国内自動車大手5社(トヨタ自動車、本田技研工業、日産自動車、スズキ、マツダ)の2025年3月期決算が出揃いました。
売上規模で他社を圧倒するトヨタ自動車の強さが際立つ一方、各社それぞれが電動化やグローバル戦略において特色を打ち出しています。
本記事では、各社の2025年3月期決算と2026年3月期の見通しを、ランキング形式や詳細比較を通じて徹底解説します。
自動車メーカー大手5社の業績・各指標ランキング形式で比較
まずは、主要な業績や財務指標について、ランキング形式で見ていきましょう。
2025年3月期 売上高ランキング
2025年3月期の売上高ランキングは以下の通りです。トヨタ自動車が他社を大きく引き離しトップとなりました。
順位 | 会社名 | 売上収益 (億円) |
---|---|---|
1 | トヨタ自動車 | 480,367 |
2 | 本田技研工業 | 216,887 |
3 | 日産自動車 | 126,332 |
4 | スズキ | 58,252 |
5 | マツダ | 50,189 |
2025年3月期 当期純利益ランキング
2025年3月期の当期純利益ランキングです。
こちらもトヨタ自動車がトップですが、日産自動車は赤字となっています。
順位 | 会社名 | 当期純利益 (億円) |
---|---|---|
1 | トヨタ自動車 | 47,650 |
2 | 本田技研工業 | 8,358 |
3 | スズキ | 4,161 |
4 | マツダ | 1,141 |
5 | 日産自動車 | △6,709 |
財務状況のランキング(2025年3月月末)
総資産と純資産のランキングです。ここでもトヨタ自動車が最大の規模を誇ります。
順位 | 会社名 | 総資産(億円) | 純資産(億円) |
---|---|---|---|
1 | トヨタ自動車 | 936,013 | 368,789 |
2 | 本田技研工業 | 307,758 | 126,278 |
3 | 日産自動車 | 190,241 | 54,453 |
4 | スズキ | 59,937 | 36,881 |
5 | マツダ | 40,901 | 18,100 |
自己資本比率ランキング(2025年3月月末)
自己資本比率のランキングでは、スズキが最も高い結果となりました。
順位 | 会社名 | 自己資本比率 (%) |
---|---|---|
1 | スズキ | 49.6 |
2 | マツダ | 43.8 |
3 | 本田技研工業 | 40.1 |
4 | トヨタ自動車 | 38.4 |
5 | 日産自動車 | 26.1 |
本田技研工業の自己資本比率は親会社所有者帰属持分比率
日産自動車の自己資本比率は短信記載の自己資本比率
スズキの自己資本比率は親会社所有者帰属持分比率
マツダの自己資本比率は短信記載の自己資本比率。
収益性ランキング(2025年3月期)
ROE(自己資本利益率)、ROA(総資産利益率)、EPS(1株当たり利益)、営業利益率のランキングです。
スズキがROE、ROA、営業利益率でトップに立ち、効率的な経営を行っていることが伺えます。
順位 | 会社名 | ROE(%) | ROA(%) | EPS(円) | 営業利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
1 | スズキ | 14.6 | 12.4 | 215.66 | 11.0 |
2 | トヨタ自動車 | 13.6 | 7.0 | 359.56 | 10.0 |
3 | 本田技研工業 | 6.7 | 4.4 | 178.93 | 5.6 |
4 | マツダ | 6.5 | 4.8 | 181.00 | 3.7 |
5 | 日産自動車 | △12.3 | 1.1 | △187.08 | 0.6 |
本田技研工業のROEは親会社所有者帰属持分当期利益率、ROAは資産合計税引前利益率。
日産自動車のROEは自己資本当期純利益率、ROAは総資産経常利益率。
スズキのROEは親会社所有者帰属持分当期利益率、ROAは資産合計税引前利益率。
マツダのROEは自己資本当期純利益率、ROAは総資産経常利益率。EPS、営業利益率は各社決算短信より。
株価の割安性ランキング(2025年6月4日終値基準)
PER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)のランキングです。
