サイバーセキュリティETFはどれを買うのがおすすめ?日本から買える商品を比較

サイバー攻撃の高度化やクラウド利用の拡大、AIの普及などを背景に、企業や政府にとってサイバーセキュリティへの投資は重要性を増しています。

こうした市場の成長に投資する方法の一つが、複数のサイバーセキュリティ関連企業へまとめて投資できるETFです。

ただし、サイバーセキュリティETFはどれも同じではありません。クラウドストライクやパロアルトネットワークスなどのセキュリティ企業を中心に持つ商品もあれば、ネットワーク、半導体、防衛関連企業まで含む商品、米国外の企業まで広く投資する商品もあります。

そのため、「サイバーセキュリティ市場が伸びるからETFを買う」だけでなく、その中でどの企業群の成長を取り込みたいのかまで考えて選ぶことが重要です。

本記事では、代表的なサイバーセキュリティETFであるCIBR・BUG・HACK・IHAKを比較し、それぞれ何に投資するETFなのか、どのような人に向いているのかを解説します。

※本記事は2026年10月6日時点で確認できる公開情報をもとに作成しています。純資産総額や構成銘柄、組入比率などは変動します。

目次

サイバーセキュリティETFの主要4本を比較

サイバーセキュリティETFの主要4本を比較

サイバーセキュリティへ投資できる米国上場ETFのうち、代表的な商品として比較しやすいのがCIBR・BUG・HACK・IHAKです。

まずは4本の違いを確認しておきましょう。

スクロールできます
ETF正式名称上場市場経費率純資産総額構成銘柄数設定主な投資対象
CIBRFirst Trust Nasdaq Cybersecurity ETFNasdaq0.58%約176億ドル45銘柄2015年7月サイバー関連企業を幅広く保有
BUGGlobal X Cybersecurity ETFNasdaq0.50%約21.5億ドル31銘柄2019年10月サイバー事業を主要事業とする企業
HACKAmplify Cybersecurity ETFNYSE Arca0.60%約33.9億ドル23銘柄2014年11月サイバー、防衛、通信、半導体など
IHAKiShares Cybersecurity and Tech ETFNYSE Arca0.47%約10~12億ドル30銘柄台2019年6月世界のサイバー関連企業

※数値は各運用会社が2026年9~10月に公表した直近データをもとに記載。基準日はETFによって異なります。

経費率だけを見ると0.47~0.60%と大きな差はありません。

それよりも重要なのは、どのような企業を構成銘柄として採用する指数に連動しているかです。

同じサイバーセキュリティ市場の成長を狙うETFでも、指数の設計が違えば、実際に投資している企業も値動きも変わります。

CIBR(First Trust Nasdaq Cybersecurity ETF)

項目内容
ティッカーCIBR
上場市場Nasdaq
経費率0.58%
純資産総額約176億ドル
構成銘柄数45銘柄
設定日2015年7月6日
連動指数Nasdaq CTA Cybersecurity Index

CIBRは、Nasdaq CTA Cybersecurity Indexへの連動を目指すETFです。

同指数は、企業や政府のネットワーク、コンピューター、モバイル端末などを守るセキュリティ技術の構築・導入・管理に関わる企業を投資対象としています。

2026年10月2日時点の主な構成銘柄は以下のとおりです。

構成銘柄比率
クラウドストライク8.92%
フォーティネット8.08%
パロアルトネットワークス8.05%
シスコシステムズ7.75%
ブロードコム7.32%
Okta4.39%

クラウドストライクは企業のパソコンやサーバーへの攻撃を検知・防御するエンドポイントセキュリティ、パロアルトネットワークスやフォーティネットはネットワークからクラウドまで幅広いセキュリティ製品を提供しています。

一方、シスコシステムズはネットワーク機器、ブロードコムは半導体やインフラソフトウェアなど、セキュリティ以外にも大きな事業を持っています。

したがってCIBRは、サイバーセキュリティ専業企業だけをまとめた商品ではありません。

主要なセキュリティ企業に加えて、ネットワークやITインフラまで含め、サイバーセキュリティ需要の拡大を広い企業群から取り込むETFと考えると分かりやすいでしょう。

また、CIBRの大きな特徴がファンド規模です。

2026年10月1日時点の純資産総額は約176億ドル。2026年9月18日時点では30日平均の1日売買高が約168万口、30日中央値の売買スプレッドは0.07%でした。

