三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は2025年5月15日に、2025年3月期の連結決算を発表しました。当期純利益は増益となり、中期経営計画の目標を前倒しで達成するなど、堅調な業績を示しました。
本記事では、同社の決算内容を詳細に分析し、今後の株主還元策や成長戦略について解説します。
三菱UFJフィナンシャル・グループの2025年3月期における連結決算の振り返り
2025年3月期の連結業績は、経常収益・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも前期を上回る結果となりました。
勘定科目 | 2025年3月期 (百万円) | 2024年3月期 (百万円) | 前期比 |
---|---|---|---|
経常収益 | 13,629,997 | 11,890,350 | +14.6% |
経常利益 | 2,669,483 | 2,127,958 | +25.4% |
親会社株主に帰属する 当期純利益 | 1,862,946 | 1,490,781 | +25.0% |
1株当たり 当期純利益(円銭) | 160.02 | 124.65 | +35.37円 |
包括利益 | 2,069,660 | 3,316,519 | △37.6% |
ROE (MUFG定義) | 9.9% | 8.5% | +1.3ppt |
ROE (東証定義) | 9.3% | 8.1% | +1.2ppt |
当期の経営成績は、海外における買収案件の収益貢献や円金利上昇影響の取り込み、国内外の手数料収入の増加などにより、連結業務粗利益は4兆8,193億円(前期比+867億円)となりました。一方で、一過性の収益を活用した債券ポートフォリオの組替えによる売却損も計上しています。
営業費は、海外での買収影響や成長に向けた資源投入、インフレ影響などにより3兆2,281億円(前期比+3,393億円)となりました。しかし、海外での大口貸倒引当金戻入などにより与信関係費用が1,087億円と、前期比で3,891億円大幅に減少。また、政策保有株式の売却進展による株式等関係損益の5,925億円(前期比+2,212億円)への増加が利益を押し上げました。
これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1兆8,629億円と、前期比で3,721億円の大幅な増益を達成しました。
ROE(MUFG定義)は9.9%となり、中期経営計画の目標を前倒しで達成しました。
コンセンサス予想との比較は?
QUICKコンセンサスの親会社株主に帰属する当期純利益予想1兆8589億円に対し、実績値の1兆8629億円はコンセンサスを若干上回る結果(+0.21%)となりました。
三菱UFJフィナンシャル・グループのセグメント別の業績は?
MUFGは顧客部門としてリテール・デジタル事業本部、法人・ウェルスマネジメント事業本部、コーポレートバンキング事業本部、グローバルコマーシャルバンキング事業本部、受託財産事業本部、グローバルCIB事業本部、そして市場事業本部を報告セグメントとしています。
2025年3月期の各セグメントの業績は以下の通りです。
セグメント名称 | 粗利益 (百万円) | 経費 (百万円) | 営業純益 (百万円) |
---|---|---|---|
リテール・デジタル事業本部 | 944,554 | 667,525 | 277,029 |
法人・ウェルスマネジメント事業本部 | 726,557 | 429,701 | 296,855 |
コーポレートバンキング事業本部 | 1,025,616 | 386,610 | 639,005 |
グローバルコマーシャルバンキング事業本部 | 969,328 | 531,225 | 438,103 |
受託財産事業本部 | 534,207 | 398,712 | 135,494 |
グローバルCIB事業本部 | 913,004 | 439,935 | 473,068 |
市場事業本部 | 330,602 | 318,117 | 648,720 |
その他 | 27,869 | 72,971 | 45,102 |
顧客部門 小計 | 5,113,268 | 2,853,711 | 2,259,557 |
合計 | 4,810,535 | 3,244,801 | 1,565,734 |
粗利益には、資金運用収支、信託報酬、役務取引等収支、特定取引収支及びその他業務収支を含む。
経費には、人件費及び物件費を含む。
顧客部門全体では、為替影響や円金利上昇影響がプラスに寄与したものの、市場事業本部における債券ポートフォリオ組替え影響などが響き、連結営業純益としては前期比で減少しました。しかし、顧客部門の基礎的な収益力は着実に向上していると分析されています。
リテール・デジタル事業本部 (RD)
預金残高増やCFの拡大が増益に寄与しました。また、カード新規申込や住宅ローン新規実行も拡大しました。
法人・ウェルスマネジメント事業本部 (法人ウェルス)
