息収益なども指数に反映する構造で、国内籍ETFとは異なる仕組みの商品を選びたい場合に候補となります。
ただしNISA対象外で、MERとは別にスワップ料が公表されているため、「0.49%だから最も安い」という選び方ではなく、商品構造まで含めて比較する必要があります。
迷ったら何を基準に3つの原油ETFを選ぶ?
初心者が比較する場合は、まずNISAを使うかどうかで分けると簡単です。NISAを使うならWTI原油価格連動型上場投信(1671)かNEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信(1699)の2商品に絞れます。
そのうえで、WTI直近限月という対象指数の分かりやすさや1口単位を重視するならWTI原油価格連動型上場投信(1671)、コストと複数限月への分散を重視するならNEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信(1699)という考え方ができます。
原油ETFは原油価格と同じ値動きにはならない
原油ETFを購入する前に最も理解しておきたいのが、ニュースで表示される原油価格とETFの値動きが完全には一致しないことです。原油ETFは先物を使って運用するため、先物特有の仕組みがリターンに影響します。
原油ETFは先物を使って運用する
原油先物には満期があります。満期が近づいた先物を持ち続けることはできないため、ETFや指数は保有する先物を売却し、より先の満期の先物へ乗り換えます。この作業がロールオーバーです。
ロールオーバーとは?
例えば、10月に期限を迎える原油先物を売り、11月や12月に期限を迎える先物を買い直すのがロールオーバーです。乗り換える2つの先物価格が同じとは限らないため、この価格差がETFの運用成果に影響します。
コンタンゴではETF価格が押し下げられることがある
満期が先の原油先物ほど価格が高い状態をコンタンゴと呼びます。例えば保有している先物を100で売り、次の先物を105で買う場合、同じ資金で買える先物の量は少なくなります。このロールを繰り返すと、原油価格が大きく下がっていなくてもETFのリターンを押し下げる要因になります。
バックワーデーションでは逆にプラスになる場合がある
満期が近い先物の方が高く、先の先物ほど安い状態をバックワーデーションと呼びます。この場合は高い先物を売って安い先物へ乗り換えられるため、ロールオーバーがプラス方向に働くことがあります。
原油ETFを見るときは「WTIが何ドルか」だけでなく、先物市場がコンタンゴなのかバックワーデーションなのかを見ることで、ETFの値動きを理解しやすくなります。
円安・円高もETF価格に影響する
原油先物は米ドルで取引されます。国内の原油ETFは円ベースの指数や円換算した価格への連動を目指すため、為替も値動きに影響します。一般に原油価格が変わらなくても円安が進めば円換算価格を押し上げやすく、円高は押し下げ要因になります。
原油ETFは長期保有に向いている?
原油ETFは長期保有そのものが禁止されている商品ではありません。しかし株価指数ETFとは違い、先物のロールオーバーを繰り返すため、長期間保有すると現物の原油価格やニュースで見るWTI価格との差が積み上がることがあります。
JPXも先物型ETFについて、コンタンゴの状態ではロールオーバーを繰り返すことで減価する場合があり、中長期投資では留意が必要と説明しています。NEXT FUNDSも原油関連ETFについて、長期間ではWTI原油先物と大きな差が生じた事例を紹介しています。
そのため、原油ETFを長く持つ場合は「原油は将来上がると思う」だけでなく、ロールコストや限月構成まで確認する必要があります。
原油ETFと原油ブル・ベアETNの違い
原油関連商品を探していると、NEXT NOTES ドバイ原油先物 ダブル・ブル ETN(2038)やNEXT NOTES ドバイ原油先物 ベア ETN(2039)も表示されます。しかし、この2商品はETFではなくETNです。
NEXT NOTES ドバイ原油先物 ダブル・ブル ETN(2038)はETFではなくETN
NEXT NOTES ドバイ原油先物 ダブル・ブル ETN(2038)は、日経・JPX原油指数の「日々の騰落率の2倍」を目指すレバレッジ型ETNです。例えば対象指数が1日で3%上昇した場合、理論上は約6%の上昇を目指します。
ただし2倍になるのは長期間の累積リターンではなく、あくまで1日ごとの変動率です。値動きが上下を繰り返す相場では、長期間の値動きが原油指数の単純な2倍にはなりません。
NEXT NOTES ドバイ原油先物 ベア ETN(2039)もETN
NEXT NOTES ドバイ原油先物 ベア ETN(2039)は、日経・JPX原油指数の日々の騰落率のマイナス1倍を目指します。原油価格の下落局面で上昇を狙う商品です。NISA成長投資枠は対象外です。
ETFとETNでは商品の仕組みが異なる
ETFは投資信託として資産を保有して運用するのが基本ですが、ETNは発行金融機関が特定指数への連動を約束する債券型の商品です。原油ブル・ベア商品を比較する際は、「原油ETFの一種」とまとめず、ETFとETNを分けて考える必要があります。
米国の原油ETFは日本から買える?