スプレッドとは、市場で提示される買値と売値の差です。この差が小さいほど、一般的には市場価格に近い条件で売買しやすくなります。

主要なサイバー企業へ広く投資しながら、ETF自体の規模や売買のしやすさも重視したい場合に特徴のある商品です。

BUG(Global X Cybersecurity ETF)

項目内容
ティッカーBUG
上場市場Nasdaq
経費率0.50%
純資産総額約21.5億ドル
構成銘柄数31銘柄
設定日2019年10月25日
連動指数Indxx Cybersecurity Index

BUGは、Indxx Cybersecurity Indexへの連動を目指すETFです。

特徴は、指数への採用条件です。
サイバーセキュリティ企業として指数に採用されるには、原則として売上高の50%以上をサイバーセキュリティ関連事業から得ていることが求められます。対象となるのは、システム、ネットワーク、アプリケーション、コンピューター、モバイル端末などへの攻撃を防ぐ技術やサービスを提供する企業です。

2026年10月2日時点の主な構成銘柄は以下のとおりです。

構成銘柄比率
Okta9.90%
クラウドストライク8.35%
パロアルトネットワークス7.75%
フォーティネット7.40%
Rubrik5.77%
Qualys5.75%
Zscaler5.19%

それぞれ、ID管理、エンドポイントセキュリティ、ネットワーク防御、ゼロトラスト、データ保護、脆弱性管理など異なる領域を手掛けています。

つまりBUGでは、1社の技術に賭けるのではなく、サイバーセキュリティ市場の中でも複数の技術領域へまとめて投資できます。

また、構成企業の多くはサイバーセキュリティを主要な収益源としています。

サイバーセキュリティ市場が拡大し、企業のセキュリティ支出が増えれば、それが構成企業の売上成長へ結びつきやすいことが特徴です。

一方で、2026年8月末時点では情報技術セクターが99%超を占めています。

そのため、サイバーセキュリティ企業群の成長をまとめて取り込みたい投資家に分かりやすい一方、特定の成長産業へ集中するテーマ型ETFとしての値動きも受け入れる必要があります。

HACK(Amplify Cybersecurity ETF)

項目内容
ティッカーHACK
上場市場NYSE Arca
経費率0.60%
純資産総額約33.9億ドル
構成銘柄数23銘柄
設定日2014年11月11日
連動指数ISE Cyber Security Select Index

HACKは、ISE Cyber Security Select Indexへの連動を目指すETFです。

2014年に設定されており、Amplifyはサイバーセキュリティに特化した最初のETFとして紹介しています。

上位にはブロードコム、シスコシステムズ、クラウドストライク、パロアルトネットワークス、Cloudflare、フォーティネットなどが組み入れられています。

さらに特徴的なのが、防衛関連企業も組み入れていることです。

2026年6月末時点の業種構成は、システムソフトウェアが61.62%、インターネットサービス・インフラが12.64%、通信機器が10.36%、航空宇宙・防衛が9.28%、半導体が6.09%でした。

上位には米国の防衛大手ノースロップ・グラマンやゼネラル・ダイナミクスも含まれています。

サイバー攻撃は企業の情報システムだけを狙うものではありません。

政府機関、軍事システム、通信網、電力などの重要インフラも攻撃対象になるため、サイバーセキュリティは国家安全保障とも密接につながっています。

そのためHACKは、企業向けのセキュリティソフトだけでなく、通信インフラや半導体、防衛まで含めた広い意味での「サイバー防衛」に投資するETFとして捉えることができます。

構成銘柄数は23銘柄と多くありません。その分、構成上位企業の株価がETF全体へ与える影響も大きくなります。

IHAK(iShares Cybersecurity and Tech ETF)