専門人材拡充等の社内体制強化や、顧客アプローチ拡大・案件捕捉力の向上により、事業承継関連融資や資産運用収益が伸長しました。
コーポレートバンキング事業本部 (JCIB)
国内大企業向けビジネスが中心で、安定した収益基盤を維持しています。
グローバルコマーシャルバンキング事業本部 (GCB)
Krungsri (KS) や Bank Danamon (BDI) などの海外グループ会社が中心です。為替・決済を中心にクロスセルが堅調に推移しました。KS決算期変更に伴う影響がありました。
受託財産事業本部
資産運用・管理ビジネスが中心です。国内外において着実に預かり資産を積み上げ、手数料収益が拡大しました。AM/IS (アセットマネジメント/インベスターサービス) のKPI目標は引き上げられています。
グローバルCIB事業本部 (GCIB)
プロジェクトファイナンス(PF)やクロスセルが堅調に推移しました。プライマリー・セカンダリ間の連携も進展しています。
市場事業本部
一過性の収益を活用した債券ポートフォリオの組替え影響(23年度:約▲2,000億円、24年度:約▲7,800億円)により、営業純益は前期比で大幅な減少となりました。
三菱UFJフィナンシャル・グループの財務状況はどう変化した?
2025年3月期末の財務状況は以下の通りです。
勘定科目 | 2025年3月期末 (百万円) | 2024年3月期末 (百万円) | 増減 (百万円) |
---|---|---|---|
総資産 | 413,113,501 | 403,703,147 | +9,410,353 |
負債 | 391,385,368 | 382,956,169 | +8,429,199 |
純資産 | 21,728,132 | 20,746,978 | +981,154 |
自己資本 | 20,520,374 | 19,587,974 | +932,400 |
自己資本比率 | 5.0% | 4.9% | +0.1ppt |
1株当たり純資産 | 1,783.37円 | 1,670.45円 | +112.92円 |
当連結会計年度末の総資産は、前期末比で9兆4,103億円増加し、413兆1,135億円となりました。
純資産は、利益剰余金や為替換算調整勘定等の増加により、前期末比9,811億円増加の21兆7,281億円となりました。
主要勘定残高としては、貸出金が前期末比4兆6,104億円増加の121兆4,361億円、預金が前期末比4兆4,777億円増加の228兆5,127億円となっています。
キャッシュフローの状況
勘定科目 | 2025年3月期 (百万円) | 2024年3月期 (百万円) | 増減 (百万円) |
---|---|---|---|
営業活動による キャッシュ・フロー | 6,415 | △9,844,860 | +9,851,275 |
投資活動による キャッシュ・フロー | 186,948 | 3,986,415 | △3,799,467 |
財務活動による キャッシュ・フロー | △861,116 | 8,307 | △869,423 |
現金及び 現金同等物期末残高 | 109,095,437 | 109,875,097 | △779,660 |
営業活動によるキャッシュ・フローは64億円のプラスとなり、前期の9兆8,449億円のマイナスから大幅に改善しました。主に、税金等調整前当期純利益の増加(前期比+4,995億円) や、貸出金の純増額の縮小(前期6兆7,633億円の純増に対し当期4兆617億円の純増)、預金の純増額の縮小(前期9兆4,104億円の純増に対し当期3兆6,072億円の純増) などが影響しています。
投資活動によるキャッシュ・フローは1,869億円のプラスで、前期の3兆9,864億円のプラスから減少しました。これは、有価証券の取得による支出が前期の92兆8,193億円から108兆1,258億円へ増加した一方、有価証券の売却による収入が前期の64兆1,009億円から55兆7,341億円へ減少したことなどが主な要因です。
財務活動によるキャッシュ・フローは8,611億円のマイナスとなり、前期の83億円のプラスからマイナスに転じました。これは、自己株式の取得による支出が前期の4,002億円から4,185億円へ増加したこと、配当金の支払額が前期の4,398億円から5,330億円へ増加したこと などが影響しています。
主要財務指標(ROEなど)
指標 | 2025年3月期 | 2024年3月期 | 変化 |
---|---|---|---|
ROE (自己資本当期純利益率) | 9.3% | 8.1% | +1.2ppt |
ROA (総資産経常利益率) | 0.7% | 0.5% | +0.2ppt |
ROE(自己資本当期純利益率)は9.3%と前期から1.2ポイント改善しました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益の増加が主な要因です。ROA(総資産経常利益率)も0.7%と前期から0.2ポイント改善しています。
三菱UFJフィナンシャル・グループの株主還元はどう?