米国にはUnited States Oil Fund(USO)など、原油先物への投資に使われる代表的な上場商品があります。United States Oil Fund(USO)はNYSE Arcaに上場し、WTI系の短期先物の値動きを追うことを目指しています。
ただしUnited States Oil Fund(USO)はLimited Partnership(LP)の形態です。SBI証券は原則としてLPを取扱対象外としているため、米国で有名な原油商品だからといって、日本の主要ネット証券ですべて簡単に購入できるわけではありません。
日本の個人投資家が国内の証券口座から原油へ投資する場合は、東証に上場するWTI原油価格連動型上場投信(1671)、NEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信(1699)、WisdomTree WTI 原油上場投資信託(1690)の方が取引しやすい選択肢です。
原油ETFを買えるおすすめの証券会社
WTI原油価格連動型上場投信(1671)、NEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信(1699)、WisdomTree WTI 原油上場投資信託(1690)は、主要ネット証券の国内株式口座から売買できます。取扱いの有無だけでは差がつきにくいため、ここでは売買手数料やポイント利用、投資情報ツールなどを踏まえて、原油ETFを買う際の使いやすさで比較します。
| 証券会社 | 国内ETFの売買手数料 | NISAでの売買 | おすすめポイント |
|---|---|---|---|
| 楽天証券 | ゼロコースなら0円 | 対象商品の売買手数料0円 | 楽天ポイントを国内株式の買付に利用できる |
| 松井証券 | 1日50万円まで0円(26歳以上) | 日本株の売買手数料0円 | 少額取引と無料の投資情報ツールが使いやすい |
| SBI証券 | ゼロ革命の条件を満たせば0円 | 対象商品の売買手数料0円 | 国内ETFを含む国内株式を低コストで売買しやすい |
※原油ETFでは、WTI原油価格連動型上場投信(1671)とNEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信(1699)がNISA成長投資枠の対象です。WisdomTree WTI 原油上場投資信託(1690)は対象外です。
楽天証券
楽天証券は、国内株式の手数料コースで「ゼロコース」を選ぶと、原油ETFを含む国内株式の現物・信用取引手数料が約定代金にかかわらず0円になります。ゼロコースの利用にはSORやRクロスの利用同意が必要ですが、原油ETFを短期で売買する場合でも手数料を抑えやすいのがメリットです。
さらに、国内株式の現物取引では楽天ポイントを1ポイント=1円として買付代金などに利用できます。NISA成長投資枠の取引にもポイントを使えるため、楽天市場や楽天カードなどでポイントを貯めている人は、WTI原油価格連動型上場投信(1671)やNEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信(1699)の購入にも活用しやすい証券会社です。
▼公式サイトはこちら松井証券
松井証券は、26歳以上の場合でも1日の約定代金合計が50万円までなら、国内株式の現物取引手数料が0円です。ETF・ETNも同じボックスレートが適用されるため、原油ETFを数万円から数十万円程度で購入する人には使いやすい料金体系です。25歳以下は国内株式の手数料が無料で、NISA口座では日本株の売買手数料も無料です。
投資情報ツール「マーケットラボ」を無料で利用できる点も特徴です。株価・チャート・ニュースだけでなく、売買動向や信用情報などを確認できるため、原油価格の動きを見ながら国内ETFや関連株も合わせて分析したい人に向いています。
▼公式サイトはこちらSBI証券
SBI証券は、「ゼロ革命」の条件を満たすと、原油ETFを含む国内株式の現物・信用取引手数料が0円になります。対象となるにはインターネットコースを利用し、各種書面を電子交付に設定するなどの条件があります。
国内ETFを含む国内上場銘柄を幅広く取り扱っており、原油ETFだけでなく、原油高で恩恵を受けやすい資源株や商社株なども同じ口座で比較しやすいのが特徴です。国内株式の取引コストを抑えながら、ETFと個別株を幅広く売買したい人に選びやすい証券会社です。
原油ETFを買うメリット
原油へ比較的小口から投資できる
原油先物を直接取引する場合と比べ、原油ETFは1口または10口単位で購入できます。商品価格に応じて必要資金は変わりますが、先物取引より投資金額を調整しやすいのが特徴です。
先物口座を開設しなくても投資できる
原油ETFは国内株式口座から売買できるため、商品先物取引の専用口座を開設しなくても原油へ投資できます。株式投資に慣れている人なら注文方法も理解しやすく、指値や成行を使って取引できます。
株式とは異なる値動きの資産へ投資できる
原油価格は株式市場だけでなく、OPECプラスの生産政策、中東情勢、世界景気、原油在庫、為替など多くの要因で動きます。株式とは異なる材料で動く資産を組み合わせたい場合、原油ETFはポートフォリオの選択肢になります。
原油ETFを選ぶときに見るポイント
何の原油先物・指数に連動するか
まず確認したいのが連動対象です。WTI原油価格連動型上場投信(1671)はWTI原油先物の直近限月を対象指数とし、NEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信(1699)は3つの期先限月へ分散する指数に連動します。
WisdomTree WTI 原油上場投資信託(1690)は、発行体の最新資料ではBloomberg WTI Crude Oil Multi-Tenor Excess Return Indexの値動きに連動し、担保利息を加えてBloomberg WTI Crude Oil Multi-Tenor 4W Total Return Index相当のリターンを目指す設計です。JPXがExcess Return Indexを対象指標として掲載しているのは、担保利息を加える前の先物部分の指数を示しているためで、1690を確認する際はこの二段階の構造を押さえておきましょう。
