スマホゲームの一時代を築いた「パズル&ドラゴンズ」というアプリがあります。
一度はプレイしたことのある人も多いのではないでしょうか?
大ヒットしたゲームでしたが、ゲームとしてはクオリティが非常に高かったとか、制作費をたくさんかけたわけではありませんでした。
では、そのようなゲームがなぜ爆発的にヒットしたのでしょうか?
今回はパズドラがヒットした理由について解説したいと思います。
パズドラがヒットした理由
無課金者と課金者の差を無くした
当時出ていたソーシャルゲームのほとんどは、課金に対する重要性が高いものばかりでした。
課金を前提としたゲーム性であるものが多く、無課金と課金者の差があまりにも大きいものばかりだったのです。
しかし、パズドラでは無課金でも楽しめるように定期的な課金アイテムの配布やゲームクリアによる入手を可能にしました。
これによって新規ユーザーを増やすことにも成功していますし、既存ユーザーは挫折することなくゲームを進められるようになったのです。
無課金でも楽しめるゲーム性によってユーザーの獲得に大いに貢献するという結果になりました。
スマホという媒体に適したゲーム性
スマートフォンでできるゲームというのは、タッチやフリック操作など、画面に触れてできるのが特徴です。
そうした中、パズルというジャンル自体がスマートフォンに適したゲームとなっているのです。
当時パズルゲームを題材としたソーシャルゲームはそんなに多くはなかったので、そういった点も斬新であったと考えます。
パズル&RPGの融合という新ジャンルの開拓
パズドラは、パズルとRPGという全く違うジャンルのゲームを融合させたゲームとなっています。
複合ジャンルの斬新さもありますし、それぞれのジャンルのデメリットを打ち消すように作用したというのもあります。
まず、パズルゲームというのは、手軽にできることがメリットですが、飽きやすいというデメリットもあります。
一方RPGは、レベルを上げて強くしていくというやりこみ要素は強いですが、楽しむためには時間がかかったり手軽にプレイしにくいというデメリットもあります。
この2ジャンルを融合させて組み合わせたことにより、手軽にできるというメリットとやりこみ要素を掛け合わせたゲームというものが完成しました。
つまり、パズドラはパズルとRPGのいいとこ取りをしているゲームであると言えますね。
スキマ時間の活用に最適なゲームである
スマートフォンは常に肌身離さず持っているものです。
そのため、いつでも利用できるので、ちょっとした時間でスマホを見るということが多くなっていました。
当時はスマートフォンも普及途中でしたので、今みたいに当たり前にスマホを使っているわけではありませんでしたが、その利便性が広まると、ありとあらゆる場所でスマホを使うようになりました。
そんな中で、通勤通学時や学校、仕事の合間、自宅にいる時間などありとあらゆるスキマ時間にスマホを利用する方が多くなっていたのです。
パズドラはそんなスキマ時間でできる手軽さを兼ね備えていたので、爆発的にヒットするようになりました。
ターゲットの幅が広い
パズドラは、ゲームをプレイする若めの世代だけでなく、ほぼ全年齢をターゲットとしました。
手軽さという観点から、普段ゲームに馴染みのない人もできるような仕組みだったのです。
何故ターゲットを広く取ったのかというと、ゲーム市場の環境の変化が挙げられます。
そもそもゲームというのは、ゲーム機という媒体がなければできないものでした。
そのためゲーム開発者はゲーム機を持っている人だけがターゲットとして商品を生み出していたのです。
任天堂のゲーム機であれば比較的若めの世代向けに、ソニーなどのゲームではよりクオリティを高めて玄人向けになっているものが多いと思います。
それぞれのゲーム機によってターゲット層が異なっていたため、そのターゲットに合わせざるを得なかったのです。
しかし、スマホを媒体としたゲームにおいてターゲットとなるのは、スマホを持っている人、です。
スマホを持っている人というのはほとんどの人が当てはまります。
つまり、ターゲットとなる人口の層が幅広くなったことによって万人受けするゲームがヒットするようになったのです。
特にパズドラはターゲットの変化を掴むということが上手かったということですね。
パズドラが取った戦略とは?差別化と逆張りについて
パズドラがヒットするために取った戦略とはどのようなものなのでしょうか?
・差別化戦略
・逆張り戦略
この二つを組み合わせたことでヒットを生み出したと言えます。
まず、差別化についてですが、無課金戦略という手法を使いました。
スマホゲームの多くが課金を前提としている中、無課金でも楽しめるというのは、当時のゲーム市場の中では異例でした。
これ自体は、逆張り戦略というものにも直結します。
誰もやっていないことをあえてやることで、それ自体が付加価値となるわけですね。
実際無課金戦略は普段ゲームに馴染みのなかったスマホユーザーを大きく取り込むことになります。
また、ゲームジャンルを融合させたことも当時は差別化となっていました。
パズルとRPGという複合ジャンル自体が他のゲームと差別化する要因であったのです。
ガンホーの今後について
このようなヒット商品を生み出したガンホーですが、今では下火となっています。
盛者必衰とも言いますしずっと続くコンテンツでもないので、当然ではあるのですが、今後はどうなっていくのでしょうか?
今後はロングテール戦略が大事になっていきます。
実際ガンホーの森下社長もロングテール戦略について言及していました。
ロングテール戦略とは、爆発的に売れる商品よりも、あまり売れないマイナーな商品をたくさん集めることで、メイン商品の売上よりも安定して高い売上を記録できるという戦略です。
ガンホーもパズドラだけに頼る戦略ではなく、様々なゲームを提供することで、ロングテール商品を増やしていくことが大事であると言えますね。
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