MUFGは株主還元を経営の重要課題の一つと位置付けており、安定的かつ持続的な増配を目指しています。
2025年3月期の年間配当金は、1株当たり64円(うち中間配当25円)となり、前期の41円から23円の大幅な増配となりました。配当金総額は7,419億92百万円、配当性向(連結)は40.0%です。 さらに、2026年3月期の配当予想は、1株当たり70円(うち中間配当35円)と、6円の増配を予定しており、配当性向は40.3%となる見込みです。
自己株式取得については、2025年3月期において総額4,000億円(24年5月決定の1,000億円、24年11月決定の3,000億円)の取得を実施しました。2026年3月期上半期においても、総額2,500億円を上限とする自己株式取得を決議しており、株主還元への積極的な姿勢を示しています。これにより、2025年3月期の総還元額は1兆1,420億円、総還元率は61.3%となりました。
三菱UFJフィナンシャル・グループの来期見通しと戦略について
MUFGは、2026年3月期の連結業績予想として、親会社株主に帰属する当期純利益の目標値を2兆円としています。これは、2025年3月期の実績1兆8,629億円から約7.4%の増益を目指すものです。 IBESがまとめたアナリスト13人のコンセンサス予想の平均値1兆9714億円と比較すると、会社目標は1.45%上回る強気な設定と言えます。
この目標達成に向けて、MUFGは中期経営計画の主要戦略を着実に推進していく方針です。 主な戦略ポイントは以下の通りです。
- 顧客部門の収益力強化
2025年度の業務純益目標は2兆2,000億円(24年度実績1兆5,911億円から+6,089億円)を見込んでおり、そのうち顧客部門の営業純益増が大きなドライバーとなる計画です。- 国内リテール顧客基盤の強化: ネット証券戦略として三菱UFJ eスマート証券でのサービス連携強化や、BaaS(Banking as a Service)の展開を進めています。
- 法人×WM(ウェルスマネジメント)ビジネス強化: 専門人材の育成・採用を加速し(24年度1,970名、前期比+640名)、顧客アプローチを強化。事業承継関連融資(24年度1.0兆円)や資産運用収益の拡大を目指します。
- GCIB(グローバルCIB)・市場一体ビジネスモデルの進化: Global Structured Solutions (GSS) を通じた高ROE案件の組成や、銀証一体プラットフォームの強化(海外証券の銀行子会社化を予定)を進めます。
- アジアプラットフォームの強靭化: アジアを「第二のマザーマーケット」と位置づけ、インドCIBビジネスの成長、インドネシア・フィリピン・ベトナムの高成長捕捉、デジタル金融等への投資を通じて経済圏の拡大を図ります。KS(クルンシィ銀行)は25年は成長軌道への回帰を目指します。
- 資産運用立国実現への貢献
AM/IS(アセットマネジメント/インベスターサービス)のKPI目標を引き上げ(資産運用残高29年度目標145兆円、BPO受託残高29年度目標100兆円)、運用力強化や資産運用会社サポートを推進します。 - GX(グリーン・トランスフォーメーション)起点でのバリューチェーン支援
国内外でGXプロジェクトの共創(24年度実績34件)やファイナンス支援を強化します。 - 新たな事業ポートフォリオへの挑戦
電力市場への参入やフィンテック企業との協業など、新規事業の立ち上げを進めています。 - BS収益性の向上
貸出利ざやの改善や円貨・外貨預金の積み増しを図ります。 - 債券ポートフォリオの最適化と金利上昇への対応
2025年3月期に実施した債券ポートフォリオの組替え効果に加え、今後の金利上昇局面での収益機会を捉えます。本邦政策金利が0.5%程度、FF金利が4%台前半との前提を置いています。 - 経費コントロール
24年度の経費率は66.9%(債券ポートフォリオ組替え影響除き57.6%)でしたが、戦略的な経費投下は継続しつつも、業務効率化などを通じてコントロールを図ります。 - RWA(リスク・アセット)コントロール