項目内容
ティッカーIHAK
上場市場NYSE Arca
経費率0.47%
純資産総額約10~12億ドル
構成銘柄数30銘柄台
設定日2019年6月11日
連動指数NYSE FactSet Global Cyber Security Index

IHAKは、BlackRockのiSharesシリーズが運用するサイバーセキュリティETFです。

サイバーセキュリティ関連のハードウェア、ソフトウェア、サービスを提供する企業で構成されるグローバル株式指数への連動を目指しており、先進国だけでなく新興国も投資対象にしています。

2026年9月9日時点の国・地域別構成は以下のとおりです。

国・地域比率
米国77.80%
イスラエル5.58%
日本3.69%
カナダ3.05%
台湾3.00%
デンマーク2.84%
英国1.75%
ドイツ1.68%

米国企業が約8割を占めるため、米国株の影響が小さいETFではありません。

ただし、イスラエル、日本、台湾、欧州などにも投資しており、世界各国のサイバーセキュリティ・ITインフラ企業を一つのETFで保有できることが特徴です。

経費率は0.47%です。分配は半年ごとですが、2026年8月末時点の過去12か月分配利回りは0.07%にとどまっており、インカム収入を主目的とする商品ではありません。

サイバーセキュリティ市場そのものの成長を長期的に取り込みながら、企業の所在国もある程度分散したい場合に検討しやすいETFです。

CIBR・BUG・HACK・IHAKは何が違う?

CIBR・BUG・HACK・IHAKは何が違う?

4本ともサイバーセキュリティをテーマにしていますが、実際に投資している企業群は異なります。

ETFを選ぶときには経費率だけではなく、指数がどのような企業を選んでいるのかを見ることが重要です。

投資している企業群が違う

4本の特徴を大まかに整理すると以下のようになります。

ETF何に投資するETFか
CIBR主要なセキュリティ企業+ネットワーク・ITインフラ企業
BUGサイバーセキュリティを主要事業とする企業群
HACKセキュリティ+通信+半導体+防衛
IHAK世界各国のセキュリティ・テクノロジー企業