PBRでは日産自動車、マツダが1倍を大きく下回っており、株価が割安である可能性を示唆しています。
PERはマツダが最も低いため、どちらも考慮するとマツダに軍配が上がるでしょう。
順位 | 会社名 | PER(倍) | PBR(倍) |
---|---|---|---|
1 | マツダ | 4.79 | 0.30 |
2 | トヨタ自動車 | 7.58 | 0.99 |
3 | 本田技研工業 | 7.95 | 0.50 |
4 | スズキ | 7.95 | 1.11 |
5 | 日産自動車 | 算出不可 | 0.26 |
PER、PBRは各社EPS、BPS(トヨタ自動車, 本田技研工業, 日産自動車, スズキ, マツダ)と2025年6月4日終値に基づき算出。
株主還元ランキング(2025年3月期実績)
年間配当金と配当性向のランキングです。
トヨタ自動車が配当総額では群を抜いていますが、配当性向ではホンダが最も高い結果となりました。
順位 | 会社名 | 年間配当金(円) | 配当性向(%) |
---|---|---|---|
1 | トヨタ自動車 | 90 | 25.0 |
2 | 本田技研工業 | 68 | 38.0 |
3 | マツダ | 55 | 30.4 |
4 | スズキ | 41 | 19.0 |
5 | 日産自動車 | 0 | – |
今期(2026年3月期)業績見通しランキング
今期の売上収益、経常利益、当期純利益の見通しランキングです。
日産自動車とマツダは主要な利益項目が未定となっています。
順位 | 会社名 | 売上収益(億円) | 経常利益(億円) | 当期純利益(億円) |
---|---|---|---|---|
1 | トヨタ自動車 | 485,000 | 44,100 | 31,000 |
2 | 本田技研工業 | 203,000 | 4,900 | 2,500 |
3 | 日産自動車 | 125,000 | 未定 | 未定 |
4 | スズキ | 61,000 | 5,800 | 3,200 |
5 | マツダ | 未定 | 未定 | 未定 |
*トヨタ自動車の経常利益は税引前利益の数値。本田技研工業の経常利益は税引前利益の数値。日産自動車の経常利益・当期純利益は未定。スズキの経常利益は税引前利益の数値。マツダの業績見通しは未定。
今期(2026年3月期)配当利回りランキング
今期の年間配当金見通しと、それに基づく配当利回りのランキングです。
ホンダが最も高い利回り予想となっているため、インカムゲイン重視の場合は選択肢となるでしょう。
順位 | 会社名 | 年間配当金(円) | 配当利回り(%) |
---|---|---|---|
1 | 本田技研工業 | 70 | 4.92 |
2 | トヨタ自動車 | 95 | 3.49 |
3 | スズキ | 45 | 2.62 |
4 | 日産自動車 | 0 | 0.00 |
5 | マツダ | 未定 | 算出不可 |
自動車メーカー大手5社の2025年3月期の業績を比較
自動車メーカー大手5社の2025年3月期の各社の詳細な業績は以下の通りです。
会社名 | 売上収益(億円) | 経常利益(億円) | 当期純利益(億円) |
---|---|---|---|
トヨタ自動車 | 480,367 | 64,145 | 47,650 |
本田技研工業 | 216,887 | 13,176 | 8,358 |
日産自動車 | 126,332 | 2,102 | △6,709 |
スズキ | 58,252 | 7,302 | 4,161 |
マツダ | 50,189 | 1,890 | 1,141 |
売上収益ではトヨタ自動車が圧倒的な規模を誇り、他4社の合計を上回ります。
経常利益、当期純利益においてもトヨタ自動車がトップですが、スズキは売上規模に対して高い利益を確保している点が注目されます。
日産自動車は当期純利益が赤字となりました。
自動車メーカー大手5社の2025年3月末時点での財務状況の比較
自動車メーカー大手5社の2025年3月月末時点での各社の財務状況は以下の通りです。
会社名 | 総資産(億円) | 純資産(億円) | 自己資本比率(%) |
---|---|---|---|
トヨタ自動車 | 936,013 | 368,789 | 38.4 |
本田技研工業 | 307,758 | 126,278 | 40.1 |
日産自動車 | 190,241 | 54,453 | 26.1 |
スズキ | 59,937 | 36,881 | 49.6 |