低収益性RWAの削減目標(中計▲5兆円に対し実績▲5兆円)は概ね達成し、高収益性RWAへの戦略的配分(中計+12兆円に対し実績+5兆円)を進めます。 - 政策保有株式の削減
中計の売却目標7,000億円に対し、24年度売却実績は2,760億円、未売却の売却合意残高は2,360億円となっています。 - AI活用とデジタルトランスフォーメーション(DX)
システム投資計画を9,000億円に増額し(今中計当初8,000億円から+1,000億円)、AIネイティブな組織への変革を目指し、業務効率化(現時点での期待業務量削減時間 約3百万時間) だけでなく、新たな付加価値創出に向けたAI活用(M&A AIマッチング等)を全社的に推進します。 - サステナビリティへの貢献
カーボンニュートラル社会の実現に向けた移行計画の実効性を高めるとともに(Climate Report 2025発行)、金融経済教育の提供件数目標を80万人に引き上げるなど(26年度KPI)、社会課題の解決に向けた取り組みを強化します。 - 中長期ROE目標
企業価値実現に向け、ROE(東証定義)12%程度を中長期的な目標として新たに設定しました。
三菱UFJフィナンシャル・グループの2025年3月期決算が株価に与える影響は?
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)が2025年5月15日に発表した2025年3月期決算は、市場の注目を集める内容となりました。ここでは、投資家目線で、今回の決算内容が株価に与えるであろうプラスとマイナスの影響について分析します。
プラスの影響を与えた要因
- 堅調な当期純利益とROEの改善・目標前倒し達成
- 親会社株主に帰属する当期純利益は1兆8,629億円と、前期比25.0%の大幅な増益を達成しました。これはQUICKコンセンサス予想(1兆8,589億円)を若干上回る水準です。
- ROE(MUFG定義)は9.9% 、ROE(東証定義)は9.3% となり、それぞれ前期から改善し、中期経営計画の目標を前倒しで達成したことは、経営戦略の着実な進捗を示すものとしてポジティブに評価されるでしょう。
- 積極的な株主還元策
- 2025年3月期の年間配当金は1株当たり64円と、前期から23円の大幅な増配となりました。
- 2026年3月期の配当予想も1株当たり70円と、さらなる増配を見込んでいます。配当性向も40%程度を維持する方針が示されており 、安定したインカムゲインを期待する投資家にとって魅力的です。
- 2025年度上半期に総額2,500億円を上限とする自己株式取得を決議したことも、株主還元の強化と資本効率の改善期待から好感されるでしょう。
- 強気な来期(2026年3月期)業績目標と中長期ROE目標の引き上げ
- 2026年3月期の親会社株主に帰属する当期純利益目標を2兆円と設定しました。これはIBESコンセンサス予想(1兆9,714億円)を上回る水準であり、経営陣の自信の表れと受け止められます。
- 中長期的なROE(東証定義)目標を新たに「12%程度」に設定したことは 、資本効率と収益性向上への強いコミットメントを示すものであり、企業価値向上への期待を高めます。
- コアビジネスの堅調な推移
- リテール・デジタル、法人・ウェルスマネジメント、コーポレートバンキング、グローバルコマーシャルバンキング、受託財産、グローバルCIBといった主要な顧客部門の営業純益は、為替影響や円金利上昇の恩恵もあり、総じて増益基調を維持しました。これは、MUFGの事業ポートフォリオの多様性と基礎的な収益力の強さを示唆しています。
- リテール・デジタル、法人・ウェルスマネジメント、コーポレートバンキング、グローバルコマーシャルバンキング、受託財産、グローバルCIBといった主要な顧客部門の営業純益は、為替影響や円金利上昇の恩恵もあり、総じて増益基調を維持しました。これは、MUFGの事業ポートフォリオの多様性と基礎的な収益力の強さを示唆しています。