ここで重要なのは、どれが「最もサイバーセキュリティらしいか」を競うことではありません。

たとえば、サイバーセキュリティ市場が伸びても、成長の恩恵がセキュリティソフト企業だけに集中するとは限りません。

通信量の増加やデータセンター投資、ネットワーク刷新、安全保障投資などを通じて、ネットワーク企業、半導体企業、防衛企業へ利益が広がる可能性もあります。

逆に、サイバーセキュリティ専業・準専業企業の売上成長をより直接的に取り込みたいという投資判断もできます。

ETFの違いはテーマへの「純度」の優劣ではなく、自分がどの企業群の利益成長を取り込みたいかの違いとして考えると選びやすくなります。

構成銘柄はかなり重複する

サイバーセキュリティETFでは、クラウドストライク、パロアルトネットワークス、フォーティネット、Okta、Zscalerなどが複数の商品に組み入れられています。

CIBR・BUG・HACKでも主要なサイバーセキュリティ企業の多くが重複しています。

これは、ETFを複数持つときに注意したいポイントです。

たとえば「CIBRとBUGとHACKを3本持てば、1本だけより3倍分散できる」とは限りません。

実際には同じ企業を複数のETF経由で保有し、クラウドストライクやパロアルトネットワークスなどへの投資比率が想像以上に高くなる可能性があります。

複数のETFを組み合わせるなら、ETFの本数ではなく最終的にどの企業を何%保有することになるのかを見る必要があります。

経費率だけなら差は小さい

ETF経費率
IHAK0.47%
BUG0.50%
CIBR0.58%
HACK0.60%

経費率が0.47%と0.60%では、100万円を1年間保有した場合の単純計算の差は約1,300円です。

もちろん長期投資では運用コストも重要ですが、構成銘柄や値動きが違えば年間リターンの差はそれ以上になる可能性があります。

したがって、数ベーシスポイントの経費率差よりも、まず投資対象が自分の狙いに合っているかを見る方が重要です。

ファンド規模・流動性ではCIBRが大きい

純資産総額を見るとCIBRが約176億ドルと大きく、HACKが約34億ドル、BUGが約22億ドル、IHAKが約10億ドル台となっています。

ETFの純資産が大きいこと自体が値上がりを意味するわけではありません。

ただし、売買高が大きくスプレッドが小さいETFは、投資家が希望する価格に近い水準で売買しやすい傾向があります。

頻繁に売買する場合や大きな金額を投資する場合は、経費率だけでなく流動性も確認しておきたいところです。

過去のリターンにも差がある

2026年6月30日時点のNAVベースの年率リターンを比較すると、以下のようになっています。

ETF1年3年5年
CIBR19.56%26.07%14.47%
BUG3.09%16.37%6.31%
HACK21.69%27.70%11.79%
IHAK14.32%17.27%7.32%

※3年・5年は年率。分配金再投資ベースのNAVリターン。過去の運用実績は将来のリターンを保証するものではありません。

同じサイバーセキュリティETFでもリターンに差が出ているのは、構成銘柄や組入比率が違うためです。

ただし、「過去5年で最も上がったETFを買えばいい」という考え方には注意が必要です。

過去に上昇した企業が今後も最も伸びるとは限らず、構成銘柄の株価上昇によってバリュエーションが高くなっている場合もあります。

リターンはETFを理解する材料の一つとして使い、なぜそのETFが上がったのかまで構成銘柄と一緒に確認することが重要です。

サイバーセキュリティETFなら結局どれを選ぶ?

サイバーセキュリティETFなら結局どれを選ぶ?

ETF選びでは、「最も優れた1本」を決めるより、自分がサイバーセキュリティ市場のどこへ投資したいのかを先に決める方が合理的です。

重視すること候補理由
規模・流動性・主要企業への幅広い投資CIBR約176億ドルの規模を持ち、大手セキュリティ・IT企業を幅広く保有
サイバーを主要事業とする企業群BUGサイバー関連売上50%以上を原則とする指数
サイバー防衛・安全保障まで取り込むHACK防衛、通信、半導体も組み入れる
国・地域の分散IHAK米国に加えイスラエル、日本、台湾、欧州などにも投資

規模・流動性を重視するならCIBR

CIBRは主要4本の中で純資産総額が大きく、日々の売買高も多いETFです。

クラウドストライク、フォーティネット、パロアルトネットワークスなどの代表的なサイバー企業に加え、シスコシステムズやブロードコムも組み入れています。

特定のサイバー技術だけを選ぶのではなく、セキュリティからネットワーク、ITインフラまで広く投資したい場合に選びやすい商品です。

サイバー事業を主要事業とする企業群を買うならBUG

BUGはサイバーセキュリティ関連売上が50%以上という条件を基本に構成銘柄を選定します。

そのため、企業全体の業績に対してサイバーセキュリティ事業が占める重要性が高い企業へまとめて投資できます。

企業のサイバーセキュリティ支出増加が、構成企業の売上成長へ比較的直接つながるポートフォリオを持ちたい場合に特徴があります。

サイバー防衛・安全保障まで取り込みたいならHACK

HACKはセキュリティソフトだけでなく、通信機器、半導体、航空宇宙・防衛まで含んでいます。

企業向けITセキュリティだけでなく、国家安全保障、重要インフラ、防衛システムへのサイバー投資まで成長すると考えるなら、対象範囲の広さが意味を持ちます。

世界のサイバー企業へ分散したいならIHAK

IHAKは米国企業が中心ですが、イスラエル、日本、台湾、カナダ、欧州などにも投資します。

したがって、米国の代表的なサイバー企業だけに投資先を限定せず、世界各国で拡大するセキュリティ需要を取り込みたい場合の候補になります。

サイバーセキュリティETFに投資するメリット

サイバーセキュリティETFのメリットは、複数の関連企業へまとめて投資できることです。サイバーセキュリティには、エンドポイント防御、クラウド、ID管理、ゼロトラスト、ネットワークなど複数の分野があり、どの企業や技術が今後大きく伸びるかを見極めるのは簡単ではありません。

ETFを利用すれば、個別企業を1社に絞らず、サイバーセキュリティ市場全体の成長を取り込みやすくなります。 ここでは、個別株ではなくETFで投資する主なメリットを解説します。