マツダ | 40,901 | 18,100 | 43.8 |
総資産、純資産ともにトヨタ自動車が最大の規模です。
自己資本比率ではスズキが49.6%と最も高く、財務の健全性が高いと言えます。
次いでマツダが43.8%、ホンダが40.1%と続きます。
日産自動車は26.1%とやや低い水準です。
自動車メーカー大手5社の収益性の比較
2025年3月期の各社の収益性に関する指標は以下の通りです。
会社名 | ROE(%) | ROA(%) | EPS(円) | 営業利益率(%) |
---|---|---|---|---|
トヨタ自動車 | 13.6 | 7.0 | 359.56 | 10.0 |
本田技研工業 | 6.7 | 4.4 | 178.93 | 5.6 |
日産自動車 | △12.3 | 1.1 | △187.08 | 0.6 |
スズキ | 14.6 | 12.4 | 215.66 | 11.0 |
マツダ | 6.5 | 4.8 | 181.00 | 3.7 |
収益性に優れているのはスズキと言えます。
ROE(自己資本利益率)ではスズキが14.6%と最も高く、次いでトヨタ自動車の13.6%です。
ROA(総資産利益率)でもスズキが12.4%と他社を大きく引き離しています。
EPS(1株当たり利益)はトヨタ自動車が359.56円でトップ、営業利益率ではスズキが11.0%と最も高い数値を示しています。
日産自動車はROE、EPSがマイナスとなっています。
自動車メーカー大手5社の株価の割安性(PER,PBR)を比較
2025年6月4日の終値を基準とした各社の株価割安性指標は以下の通りです。
会社名 | PER(倍) | PBR(倍) |
---|---|---|
トヨタ自動車 | 7.58 | 0.99 |
本田技研工業 | 7.95 | 0.50 |
日産自動車 | 算出不可 | 0.26 |
スズキ | 7.95 | 1.11 |
マツダ | 4.79 | 0.30 |
日産自動車は当期純利益が赤字のためPERは算出不可。
PER(株価収益率)ではマツダが4.79倍と最も低く、割安感があります。
PBR(株価純資産倍率)では日産自動車が0.26倍、マツダが0.30倍と、解散価値である1倍を大きく下回っており、株価が割安である可能性を示唆しています。
ホンダも0.50倍と低い水準です。
トヨタ自動車はPBRが0.99倍と1倍に近い水準です。
スズキはPER、PBRともに他社比較で標準的な水準と言えるでしょう。
自動車メーカー大手5社の株主還元の比較
株主還元策として重要な配当金と自社株買いについて見ていきましょう。
配当金の比較
2025年3月期の実績配当金は以下の通りです。
会社名 | 年間配当金(円) | 配当性向(%) |
---|---|---|
トヨタ自動車 | 90 | 25.0 |
本田技研工業 | 68 | 38.0 |
日産自動車 | 0 | – |
スズキ | 41 | 19.0 |
マツダ | 55 | 30.4 |
年間配当金ではトヨタ自動車が90円と最も高くなっています。
配当性向では本田技研工業が38.0%と最も高く、株主への利益還元を重視している姿勢がうかがえます。
日産自動車は無配でした。
自社株買いの比較
2025年3月期における自社株買いの状況(連結株主資本等変動計算書ベースでの自己株式の増減、または公表資料に基づく取得枠・実績)は以下の通りです。
会社名 | 自己株式取得総額(億円)または状況 | 発行済株式総数に対する割合(%) |
---|---|---|
トヨタ自動車 | 10,000 (2024年3月期実績) | 約2.0 (24/3期実績1兆円/期末株数ベース) |
本田技研工業 | 14,000 (2025年3月期決議ベース) | 約7.8 (1.4兆円/4月末発行済株数ベース) |
日産自動車 | 1,198 (2025年3月期純減額) | 約3.2 (期中平均株数ベース) |
スズキ | △2 (2025年3月期純増:処分超過) | – |
マツダ | △2 (2025年3月期純増:処分超過) | – |
トヨタ自動車は2024年3月期に1兆円の自社株買いを実施しました。
本田技研工業は2025年3月期に決議ベースで1.4兆円の大型の自社株買い枠を設定しています。日産自動車は2025年3月期に約1,198億円の自己株式を純減させています。
スズキとマツダは自己株式が純増(処分超過)となりました。