- 与信関係費用の大幅な改善
- 与信関係費用総額が、海外での大口貸倒引当金戻入などにより前期比で大幅に減少し、1,087億円の費用となりました(前期は4,979億円の費用)。これは利益を大きく押し上げる要因となりました。
マイナスの影響を与えた要因
- 市場事業本部の不振
- 市場事業本部の営業純益が▲6,417億円と大幅なマイナスになったことは 、ポートフォリオ組替えという戦略的な意図があったとしても、短期的な収益性の悪化として捉えられる可能性があります。この戦略的意図と将来的な収益改善効果について、市場への丁寧な説明が求められます。
- 市場事業本部の営業純益が▲6,417億円と大幅なマイナスになったことは 、ポートフォリオ組替えという戦略的な意図があったとしても、短期的な収益性の悪化として捉えられる可能性があります。この戦略的意図と将来的な収益改善効果について、市場への丁寧な説明が求められます。
- 営業経費の増加
- 営業経費は3兆2,281億円と、前期比で3,393億円増加しました。これは海外における買収影響や成長に向けた資源投入、インフレ影響等によるものと説明されていますが 、コストコントロールへの意識も引き続き注視されるでしょう。経費率は66.9%と前期の61.0%から悪化しましたが、債券ポートフォリオ組替え影響を除けば57.6%と改善しています。
- 営業経費は3兆2,281億円と、前期比で3,393億円増加しました。これは海外における買収影響や成長に向けた資源投入、インフレ影響等によるものと説明されていますが 、コストコントロールへの意識も引き続き注視されるでしょう。経費率は66.9%と前期の61.0%から悪化しましたが、債券ポートフォリオ組替え影響を除けば57.6%と改善しています。
- 包括利益の大幅な減少
- 当期純利益が増加した一方で、包括利益は2兆696億円と前期比で37.6%減少しました。これは主に「その他の包括利益」の変動によるもので、特にその他有価証券評価差額金の減少などが影響しており 、金利変動など市場環境に対するバランスシートの感応度を示すものとして、一部の投資家には懸念材料となる可能性があります。
- 当期純利益が増加した一方で、包括利益は2兆696億円と前期比で37.6%減少しました。これは主に「その他の包括利益」の変動によるもので、特にその他有価証券評価差額金の減少などが影響しており 、金利変動など市場環境に対するバランスシートの感応度を示すものとして、一部の投資家には懸念材料となる可能性があります。
- 外部環境の不確実性
- 決算説明資料でも米国の通商政策など、地政学リスクやマクロ経済の不確実性について言及されており 、これらの外部環境の変化が今後の業績に与える影響は、投資家にとって引き続き注視すべき点です。
まとめ
三菱UFJフィナンシャル・グループの2025年3月期決算は、金利環境の変化や海外事業の貢献を背景に、堅調な増益を達成しました。特に、与信費用のコントロールや株式売却益が利益に貢献しました。株主還元策も強化されており、来期の増配予想と自己株式取得の継続は好感されるでしょう。
来期は2兆円の当期純利益目標を掲げ、中期経営計画で推進する各戦略を加速させる方針です。特に、アジア市場での成長、デジタル技術を活用した業務改革と新サービス創出、そしてGX(グリーン・トランスフォーメーション)への取り組みが、今後のMUFGの企業価値向上を左右する重要な鍵となります。また、新たに設定されたROE12%程度という中長期目標の達成に向けた具体的な道筋にも注目が集まります。世界経済の不確実性は依然として残りますが、MUFGの多角的な事業ポートフォリオと戦略実行力が、これらの課題を乗り越え、持続的な成長を実現できるか、引き続き注視していく必要があります。
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