個別株を1社に絞らなくてもサイバー市場へ投資できる

サイバーセキュリティ市場には、エンドポイント防御、ネットワークセキュリティ、クラウドセキュリティ、ID管理、ゼロトラスト、データ保護、脆弱性管理など多くの分野があります。

今後どの技術が最も大きく成長するのか、どの企業が競争に勝つのかを事前に判断するのは簡単ではありません。

ETFなら複数企業をまとめて保有できるため、「サイバーセキュリティ市場は伸びると思うが、勝つ企業までは決められない」という場合にも投資しやすくなります。

1社固有の問題による影響を抑えられる

個別株では、決算の失速、競合企業の台頭、製品上の問題、大規模障害などによって株価が大きく下落する可能性があります。

ETFにも価格下落リスクはありますが、複数企業を保有することで、1社だけの問題が資産全体へ与える影響を小さくできます。

特に技術変化の速いサイバーセキュリティ業界では、どの企業が数年後も高い競争力を保っているか分からないため、企業分散には意味があります。

サイバーセキュリティETFの注意点

サイバーセキュリティ市場の成長が期待できても、ETFを買えば必ず利益を得られるわけではありません。テーマ型ETFは特定の業種や成長株へ投資が偏りやすく、金利や株式市場全体の影響を受けて大きく値下がりすることもあります。

また、S&P500やNASDAQ100との構成銘柄の重複、複数のサイバーセキュリティETFを保有した場合の重複、米国ETFなら為替変動なども確認が必要です。投資する前に、サイバーセキュリティ市場の成長性だけでなく、ETF特有のリスクも理解しておきましょう。

サイバー需要が伸びてもETF価格が上がるとは限らない

サイバー攻撃が増え、企業のセキュリティ支出が拡大しても、ETF価格が必ず上昇するわけではありません。

サイバーセキュリティ企業には成長株が多く、将来の高い成長を前提に株価が形成されている企業もあります。

そのため、業績が伸びていても市場予想ほど成長しなかった場合や、金利上昇によって成長株全体の評価が下がった場合には株価が下落することがあります。

「市場が成長するか」と「現在の株価から投資リターンを得られるか」は別の問題です。

S&P500やNASDAQ100との重複も確認する

サイバーセキュリティETFには、ブロードコム、シスコシステムズ、パロアルトネットワークスなど、主要株価指数にも採用されている大型企業が含まれる場合があります。

すでにS&P500やNASDAQ100へ多く投資している場合、サイバーセキュリティETFを追加すると、新しい企業へ分散するというより、保有済みのテクノロジー企業をさらに増やすこともあります。

ETF単体ではなく、自分のポートフォリオ全体で何への投資比率が増えるのかを見る必要があります。

複数のサイバーセキュリティETFを買っても十分な分散とは限らない

CIBR・BUG・HACKには共通する構成銘柄が多くあります。

そのため、複数のETFを持つ場合には「ETFを3本持っている」という本数ではなく、最終的な構成銘柄を確認することが重要です。

似たETFを複数保有するより、サイバーセキュリティETFを1本に絞り、残りをS&P500や全世界株式など異なる資産へ振り分けた方が、結果的に分散が大きくなるケースもあります。

日本の投資家は為替の影響も受ける

CIBR・BUG・HACK・IHAKは米国市場に上場しており、米ドルで取引されます。

日本円で考えた投資損益にはETF自体の値動きだけでなく、ドル円相場も影響します。

たとえばETFがドルベースで10%上昇しても、その間に大幅な円高が進めば、日本円換算での利益は小さくなります。

反対に円安が進めば、ETF自体の上昇に加えて為替差益が発生する場合があります。

日本からサイバーセキュリティETFを買うには?