自動車メーカー大手5社の今期(2026年3月期)見通しの業績について比較
今期の業績見通しは、各社で開示状況にばらつきがあります。特に、米国における関税政策の不透明感が影響していると考えられます。
業績の比較
2026年3月期の業績見通しと前期比増減率は以下の通りです。
会社名 | 売上収益(億円) | 増減率(%) | 経常利益(億円) | 増減率(%) | 当期純利益(億円) | 増減率(%) |
---|---|---|---|---|---|---|
トヨタ自動車 | 485,000 | +1.0 | 44,100 | △31.3 | 31,000 | △34.9 |
本田技研工業 | 203,000 | △6.4 | 4,900 | △62.8 | 2,500 | △70.1 |
日産自動車 | 125,000 | △1.0 | 未定 | – | 未定 | – |
スズキ | 61,000 | +4.7 | 5,800 | △20.6 | 3,200 | △23.1 |
マツダ | 未定 | – | 未定 | – | 未定 | – |
トヨタ自動車は増収ながらも大幅な減益を見込んでいます。
ホンダ、スズキも減収減益または増収減益の予想です。
日産自動車は売上高のみ公表し利益は未定、マツダは全ての項目を未定としています。
想定為替レート (2026年3月期)
- トヨタ自動車:米ドル145円、ユーロ160円
- 本田技研工業:米ドル135円
- 日産自動車:(第1四半期見通し) 米ドル145円、ユーロ159円。 (通期見通しの売上高前提の為替レートは米ドル145円、ユーロ159円)
- スズキ:米ドル140円、ユーロ160円、インドルピー1.68円
- マツダ:未定
米国関税政策の影響
- トヨタ自動車
4・5月分の減益影響見込みとして1,800億円を暫定的に織り込み済み。
決算説明資料では関税影響として△1,800億円を営業利益増減要因に記載。 - 本田技研工業
関税影響(グロスで6,500億円のマイナス)と挽回努力(2,000億円のプラス)を業績見通しに反映済み。 - 日産自動車
2025年度の関税影響は軽減策前で最大4,500億円と試算。
第1四半期で約30%の軽減を見込む。 - スズキ
決算説明資料の営業利益増減要因に「事業リスク等」として400億円のマイナス要因を計上しているが、これが関税影響に該当するかは明示されていない。 - マツダ
影響を精査中であり、第1四半期決算時に状況をアップデート予定。
配当見通しの比較
今期の年間配当金見通しと、それに基づく配当利回り(6月4日終値基準)は以下の通りです。
会社名 | 年間配当金(円) | 配当利回り(%) |
---|---|---|
トヨタ自動車 | 95 | 3.49 |
本田技研工業 | 70 | 4.92 |
日産自動車 | 0 | 0.00 |
スズキ | 45 | 2.62 |
マツダ | 未定 | 算出不可 |
本田技研工業が4.92%と最も高い配当利回りを予想しています。
トヨタ自動車も3.49%と比較的高水準です。
日産自動車は引き続き無配予想、マツダは未定です。
自動車メーカー大手5社の株式に投資をする上でのポイントは?
各社の状況を踏まえ、投資判断のポイントをまとめました。
- 業績が良い企業に投資するなら?
2025年3月期の実績では、売上・利益規模でトヨタ自動車が他を圧倒しています。
利益率やROEではスズキが非常に優れており、効率的な経営が評価できます。
今期見通しでは減益予想の企業が多いものの、依然として高い収益水準を維持する見込みのトヨタ自動車、スズキが候補となるでしょう。 - 配当利回りで選ぶなら?
今期(2026年3月期)の配当利回り予想では、本田技研工業が4.92%と最も高く魅力的です。
次いでトヨタ自動車の3.49%となります。
ただし、マツダは配当予想が未定のため、今後の発表に注目です。 - 株価の割安感を重視するなら?
PBRで見ると、日産自動車(0.26倍)、マツダ(0.30倍)、本田技研工業(0.50倍)が1倍を大きく下回っており、株価が資産価値に比べて割安と判断できます。
PERではマツダが4.79倍と非常に低い水準です。 - 資本効率を重視するなら?
ROE(自己資本利益率)では、2025年3月期実績でスズキが14.6%、トヨタ自動車が13.6%と高い数値を示しており、資本を効率的に活用して利益を生み出していると言えます。
各社の強みは?