信託報酬だけでなく運用方式を見る
原油ETFではコストの数字だけで順位を付けると、商品構造の違いを見落とします。国内籍の先物型ETFと、外国籍のスワップ型商品では費用の開示方法も異なります。年間管理費用だけでなく、ロールオーバーやスワップ料まで含めて考えることが大切です。
売買代金・流動性を見る
ETFは取引所で売買するため、取引量が少ない商品では買値と売値の差(スプレッド)が広がる場合があります。注文時には現在値だけでなく板情報も確認し、希望価格を指定する指値注文も活用すると価格を管理しやすくなります。
NISA対象か確認する
NISA成長投資枠を使いたい場合は、WTI原油価格連動型上場投信(1671)とNEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信(1699)が対象です。WisdomTree WTI 原油上場投資信託(1690)は対象外です。
保有期間を決めてから商品を選ぶ
原油ETFは短期の原油価格変動を取りに行く場合と、数か月以上保有する場合で見るべきポイントが変わります。保有期間が長くなるほど、ロールオーバーや限月構成の影響が積み重なりやすくなります。購入前に「どのくらいの期間、何を狙って保有するのか」を決めておくと商品を比較しやすくなります。
まとめ
原油ETFは、株式と同じ証券口座から原油価格への投資機会を持てる金融商品です。東証の代表的な商品には、WTI原油価格連動型上場投信(1671)、NEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信(1699)、WisdomTree WTI 原油上場投資信託(1690)があります。
対象指数の分かりやすさや1口単位を重視するならWTI原油価格連動型上場投信(1671)、NISAとコスト・限月分散のバランスを重視するならNEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信(1699)が比較しやすい商品です。WisdomTree WTI 原油上場投資信託(1690)は、外国籍・OTCスワップ型で、発行体の最新資料では複数限月を使うトータルリターン指数への連動を目指すという異なる構造を持つ選択肢です。
原油ETFは現物の原油価格そのものではなく先物を利用するため、ロールオーバーやコンタンゴ、バックワーデーション、為替によって値動きが変わります。「どの商品が安いか」だけでなく、「どの原油先物・指数へ、どの仕組みで投資する商品なのか」を確認して選ぶことが重要です。
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出典
WTI原油価格連動型ETF|シンプレクスETF
https://www.simplexasset.com/etf/etf1671.html
WTI原油価格連動型上場投信(1671)|日本取引所グループ
https://www.jpx.co.jp/equities/products/etfs/issues/files/1671-j.pdf
NEXT FUNDS NOMURA 原油インデックス連動型上場投信(1699)|NEXT FUNDS
https://nextfunds.jp/lineup/1699
原油先物ETF(1699)の連動対象指標の算出ルール変更について|NEXT FUNDS
https://nextfunds.jp/news/2020/fund_201005d.html
原油先物ETF(1699)に関するQ&A|NEXT FUNDS
https://nextfunds.jp/semi/article20.html
原油先物ETF(1699)と原油価格の乖離はなぜ起こる?|NEXT FUNDS
https://nextfunds.jp/semi/article15.html
WisdomTree WTI 原油上場投資信託(1690)|日本取引所グループ
https://www.jpx.co.jp/equities/products/etfs/issues/files/1690-j.pdf
WisdomTree WTI Crude Oil(最新商品情報・連動指数)|WisdomTree Europe
先物型ETFのリスク|日本取引所グループ
https://www.jpx.co.jp/equities/products/etfs/risk/03.html
原油関連のETF及びETNに関する留意事項について|日本取引所グループ
https://www.jpx.co.jp/news/1070/20200428-01.html
NEXT NOTES ドバイ原油先物 ダブル・ブル ETN(2038)|日本取引所グループ
https://www.jpx.co.jp/equities/products/etns/leveraged-inverse/files/2038-j.pdf
NEXT NOTES ドバイ原油先物 ベア ETN(2039)|日本取引所グループ
https://www.jpx.co.jp/equities/products/etns/leveraged-inverse/files/2039-j.pdf
国内ETF/ETN|楽天証券
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/domestic/etf-etn-reit/etf-etn
ETF検索結果一覧|楽天証券
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/market/search/etf_search/?mktch_jp=on
WTI原油価格連動型上場投信(1671)取引注意情報|SBI証券
https://search.sbisec.co.jp/v2/popwin/attention/stock/sa_1671.html
NEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信(1699)取引注意情報|SBI証券
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