CIBR・BUG・HACK・IHAKはいずれも米国市場に上場しているETFです。日本から購入する場合は、米国株・海外ETFを取り扱う証券会社を利用します。

ただし、すべての証券会社で4本すべてを購入できるわけではありません。主要ネット証券4社の取扱状況を確認すると、以下のとおりです。

証券会社CIBRBUGHACKIHAK
SBI証券○○○×
楽天証券○○○×
マネックス証券○○○×
松井証券○○××

※2026年10月6日時点。○は取扱あり、×は取扱なし。取扱銘柄は変更される場合があります。

CIBRとBUGは、SBI証券・楽天証券・マネックス証券・松井証券の4社すべてで購入できます。

HACKはSBI証券・楽天証券・マネックス証券の3社で取扱いがあり、松井証券では取扱いがありません。

一方、IHAKは今回確認した主要4社ではいずれも取扱いがありません。IHAKへ投資したい場合は、ほかの証券会社での取扱状況を確認する必要があります。

そのため、国内の主要ネット証券から購入しやすいという点では、CIBRとBUGが選びやすく、HACKも利用する証券会社によっては購入できます。

すでに米国株口座を持っている場合は、まず利用中の証券会社で希望するETFを取り扱っているか確認すればよく、ETFのためだけに新しく口座を開設する必要はありません。

また、NISA成長投資枠の対象かどうかや米国株の売買手数料、円から米ドルへ交換する際の為替コストも証券会社によって異なります。同じETFを買える場合は、取扱いの有無だけでなく、実際に購入・保有するときのコストまで含めて証券会社を選ぶとよいでしょう。

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日本の上場ETFでサイバーセキュリティに投資できる?

米国株口座を開設していない人や、日本株と同じ口座で売買したい人は、東京証券取引所に上場するETFから関連テーマへ投資する方法もあります。

ただし、日本市場ではサイバーセキュリティだけに特化したETFの選択肢は限られています。デジタル関連や防衛関連のETFの中に、サイバーセキュリティ関連企業が含まれている形が中心です。

そのため、「サイバーセキュリティという名称が投資テーマに含まれているか」だけではなく、実際の組入銘柄を確認し、何の値動きに影響されるETFなのかを見ることが重要です。

グローバルX デジタル・イノベーション-日本株式 ETF(2626)

グローバルX デジタル・イノベーション-日本株式 ETF(2626)は、クラウド・コンピューティング、サイバーセキュリティ、ストリーミング、ゲームなど、デジタル・イノベーションに関連する日本企業へ投資するETFです。

項目内容
証券コード2626
上場市場東京証券取引所
取引通貨日本円
設定日2021年1月25日
連動指数Solactive Digital Innovation Japan Index
運用管理費用年0.649%

主要な組入銘柄は以下のとおりです。

主な組入銘柄組入比率
ソフトバンクグループ9.38%
リクルートホールディングス7.27%
京セラ6.53%
LINEヤフー4.86%
ソニーグループ4.77%
日本電気4.75%
コナミグループ4.66%
ソフトバンク4.55%

※2026年5月29日時点。

組入銘柄を見ると、このETFの性格が分かりやすくなります。日本電気などサイバーセキュリティ関連事業を持つ企業も含まれていますが、上位にはソフトバンクグループ、リクルートホールディングス、京セラ、LINEヤフー、ソニーグループなどが並びます。

したがって、2626は「日本版のCIBRやBUG」ではありません。

サイバーセキュリティだけではなく、クラウド、インターネットサービス、ゲームなど日本のデジタル産業を広く保有し、その一部としてサイバーセキュリティ需要も取り込むETFです。米国株口座を使わず日本円で購入しやすい一方、サイバーセキュリティ企業だけの成長を狙う商品ではないことは理解しておきましょう。

グローバルX 防衛テック-日本株式 ETF(513A)

グローバルX 防衛テック-日本株式 ETF(513A)は、日本の防衛・国家安全保障関連企業へ投資するETFです。

連動するMirae Asset Japan Defense Tech Indexでは、サイバーセキュリティのほか、防衛テクノロジー、高度な軍事システム・ハードウェア、国家安全保障に関わる中核サプライヤーなどを対象に銘柄を選定します。

項目内容
証券コード513A
上場市場東京証券取引所
取引通貨日本円
設定日2026年2月24日
連動指数Mirae Asset Japan Defense Tech Index
運用管理費用年0.649%