自動車大手5社の強みは、各社の決算資料や事業戦略から以下のようにまとめることができます。
- トヨタ自動車
- 圧倒的な事業規模と収益力
売上高、営業利益、純利益ともに他社を大きく引き離しており、グローバルでの強い販売網と生産能力が強みです。 - 全方位的な電動化戦略と豊富な商品ラインナップ
ハイブリッド車(HEV)で世界をリードしており、プラグインハイブリッド車(PHEV)、電気自動車(BEV)、燃料電池車(FCEV)までフルラインナップで対応できる技術力と商品展開力が強みです。 - 強固な財務基盤と投資余力
潤沢な手元資金と高い利益水準により、研究開発や設備投資など未来への投資を積極的に行える点が強みです。 - バリューチェーン全体での収益力
新車販売に加え、金融事業や中古車、補給部品、コネクティッドサービスなど、バリューチェーン全体で収益を上げる構造を構築している点が強みです。
- 圧倒的な事業規模と収益力
- 本田技研工業 (ホンダ)
- 二輪事業の高い収益性とグローバルシェア
二輪事業は世界トップクラスの販売台数と高い利益率を誇り、安定的な収益基盤となっています。 - 四輪事業におけるHEV技術と北米市場での強さ
HEV技術に強みを持ち、特に北米市場を中心にHEVの販売を拡大しています。 - パワープロダクツ事業など多角的な事業展開
自動車、二輪車に加え、汎用エンジンや発電機などのパワープロダクツ事業も展開しており、事業ポートフォリオの多様性が強みです。 - 積極的な株主還元
DOE(株主資本配当率)を導入し、安定的かつ継続的な増配を目指すなど、株主還元への意識が高い点が特徴です。
- 二輪事業の高い収益性とグローバルシェア
- 日産自動車
- アライアンス(ルノー・三菱自動車)の活用
ルノー、三菱自動車とのアライアンスを通じて、プラットフォーム共通化や共同開発、生産拠点の相互活用など、効率的な事業運営が可能な点が強みです。 - 電気自動車(BEV)の早期投入と技術蓄積
「リーフ」で早期にBEV市場に参入し、電動化技術のノウハウを蓄積している点が強みです。 - グローバルな販売・生産ネットワーク
北米や欧州、中国などグローバルに販売・生産拠点を持ち、幅広い市場に対応できる基盤があります。 - コスト構造改革への強い意志
「Re-Nissan」プランを通じて、変動費・固定費の削減や生産体制の再編など、収益性改善に向けた大胆な改革に取り組んでいます。
- アライアンス(ルノー・三菱自動車)の活用
- スズキ
- インド市場での圧倒的なシェアと成長性
インド市場でNo.1のシェアを誇り、同市場の成長とともに業績を拡大させている点が最大の強みです。 - 小型車開発・生産のノウハウと高いコスト競争力
小型車の開発・生産を得意とし、低コストで高品質な製品を提供するノウハウが強みです。 - 堅実な財務体質と高い収益性
自己資本比率が高く、営業利益率やROE、ROAといった収益性指標も国内自動車メーカーの中でトップクラスであり、効率的な経営が強みです。 - 二輪事業・マリン事業での安定収益
四輪事業に加え、二輪事業やマリン事業でも安定的な収益を確保しており、事業の柱が複数ある点が強みです。
- インド市場での圧倒的なシェアと成長性
- マツダ
- 独自のデザインと「走る歓び」を追求した商品開発
「魂動デザイン」や「人馬一体」といった独自のコンセプトに基づいた魅力的な商品開発力が強みです。 - SKYACTIV技術など内燃機関技術の深化
高効率な内燃機関「SKYACTIVエンジン」など、既存技術を磨き上げることで環境性能と走行性能を両立させている点が特徴です。 - 北米市場を中心としたラージ商品群の展開
CX-90、CX-70、CX-80といったラージ商品群を北米などの主要市場に投入し、ブランド価値向上と収益改善を図っています。 - 効率的な生産体制とライトアセット戦略
「マツダ ものづくり革新2.0」などを通じて、低投資で高い資産効率を目指すライトアセット戦略を推進しています。
- 独自のデザインと「走る歓び」を追求した商品開発
これらの強みを活かし、各社は電動化やグローバル競争といった大きな変化に対応し、持続的な成長を目指しています。
まとめ
自動車大手5社の2025年3月期決算は、トヨタ自動車の圧倒的な強さが改めて示される結果となりました。
一方で、スズキは高い収益性を維持しており、ホンダは積極的な株主還元策を打ち出しています。
日産自動車とマツダは株価の割安感が目立ちますが、日産は純損失を計上し、マツダは今期の業績・配当見通しを未定とするなど、先行きに不透明感も残ります。
今期(2026年3月期)は、多くの企業が減益を見込むなど、外部環境の不確実性が高まっています。
特に米国を中心とした関税政策の動向が各社の業績に大きな影響を与える可能性があり、今後の情報開示が注目されます。
各社の戦略や株主還元方針、そして市場動向を注視しながら、慎重な投資判断が求められるでしょう。
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