2026年6月30日時点の主要な組入銘柄は以下のとおりです。

主な組入銘柄組入比率
川崎重工業15.95%
IHI15.92%
日本電気15.50%
三菱電機15.11%
三菱重工業14.97%
日本製鋼所5.29%
スカパーJSAT4.01%
日清紡ホールディングス3.77%

この構成を見ると、513Aもサイバーセキュリティ専用ETFではないことが分かります。川崎重工業、IHI、三菱重工業などの防衛関連企業が大きな比率を占めており、日本電気や三菱電機などがサイバーセキュリティや通信・防衛システムの需要も取り込みます。

つまり513Aで狙うのは、企業のセキュリティソフト支出そのものというより、防衛費拡大、経済安全保障、宇宙・通信、防衛システム、サイバー防衛まで含めた日本の安全保障投資全体です。

「日本の国策としてサイバー防衛需要が拡大する」と考えている人には選択肢になりますが、ランサムウェア対策やクラウドセキュリティ市場の成長へ直接投資したい場合には、実際の組入内容との違いを理解して選ぶ必要があります。

まとめ

サイバーセキュリティETFは、同じテーマを掲げていても投資対象が異なります。

主要なセキュリティ企業とITインフラ企業へ幅広く投資するCIBR、サイバーセキュリティを主要事業とする企業を中心に持つBUG、通信・半導体・防衛まで含むHACK、世界各国の関連企業へ投資するIHAKでは、期待する成長の取り込み方が違います。

そのため、経費率や過去リターンだけで決めるのではなく、「サイバーセキュリティ市場の中で、どの企業群の成長を取り込みたいのか」からETFを選ぶことが重要です。

また、米国株口座を利用しない場合には、日本上場のデジタル関連ETFや防衛テックETFを利用する方法もあります。ただし、サイバーセキュリティ以外の事業も広く含むため、米国のサイバーセキュリティETFとは投資対象が異なることを理解したうえで選びましょう。

出典

irst Trust「First Trust Nasdaq Cybersecurity ETF(CIBR)」
https://www.ftportfolios.com/Retail/Etf/EtfSummary.aspx?Ticker=CIBR

First Trust「CIBR Holdings」
https://www.ftportfolios.com/Retail/Etf/EtfHoldings.aspx?Ticker=CIBR

Nasdaq「Nasdaq CTA Cybersecurity Index Methodology」
https://indexes.nasdaq.com/docs/Methodology_NQCYBR.pdf

Global X「Global X Cybersecurity ETF(BUG)」
https://www.globalxetfs.com/funds/bug

Amplify ETFs「Amplify Cybersecurity ETF(HACK)」
https://amplifyetfs.com/hack/

iShares「iShares Cybersecurity and Tech ETF(IHAK)」
https://www.ishares.com/us/products/307352/ishares-cybersecurity-and-tech-etf

グローバルX「グローバルX デジタル・イノベーション-日本株式 ETF(2626)」
https://globalxetfs.co.jp/funds/2626/index.html

グローバルX「グローバルX 防衛テック-日本株式 ETF(513A)」
https://globalxetfs.co.jp/funds/513A/index.html

Amplify ETFs「Amplify HACK Cybersecurity Covered Call ETF(HAKY)」
https://amplifyetfs.com/haky/

SBI証券「米国ETF・ETN取扱銘柄」
https://search.sbisec.co.jp/v2/popwin/info/stock/pop6040_etf.html

楽天証券「海外ETF検索」
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/market/search/etf_search/

マネックス証券「米国ETF」
https://info.monex.co.jp/us-stock/etf.html

松井証券「米国株 取扱銘柄一覧」
https://www.matsui.co.jp/us-stock/domestic/list/symbollist/

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この記事を書いた人

投資歴7年。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、証券外務員資格取得。2019年に100万円から投資スタート。2022年に1000万円→2025に年5000万円突破。
YouTubeでは株式投資・企業決算を中心とした解説動画を200本以上公開(チャンネル登録者数5000人)。日本株を中心に、企業決算や業績、株価材料を分析しています。

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